魔法つかいプリキュア! 〜奇跡と魔法と幸福の翼〜   作:シロX

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かなり時間が掛かってしまいました

ではスタート!


第24話 勇気、それは逃げない

「ガーネット…」

 

未だにガーネットが自分のせいで奪われてしまった事を悔やんでいるはーちゃん

 

事実を言えば、はーちゃんが手放しさえしなければこの様な事態にはならなかった。

しかしあの大乱戦での状況は尚更仕方なかった

 

『ゲゲゲ、しゃーないってはー坊』

 

『フフフ、はー子が無事ならそれで良いのよ』

 

「それにガーネットは、三人が見つけてくれるモフ!」

 

「そうだよ安心して!」

 

気にする様な事ではないと促してはいるものの、やはり責任を感じており表情は未だに暗かった

 

そんな時だった。窓から黒い折り紙で作られた鳥が部屋に入って、一通の手紙へと変わってリコの手の中に収まった

 

「手紙だな…中身は?」

 

封を開き、中身を確認すると魔法文字でこう書かれていた

 

「『最果て島で待つ。ガメッツ』」

 

「「最果て島?」」

 

「魔法界の島の名前よ」

 

ガメッツからの手紙。最果て島という場所で待つという果たし状だった

最果て島は海を越え、空を越えた遠い魔法界の最果てにある島

 

「魔法界……リコ、翼君!」

 

 

 

 

 

////////

 

三人はすぐさまトランクに簡単な手荷物を詰め込んで支度を整え、懐かしの魔法界へと飛び出した

 

魔法学校の制服に身を包み、低空飛行で海の上を飛んで最果て島へと猛スピードで向かっていた

 

「それにしても最果てって一体何処なんだ?」

 

「それは……わたしにもよく分からないわ」

 

「知らないで飛んでいるのか…わっぷ!?」

 

突然リコの急ブレーキで、並行して飛んでいたみらいも一緒になって止まり、その後ろに乗っていた翼はみらいの背中に鼻をぶつける

 

「あ、ごめんね翼君」

 

「それよりも、だ……」

 

「仕方ないでしょ!知っていたらわたしだって苦労はしないわ」

 

「ええいリコは頼りにならん!校長に場所を聞くんだ!」

 

「翼君待って…あははっ!待って待ってくすぐったいよぉ〜!!」

 

みらいの懐に手を入れて水晶を探している時だった。

海の中から突然一人の人魚が飛び出した

 

「みらいさん、リコさん、翼さん久し振り」

 

「ロレッタ先生!」

 

ロレッタだけではなくドロシー、ナンシー、シシーも海から出て来た

 

「みらいちゃん!」

 

「リコちゃん!」

 

「翼くん元気〜?」

 

「そりゃ元気だけど、里から出て来てこんな所で何してるんだ?」

 

「私達空を飛ぶ練習をしているの」

 

教え子三人を連れて一緒に空を飛べるように特訓をしていたようだ。

多分、人魚の里での一件で彼女達を変えたのだろう

 

「皆んなこそ何してるの?」

 

「わたし達最果て島に向かってるんです」

 

「最果て島?ほうきで向かっていたら、あと三日は掛かるわ」

 

「「「三日も!?」」」

 

最果てというのだから多少の時間は掛かると覚悟していたが、予想以上の日数に驚愕する

 

「三日ってお前…俺達が先に餓死してしまうだろうが!!」

 

「だからわたし言ったわよね!?知らないって!」

 

「知らな過ぎるにも程があるだろ!てかそもそも、知らない所に行くのなら事前に確認してから出掛けるもんだろ!」

 

「だったら翼が先にその事を言えば良かったのよ!!」

 

「あの〜…」

 

「あはは、ごめんなさい…こんなんでも、リコと翼君って意外と仲良くて息ピッタリなんで」

 

「「誰がコイツと!!」」

 

否定しようにも、それを訂正するにも声がハモってしまう仲の良さ。ロレッタはなんやかんや微笑んでいた

 

「分かったわ。ちょっとついて来て」

 

 

 

 

 

「海の中を走る船!わくわくもんだ〜!」

 

ロレッタに潜水艇を使わせて貰い、最果て島近くまで送って貰える事となった。

しかも、ほうきで三日は掛かる距離をこの潜水艇なら僅かな時間で辿り着ける高性能

 

「ありがとうございます!」

 

『ゲゲゲ、それにしても空飛ぶ練習だなんてご苦労なこった』

 

「空飛ぶ人魚は本当に居た。プリキュアが…みらいさんとリコさんが私達に勇気をくれたの」

 

「プリキュア…勇気……」

 

 

 

それから暫くすると本当に僅かな時間で最果て島付近まで到着した

 

「最果て島はもうすぐよ」

 

「何処にあるの?」

 

「上よ。最果て島は空に浮かぶ島。このまま高くほうきで飛んで行けば」

 

『フフ、上ってまさかあの空を越えろと言うの?』

 

見上げる空には、雷雲が立ち込む嵐雲が漂っていた。到底ほうきでは不可能

 

「ゲゲとフフに掴まって飛んで行けば行けるモフ?」

 

『『無理無理』』

 

天使と悪魔。二人して仲良くその提案を断った。

となると本当に嵐を越える手段が何もない

 

そんな時だった

 

別方向の空から、二匹のペガサスが此方へ向かって飛んで来た。しかもそのペガサスには見覚えのある二匹

 

「あのペガサスってあの時の!」

 

それもその筈、魔法の森での補習授業で出会ったペガサス親子だった

 

「でも、ペガサスどうしてこんな所に?」

 

ペガサスはジッと見つめて何かを伝えようとしていた

 

しかしペガサスに言葉は喋れない。無言の見つめ合いが続く中でドロシーが提案する

 

「ねぇ、魔法で喋れる様にしたら?」

 

「そうすれば理由が分かるかも」

 

「ううん、魔法は必要ないわ」

 

「目を見れば伝わるよ」

 

そうしてみらいとリコは、真剣にペガサスの瞳を見て心情を読み解く

 

「「乗せて行ってくれるの?」」

 

ペガサスはそう頷いてくれた。どうやら心がちゃんと通っていた

 

「ペガサスは人に懐かないのに。二人の事はとても好きみたいね」

 

「わたし達とおんなじだね!」

 

「二人の強さが私達を変えたのよ」

 

「そんな事ないよ!」

 

「わたし達は、皆んなの強い想いに支えられてこれまで頑張れただけ」

 

二人が謙遜する隣で、子供のペガサスがはーちゃんに鼻を近付ける

 

「はーちゃんにもありがとうって言ってるモフ」

 

「あの時、お花のパンケーキごちそうさまっえ事かな!」

 

「本当?」

 

その答えに子供のペガサスはちゃんと応えてくれた

 

「はーちゃんも皆んなの力になってるモフ!」

 

「それにしても良いな〜!ペガサスと目を見ただけでお話が出来るなんて」

 

シシーの呟きに翼が反応した

 

「実はな、そういう魔法をリコは何度か失敗してるんだ。だから敢えて使わなかったんだ」

 

「今すぐその頭を弾け飛ばしてあげようか?」

 

真顔で杖をクルクルと回して準備万端のリコに、翼は顔を引き攣る

 

((((将来尻に敷かれそう…))))

 

人魚四人は、翼とリコのやり取りを見てそう心の中で思った

 

 

 

 

 

////////

 

「ありがとう行って来ます!」

 

ペガサス親子に空の上まで運んで貰い、とうとう目的地である最果て島を目の前にした

 

ペガサス親子とは此処でお別れして、みらい達はほうきでガメッツが待つ島まで大急ぎで向かうのであった

 

「来たよ!!」

 

「さっさとガーネットを返しなさい!」

 

「やっと来たなプリキュア。待ちぼうけでこちらを苛立たせ、油断させようというお前らの作戦は分かっている」

 

「ちょっとアイツ何言ってるんだ?」

 

「「さ、さぁ?」」

 

何かの勘違いをされており、あらぬ誤解を生んでしまっているが、それがガメッツの闘士に油を注ぐこととなっていた

 

「今回はしっかりとお前らの戦い方を学んで来た。今まで抑えていた我が力、お前らの為に全て解放しよう」

 

ガメッツは背負っている甲羅を自ら破壊した

 

「ここから先は、我にもどうなるか分からない────ッ!!」

 

甲羅が割れる時、ガメッツからドス黒いオーラが放出されて、その体格にまで影響を及ぼして全体的に図体が大きくなる

 

そんな見た目だけのコケ脅しならよいのだが、見ての通りあらゆる身体能力が上がっているのが感じる

 

「赤いプリキュアと天使で来い。本気で力比べをしようではないか」

 

挑発でもないそんな会話だったが、意外にもフフがそれに食い付いた

 

『フフ、半分の力しか出せないとはいえ、ワタシも随分と舐められたものね』

 

「そっちがその気ならこっちも本気を出すしかない。後で文句は言うなよ」

 

三人は目で合図して要求通りに、ルビーと天使の力を使って変身する

 

 

 

「「キュアップ・ラパパ!」」

 

「「ルビー!」」

 

「「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

 

 

「「魔法つかいプリキュア !」」

 

 

大天翼之剣(だいてんよくのつるぎ)──侵食率50%!」

 

 

 

「お前達の本気の力見せてみよ!!」

 

見た目の大きさからは想像以上の速さで近付き、翼を通り過ぎてはミラクルとマジカルに狙いを定めて二撃、三撃と拳で攻撃する

 

上手く二人で防御しつつ、攻撃された勢いを利用して後ろへと下がり距離を置く

 

けれどガメッツの猛攻はそれで止まる事は無い。

いつの間にか高くジャンプして、上空から拳を振り上げてくるつもりだ

 

「「ッ!」」

 

ミラクルとマジカルはバックステップで避けて、ガメッツの拳が地面に衝突するその瞬間

 

『フフ、いきなり無視とはいい度胸ね!!』

 

ガメッツが着地するその僅かな隙を突いて、翼が斬りかかる

 

「そこだ!」

 

「フン!」

 

ガメッツは咄嗟に拳を開き、手の平を地面に突いて自分の体を押し上げて片手でジャンプした。

結果それが翼の攻撃に対する回避行動となり、虚しくも大天翼之剣は空を斬る

 

「コイツ変わったのは見た目や身体能力だけじゃねぇ!」

 

『ゲゲ、状況判断も凄まじく良くなってやがる!』

 

完全な無防備な状態に晒されてる背中にガメッツの膝蹴りが炸裂し、そのまま地面に押し潰されて島の一部が崩壊する

 

「モフルン!」

 

「はーちゃん大丈夫!?」

 

その場近くに居たミラクル達も巻き込まれて、足場の行き場が無くそのまま落下。モフルンとはーちゃんは落ちはしなかったが、破片が飛び交う中で身を屈める

 

「よそ見とは随分と余裕だな!」

 

崩壊する瓦礫の中でもガメッツは止まらず突き進み、ミラクル達に襲い掛かって来る

 

「うらぁ!!」

 

だが横からタックルで翼がガメッツに飛び込んだ。腰にしがみ付いて、意地でもミラクル達に近付けさせないように抵抗する

 

「小物みたいな戦い方。それで勝てるとでも?」

 

『フフ、勝つしかないのよ!!』

 

翼はそのまま浮遊島に突っ込んで押し付け、更に押し付けた所から幾つものツタが生えてガメッツを拘束する

 

「天使魔法、エレメンタル──」

 

「遅い!」

 

四元素で大剣を形成途中、ガメッツに蹴り飛ばされ魔法が不発で終わってしまった。

更にガメッツは追撃で翼に襲い掛かり、島へとはたき落とした

 

「「翼(君)!!」」

 

倒れた翼に駆け寄って肩を貸して起こす。

ここまでの圧倒的な差はナギ以来のこと。翼もそれを重々承知しており歯軋りをする

 

「クソッ!イライラする!!」

 

「マジカルは翼君をお願い!」

 

三人が集まっているのを見て、敢えてガメッツはその中へと突っ込んで来る。

あちらも実力の差に気付いている

 

「ハアァァァッ!!」

 

マジカルに翼を任せ、ミラクルは単身のみで迎え撃つ。

拳と拳が激しくぶつかり合い、その余波で風が巻き起こる程のものだった

 

「たぁ…っ!!」

 

間髪入れず手足を最大限に使い、攻めの一手を続けるもそれすらも全て防がれる。

ミラクルが繰り出す拳に同じく拳で力任せに弾き、膝蹴りや回し蹴りなどの足技に対してもはたき倒して受け流していた

 

「強さとは力!強大なパワーを持った者が世界を手に入れる!闇の魔法の強大な力こそ今の軟弱な魔法界、ナシマホウ界を支配するに相応しいのだ!!」

 

ガメッツはミラクルの左拳を上へと弾き、右腕を掴んで捕らえた

 

「しまっ……かはっ!!」

 

逃げられないミラクルに強烈な裏拳がヒットし、壁に打ち込まれてしまった

 

倒れたミラクルの次に狙うはマジカル

 

「マジカル退け!」

 

「そんな体では無茶よ!」

 

マジカルに介抱されていた翼が足を引きずりながら、盾になる様にして前へ出る

 

「その勇敢さは褒めてやる。しかし──」

 

翼との距離を一瞬で詰めて、大天翼之剣を蹴り飛ばして別の浮遊島に突き刺さる

 

「それだけで我を倒す事は不可能!!」

 

『フフ、ツバサ早く大天翼之剣を呼び戻して!!』

 

「戻って来い!大天──」

 

「遅い!!」

 

呼び戻す前に張りて手で呆気なく吹き飛ばされる

 

「翼…きゃっ!!」

 

吹き飛んだ翼を受け止めようとしたが、踏ん張れず自分も巻き添えとなり地面を転がる

 

転がる先には壁など無く、止まる事なくそのまま島から放り出された

 

「やばい…だっ!!」

 

空中でマジカルの手を右手で掴み、フフによって侵食された左手で島の壁に手を突っ込んで引っ掛けた

 

「ふぅ…マジカル大丈夫か?」

 

「えぇ、助かったわ。けど…」

 

一瞬ヒヤッとしたものの、翼の機転で間一髪のところで助かりはした。

けれどマジカルが心配するように、このままでは地上へ真っ逆さま

 

今のマジカルはルビースタイル。サファイアスタイルではない為空に飛べない。翼がマジカルを引き上げないといけない状況だが

 

「運良く助かった様だが、そんな所に居るのでは何も出来まい」

 

上を見上げればガメッツが佇んでいた

 

「それは俺達が二人だったらな」

 

その言葉に眉を顰めると、その背後からミラクルが飛び掛かった

 

「やぁっ!!」

 

ミラクルの蹴りがガメッツの頬に直撃して、横へ蹴り飛ばした

 

「マジカル!翼君!」

 

「助かったミラクル!マジカル上がるんだ」

 

何とかミラクルが二人を引き上げて地に足を着くことは出来た。

しかし、既に疲労困憊で三人共肩で息をしている

 

長期戦は圧倒的に不利となる。力で負けてしまっているが、強引にでもガメッツを倒さないといけない

 

ガメッツがいる方へ目を向けるが既にそこには居ない

 

「こっちだ」

 

いつの間にか三人の背後へと回り込んでいた

 

「大天翼之剣!!」

 

即座に翼は大天翼之剣を呼び戻して手の中に収める。

そして次からの行動が早かった

 

ミラクルはしゃがみ込んで足を払いに、マジカルはジャンプして踵での攻撃、翼は真っ向から斬り伏せようと一斉に動き出す

 

「小賢しい真似など通用しない!!」

 

ミラクルとマジカルの攻撃には敢えて防御せず、翼に対しては腕で防御をして全ての攻撃をその身で受け切った

 

「二人共離れるんだ!」

 

翼の指示でミラクルとマジカルは一旦距離を置いた。

翼も離れるのだが、それと同時に次の攻撃にも手は抜かない

 

大天翼之剣が淡く光ると、ガメッツを取り囲む様にして地面から土で出来た壁が飛び出る

 

「これで…どうだ!!」

 

左手を地面に叩き付けると、ガメッツの足下から火の柱が噴き出して爆発する

 

「やったね翼君!」

 

「いやまだよ!!」

 

ミラクルが警戒を解きそうな時、マジカルが声を上げて再度気を引き締めさせる。翼も油断していた事もあって、ミラクルと共に爆発が起きた場所を凝視しする

 

すると黒煙の中からガメッツが突進して襲い掛かって来る

 

「我は全て力で滅ぼす!!」

 

「「「そんな事させない!!」」」

 

大天翼之剣を地面に突き立て、土で構築した壁や槍で近付けさせまいとするも、ガメッツは意も返さず接近する

 

「止まらないか!」

 

「「わたし達が止める!」」

 

ミラクルとマジカルは、足を踏み締めて勢いを付けてガメッツに正面から向かって行くも、黒いオーラを纏わせた腕によって弾かれる始末

 

「「きゃあぁぁ!!」」

 

「何!?──ぐわッ!?」

 

そして今度は弾かれた二人に、翼と衝突して共に吹き飛ばされる事となった

 

 

「ミラクル!マジカル!翼!」

 

 

遠くから心配するモフルンの声が聞こえるも、それ以上のダメージを負ってしまい立ち上がるどころか、返答する力もままならない

 

「フフフ、敗れたり」

 

最後のトドメをさそうと歩み寄るガメッツに、はーちゃんが目の前に現れる

 

「?」

 

「ダメ…ダメ!ダメ!」

 

「何だ、お前が我を止めると言うのか?」

 

力無きはーちゃんも、三人を守ろうと必死になって抵抗はするが、目に見えて虚しいくらいに効いてない

 

「それでも戦ってるつもりか?痛くも痒くもないぞ」

 

「はーちゃん危ないモフ!こっち来るモフ!」

 

モフルンがはーちゃんを遠ざけようとするが、本人がそれを拒否する

 

「逃げない!」

 

はーちゃんはこれまでの戦いの最中を思い返す。

人魚の里、魔法の森の時もそうだ。怖くて、強い敵が目の前に現れたとしても、誰一人として逃げずに立ち向かっていた

 

だから自分もと、そう強い意志を見せる

 

「その勇気は立派だが、誰かを思う気持ちだけでは我には勝てぬ。もうプリキュアは起き上がれぬ」

 

軽く息を吹き掛けて、止めようとするはーちゃんを容易く飛ばす

 

しかし、今まで守られていたはーちゃんだからこそ、今この瞬間だけは絶対に譲れない。引き下がれない想いがある

 

「そんなことない!ミラクルとマジカル、翼だって諦めない。プリキュアは、三人は強い───強いのーー!!!」

 

はーちゃんの強い言葉と意志に呼応して、マジカルが持っていたリンクルスマホンが、ピンクの光りが放ち、最果て島を覆っていた曇り空を明るく照らし出した

 

「小賢しい真似を!」

 

謎の光による力にガメッツは苛立ち、か弱いはーちゃんに向けて拳が振り下ろされる

 

一緒に居るモフルンと共に強く目を閉じた時、三つの影が前に飛び出してガメッツの拳を受け止めた

 

「ミラクル!マジカル!翼!」

 

「何を今更?」

 

三人の力を合わせて踏ん張っても尚、ガメッツの力はそれを上回り少しずつ後退させる

 

けれど今の三人は、先程までとは違った力を発揮させる。

押されていた筈がそれに耐え、一歩、また一歩と足を前に踏み締めて、気合いの声を上げると同時に押し返した

 

「何!?」

 

「戦う力が全てじゃない!」

 

「誰かを思う気持ちだって強さなのよ!」

 

「その強さが大きな力になる!」

 

三人のその力と気迫に圧倒され身を引かせるも、ガメッツの真髄は折れはしない。それどころか、火に油を注ぐ様に認めぬ思いを強く表す

 

「我は認めぬ───そんなもの強さではない!!」

 

「認めないならそれでもいい。只な、そんな強さもあるってのを知って欲しい。それだけだ!!」

 

左の翼が大きく広げさせ、風に乗った勢いをも利用して、今持てる全ての魔力を込めて接近する

 

大天翼之剣に莫大なる浄化の力、そして集まる四元素の力をフルに活用して纏わせ、全力の一撃を振り放つ

 

「天使魔法──エレメンタルブレイカー!」

 

「そのような攻撃が通用するとでも!?」

 

真剣白刃取りで大天翼之剣を受け止めた

 

だが、ダメージは僅かに通っている。四元素の内一つ、火の魔法がガメッツの受け止める手を焼いている。更に追い討ちで、風の魔法が手を切り刻み込む

 

それでも押し切れないのは、やはり根本的な問題である力関係だ。

あともう一押しなのだが、翼一人の力では負けてしまう

 

「通用しないさ───俺一人だけならな!!」

 

「……まさか!?」

 

ガメッツに影が差して、上を見上げれば太陽を背にしている、ミラクルとマジカルがリンクルステッキを構えていた

 

「行くよマジカル!」

 

「えぇ!タイミングを合わせるわよ!」

 

 

 

「「リンクルステッキ!」」

 

「「ルビー!」」

 

 

「「紅の情熱よ!わたし達の手に!」」

 

「「フルフルリンクル!」」

 

「「プリキュア !ルビー・パッショナーレ!」」

 

 

 

翼のエレメンタルブレイカーに、ルビー・パッショナーレを加えて威力を爆発的に上げる

 

しかし、このやり方には二つ問題がある

 

一つはタイミング。合わせるタイミングが少しでもズレれば、失敗して自分達が衝突して終わる

 

二つ目は力の制御。お互いの力を一つにした後、更にそれを維持しなければならない。これも息が合わなければ、放出する魔力が行き場を無くしてその場で大爆発を起こす

 

どちらも、三人の呼吸を一つにするのが必須条件。そんな鬼畜じみた難易度を、即興でやるのは無謀以外の何者でもない

 

しかし、それをやってのけるのがこの三人

 

「「「重なった!」」」

 

大天翼之剣とリンクルステッキを慎重に束ねた時、敵を貫く為の威力、そして浄化の力が凄まじく跳ね上がる

 

「このまま一気に!」

 

「「決める!!」」

 

三つの手も重なり、心も体も全てを一つして最後の力を振り絞る

 

「「「ハアァァァァァ!!!」」」

 

「オオォォォォォォ!!」

 

そしてガメッツの足が、少しずつ後ろへと下がって行く

 

「何!?我が!」

 

最後の最後まで何が起こるかは分からない。ガメッツの意思も強かったが、それ以上に翼達の意思が勝っていた

 

そしてとうとう、白刃取りをしていた手を抜け出し、懐へと潜り込で三人の重ねた攻撃が決まる

 

決まって通り越すその後ろでは、聞こえはしなかったが、ガメッツは何やら満足気な言葉を残して浄化されて戦いは終わりを迎えた

 

 

 

 

 

////////

 

「ガーネットが戻ってきたわ!」

 

「ありがとうはーちゃん!」

 

「それにしても…」

 

はーちゃんの勇気ある気持ちが届いた結果、窮地の三人を救った。笑顔でありがとうとお礼と同時に、リンクルストーン・ガーネットを取り返した事にも歓喜する

 

翼も微笑み掛けて感謝の意を伝えるが、その時起こったリンクルスマホンの事象に気に掛ける

 

「何だったんだろうな?」

 

あり得ない程の力を感じ、それと同じくらい優しい何かに包まれてるのを知った

 

疑問を持ちながらリンクルスマホンに目を向けていると、はーちゃんが三人の目の前まで飛んで来る

 

「みらい、リコ、翼。だ〜いすき!」

 

突然の事だったが、はーちゃんからそんな事言われては喜ばずにはいられなかった

 

「わたしもわたしも!はーちゃん大好きだよ!」

 

「急に言われると小恥ずかしいな…」

 

「な〜に?翼照れてるの?」

 

「モフ、モフルンは?」

 

『ゲゲゲ、愉快だな』

 

『フフフ、はー子は本当に素直な子ね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも守られている存在だったはーちゃん。そんな彼女の勇気に力を貰うのは、これだけで止まる事は無い

 

この先、幾度となく────




地の文に関して、今までの話の修正などをしていきたいと考えております。修正というより、後付けの感じて直して行きます

ここまでの拝読ありがとうございます
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