魔法つかいプリキュア! 〜奇跡と魔法と幸福の翼〜   作:シロX

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プリキュアss書いたら人と普通に話してみたい。

ではスタート


第31話 夏のひととき

「夏も本格的になって来たな」

 

『ゲゲゲ、アイス!アイス!』

 

『フフフ、バニラ!バニラ!』

 

翼は自室でエアコンをつけて、ゲゲとフフと一緒にアイスを食べて優雅な夏を満喫しようとしていた。

夏休みは皆、虫取りや友達の家に行ったりして休みを過ごすが翼は違う。

その日の宿題を終わらせて、残りの午後はゆっくりと食べては寝ての生活を計画している

 

ひと匙アイスをすくい上げて口の中に運び込むタイミングで、家のインターホンが鳴り響く

 

「お客さんか。は〜い」

 

今家に居るのは翼だけ。早歩きで急ぐも、インターホンは鳴り止むどころか、ピンポンと鳴る音が間髪入れず鳴らされる。玄関に辿り着く頃には、お客とはいえ苛立ちの様子を見せていた

 

「はいはい!今出るって!」

 

ガラリと戸を開けると同時に、一人の少女が翼の腹へと勢いよく突っ込んで、家の中へと入って来た

 

「つっばさ〜!!」

 

「はーちゃ…ぐほぉ?!」

 

飛び込んで来たことはを受け止めたのは良いが、そのまま押し倒されて後頭部を強打する羽目となった。お腹と後頭部の痛みに悶絶する姿に、ことはは首を傾げて不思議そうにしていた

 

「どうしたの翼?」

 

「別に何も…よく来たなはーちゃん。ところで要件は?」

 

「海行こ!海!」

 

「海?」

 

翼が説明を求めてると、外からみらい達の姿も見えて代わりに話してくれた

 

「こんにちは翼君。実は明日皆んなで海水浴するんだけど、翼君もどうかなぁって」

 

「部屋で涼みたいのだけど…」

 

「翼来ないの…?」

 

来ること前提に考えていたことはの表情は、一瞬で哀しい表情に一変して凹んでいた。

未だ押し倒されている状態なので、胸の中から上目遣いで見つめてくることはの顔を見て、胸に突き刺さり苦しい

 

「行きます…」

 

「ホント?やった〜!!」

 

「あ、でも水着が」

 

「今からわたし達も買いに行くから一緒に行こ!」

 

今のは失言だった。水着は後でゆっくり選ぶつもりだったが、水着が無いことを漏らしてしまえばことはが反応するのは目に見えて分かっていた

 

「…ゲゲとフフも連れて行くから、先ず家に上がれ。あ、アイスあるけどついでに食べるか?」

 

「食べる食べる〜!!」

 

「はーちゃんに敵わないわね。翼」

 

肩に手を置いては、振り回されている翼に少しばかりの同情をするリコだった

 

その後は水着を買いに行く為ショッピングモールへ出向き、唐突に決まったお出掛けの準備をする翼達だった

 

 

 

 

 

////////

 

「海だ〜!!」

 

満を持しての海に興奮を隠さずに曝け出すことはに、翼達はニコニコしていた

 

今回の海水浴で参加するのは、朝日奈家全員にリコ、ことは、モフルン。そこに加えて、まゆみとかなの大所帯

 

車の定員数を考えて翼は、母親と共に現地集合となって更に人数が増えていた

 

「けれど…」

 

浜辺にあるかき氷屋を目の前に、みらいとことはは肩を落として落ち込んでいた

 

「あれどうしたんだ?そんなにかき氷が食べたかったのか?」

 

「二人共、このお店で食べれるいちごメロン味のかき氷を楽しみにして」

 

「それはまぁ…残念としか言いようがないな」

 

生憎、かき氷屋は休みとなっていたのだ。しかも普通の休みではなく、今日に限って氷を作る為の機械である、製氷機が故障してるらしく休まざる得ない事態

 

「折角海に来たんだから海に思いを馳せろよ」

 

「翼君は気にならない?いちごメロン味のかき氷」

 

「フッ、食べてみたいに決まっている!」

 

「翼も相変わらずね。ところでおじ様、どれくらい掛かるのですか?」

 

先程、製氷機を修理すると勝手出た大吉が機械の様子を見ていたのだ。機械に強い大吉なら修理するのは造作もないが、製氷機とはいえ業務用の機械。直せるにしても時間は掛かるし、気になるところ

 

「これならお昼くらいには直るかな?」

 

「流石お父さん!」

 

「普通の機械ならともかく、業務用の機械まで大丈夫って凄いな」

 

「あ、皆んな!こっちこっち〜!」

 

大吉に関心していると、まゆみの呼ぶ声が聞こえた。どうやら場所取りが出来たらしい

 

「は〜い!」

 

かなの返事もあって翼達も歩き出そうとした時、みらいが急に大きな声を上げて翼達を驚かせる

 

「あ〜!!」

 

「急に声を出すなよ」

 

「帽子忘れてきちゃった…」

 

かなが持っていた麦わら帽子を見て、みらいも自分の帽子を忘れた事に今更気づいたらしい

 

「それならわたしに任せて!」

 

「「はーちゃん!!」」

 

みらいとリコはことはを連れて、建物の影に隠れてからことはに魔法を使うように注意する

 

「此処なら誰も見てないわ」

 

「行くよ〜!キュアップ・ラパパ!帽子よ、出ろ!」

 

魔法のタッチペンで空中に帽子の絵を描くと、それが現実となって現れてみらい、リコ、モフルンにそれぞれ麦わら帽子を被せる。ご丁寧な事に、それぞれイメージカラーに合ったリボンまで付けられている

 

「翼の分の帽子も出してあげるから待ってて……はい!」

 

翼にもお揃いの麦わら帽子を魔法で出して、頭に被せてあげるのだがすぐさま手に取った

 

「俺のはいい。それよりはーちゃんだ。ほら」

 

ことはの頭には何も被ってはおらず、それを心配してことはの頭に被せてあげた。ことはの気持ちも嬉しいが、翼の為と思って出してくれた気持ちだけで充分

 

「似合ってるよ」

 

「ありがとう翼!あっ、それとモフルンにはこっちも」

 

モフルンには青と白のシマシマ模様の水着も着けてくれた。海まで来ているのに、翼達だけ楽しむ訳にはいかない。モフルンにもちゃんと楽しんで貰うために、ことはが気遣ってくれたのだ

 

「ありがとうモフ!モフルンも一緒に泳げるモフ!」

 

「コホン、いいはーちゃん。前にも言ったけど、魔法を使うところを他の人に見られちゃ絶対ダメだからね?」

 

翼が見ていない所でどうやらことはは、魔法を使って色々やらかしているみたいだった。今回もそうならない為にリコが念を入れて注意するのだが、そんなリコに翼は物申す

 

「そんなしつこく言ってるとはーちゃん擦れるぞ。一度言ったならそれを信じてあげなければ」

 

「うぅ、確かにそうかも知れないけど……何かみらい以上にはーちゃんに甘くない?」

 

「さぁ行くぞ皆んな!冷た〜い海水が俺達を待っている!」

 

「レッツゴー!」

 

「えっ!?話はまだ…もう待ちなさ〜い!」

 

翼とみらいは器用な事に、走りながら服を脱いで水着姿になり、リコもその後を追い掛ける

 

「待ってモフ…モフ?はーちゃんどうしたモフ?」

 

取り残されたモフルンも走り出すも、ことはは動かず魔法のタッチペンをジッと見つめて何か考えていた

 

「そっか!よ〜し、誰にも見られずに魔法で海を楽しくしちゃお!」

 

「モフ?」

 

ことはは、ちゃんとリコの言いつけ通りに、魔法を使っているところを見られずに使う事を思いついたのだ

 

 

 

 

 

「お〜い!リコもおいでよ〜!」

 

「はー!冷たくて気持ちいいよ〜!」

 

「わたしはのんびりしてるだけで充分よ」

 

広々とした海でみらい、ことはにモフルンが満喫しているが、リコだけは足すら海水に浸からず浜辺で貝を弄っていた。そんなリコの様子を、翼は後ろから声を掛けた

 

「そんな事言って、本当は泳げないとかか?」

 

「なっ!?そ、そんな事ないわよ!ちゃんと泳げるし!」

 

「折角水着も買ったのだから入らなきゃ損だぞ?」

 

 

 

 

それに意地悪で言ったわけでもないが、そうムキになって言われると余計に海へと連れ出したくなるもの

 

「だったら泳ごうぜ!」

 

「きゃっ!」

 

リコの為に用意した浮き輪を強制的に着けさせて、そのまま手を引っ張ってみらい達の所まで飛び込むのであった

 

「もう〜翼君危ないよ〜!」

 

「みらい達だって飛び込んだ癖に」

 

「ちょっと翼!」

 

「はいはい。はーちゃん、リコを連れて泳ぎに行くぞ」

 

「はー!」

 

翼とことはは、強引にリコの腕を引っ張っては泳ぎ連れ回した

 

 

 

沢山泳いだ後は、海水浴へ来たら誰もがやる定番のもの。スイカ割りの時間

 

まゆみがスイカを叩き割る役目を任され、他の皆んなは誘導役となる

 

「まゆみ〜右だよ右〜!」

 

「もう少し左〜!」

 

「そのまま真っ直ぐ!」

 

「長瀬さん頑張って!」

 

翼達の誘導でまゆみは順調にスイカへと進んで行くが、少し離れた場所に居ることはは後ろに手を組んでいた。

その手には上手く見られない様に、魔法のタッチペンが握られていた

 

「キュアップ・ラパパ!スイカよ、割れやすくな〜れ!」

 

ことはが静かに魔法の言葉を唱えると、魔法が掛かったスイカはみるみるうちにその大きさを変化させていった

 

「え、えぇぇぇ!?」

 

「「「ッ!?」」」

 

大人以上へと大きさを変化し続けるスイカを、かなも含めて周辺の人達まで目撃してしまった。

重さに耐え切れず、まゆみへと転がって行く様を翼達は唖然としたまま見送ってしまった

 

「そこね!!」

 

目隠しをして気付いていないまゆみは、転がるスイカの気配を感じ取って木の棒を思いっきり振り下ろす。流石に大きさも相まって綺麗に直撃して、真っ二つに割れたがこのまま放置する訳にもいかない

 

「「ハッ!」」

 

「キュアップ・ラパパ!スイカよ、小さくなりなさい!」

 

我に返り、リコはすぐさま魔法を掛けて元の大きさへと戻した。これで一安心と胸を撫で下ろすも、一連の流れを見ていたかなからさ不審がられていた

 

「今の何!?」

 

「き、気のせいだよ!目の錯覚!」

 

「そ、そうよ!海は蜃気楼とか見えるらしいし!」

 

「ほらよく見てろ!何も変わってない。な?」

 

翼達はなんとかその場を誤魔化せはして終わりかと思っていたのだが、ことはの魔法に振り回されるのはここからだった

 

 

 

次の定番と言えばビーチバレー。チーム分けとしては翼・みらいチーム、リコ・かなチームと少しアンバランスな形となりはしたが、それでも夢中になって遊ぶ

 

「十六夜さんお願い!」

 

「任せて!」

 

かなのトスに、リコが大きくジャンプしてアタックを決めようとした時だった

 

「キュアップ・ラパパ!ボールよ、元気いっぱいにな〜れ!」

 

リコがボールに触れた瞬間を狙って、ことはが魔法を使った。するとどうなるかは分かりきっていた

 

「とぉ!」

 

可愛い気合いの掛け声と共に打ち出したボールは、翼の頬を掠って勢いよく地面に叩き込まれた。叩き込まれた衝撃は砂を大きく打ち上げて、ボールは地面に減り込んでおり、音も浜辺で出るようなものではない鈍い音が轟いた

 

「「へ?」」

 

「う、ウルトラアタック…」

 

「ね、狙い通りよ…!」

 

 

 

「キュアップ・ラパパ!砂よ、おっきなお城にな〜れ!」

 

「「キュアップ・ラパパ!普通の大きさになって!」」

 

 

 

「キュアップ・ラパパ!お魚さん、お空を飛べるようにな〜れ!」

 

「「キュアップ・ラパパ!皆さん、海へとお帰り下さい!」」

 

 

 

「キュアップ・ラパパ!」

 

「「キュアップ・ラパパ!」」

 

 

 

壮絶なキュアップ・ラパパの攻防が続いていく中、翼とモフルンは只々それを見守る事しか出来なかった。

ようやく落ち着く頃には、浜辺で力尽きるみらいとリコの姿があった

 

「大丈夫モフ?」

 

「遊ぶ以上に疲れ果ててないか?」

 

「大丈夫…」

 

「流石に魔法の使い過ぎね…」

 

「みらい、リコどうしたの?」

 

陰で奮闘していた二人の事をつゆ知らずのことは。倒れている理由を無邪気に聞きに来るのがまた恐ろしくもあり、可愛いものでもある

 

「ううん、なんでも」

 

「ちょっとひと休みしてるだけ」

 

「あ、それならかき氷!氷作る機械直ってるかも!皆んなで一緒に食べよ!わたし、持って来るからゆっくり休んでて!翼、二人をお願いね!」

 

「モフルンも行くモフ!」

 

みらいとリコと同じくらいの魔法を使ったのにも関わらず、未だに元気にはしゃぐことは。それはとても嬉しいが、その元気さに苦笑いしか浮かばない

 

「二人共本当に大丈夫か?」

 

「あぅ〜、翼君連れてって〜」

 

「しょうがないな」

 

取り敢えず自分達のパラソルの下に連れて行かないといけないので、みらいは腕、リコは足首を掴んで引きずろうとする

 

「待ちなさいよ!!」

 

上半身をむくりと起き上がらせて、足首を掴む翼にリコは物申した

 

「ん、何だよ?」

 

「わたし達半年は付き合っているのに、まだこの扱いなの!?いくらなんでも見過ごせないわ!」

 

「許せリコ」

 

「それわざとしてるでしょ絶対!」

 

「二人共元気だねぇ〜」

 

仲の良い口喧嘩を久し振りに目の当たりにして、みらいは少しばかりの癒しを感じていた。とはいえ疲れているのは変わりないし、リコからすれば余計な体力を消費しているだけである

 

『ゲゲゲ、にしてもはー坊遅いな』

 

『フフフ、様子を見に行きましょう』

 

「そだね〜」

 

翼とリコを置いて、みらいはゲゲとフフを連れてことはの様子を伺いに行く。

しかし、いくら見渡しても何処にもいない。製氷機の様子を見に行くだけなら、遠くへ行く事も無ければ、時間も掛からないのだが

 

「ねぇお母さん、はーちゃん見なかった?」

 

「ことはちゃん?」

 

「はーちゃんなら、あっちの方へ行ったわよ」

 

今日子はことはの事は見かけておらずだったが、幸いにもかの子がことは消えた場所を知っていた

 

教えられた場所は、浜辺から少し離れた場所にある大きな洞窟だった

 

「確かあそこの洞窟って何も無いって聞いたけど」

 

「ちょっと心配ね」

 

「わたし達探して来るね!」

 

ことはの事が心配になった三人は居ても立っても居られず、その洞窟へ行って見ることにした

 

 

 

 

 

////////

 

「お〜い!はーちゃん!」

 

「何処に居るのよ〜!」

 

「はーちゃーん!……見つからない」

 

声を上げて探しているが、その姿形さえも見当たらない。洞窟近くは岩が沢山あって足場が相当悪い上、浜辺から離れている為他の人にも気付き難い場所

 

何か怪我でもしていたら一大事なのだ

 

「はーちゃん…」

 

「大丈夫だみらい。モフルンも見当たらないとなると、一緒に居る可能性は高い。何かあってもモフルンが助けを呼ぶさ」

 

モフルンもことはとくっ付いて居なくなったのだ。ことは一人だけではないのが、唯一の救い。翼達以外に周りを見ているモフルンが居れば、何事も無いと思っている

 

「洞窟の中も見てみましょう。好奇心旺盛なはーちゃんなら、きっと洞窟の中に入ってるわ」

 

「翼君、リコ…ありがとう」

 

少しの可能性を信じて洞窟内に入ろうとした時だった。小さい地響きと共に、洞窟内から無数のコウモリが羽ばたいていた

 

三人は顔を見合わせて急いで中へと入っていく

 

 

 

 

 

「モフルン!」

 

「みらい〜!はーちゃんが!」

 

洞窟の先にはモフルンが居たのだが近くにことはの姿はない。そして目の前には、瓦礫で塞がって通ることの出来ない通路。

察するにことははこの先に居る

 

耳をすませば奥で激しい衝突音が聴こえる

 

「モフルン何がどうなってる?」

 

「ヨクバールが出て来て、はーちゃんと分かれちゃったモフ…」

 

「分断されたのか。よし、そうだな……取り敢えず変身する。考えるのはその後でもいい」

 

「無計画にも程があるわ。でもそれしかないわね。みらい!」

 

「うん!」

 

 

 

『キュアップ・ラパパ!』

 

『サファイア!』

 

『ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!』

 

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

 

 

『魔法つかいプリキュア !』

 

 

煉魔之刀剣(れんまのとうけん)──侵食率50%!」

 

 

 

「行くぞ──因果斬り(カルマぎり)!」

 

煉魔之刀剣から放たれた斬撃が瓦礫に触れると、崩れていたのがたちまち壁に引っ付き始めて修復されていく。崩れたという結果を断ち斬った為、崩れ落ちる前の状態へと戻っていっているのだ

 

全ての瓦礫が修復されて一気に視界が広がる。その目の前の光景は、両手を塞がれて今にもスーパーヨクバールの攻撃を受ける直前のフェリーチェの姿

 

ミラクルとマジカルは、サファイア持ち前のスピードと飛行能力でフェリーチェの元へと飛び出した

 

二人でフェリーチェの手を取り、洞窟を突っ切って外へと飛び出た。フェリーチェは、二人が来る事を想定していなかった為か、助けてくれた事に少しばかり呆気にとられていた

 

「ミラクル、マジカル」

 

「大丈夫?怪我はない?」

 

「もう、一人で無茶したら駄目だよ」

 

フェリーチェに怪我が無くてホッと胸を撫で下ろす二人。そこへモフルンを抱き抱え、遅れて翼もその場にやって来た

 

「怪我は無いみたいだな……っと、来るぞ」

 

ミラクル達が突き破って来た洞窟の穴から、スーパーヨクバールが強引に追い掛けて来る。ミラクルとマジカルは目の色を変えて、スーパーヨクバールへと立ち向かって行く

 

「翼、フェリーチェの側に居てあげて!」

 

「二人共気を付けろよ!」

 

空中で激しくぶつかり合うミラクルとマジカル。スーパーヨクバールに一歩も引けを取らずに果敢に攻め立てている。とはいえ、いつもは翼とフェリーチェも含めた四人で相手をしている。

僅かながら二人が押され始めている

 

そんな姿を見てフェリーチェの思う気持ちは更に高まる

 

「わたしも…わたしも、二人の力に!」

 

フェリーチェの想いに応える様に、装飾としてあった小さな妖精の羽が大きくなって広げた

 

「凄いモフ!」

 

「綺麗…!」

 

フェリーチェはすぐさま飛び立ち、ミラクルとマジカルの援護に回る

 

「ハァッ!」

 

華麗な手捌きでスーパーヨクバールを天高く打ち上げ、邪魔者が居なくなった今フェリーチェは二人に感謝する

 

「二人共、来てくれてありがとう」

 

「何言ってるの?」

 

「当たり前でしょ?」

 

「翼もありがとう」

 

離れた場所でモフルンと居る翼にも、感謝の言葉を交えつつ笑顔で振る。それに対して翼も、両手を大きく広げて返してくれた

 

微笑むミラクル達だが、体勢を立て直したスーパーヨクバールが無数の攻撃を放つ

 

「マジカル!」

 

「えぇ!」

 

 

 

『サファイア!』

 

 

『青き知性よ!わたし達の手に!』

 

『フル・フル・リンクル!』

 

『プリキュア !サファイア・スマーティッシュ!』

 

 

 

「ヨクバッ!?」

 

無数に放った攻撃を全て撃ち落とされ動揺する隙に、フェリーチェは一気に畳み掛ける

 

 

 

「フラワーエコーワンド!」

 

「キュアー・アップ!」

 

「プリキュア!エメラルド・リンカネーション!

 

 

 

フェリーチェの魔法がスーパーヨクバールを浄化し、全て事なきを得た

 

「クッ…オボエテーロ!」

 

スーパーヨクバールを生み出したヤモーも、部が悪いと判断してその場を立ち去って行った

 

 

 

 

 

////////

 

「みらい、リコ…ごめんなさい!」

 

ビーチに戻って来て早々、ことはは頭を下げて二人に謝ったのだ。当の本人達は何に対して謝っているのか首を傾げていた

 

「わたし、皆んなを楽しませようと思ってたのに。でも、それが二人に迷惑を掛けていたんだね…」

 

ことはが言うのは、楽しくさせようとして魔法を使ったが結果、それが裏目に出てしまったこと。それが今ようやく自分で分かって反省しのだ

 

けれどもみらいとリコはそんな事微塵も気にしていなかった

 

「大丈夫、はーちゃんの気持ちちゃんと分かっているよ」

 

「それに、この程度の事わたし達なんて事ないし!」

 

「見栄を張るなってリコ」

 

「張ってないし!ゴホン、これからは、こっそりでも今日みたいに沢山魔法を使うのは無しで!」

 

「そりゃああれだけ魔法を使えば疲れるよな」

 

いつまでも減らず口な翼にリコは、指先を頬に押し付けて強引に黙らせようとする。グリグリとしてくるリコの手を振り払おうとする時、丁度大吉の呼ぶ声がした

 

「お〜い皆んな!製氷機が直ったぞ!」

 

修理していた製氷機が直ったらしく、かき氷が食べれると思ってわくわくな気持ちで駆け寄るのだが

 

「かき氷!」

 

「いや〜、氷が出来るのには流石にまだ時間が掛かるかな?」

 

折角食べれると思っていたが、それを聞いて落胆するみらい。一応大吉が製氷機の扉を開けて中を確認すると、不思議な光景を目にする

 

「あ、あれ?氷がもう出来てる!?」

 

それにハッとして三人はことはへと目を向けると、申し訳なさそうに魔法のタッチペンをチラつかせいた

 

「あはは…」

 

「もう、はーちゃんったら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翼達が見ていない間に魔法を使っており、それに加えてことはらしいといえばそうなのだ。三人は特に注意するなどこれ以上はせず、只々可愛い娘を見る目で優しく見つめるのであった




最後ちょっと駆け足になったかな?

ここまでの拝読ありがとうございました
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