魔法つかいプリキュア! 〜奇跡と魔法と幸福の翼〜   作:シロX

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多忙で大分遅れました〜。
代わりに裏では、まだまだ先のオリストを4話分くらい話書いてました

ではスタート!


第21話 大切な友達

出会いや別れというものは突然やって来る。

しかしその二つ以外にももう一つだけ、突然な事が起きる事もある

 

それが再開というやつだ

 

「フランソワさんは用事としてだが、お前らはただの観光か?」

 

「寧ろそれ以外何があるっていうんだ?」

 

突然の再開にこれ如何に。翼達はいちごメロンパンをみらい達と仲良く食べてるのだが、その席にはそれ以外の人達も居る

 

ジュン、ケイ、エミリー、フランソワ。誰も彼も魔法界の住人。

フランソワはナシマホウ界でお使いという名目、ジュン達は遊びに来たって感じだった

 

「それにしても、こっちにも妖精が居るんだね」

 

ケイがはーちゃんの事を見て、ナシマホウ界の妖精だと勘違いしていた

 

「こんにちは、はーちゃんだよ!」

 

「はーちゃんは、魔法界から一緒に来たんだよ」

 

「そういえば皆んなは魔法界でどんな魔法を覚えたんだ?数ヶ月会ってないが、それなりの魔法は勉強してるんだろ?」

 

翼の言葉にジュンは待ってましたと言わんばかりの態度で、魔法の言葉を唱え始めた

 

「キュアップ・ラパパ!」

 

「あ、ちょっと!」

 

言葉で説明すればいいものを、無闇に魔法を使うジュンに注意をしようとリコが前のめりになる

 

しかしそれよりも早くジュンが魔法を使ってしまう

 

「記念撮影しな」

 

手元にある羽ペンに魔法を掛けて、スケッチブックにスラスラと描いていく。

しかもそれは、リコが知る以上の速さだった

 

「この前授業で習ってね」

 

「やっぱり二年生は大変だよ。色んな魔法を覚えなきゃいけなくて」

 

「先週なんて上級者向けのほうきにも乗ったの。怖かったぁ…」

 

「だってよリコ。凄いな…リコ?」

 

先程まで注意しようとした勢いは無く、何故か意気消沈していた

 

 

 

 

 

フランソワの用事ついでに、津成木町を見ながら歩き始めた一向だが、ジュン達はナシマホウ界に興味津々の目で見渡していた

 

「何あれ!?」

 

「自動車って乗り物よ。中々快適よ」

 

「「「乗ったの!?」」」

 

「まぁね、道を教えてくれる便利な道具もあるんだから!」

 

まるで覚えたての言葉を自慢げに話すその姿に、リコは鼻を高くするが意外な人物にやってへし折られる

 

「カーナビゲーションシステムか?」

 

「ジュン詳しいね」

 

「ナシマホウ界はアタイの憧れ。『ナシマホウ界最強ガイド天の巻・地の巻』何回読んだ事か!」

 

「知ってたのね…」

 

そんなリコに、翼は肩に手をやって同情の目で見つめる

 

「そんな時もあるさ」

 

「そんな憐れむ様な目で見ないでよ!」

 

今度は真上を飛ぶヘリコプターに目が行く。それを見てジュンはスケッチブックを取り出すのだが

 

「だから魔法がバレるでしょ!」

 

ナシマホウ界での魔法は禁止もあるが、他の人にバレる事を恐れてリコはとにかく抑え込む

 

そんなやり取りをしていると、遠くでみらいの声を呼ぶ少女達が居た

 

「みらい〜!」

 

「まゆみ、勝木さん!」

 

「三人に会えるなんて最高過ぎ!今、勝木さんと遊びに行くところだったの」

 

偶然通り掛かった二人がわざわざ声を掛けてくれた。それは嬉しかったのだが、そんなのお構いなしに問題は発生する

 

「キュアップ・ラパパ!」

 

「待て…ぐっ!!?」

 

ジュンがまた魔法を使って撮影しようとしたのを、翼が羽ペンを掴んで力技で抑え込む。その手はプルプルと震えていた

 

「どうしたの急に?」

 

「な、何でもない…はぁ」

 

魔法の効力が切れたのか、羽ペンはようやく動きを止めたてくれた

 

「あ、みらい達のお友達?」

 

「えぇ、貴女達は?」

 

「わたしの故郷の友達。ケイとジュンとエミリーよ」

 

「私はフランソワ。貴女達も一緒にどう?」

 

 

 

 

 

////////

 

フランソワの誘いを受けて、まゆみと勝木もショッピングモールへ着いて行く事となった

 

魔法界出身のリコ達からすると、ショッピングモールは未知の領域らしく驚きの表情をしていた。

ジュンはガイドブックである程度の事前情報を得られている為、そこまで驚きはしてはいなかった

 

「魔法商店街みたいだね」

 

「え、魔法商店街?」

 

「はいはいあっちに面白いのがあるよ!」

 

「本当だ行こう!ささ!」

 

「え、みらい、翼!?」

 

ここから、翼とみらいの壮絶なフォローの掛け合いが始まるのであった

 

 

 

 

 

「「つ、疲れた〜……」」

 

休憩としてモール内のレストランで立ち寄った皆んな。

そこでは、翼とみらいがやつれた表情でテーブルに突っ伏していた

 

理由としては、行く先々で魔法界の事がバレそうだったりでフォローするのに大変だったのだ

 

そんな苦労は梅雨知らずのジュン達は、まゆみ達とドリンクバーの方で集まっていた

 

今この場に居るのは翼達に加えフランソワの四人

 

「懐かしいわ。私もこっちに来た時はあんな感じにはしゃいでいたわ」

 

「こっちに住んでたんですか?」

 

「貴女達時にくらいにね。別に珍しい事じゃなくてよ。ナシマホウ界には、魔法界の人間も沢山住んでいるの」

 

そう言って近くの席に座る男性、お店のスタッフ店員が翼達に手を振って挨拶していた

 

「世界は狭いな。リコと会う前に、もう既に会ってたりとか?」

 

「フフ、その可能性は大いに有り得るわ」

 

 

 

 

 

ショッピングモールでの用事を済ませ、外に出て自転車屋の前でジュン達は少し立ち寄っていた

 

そんなジュン達を見てリコは何か思う事があった。

けれどフランソワには、リコの考えはお見通しだったようだ

 

「心配ないわよリコちゃん。私もこっちに居た時はちょっぴり不安だったわ。魔法界の皆んなより遅れをとってるんじゃないかって。でもね、こっちでは魔法学校では教わらない色んな事が勉強出来るのよ」

 

「そうだよ!リコも言ってたじゃない!」

 

 

『── 無駄な努力なんてない。どんな事でも一生懸命頑張ればきっと自分の力になる』

 

 

「リコだってちゃんと進んでる。それは近くで見てる俺達がそれをよく知ってる。気にすんな」

 

翼とみらいからも言葉を貰って、リコはつい笑みを溢すのであった

 

「そろそろ時間ね。あの子達を呼びに行って来るわ」

 

フランソワはジュン達の元へ行くと、それを見計らってか、ゲゲが翼の髪を引っ張って呼び出した

 

『ゲゲ、招かれざる客が来たぞ…』

 

「はぁ…?」

 

振り返ると、物陰に潜んで居るスパルダが此方を見ていた

 

「貴女…またエメラルドを?!」

 

「いいや、今日はエメラルドと違ってね」

 

「みらい、翼来て!!」

 

リコが二人の手を引いて、ほうきに跨らせて空高く飛んでその場を退散した

 

「待て!!」

 

当然ながらスパルダも追い掛けては来る。

しかし、ほうきに対して足で追い付こうなどと少々無謀というもの。

見失わない程度の距離を保つのが関の山

 

「おいリコ、いくら何でも三人乗りはキツいぞ!」

 

「ちょっと黙ってて!今集中してるんだから!」

 

『フフ、来たわよ!』

 

スパルダは建物を利用して、地上から空に飛ぶほうき近くまで接近して来る。

逃れる為に翼は狭いほうきの上で立ち上がった

 

「翼君何するの!?」

 

「足を持て!」

 

「え、あうん!」

 

言われるがままにみらいは、翼の足を持って固定して安定感を維持させる

 

そして煉魔之刀剣を手にして構える。翼がしようとしているのは牽制程度の抵抗

 

「因果──」

 

「もう、無理…!」

 

剣を振り上げる翼だったが視界が急転して浮遊感が襲う。

短時間ならともかく、長時間での三人乗りはやはり厳しく、リコは限界を迎えてそのまま真っ逆さまへ落ちて行った

 

「「「うわっ!?」」」

 

適当な建物の屋上に不時着したのは良いが、受け身を取れず三人仲良く屋上で転がる

 

「あ、リンクルスマホンが!」

 

落ちた衝撃でリンクルスマホンも落とすも、リコはすぐに拾ってホッとする

 

「もう逃さないよ」

 

追いついて来たスパルダだったが、リンクルスマホンからはーちゃんが出て来て三人を庇う

 

「三人をいじめちゃダメ!」

 

「こいつらなどどうでも良い。私が欲しいのはリンクルスマホンだ。寄越しな!!」

 

「う…」

 

スパルダの声にはーちゃんは怯えてしまうが、それを危惧して翼達が前に出る

 

「貴女なんかに渡さないわ!」

 

「こんな屋上じゃ、ヨクバールを呼び出すのも苦労するんじゃないのか?」

 

翼の言う様に生憎此処は建物の屋上。いつもみたく何かを媒体としてヨクバールを出すが、周りにはそれらしい物は無い

 

けれどスパルダはそんな事は百も承知で、予め保険を掛けていた

 

「それはどうかな?」

 

スパルダが指差す方向には、クモの糸で絡められていたヘリコプターがあった

 

「こっちの物は使えるからねぇ。ドクロクシー様が強くお望みなんで。何がなんでも手に入れる!!」

 

 

「魔法入りました!」

 

 

ヘリコプター上空に闇の魔法陣が現れて、自分のその中へと飛び込んだ。

そして空は黒い雲に覆われ闇と化してしまった

 

「変身するモフ!」

 

 

 

「「キュアップ・ラパパ!」」

 

「「サファイア!」」

 

「「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

 

 

「「魔法つかいプリキュア !」」

 

 

煉魔之刀剣(れんまのとうけん)──侵食率40%!」

 

 

 

 

 

三人は闇に染まる雲の中へと突入してヨクバールを探すのだが

 

「「「ッ!?」」」

 

『ゲゲゲ、まさかそんな事が出来るとはな』

 

翼達が目にしたヨクバールは、スパルダ自身とヘリコプターを媒体としたヨクバールの姿だった

 

「ヨコせ…リんクル、すまホンをォ……ドクロクシーさま、の為ニ…!!!」

 

スパルダは両手からクモの糸の塊を乱射する。

当たればひとたまりもないが、翼達はそれを素早く避けて凌ぐ

 

しかし、思った以上に攻撃の波が激しく避けるのにも限界が訪れる

 

「きゃあ!」

 

「「ミラクル!!」」

 

とうとうミラクルに被弾し撃ち落とされてしまった。

マジカルが助けようと手を伸ばすが、その背後からスパルダが迫り来る

 

「マジカル!」

 

即座に翼がマジカルの背後に立ち、バッティングの構えで煉魔之刀剣を振り翳す

 

「グゥ…ダァッ!!」

 

全力で振り抜いてスパルダを突き離したが、反動で翼も後ろへ後退してマジカルと背中同士でぶつかった

 

「悪いマジカル大丈夫か?」

 

「大丈夫よ。こっちこそ助かったわ」

 

「二人共良かった!」

 

ミラクルも大勢を立て直して翼とマジカルと並び立つ

 

「闇ノ中で勝てるハズがない。ヤミハ、あらゆるモノを覆い尽くス。ドクロクシー様の、闇ハ、こんなモンじゃない!!」

 

「因果──」

 

『ゲゲ、間に合わない!!』

 

「ッ!」

 

得意の因果の斬撃で切り落とそうとしたが、スパルダの方が速く攻撃を中断せずにはいられなかった

 

翼は咄嗟の判断で煉魔之刀剣をゲゲに投げ渡して、両手でスパルダの体を受け止めた

 

「お、重てぇ…!!」

 

ヘリコプターも媒体してる為、体の大きさに比例して力も強くなっている。

ジワジワと押されるも片翼しか無い悪魔の翼を大きく広げて踏ん張り、ゲゲとの侵食率も上げていく

 

「侵食率50%…!!」

 

最大まで解放するも、その場で踏ん張るまでが限界だった

 

「魔法界も、この世界モ…全てヲ覆い、闇のセカイとなる!!」

 

『ゲゲ、ツバサ魔法を使うんだ!』

 

「んな事言ったってよ、ミラクル達に近付けさせない様にするので手一杯なんだ……あ?」

 

背中から二つの手が翼を支えてくれた

 

「「翼(君)!!」」

 

「ミラクル!マジカル!」

 

守られてるばかりじゃダメと思い、ミラクルとマジカルも翼を支えて手を伸ばしてくれた

 

「友達が居るの。どっちの世界にも大切な友達が居るの!」

 

「大切なの!わたしに色んな事を教えてくれるの、魔法界とこの世界の皆んなが!」

 

「何より楽しかったの……皆んなと一緒で、また皆んなで一緒に遊ぶんだから!」

 

「だから、闇の世界にするなんて!」

 

「「絶対に許さない!!」」

 

ミラクルとマジカルは翼の背中から肩へと手を移動させ、力を入れて頭上を飛び越えてスパルダにダブルキックで蹴り飛ばした

 

『ゲゲ、チャンスだ!』

 

ゲゲから煉魔之刀剣を受け取り、そのまま魔法の斬撃を放つ

 

因果斬り(カルマぎり)!!」

 

放った黒い斬撃はスパルダのプロペラに直撃し、因果の魔法によって動きが止まりそのまま墜落して行く

 

「ナニっ!?」

 

「決めろ!」

 

 

 

「「リンクルステッキ!」」

 

「「サファイア!」」

 

 

「「青き知性よ!わたし達の手に!」」

 

「「フルフルリンクル!」」

 

「「プリキュア !サファイア・スマーティッシュ!」」

 

 

 

 

 

////////

 

浄化を終えると空はすっかり晴れたのだが、夕焼け空となっていた

 

三人は急いで皆んなと合流するのであった

 

しかしジュン達は時間となって、フランソワに背中を押されて強引に魔法界へと帰って行った

 

かなとまゆみもその姿を手を振って見送った

 

翼達も帰宅する為に二人とは別れて、その道中でゲゲが気になる言葉を溢す

 

『ゲゲ、全てを覆い尽くす闇の世界か…』

 

「ちょっとゲゲ、いくら悪魔だからってあっち側に寝返る気?」

 

リコが聞いていたのか、指を立てて目を細めて睨んでいた

 

『ゲゲ、そういう意味じゃねぇよ。只気になってよ…』

 

「気になるってどんな事?」

 

二人の会話にみらいも参加し、翼も聞き耳を立てる

 

『ゲゲ、オレ達悪魔は知っている。闇なんてまだ明るい存在だと』

 

「闇が明るいって意味分かんねぇぞ?」

 

『ゲゲ、それは闇より深く、もっと深い、漆黒の"闇"。その名は──』

 

「馬鹿言うなよ。不吉だ」

 

ゲゲがその名を語ろうとしたのだが、翼がそれを遮って話を打ち切った

 

「そんな訳分からん存在を語られても意味無い。目の前の事を集中しようぜ?」

 

「そうね、翼の言う通り変な心配の種を増やされても困るだけよ」

 

「うん!今は皆んなで楽しも!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これから先の事は深く考えず、只楽しい今を満喫して過ごして行くのだった




次回は二話分分けての予定となっております

ここまでの拝読ありがとうございました
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