魔法つかいプリキュア! 〜奇跡と魔法と幸福の翼〜 作:シロX
それでも8500文字も書いた!偉い!
ではスタート
※相手側の要素がありますのでご注意下さい
「うわっ!?」
津成木町から少し離れた林の中で、何処からともなく転がり現れた一人の少年。
少年は起き上がり、服についた土を落としながら辺りを見渡し首を傾げる
「此処は何処だ!?」
少年は頭を抱えながら、その場をぐるぐると歩き回り、どうしてこうなったかの原因を探る
「普通に家に居て、普通に過ごして、普通にインターホンが鳴ったから出迎えようとしたら、突然体が光始めて此処にポンっ、と…何だこれ?」
あまりにも情報が少な過ぎる。下手に動いて迷子になってしまうのも良くはない。だからといって動かない訳にもいかず、少年は周りを警戒しながらも歩き出した
林の中に居たが、運良く深い場所ではなかった。何故ならば歩いて数分で街が見えたから
「急いで帰らねぇと」
少年は急いでその街────津成木町へ走り出した
////////
ある日のことだった。木漏れ日が透き通る並木道で、翼とみらいが仲良く並んで手荷物を持って歩いていた
「ごめんね翼君。付き合わせちゃって」
みらいが買い物帰り途中、散歩をしていた翼と偶然出会して、半分荷物を家まで持ち帰ることとなっていた
「気にするな。てか、リコは何してるんだよ?」
「リコなら今頃、モフルンと一緒にはーちゃんと遊んでる筈だよ。はーちゃん、パワフルに育ったからね〜」
はーちゃんに振り回されるリコの姿が目に浮かび、気の毒だと思い苦笑いが出る。
色々騒動はあったが、ようやく落ち着いた日常を送れるまできた。
闇の魔法つかい、悪魔。そんな面倒な問題は全て忘れて、今はこの時間を大切に過ごそうとしているのだ
「あ、いちごメロンパン買ってたんだが……食べるか?」
「いいの?食べる!」
頑張って買い物してるみらいなのだ。多少の寄り道するくらいの時間は良いだろうと思い、いつもの公園のベンチに座って、散歩途中買ったいちごメロンパンをみらいに手渡した
「はぅ〜!
「ほうばるのも良いが、口ついてるぞ」
「ありがと〜!」
紙ナプキンで口周りを拭っていると、何処からともなく大声が聞こえた
「みらい!!!」
「翼君呼んだ?」
「呼んでない。それに俺も聞こえた……おい、アイツ誰だ?」
猛ダッシュで此方へ近付いて来る少年に、二人は目を凝らして見つめる。みらいの名を呼んだ少年に、全く見覚えの無い人物にますます首を傾げる
ようやく目の前まで走って来た人物は、肩で息をしながら口を開ける
「み、見つけたぜ…みらい!」
「ごめん、みらいの知り合いか?」
「えっと〜、う〜んとぉ〜……誰ですか?」
面識もない相手にその反応は正しいのだが、その相手である少年は衝撃を受けていた。その様子からして、少年はみらいの事を知っている。というより知り合いの様な感じも
「オレだよオレ!『一馬』だよ!オレ達アレだろ、そう
「あ〜う〜ん??」
何の脈絡もなく、いきなりみらいの彼氏と名乗る彼に翼は、どこか痛い目で見ていた。みらい自身も、その様な男相手は居ない。クラスメイトの壮太やゆうととは普通の友達。よく一緒に居る翼でさえも、そんな関係になど一度足りともなった事はない
「それとお前誰だ?みらいはオレの彼女だ」
「は、はぁ…俺は十六夜 翼だが?」
「い、十六夜だと!?お前、リコとどういう関係なんだよ!?」
物凄い形相で迫られた挙げ句、肩を掴まれた。しかもみらいだけではなく、魔法界出身のリコの名前を言った。明らかに此方の事情を知っている
「ちょっと待て、何でリコの事を?それにさっきから言っている事が滅茶苦茶だ。お前は一体誰なんだ?」
翼と一馬の睨み合いが起こり、みらいはその真ん中で困り果てていた。目の前に居る一馬という少年を知らなければ、今にも翼が掴みかかろうとする事に
「見ぃ〜つけた」
「「ッ!?」」
「誰だ?」
またも急に現れた男性。今度は一馬とは違い、年上で20代程の青年だった。黒い髪、日本人だが中身は別のもの
『ゲゲゲ、その喋り方、悪魔だな』
「おいまた悪魔かよ!何だよ、悪魔は皆んな仲良く回覧板でも回してるのか?ご苦労なこった!」
「悪魔?それにその黒い奴は何なんだ?」
次々と起こる事態に、一馬はまだ理解が出来ていなかった
「当ったり〜!俺『ベルフェゴール』って言うんだ。宜しくな!」
「誰もお前とは宜しくしたくねぇよ!」
ベルフェゴールは目の色を黒くさせ、此方へ歩んで来る。幸いな事に黒い目という点が助かった。もし黄色い目の悪魔だったら、翼一人で相手をしなければならない
「みらい、ソイツと一緒に避難を──」
「みらい一度離れるぞ!」
「え、あ!翼君!?」
翼が言い終わる前に、一馬がみらいを連れ出してその場から逃走した
「何ィィィィィ!?」
その突然の状況に翼は驚きつつ、その場から早く逃げてくれた事に感謝もする。
みらい達の背中が見えなくなったのを確認し、フフの影から
「わざと騒ぎを起こす。その隙に一旦逃げるぞ」
『フフフ、周りに一般市民がいるから気を付けなさい』
大天翼之剣の切っ先を地面に当て、公園全体に暴風を起こさせる。風に煽られ砂埃が舞い上がり、想定通り軽い騒ぎとなり、一般市民は公園から出て行ったり、目に砂が入ってその場に蹲り咳き込んでいた
「おいおい目眩しのつもりか?そんな事もしないで俺と遊べよ〜」
ベルフェゴールは腕を振り翳して、翼が起こした暴風をかき消した。視界は良好となり、戦いが始まると思っていたが翼達の姿が何処にも見当たらなかった
騒ぎに乗じて身を引いたのだ。それに落胆してその場に座り込む
「んだよノリ悪いなぁ。それでも悪魔を倒した男かよ!プリキュアかよ!」
////////
「大丈夫だみらい。オレが付いているからな。誰が来てもぶっ飛ばしてる」
「わたしよりも翼君だよ!翼君を助けに行かないと……あっ!」
みらいが上空を見ると、丁度ベルフェゴールから逃げおおせ、買い物袋をぶら下げた翼が舞い降りた。みらいは駆け寄り胸の中へと飛び込んだ
「良かった無事で!」
「急だったからな。取り敢えずは逃げて来た。それよりも、だ」
物凄い表情で此方を睨んでいる一馬に、少しばかり引いていた。一体自分が何をしたというのか。事情を知らないとはいえ悪魔から身を救ってやったというのに、なんかモヤモヤする気持ちでいっぱいだった
『ゲゲゲ、助けてやったのにそんな目で睨むなよ。坊主』
「誰が坊主だ!オレは──」
『待て一馬!』
一馬の懐からあるものが出て来た。それはみらい達がよく知るもので、翼もそれが何なのか一目で理解した
「「リンクルストーン!?」」
『お前、もしや悪魔か?それにさっきの白いのは天使』
『フフフ、どうやらお互いに話し合う必要がある様ね』
「と、取り敢えずわたしの家に行こうか!リコ達も待ってるだろうし!」
お互いにちゃんとした説明が欲しい為、一度朝日奈家へと足を運ぶ。その道中、みらいが翼にピッタリとくっついていたのが気に食わなかったのか、一馬からの視線は一層強くなる
翼達が朝日奈家に着いて、玄関のドアに手を掛け時だった。一馬は隣の家の方に目をやって首を傾げる
「なぁみらい。お前の家の隣って『坂田』って言う家が無かったか?それが俺の家なんだが……何で無いんだ?」
「えっ、わたしのお隣さんに坂田さん?聞いた事ないかなぁ。お母さんとかに聞けば、何か分かると思うんだけど」
「立ち話なんてするもんじゃないぞ」
「そうだよね。上がって上がって!」
翼達は別段いつもと変わりないと思っているが、一馬は「明らかに妙な事が立て続けに起きている」といった気持ちでいっぱいだった。それも含めて、朝日奈家で話し合えば何か分かるだろうと思い、今は胸の内に留めて置く事にした
「ただいま〜」
「おかえりみらい。あら翼も?」
「お邪魔します。とにかく上がらせてもらうぞ」
素早く靴を脱いでは綺麗に玄関に並べて、みらいの部屋と向かうのであった。勿論その後に一馬も付いてくる
「……え、ちょ翼誰よその子?」
あまりにも自然に上がり込む一馬に、一瞬見逃しそうになったが急いで通させない様にする
「リコまでオレの事を…一体何がどうなっているんだ…」
「気にするな…というのは無理があるな。それを説明する為に此処へ来た。リコも来い」
「ほらほら!」
買い物袋を置いたみらいも、リコの背中を押して二階へと誘導して行く。リコと同じ様に翼も早くこの一馬とリンクルストーンについて聞きたい
みらいの部屋に行くと、今度はことはが出迎えてくれた
「翼も遊びに来たんだ!えっと、その人は誰?」
「オレは──」
「このやり取りもう三回目だ!いい加減頭がおかしくなりそうだ!説明するから、はーちゃんも席に座ってくれるか?」
「は〜い!」
もう同じ事の繰り返しにいい加減我慢の限界を迎えた翼は、全員を座らせて今起きてる現状だけ先に伝えた
また現れた悪魔・ベルフェゴールに、一馬という少年とリンクルストーン
「さて話してもらうか一馬。お前は一体何者なのか?」
「オレは『坂田 一馬』。それでコイツはオレの相棒の『リンクルストーン・クリスタル』だ」
「改めて、俺は十六夜 翼だ。それで黒い奴が悪魔・ゲゲで、白い奴が天使・フフ」
「わ、わたしは──」
「みらい、リコ、ことは、モフルンだろ?知ってるぜ。てか全員オレの彼女だ」
そんな衝撃的な発言を聞いた翼の頭は爆発して倒れてしまった。青ざめた表情をして、信じられないと顔に出ていた
「翼君!?」
「貴方、何急に変な事言ってるのよ?!」
「そんな事言われてもなぁ。事実だし」
「色々と言いたい事はある!あるが話が進まない気がする!」
『フフフ、そうね。それに貴方達少し違和感があるわ』
『その筈だろう。何せ我らは此処とは
クリスタルの言葉を聞いて全員の目が点となる。別の世界線、つまりそれは世の中で言うところのパラレルワールドや異次元の世界、マルチバースと色んな言い方はあるが、そこからやって来たらしい
『我は感じる。この世界は我らが知っている世界とは時間が異なり、知らない事がある。根本的な作りは変わってはなそうだが』
「不思議モフ」
「…魔法界に居た時本で読んだ事あるわ。わたし達が居る世界、宇宙は神が創造したものの内の一つ。わたし達が知らないだけで、それは無数に存在するっていう」
『フフフ、なら答えは簡単。此方の世界による何らかの影響で、異次元の扉が開いて巻き込まれた。フフフ、それが多分正解に近いと思う』
『ゲゲゲ、となると帰りの扉を開くにはそれなりのエネルギーが必要となる。ゲゲゲ、面白くなってきたな』
ゲゲ、フフ、クリスタル達が勝手に話し始めたが粗方の事情は理解した。一馬達は迷い込んだ旅人の様なもの。恐らく一馬の世界では、本当にみらい達と深い関係なのかも知れない。
ただ、今それを証明するのは時間の無駄というもの。今欲しいのは必要な情報だけ
「じゃあオレが知ってるみらい達じゃないんだな」
『うむ、しかし帰り方は我にも分からぬ』
「そんなの簡単な事だろ」
『膨大なエネルギーが必要だ』
「俺、プリキュアに変身したみらい達。それに不幸中の幸いな事に悪魔がいる。な?」
ヨクバールを浄化出来る程の力を持つプリキュア、天使と悪魔の力を使える翼が居ればその扉を開けるのは可能かも知れない。加えて悪魔もいる。利用するにはうってつけの相手だ
「その為には作戦がいる。いいかよく聞け、これから作戦を練る。まだ触りだけだがこれなら上手く行く」
「作戦?元の世界に帰るのにか?」
「お前相棒の話聞いたよな?膨大なエネルギーが必要んだ。しかも悪魔も利用しなきゃいけない。被害は最小限に抑えて、お前らを元の世界に送り返す。良いかね暴れん坊将軍。もう一度言おう、作戦は大事だ」
「何にせよ細かい事は任せる」
「え、あっうん、任せろ!」
仕方ないとはいえ役割りを全部振られた事に戸惑ったが、案外素直な性格をしており翼も任せられる事にした
「とはいえ簡単なものだ。凝った作戦は逆に成功率を下げる恐れがあるからな。じゃあこれから言うから聞いてくれ。先ずは────」
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「よし、此処で呼び出そう」
『ゲゲゲ、にしてもお前も一応戦える力はあるんだな』
「正確にはオレじゃなくてクリスタルだ。相棒の力を借りてみらい達と戦っていけた。あ、勿論オレの世界での話だ」
『フフ、意外とワタシ達と似てる所があるわね』
「本当に来るの?」
そんな疑いのある事を言うのはリコ。仕方ないと言えば仕方ない。何故なら今翼達が居るのは廃工場の中。人目が無いという観点からこの場所を選んだのだが、誰がどう見ても罠だというのは見え見えだ
「ベルフェゴールのあの性格。絶対来る」
「──やっほ〜!」
噂をすればなんとやら。何処から入って来たのか不明だが、悠然と此方へ歩いて来るベルフェゴールを全員目にした
「どうも!まさか、そっちから招待してくれるとは思わなかった」
「早いとこ帰って、オレのみらい達に会いたいんだ!邪魔するな!」
「別に邪魔はしてないモフ…」
『キュアップ・ラパパ!』
『ダイヤ!』
『ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!』
「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」
「ふたりの魔法!キュアマジカル!」
『魔法つかいプリキュア!』
「大天翼之剣──侵食率50%!」
いつも通り変身を遂げた三人。そしてそれに続くのは一馬とクリスタルの二人
「行くぜクリスタル──装着!」
炎を身に纏い、弾けると一馬の姿は全身鎧と化していた。赤い竜の鱗の様なモノで覆われており、一部銀色の鉄部分が見えている。顔も完全に守られており、防御力は中々のものだと思われる。そして、背中には特徴的な小さな翼が装飾されていた
武器も一緒に携えており、手には大きな刀を装備していた
「モンスターハンターに出てくる、リオレウスって言うモンスターの装備だ。名前はレウスXシリーズで、武器は
「わたしは、そういうの知らないから分からないな……あはは」
ミラクルに自慢げに話す一馬だが、女の子であるミラクルはそういう知識を持っておらず少し言葉に詰まってしまう
「ひー、ふー、みー、よー……あれ?エメラルドのプリキュアはどうした?」
今更ながらことはが不在の事に気付いたベルフェゴールは、首を傾げていた。勿論ことはが居ない事は翼達も知っている
「さぁ?どうしたか?」
翼の丸わかりの挑発にベルフェゴールは鼻で笑った。
ベルフェゴールからすれば、一人減ったところで特に問題はない。ただあるとすれば、そのもう一人が翼達を始末した後、探さなければならないという手間だけ
挑発して来た事に対しては然程気にしてない様子。
寧ろ逆に、手を仰いで挑発仕返した
「その挑発乗ってやるぜ!!」
「あ、おい!」
一馬が先行して翼のその後に続いて行く。とはいえ、翼と一馬が前に出るのは作戦通り。その二人を援護するのはミラクルとマジカル。単純且つ、一番理に適った組み合わせ
「「リンクルステッキ!!」」
二人はリンクルステッキを翼と一馬に向ける。ベルフェゴールの動きに合わせ、今一番最適なリンクルストーンを同時にセットする
「リンクル・ムーンストーン!」
「リンクル・アメジスト!」
向かって来る翼と一馬に念力で吹き飛ばそうとするが、その間にマジカルが展開したムーンストーンの無数のバリアが盾となり、身代わりとなって砕け散る
「へへ……?」
バリアの破片が落ちる中に翼と一馬が居るかと思ったが、いつの間にか姿を消していた。あるのは魔法陣が二つ
「「──ッ!!」」
ベルフェゴールの背後と真上に同じ様な魔法陣が一つずつ現れた。
背後からは翼が切っ先を向けて突き刺そうとする。真上には一馬が叩き切ろうと振り翳す
確実に決まったと誰もが思った。だがそんなちゃちな策など容易く捩じ伏せる
背後からの突きは体をズラして横に避け、腕を掴み上げる。上からの攻撃は特別何もする事なく素手で受け止める
「正に子供の浅知恵だな。もっとこう…なぁ?」
嘲笑いながら二人を投げ飛ばされた。翼はマジカルによって受け止めてもらい、一馬は上手く体勢を整え着地する
「なんて奴だ!」
『これが悪魔か。やはり一筋縄ではいかぬか』
「油断しないでね一馬君。悪魔の力はこんなものじゃ…って二人共!!」
一馬にミラクルが寄り添って心配する隣で、翼とマジカルがこんな時でも相変わらずだった。
マジカルに受け止められた事が嫌だったのか、かなりご機嫌斜めな様子。それに対しマジカルもムスッとした表情をしていた。
それでもミラクルに言われて、すぐさま意識をベルフェゴールに向ける
「なぁみらい、あの二人っていつもああなのか?」
「お恥ずかしながら…」
『翼、長期戦はこちらが不利になる。作戦通りするなら短期戦。次で決めないといかん』
当初の予定なら最初の一撃で決めるつもりだったが、そう簡単にいかなかった。けれどもそれも一応想定内。プランAの次はプランB変更するまで
『フフフ、一気に決めるわよ!』
大天翼之剣を地面に突き刺す事で、ベルフェゴールの足元から巨大な木の幹が現れて一斉に襲い掛かる
ベルフェゴールは動かず、指を鳴らしただけで木の幹を一瞬で腐れせた。一馬とクリスタルはこの芸当に一瞬怯むが、一歩足を動かした
「食いやがれ!!」
刀の連続斬りで休みなく仕掛けるが、全て腕で弾かれて受け流される。悪魔としての力だけでなく、やはりというべきか戦闘能力も高い
「ククク、ほらほらどうした?あ、惜しい!」
「舐めるな!!」
地面に向かって刀を振り下ろして、土煙りを上げさせる。これでお互いに視界不良となるが、ベルフェゴールだけは一馬の位置をちゃんと把握している。これも悪魔の力の一部
一馬に魔の手が伸ばされてる直前で、体の動きが止まる。腰に何か巻き付けられてる
土煙りが晴れると、大天翼之剣によって作り出された縄状のツタで翼が締め上げていた。振り解こうとするが、いつの間にか一馬もツタを握り締めており、手を上手く絡ませて引っ張り上げる
『ダイヤ!』
『永遠の輝きよ!私たちの手に!』
『フル・フル・リンクル!』
『プリキュア!ダイヤモンド・エターナル!』
繰り出したダイヤの魔法が一直線にベルフェゴールへ走る。ミラクルとマジカルは、ここ最近力を翼以上に力がついている。下手をすれば一瞬で勝負はつく
それを本能で感じてベルフェゴールは動く。己の魔力を体の一点に集中する。そのエネルギーの密度によって、縛り上げていたツタが一瞬で腐食した
更にその余波で翼と一馬は吹き飛ばされた
縛る者はもういない。向かって来る魔法を正面から叩き潰すだけ
「真っ向勝負!そういうの好きだぜ俺は!!」
魔力の塊を砲撃として打ち出して、ダイヤモンド・エターナルとぶつけさせた。中央激しく魔法のぶつかり合うも、すぐに力の差が出始める
踏ん張ってはいるが、ダイヤモンド・エターナルが僅かに押されつつある。このままでは、いつかはミラクルとマジカルの魔法が負けてしまう
──彼女が現れるまでは
「それを待っていました!!」
廃工場の屋根をぶち抜いてフェリーチェが参戦した。
その台詞や登場の仕方に、この瞬間を最初から狙って待っていたかの様子。フェリーチェの手には、フラワーエコーワンドが握られており、既にリンクルストーン・エメラルドもセットされてある
この参戦の仕方は全て翼の作戦。ミラクルとマジカルとフェリーチェの三人の全力の魔法もだが、ベルフェゴールの全力の魔法を出させる必要がある
翼と一馬が動きを封じてそこにミラクルとマジカルの魔法を放てば、やられまいと全力で抵抗しに来る。それを狙った
「プリキュア!エメラルド・リンカネーション!」
フェリーチェの魔法が加わって、ミラクルとマジカルの魔法が更にパワーアップする。そして、ベルフェゴールの魔法を呑み込んで、その体を貫いた
膝を突き、最期の言葉も残さずに静かにベルフェゴールの一生が閉じるのであった
ベルフェゴールが倒れるのと入れ違いで、魔法がぶつかり合った中央の空間。そこに、縦に亀裂が入った。この現象こそ本来の目的で、これが異次元の扉
不安定だが、それが今開かれた
『ふむ、どうやらアレが帰り道の様だな。一馬』
「わーってるって。ありがとな。色々世話になった」
「開くのには成功したが不安定だ。早く行かないと閉じるぞ」
「そうだな。達者でな!」
一馬達が扉を潜ると同時に扉は閉じた。これでこの件は綺麗に片付いて幕を閉じるのであった
「ところで翼君、何でフェリーチェを最初から連れて行かなかったの?」
「わたしも思ったわ。結局こうなるのなら、一緒に居た方が確実に決まる筈よ」
ミラクルとマジカルの言う様に、改めて考えるとフェリーチェを最初から外した理由が分からない。油断を突いたと言っても、悪魔相手にそう簡単に痛痒するとは思えない。実際、アメジストでの連携も通用しなかった
「それはだな」
「「「それは?」」」
「単純にフェリーチェが口を滑らせて、作戦を水の泡にするかと思ったから」
「「ええ〜!?」」
「わたしがそんな風に見えますか?!」
「変身後ならともかく、変身前ならあり得たから」
プンスコと怒るフェリーチェを宥めるのに苦労をする翼に、ミラクルとマジカルは笑って助ける事なく、この騒動は終わるのであった
そんな訳で今回コラボしたのは「ドッカン」さんと言う方です。此方の方もまほプリを投稿しております。下記にURLを貼っております
で、次回からは新章です。前回言った通り、リコが現状抱えてる問題をどうにかしていく感じです。全部オリストとなっており、タグ要素がかなり色濃く出ております
ここまでの拝読ありがとうございました
魔法つかいプリキュア!伝説の魔法つかいと水晶に選ばれし狩人(ハンター)
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