魔法つかいプリキュア! 〜奇跡と魔法と幸福の翼〜 作:シロX
ではどうぞ
闇の魔法が強大となり、周りの環境に悪影響が出始める
空は雷雲が立ち込み、植物は枯れ果て、海は荒れ果てる。それは魔法界だけではなく、ナシマホウ界にも影響を及ぼすほど
リンクルストーン・エメラルドの輝きを持つリンクルスマホン、ドクロシー。光と闇が一体となった今、止める手段は残されていない
世界に災いが今にも降り掛かろうとする以上に、みらいは彼女の事を第一に考える
「闇の魔法とかそんなの知らない。それよりもはーちゃんを……はーちゃんを返して!!」
『ウォォォォ!!』
ドクロクシーの雄叫びに風が吹き荒れ、全員が吹き飛ばざれそうになる。いつまででも吹き続ける風に、リコが耐え切れず飛ばされそうになった時
「リコ!!」
間一髪のところでみらいが手を掴んで支えた。握りしめるその手は、離れないように強く繋いでくれていた
みらいはいつもそうだ。リコより前に出ては、その手を握って見たこともない世界に連れ出してくれる。
その他にも、どんな状況でもその手を離さない様に握ってくれていた
「リコ、大丈夫だよ」
「…そうね、うん。わたし達がしっかりしなきゃね!」
繋いだ手を更に強く握り締めると、それにリンクルストーンが応えてくれた
「甘い匂いモフ!」
「まだ、希望はある!」
リンクルストーンは、その希望であるみらいとリコの元へと吸い寄せられる様に現れて、リンクルストーン・ダイヤが一際輝きを放っていた
「行くよリコ、翼君!」
『キュアップ・ラパパ!』
『ダイヤ!』
『ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!』
「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」
「ふたりの魔法!キュアマジカル!」
『魔法つかいプリキュア!』
「
「わたし達は、ただ返して欲しいだけ」
「俺達は俺達の為に戦う。だから!」
「「はーちゃんを返して!!」」
その様な事がどうだと言う返事の代わりに、ドクロクシーは体から無数の黒い触手で仕掛けて来た
『ゲゲ、来るぞ!』
「分かってる!持っとけ!」
悪魔の翼を大きく広げ、煉魔之刀剣を一度ゲゲに預けた後にミラクルとマジカルの手を掴んで、ドクロクシーへ向かって飛んで行く
四方八方から襲い掛かって来るが、空を飛べる翼はそれを全て避けて行く
「ぶちかませ!」
触手全てを攻撃に回してる為、ドクロクシー自身の防御は手薄。翼は二人を胸の方へ投げ飛ばして、その勢いに任せて二人は蹴りをかました
「「やあっ!!」」
『グゥッ…!』
直撃はしたものの二人の攻撃を受け切った。蹴りを入れた二人はその場で動きを止めている。それを見たドクロクシーは、両手で捻り潰そうとして来たのだ
「間に合わないなら!」
ミラクルとマジカルがその場から離脱するのは無理と判断した翼は、わざと因果の斬撃を二人に向けて放った
二人は足に力を入れて蹴り出すも、やはり回避は不可能。だがそれを可能とさせるのが、翼が放った斬撃
斬撃は二人をすり抜けて、ドクロクシーに直撃してよろめいた。そのお陰で、ミラクルとマジカルは潰されずに、翼の両腕に収まった
このやり方は、以前にもした覚えのやる戦法。ミラクルとマジカルには、斬ったという原因を無くして、そのまますり抜けていったのだ
「「よろめいた!」」
すかさずミラクルは、リンクルステッキを構えてリンクルストーンをセットする
「リンクル・アメジスト!」
目の前に現れた魔法陣の中に、ミラクルとマジカルを持ったまま翼は飛び込んだ
更に魔法陣は、ドクロクシーの頭の上に二つ、顎下に一つ現れて、それぞれの中から翼達が飛び出して攻撃の準備をしていた
ミラクルとマジカルはドクロクシーの上から、翼は顎下に向かって蹴りと拳を同時に叩き込んだ
「「「ッ!」」」
ミラクルとマジカルの蹴りは両腕で防がれたが、翼の拳は顎をかち上げた
「よし…ガッ!!」
だが、かち上げられた頭を起き上がらせるついでに、翼に頭突きの反撃を繰り出した
地面に落とされて怯んでる隙に、ドクロクシーは両目から光線を放とうとしていた
「リンクルステッキ──リンクル・ムーンストーン!」
ドクロクシーの顔の前に、マジカルが満月型のシールドを展開して、翼への攻撃を防御した
「ハッ!」
今度はドクロクシーが防御された事に後退り、その隙に翼が二撃の斬撃を放って反撃した
斬撃は見事に命中し、その追撃にミラクルとマジカルがもう一度蹴りをお見舞いして、ドクロクシーに尻餅をつかせた
今までにないチャンスに、翼は悪魔魔法を右腕に込めて凶悪な爪で切り裂いてやろうとするも、やけになって繰り出した足裏に蹴り飛ばされた
ようやくドクロクシーは立ち上がろうとするも、まだプリキュア達の妨害は続いてく
「リンクル・ガーネット!」
ミラクルがガーネットの力で、足場となっている魔法陣を揺らして立ち上がらせない様に行使する
「ハァァッ!」
背後に回っていたマジカルが、うなじに向けて向かって行くも、それに気付いたドクロクシーは足場に手をついて体制を固定し、振り返っては両目から赤い光線を放ち、命中させた
倒れるマジカルを掴んで、数メートル先にある岩に投げ飛ばした
「マジカル──きゃっ!」
マジカルの心配をして油断が出来た隙に、ドクロクシーの重たい拳がミラクルの体に突き刺さり、こちらも数メートル先にある岩場まで吹き飛ばされた
『我に力を…!』
ドクロクシーは、周りのある植物などの力を自らの体に取り込み、力を増大させる
「私もドクロクシー様のお力に…」
ヤモーもドクロクシーに魅了されて、自らの体もかえりみずに差し出そうする。けれどヤモーの尻尾を、モフルンと校長が掴んで止めに行く
「ならぬ、闇に呑み込まれては」
「ダメモフ!」
「ふぐぐ〜っ!」
敵とはいえ、懸命に止めようとする二人だが、トカゲの様に尻尾を自ら切って抜け出した
「ドクロクシー様〜!」
二人の静止は無念にも届かず、ヤモーはその忠誠心を身を持って表して、差し出したのであった
ヤモーを取り込んだ事により、ドクロクシーの体の質量が多くなって、少し見た目が大きくなった。
勿論見た目だけではなく、そのパワーも桁外れに上がっている
近くで倒れてる翼を狙いをつけるかと思えば、ミラクルの方へとドクロクシーは足を向ける
『フフ、此方は無視するの?』
「無視だと…舐めるな!マジカル早く来い!」
「これでも急いでるのよ!!」
マジカルは岩の破片を足場として飛び移り、翼も悪魔の翼を広げてドクロクシーへ向かう
ドクロクシー後頭部に煉魔之刀剣の刃、マジカルの拳を打ち付ける。揺らす程度の斬撃と打撃を与えたが大して効かず、片腕でマジカルを海の中へとはたき落とし、そのまま翼を捕らえた
『力を一つに…!!』
「やばっ!!」
ドクロクシーは口を開けて、翼ごと力を吸収しようとしていた。早く脱出をしたいが、ジタバタするだけで何も出来ずじまい
「翼君!!」
「離しなさい!!」
ミラクルが飛び膝蹴り、海中から出て来たマジカルが肘でドクロクシーの手を弾かせた
「皆んなの力を無理矢理呑み込むなんて!」
「そんなの、力を一つにするなんて言わない!」
「力を合わせるって意味が分からないなら」
「「教えてあげるわ!」」
戦いも最終局面に差し掛かった時、ドクロクシーの体内から、突如として緑の光が溢れ出していた
「とっても甘い匂いモフ!きっと、はーちゃんが呼んでるモフ!」
「呼んでいるなら、それに応えなければな」
『ダイヤ!』
『永遠の輝きよ!私たちの手に!』
『フル・フル・リンクル!』
二人がダイヤをステッキで描く隙を見計らって、ドクロクシーは口から禍々しい光線を放って妨害にでた
ドクロクシーの思惑通り、浄化技の体制に入ってしまいそれを中断する事は出来ない。
けれど一人だけ、動ける者が後ろに控えていた
「ゲゲ、全部出し切るぞ!」
『ゲゲゲ、残る魔力ありったけ持ってくんだな!』
戦っているのはミラクルとマジカルだけではない。戦っていれば、いつかこんな場面があるのは分かっていた
だからこそ、そんなピンチの時に二人を支える翼となるのが彼──十六夜 翼だ
全魔力を纏った煉魔之刀剣の刀身は、大剣と呼べる程の大きさまで変化させた
高く掲げ、準備は整った
「悪魔魔法──全力の
踏み出す一歩は大地に減り込み、揺らす。同時に振り下ろした斬撃は、触れた光線を容易く真っ二つに切って消滅させた
『ナニ……グッ、グォォ!!』
ドクロクシーの攻撃を打ち消した直後、緑の光りは更に膨らみ、そのままドクロクシーの口から外へと出て行った
光も全て、はーちゃんによるものだった
「「はーちゃん!」」
はーちゃんがドクロクシーの体内から抜けた事によって、思う存分に魔法を放てる事が可能となった
『プリキュア!ダイヤモンド・エターナル!』
エメラルドの力を失ったドクロクシーは、抵抗もままならず、呆気なく浄化されたのだった
三人は変身を解いて、ゆっくりと落ちて来るリンクルスマホンをキャッチしようとするのだが、人の姿をした巨大な闇が現れた
その闇こそ、ドクロクシーの怨念そのもの。不意を突かれて、変身する暇などない
怨念が迫り来る時、リンクルスマホンが輝いてはーちゃんが出て来た
「「「はーちゃん!」」」
はーちゃんの輝きが最高潮に達した時、姿形を大きく変えて、翼達と大差変わらない妖精の少女へと成長した
優しく両手を広げて、その余りある力を持って怨念を容易く消し去った
すると、形崩れる怨念の中からドクロクシーの本当の姿であるクシィが姿を現した
クシィは、はーちゃんに連れて行かれるように天へと昇って行った
それを見届けると、はーちゃんは一気に力を解放した。光が辺り一面を覆い尽くし、収束すると、力を奪われて枯れた植物達が息を吹き返してたちまち緑を取り戻した
だが、残ったのはリンクルスマホンのみで、中にはーちゃんが居ることはなかった
それでも、全てが消えた訳ではなかった
「…甘い匂いがするモフ。遠くで甘い匂いがするモフ」
「それって、また会えるって事でいいんだよな?」
「モフ」
「「はーちゃん…」」
残された者達は、消えた者の帰りを待つ事しか出来なかった
次回から第三章です
ここまでの拝読ありがとうございました