魔法つかいプリキュア! 〜奇跡と魔法と幸福の翼〜   作:シロX

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結構最近書いてます

ではどうぞ


第30話 はーちゃんのお部屋

「朝日奈さんこんにちは〜!」

 

朝日奈家の玄関前で、そう声を出しているのは翼だった。ことはの様子が気になって、訪れているのが目的。そのついでに、みらい達と遊べるなら遊ぼうという考えも、一応持ち合わせてはいる

 

インターホンを鳴らして誰か出て来るのを待っていると、玄関からではなく庭の方から大吉さんが顔を出してくれた

 

「こんにちは」

 

「こんにちは。翼君だね、上がって上がって。みらいなら今家の中に居るから」

 

「ではお邪魔しますね」

 

朝日奈家に上がり込んだ時、ついでと言わんばかりに大吉と一緒に居たリコとことはが、後ろから声を掛けてくれた

 

「珍しいわね、翼から会いに来るなんて」

 

「悪いかよ。はーちゃんの様子を見に来たんだよ。ついでに遊びにもな。家に居ても、誘いに来るだろ?」

 

「それもそうね。わたし達は、おじ様のお手伝いが終わってからみらいの所に行く所だったの」

 

「そういえばみらいは?」

 

「みらいならわたしのお部屋にいるよ!」

 

ことははウキウキで、屋根裏に続く階段を教えてくれて、その案内にしたがって上がって行く。

そこで待っていたのは、背中を向けてモフルンと一緒にビーズメーカーを使って色んな物を作っていた

 

「みらい、モフルン何作ってるんだ?」

 

「翼君!じゃ〜ん見て見て!はーちゃんのお部屋に飾るんだ〜!」

 

「へぇ〜。もうすぐ終わりそうなのか?」

 

「まだまだって感じかなぁ〜」

 

「俺も手伝うから使い方を教えてくれ」

 

「ありがとう!えっとじゃあこれを──」

 

 

 

 

 

それから暫くしていると、大吉の手伝いを終わらせたリコとはーちゃんが戻り、翼達の様子を見に来た

 

「三人共何してるの?」

 

「フッフッフ〜、コレをこうやってこうするの!」

 

ビーズメーカーで作り上げた幾つかの物を、壁へと飾って部屋の色味を更に引き出させる。家具は十分にあったのだが、模様が無いためどうしても質素な感じが否めなかった。その為のビーズメーカーでの作業だったのだ

 

「モフルンが考えたの?」

 

「モフ」

 

「ありがとう!モフルンが一生懸命作ってくれたのが嬉しい!」

 

「はーちゃんの喜ぶ顔が見たかったモフ!」

 

「どうせなら、もっと他のも付け加えた方が見栄えは良くなると思うけど。どうする?」

 

「それなら買い出しに行きましょう!」

 

 

 

 

 

////////

 

簡単に買い出しとなるとすれば、向かう先は商店街。まだまだ自分の部屋を可愛く出来る事を嬉しく思うことはは、鼻歌混じりでどんな部屋にするか考えていた

 

商店街を歩く途中、ゲゲはリコを呼んで二人っきりにさせた。翼達は前を歩かせて、話が聞こえないくらいの小声で二人で背中に抱える問題について話す

 

『ゲゲ、もう夏が来ちまったがいつ話すんだ?オレ的にもう話した方が良いと思うが』

 

「だ、ダメよ!はーちゃんも帰って来て、今折角楽しくしてるのに、そこで水を差す様な事を言ったら……時間は後どれくらいなの?」

 

『ゲゲ、今月の下旬ってところだな。だから本当に時間が無い。ゲ、オレが言ってもいいんだが、どうせリコ坊が止めるだろうし、それなら本人に任せた方がいいって思ってる。だろ?』

 

「なら急かさないで。絶対に言うから」

 

「リコ、ゲゲ」

 

突然翼から名前を呼ばれて驚く二人だが、その様子に翼も驚いてしまう。不意に声を掛けたのではなかったが、それほどに話に集中していたのが分かる

 

「ビックリした〜。店に着いたぞ。早いところ見繕ってリフォームの続きに取り掛かろう」

 

翼はそう言ってみらい達の所に戻って行くが、後ろを振り返るとリコとゲゲはホッとした様な溜め息を吐いていた

 

「……」

 

その様子を見てしまった翼は、何か隠し事をしてると疑いの眼差しを向けていた。けれど、すぐリコの顔を見てはそんな考えは何処かへと捨てた

 

「ねぇ皆んな早く〜!」

 

既に、あれやこれやと選んでいたみらいとはーちゃんとモフルン。壁に飾るものだけでなく、敷物にも目の色を変えて物色していた。けど、色は様々組み合わせれば更に選択の幅も広がる

 

和気藹々と選んでいると、不意に冷たい風が吹き込んだ。空の色も突然暗くなり、嫌な空気が充満する

 

『フフ、嫌な予感が…』

 

「見つけましたよエメラルド」

 

声がする方へと顔を向けると、道の真ん中にヤモーが此方を睨んで立っていた

 

「しつこいわね!」

 

 

 

「魔法、入りました! 大いなる闇をまとい、い出よ!ヨクバール!」

 

 

 

ヤモーは赤ちょうちんと敷物、ドクロクシーの遺骨を使ってスーパーヨクバールを生み出した。

体は柔軟な敷物に、手は赤ちょうちんとなって当たれば怪我では済まない

 

「来たからには追い返すしかないだろ」

 

 

 

『キュアップ・ラパパ!』

 

『ルビー!』

 

『ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!』

 

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

 

 

『魔法つかいプリキュア !』

 

 

大天翼之剣(だいてんよくのつるぎ)──侵食率50%!」

 

 

 

「ヨクバール!!」

 

「「「ッ!!」」」

 

ヨクバールは敷物で出来た腕を伸ばして、距離がある翼達へと拳を届けさせた。けれど直線的な攻撃など、三人で受け止めて防ぎはした

 

とはいえ、かなり力が込められた一撃。そう何度も防御出来る攻撃ではない

 

「ヨク!ヨク!ヨク!」

 

離れている位置からでも連続で繰り出される攻撃を、懸命にミラクルとマジカルが受け流すも防御に手一杯で、攻撃に移れずにいる

 

「「たぁっ!!」」

 

今の流れを断ち切る為、ミラクルとマジカルはただ受け流すだけのではなく、今度はスーパーヨクバールの攻撃を思いっきり弾き返した

 

腕は左右に分かれて中央に道が開いた。すかさず翼は真っ直ぐ突き進み、無防備なスーパーヨクバールへ刃を届かせる

 

「天使魔法!エレメンタルブレイ──」

 

けれどその動きはお見通しだったらしく、体の一部である敷物が翼の足に絡み付き、魔法を中断させられる

 

「この!離せ!」

 

天使の翼を広げたり、もがいて抜け出そうと試みるも振り回されるばかりで状況は変わらない

 

「翼君!きゃっ!」

 

「ミラクル!ウッ!」

 

ミラクルとマジカルが助けようと駆け出すも、スーパーヨクバールの伸縮自在の両腕に阻まれてしまい返り討ち合う

 

翼は捕まったまま、ミラクル達も手出しが出来ずにどうする事も出来ない

 

「そうです。そのまま人質にしてエメラルドと交換。クフフ!」

 

「そこまでしてエメラルドが欲しいの?」

 

「欲しいですね。エメラルドを使えばきっと闇のオーラが作れる。強力な魔法の力があればなんだって出来るんです!」

 

「違う!!」

 

別の建物から戦いの様子を見ていたことはが、ヤモーの言葉を否定する。そしてリンクルストーン・エメラルドが輝き、手に取って変身する

 

「貴方は間違ってる!」

 

 

 

「キュアップ・ラパパ!」

 

「エメラルド!」

 

「フェリーチェ・ファンファン・フラワーレ!」

 

 

「あまねく生命(いのち)に祝福を!キュアフェリーチェ!」

 

 

 

「現れましたね。ヨクバール!!」

 

スーパーヨクバールが動こうとしたその時、目にも止まらぬ速さでフェリーチェが先に動き、翼を捕らえていた布を切り裂いて救出してみせた

 

「うぇっ?」

 

翼自身も突然起きた事に戸惑っていたが、自分がフェリーチェにお姫様抱っこされている事実は認識した

 

「魔法は万能ではありません。どれだけ強い力を手に入れたとしても、大切なのはそれを使う者の清き心、そして熱き想い!それが分からない貴方に、エメラルドは渡しません!」

 

フェリーチェの言葉が癇に障ったのか、ヤモーは拳を握って怒りを露わにしていた。

スーパーヨクバールも、己の体が切り裂かれた事に許せず、その感情赴くままに突進して来る

 

「フェリーチェ降ろせ!来るぞ!」

 

腕の中で騒ぎ立てる翼だが、フェリーチェは意も返さず落ち着いている。もう、スーパーヨクバールは目の前まで迫って来ているが、フェリーチェを守るようにミラクルとマジカルが飛び出した

 

 

『「フル・フル・リンクル!』

 

『プリキュア !ルビー・パッショナーレ!』

 

 

ミラクルとマジカルの魔法が、スーパーヨクバールを包み込むが浄化までには至らず。しかし、動きは完璧に封じる事は出来た。その一瞬の隙さえあれば、フェリーチェにしては充分過ぎるほど

 

「フェリーチェ!」

 

「今よ!」

 

「その前に俺を降ろせフェリーチェ!フェリーチェさん!!」

 

フェリーチェは翼を高く空へと投げ、浄化する為に魔法を放つ準備に入る

 

 

 

「フラワーエコーワンド!」

 

「キュアー・アップ!」

 

「プリキュア!エメラルド・リンカネーション!」

 

 

 

「クッ…オボエテーロ!」

 

スーパーヨクバールの浄化が終わり、ヤモーも退散して無事に戦いは終わった

 

そして投げられて落下していく翼は、フェリーチェに受け止められて、またもお姫様抱っこ状態となる羽目に

 

「意外と軽いですね」

 

「お〜、フェリーチェ力持ち!」

 

「翼似合ってるわよ…フフ」

 

「このマジカ……それよりも早く降ろしてくれよフェリーチェ!!」

 

 

 

 

 

////////

 

「はー!」

 

「出来たモフ〜!」

 

朝日奈家に帰宅して、多少の時間を有したもののやっとの思いで完成したことはの部屋。家具は勿論だが、色とりどりとされているビーズが出来栄えに、更に磨きを掛けている

 

「皆んなのお陰だよ!モフルンのビーズ、皆んなでお部屋を作ること。なんでも魔法に頼ってちゃ分からない、わくわくがあるんだね!」

 

「何か心境の変化でもあったらしいな」

 

翼が知らない所で、魔法ではなく自分の力で努力する事を覚えたようだ

 

「わたし、まだまだ分からない事がいっぱいだけど、これからも沢山色々な事を教えて下さい!」

 

「大きくなっても、はーちゃんはやっぱりはーちゃんモフ!」

 

「はー!これからも、毎日毎日楽しみだなぁ〜!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことはが中心となって始まった新しい生活。ことはの自由奔放の性格に振り回されるのは、これから




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ここまでの拝読ありがとうございました
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