魔法つかいプリキュア! 〜奇跡と魔法と幸福の翼〜   作:シロX

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やっとこさ合流です

ではスタート!


第3話 集まる戦力

「う〜ん!補習からの解放感は清々しいわね!」

 

「リコおじさんみたい!」

 

「急に辛辣になったわね…」

 

ひゃっこい島から帰って来た4人。うんと羽を伸ばしている途中だった

 

「ねぇナギちゃん、これから何するの?」

 

「私?私は…帰ってまた研究かな?」

 

「ねね、ナギちゃんの家に行ってもいいかな?」

 

みらいは興味津々と手を挙げるに対し、リコは何か面倒な表情をしていた

 

「あの、みらい。ナギの家に行くのはちょっとオススメはしないわ…」

 

「何で?」

 

「それは……言えないわ」

 

「気になるモフ」

 

「気になる気になる!」

 

「嫌々!思い出したくも無い!!」

 

リコはその場に座り込んで震えていた

 

「う〜ん、リコがこんなんだからまた今度で」

 

「ガックシ」

 

みらいが落ち込んで肩を落としてる時、モフルンは何か感じ取っていた

 

「モフルン?」

 

「甘い匂いがするモフ」

 

「もしかしてリンクルストーンが近くに!?」

 

みらい達は辺りを見渡す。しかし、それらしい輝きは見受けられない

 

「モフ?」

 

「何か分かった?」

 

「匂いがあっち行ったり、こっち行ったりしてるモフ!」

 

「「「??」」」

 

首傾げる一同。

その時、爆発音に近い大きな音が上空で何度も鳴り響く

 

「「「上?」」」

 

上空、三つの影が入り混じり合う

 

一つ、コウモリ男のバッティ。一つは、ヨクバール

 

最後の影は、右翼を生やし、刀を持った少年が飛び回っていた

 

「誰々!リコ知ってる?」

 

「箒を使わず空を飛び人なんて知らないわよ…」

 

「リコリコ、私が居るじゃん」

 

「って、それよりも早くヨクバールを何とかするわよ!みらい、モフルンお願い!」

 

 

 

「「キュアップ・ラパパ!」」

 

「「ダイヤ!」」

 

「「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

 

 

「「魔法つかいプリキュア !」」

 

 

 

「ナギちゃん、モフルンをお願い!」

 

「気を付けてね!」

 

ミラクルとマジカルは、ヨクバールに立ち向かう少年へと急ぐのであった

 

 

 

 

 

「オラァ!!」

 

ヨクバールに気合いの籠った一閃を与える

 

「ヨクバール!!」

 

しかし浅かったか効いていなかった

 

「これだけダメージを与えてるのに元気だと面倒だな」

 

『ゲゲ、違う、お前の攻撃が全部浅いんだよ。慣れない力に振り回されてんだよ』

 

飛行能力を手に入れたが、その分攻撃に荒々しさが目立ち思う様にコントロールが出来ていない

 

『ゲゲ、侵食率を一度15%まで下げるぞ』

 

「そんなもの力技でやってやる!」

 

『ゲゲ、その力技で無理だったからこんな状態になってるんだろ。それに25%まで上げたのは、追い掛けるだけの為だ』

 

「だったら奴に一撃与えた後だ」

 

翼を大きく広げ、ヨクバールへと猛スピードで接近する

 

「ゲゲ!」

 

『ゲゲ、なら一丁派手に決めてやるぜ!!』

 

刀身から漆黒のオーラが纏われ、一気に振り抜く

 

「悪魔魔法──因果──」

 

『ゲッゲ!?馬鹿速すぎる!!』

 

翼は渾身の一撃を、ヨクバールの目の前で刀を振った。

勿論当たる訳も無く、虚しくも空を切った

 

「あ…」

 

「ヨクバール!!」

 

「がはっ!!」

 

ヨクバールに吹き飛ばされた翼は、建物の屋根に叩き付けられる

 

「クソッタレが…」

 

『ゲゲ、ツバサ加減を間違えたな…』

 

荒ぶる力を制御しようと加減してしまったのが仇となった。

そのせいでタイミングがズレてしまったのだ

 

『ゲゲ、ツバサ前を見ろ!』

 

「ッ!」

 

顔を上げればヨクバールが目の前まで迫っていた

 

「正面から斬ってやる!!」

 

『ゲ、いや間に合わない!!』

 

 

「「やあぁぁ!!」」

 

 

翼が体勢を整えようとした時、下からヨクバールを蹴り上げる二人組の少女が現れた

 

「は、え?何だテメェらは?」

 

「大丈夫ですか?」

 

少女二人組、キュアミラクルとキュアマジカル

 

「あの程度一人でどうにでもなった。だがありがとうな」

 

ミラクルの手を取り翼は起き上がる

 

「助けてあげたのに、何で上から目線なのよ?」

 

「テメェこそ偉そうだな」

 

「今の会話で何処が偉そうなのよ…」

 

マジカルは眉をヒクヒクとさせてはいるが、何とか怒りを抑えようとしている

 

「あ、わたしはキュアミラクル!宜しくね!」

 

「俺は翼だ。んで、この堅物女は?」

 

「キュアマジカルよ!!この脳筋め!」

 

「んだとぉ!」

 

『ゲゲゲッ、お前ら何で自己紹介で喧嘩するんだよ!?』

 

「わぁ!刀が喋ってる!」

 

ミラクルはカタカタと動いて喋る煉魔之刀剣に目を光らせる

 

『ゲゲ、俺はゲゲって言う悪魔だ』

 

「今、悪魔って言いました!?」

 

『ゲゲゲ…コイツら本当に面倒だな。ゲ、それよりもヨクバールの相手はしなくていいんか?』

 

「「「え?」」」

 

ゲゲの言う様に前を向くと、ヨクバールがこちらをジッと見ていた

 

「呑気にお喋りとは随分と余裕がありますね。ヨクバール!」

 

「ギョイ!」

 

ヨクバールが突進して来たが、それを翼は右手だけで受け止めた

 

「安心しろよ。お前の事は忘れてないからよ!」

 

「「ハァッ!」」

 

翼が掴んで逃げれない様にしてるところに、ミラクルとマジカルの同時攻撃がヒットする

 

「よ、ヨクバール!!」

 

エネルギーを瞬時に溜め、そして一気に放出した

 

「ゲゲ、今度こそ仕切り直しでやってやるぞ」

 

『ゲゲッ、いい心掛けだ!今度はしくじんなよ!』

 

翼は煉魔之刀剣を鞘に収め、居合いの構えで力を溜め込む

 

「悪魔魔法──因果切り(カルマぎり)!」

 

漆黒の刀身が、ヨクバールの放ったエネルギーを一瞬で消し飛ばした

 

『ゲゲゲ、俺の悪魔魔法は"因果"。原因と結果のみしか斬れないが威力は御覧の通りだ』

 

そして打ち合わせでもしてたかの様に、ミラクルとマジカルが飛び出した

 

 

 

「「リンクルステッキ!」」

 

「「ダイヤ!」」

 

 

「「永遠の輝きよ!私たちの手に!」」

 

「「フルフルリンクル!」」

 

「「プリキュア!ダイヤモンド・エターナル!」」

 

 

 

 

 

「悪魔を使役する少年…次から次へと面倒が増えますね。オボエテーロ!」

 

バッティは呪文を唱えて撤退して行った

 

しかし翼だけは納得してなかった

 

「あ、テメェ待ちやがれ!」

 

『ゲ、もうダメだ。行っちまったよ』

 

「貴方さっきから怒ってばかりね。意外と沸点低いのね」

 

「テメェ喧嘩売ってんのか?売ってるよな?上等だ買ってやるよ!!」

 

「面白いじゃない!!」

 

「ちょっと待ってよ2人共!」

 

翼とマジカルが火花を散らしながら、勃発する寸前でミラクルが仲裁に入った

 

「仲良くね?」

 

「…しゃーないな」

 

「何でミラクルには素直なのよ…」

 

「ハッ、テメェみたいな堅物学級委員長は好かん!」

 

「それはこっちの台詞よ!!」

 

「2人共!!」

 

「「…」」

 

そろそろミラクルの怒りが頂点に達する前に、2人は喧嘩はやめて押し黙った

 

「それよりも此処から離れよう。じゃないと目立って元に戻れないから」

 

 

 

 

 

////////

 

人気の無い場所。そこでミラクルとマジカルは変身を解いて、元の姿へと戻った

 

『ゲゲ、プリキュアって面白れぇな〜』

 

「それじゃあ改めて、わたしは朝日奈みらい!」

 

「……リコよ」

 

「はぁ〜ん」

 

「な、何よ?」

 

翼はリコの事をジロジロと見た後、溜め息を吐く

 

「ペチャパイだな」

 

小馬鹿にする様に笑いながら失礼な事を言う

 

「カッチーン!」

 

『ゲゲ、全く…誰か来たな』

 

ゲゲがそう教えると、モフルンを連れたナギは現れた

 

「こんな所に居たんだ…って誰?」

 

「みらい〜!リコ〜!」

 

「モフルン!」

 

みらいはモフルンを抱きしめて頬擦りする

 

「いや誰!?」

 

「それはこっちの台詞だ。テメェこそ誰だ?」

 

「私はナギ・カイン」

 

「俺は翼」

 

「あ、この子はモフルン!」

 

「だから何で他の人と態度違うのよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

騒がしい喧騒をしながらも、この世界──魔法界について説明されながら魔法学校へ案内される翼だった






フェイクフードシャツ、カーゴパンツを着た口の悪い少年。要するに不良少年

みらい達の言う事は素直に聞くが、リコに対しては毛嫌いしており何かと悪態をついては反抗する


ゲゲ

悪魔魔法:因果

訳あって悪魔封じられていた悪魔。喋る際に、頭に「ゲ」の単語を付ける。
煉魔之刀剣に取り憑いてはいるが、取り引きで翼の体の中に潜る事が多くなる。
悪魔の癖に意外と優しい


煉魔之刀剣 れんまのとうけん

刀身が漆黒の色をした刀。
手に取る事によって、悪魔の力を得られて侵食率に応じて限界以上の強化を得る。
造られた経緯などは不明

侵食率に応じて、刀を持つ右腕から黒いアザで染まり、腕を振りかざせば敵を切り裂く凶器に変貌する。更に、悪魔の翼も生えて飛行も可能とする。瞳が紅く変色する
最大侵食(50%)で右半身は全て黒きアザに染まる

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