デジたんの幼なじみに転生した件(最高です)   作:レイラレイラ

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デジたん可愛いYO!!


トーカの想い

「ぐふ、ぐふふふふふ…………」

 

 どうも、アグネスストーカーです。

 

 トレセン学園に入学し、私もウマ娘としての貫禄がついてきたと自負しております。

 

 え? 私が何をしているのかって? 

 

 それは…………

 

「見つけたぞ、アグネスストーカー!!」

 

「やばっ!」

 

 さすがにデジたんとお揃いのピンク髪と赤リボンは目立ちますか! もっとも、これは私とデジたんの共通チャームポイント。譲るわけにはいかないですがね! 

 

 エアグルーヴさんの強烈な威圧感と怒声を目の当たりにし、全身から鳥肌が立つのを感じながら大事なカメラを落とさないように一息に駆け出す。

 

「また貴様は盗撮を行いおって! 今度という今度は、反省文50枚程度では済まさんぞ!」

 

「デジたんへの貢ぎ物を集めているだけです! それを邪魔しようなどと言語道断! 恥を知りなさい!」

 

「こっちの台詞だ! たわけが!」

 

 くっ、せっかく天使への貢ぎ物を揃えていたところでまたしても邪魔をしてくるとは! 

 

 入学当初から行われてきた私とエアグルーヴさんの追いかけっこ。私の盗s…………もとい、貢ぎ物採取を発端としてその回数は今回を含めて二百に達している。

 

 戦歴にして75勝124敗。

 

 様々な工夫を凝らし、なんとか逃げきることこそ出来るものの、シンボリルドルフ会長や秋川やよい理事長を通して呼び出されれば逃げることすら許されない。

 

 いつも残業帰りのサラリーマンのようにへろへろで部屋に戻ってくる私を、マチタンはほんわか笑顔で出迎えてくれるのを思い出す。

 

 もしもデジたんへの想いがなければ、間違いなく私はあの子に堕とされていただろう。

 

 デジたんへの愛を証明するため、マチタンの気遣いに報いるために…………!! 

 

「捕まってたまるかぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

 

 

 

 

 何とか校舎内に逃げ込み、凄まじく長い廊下を全力で走り抜く。

 

 階段を何度も上下したり、遮蔽物を利用して巻こうとするも私の手口を何度も見てきたエアグルーヴさんには通用しない。

 

 体感距離で約2900メートルぐらいは走っただろうか。菊花賞の匹敵する長距離に、私の体力は限界に迫りつつあった。

 

 だが、エアグルーヴさんは長距離の適性が低いためその姿は遥か遠くにある。100戦を迎えるまでは一勝すら出来なかったが、一年間のトレーニングとエアグルーヴさんとの追いかけっこにより鍛えられた私はどんどん勝率を上げていった。

 

「計画通り」

 

 勝利を確信した私の顔は、某サスペンス漫画の主人公のようになっているだろう。

 

 一階へと下り、栗東寮に戻りデジたんに我が成果を捧げるところまで想像したところで事態は一変した。

 

「あっ、探しましたよトーカちゃん! 今度の新刊に向けて相談したいことが…………」

 

 曲がり角からやって来た私の天使、デジたんが降臨成されたのだ! 

 

「コヒュッッ」

 

 その完璧なルックス、尊いがそのまま命を持ったかのようなウマ娘。唐突な尊い爆発が直撃し、私はそのまま尊いの理に導かれていった。

 

「トーカちゃん!? 傷は浅いです、逝ってはなりません!」

 

「と…………」

 

「と?」

 

「尊いの飛び出し注意…………だよ…………ガクッ」

 

「トーカちゃん!? トーカちゃ──────ん!!」

 

 

 燃え尽きたぜ…………真っ白にな…………

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ…………ころせ…………」

 

 私は尊死している間に生徒会室に連行され、反省文の山の前でさめざめと悔し涙を流していた。敗因は天使(デジたん)の急速な過剰接種によるものだったので、半分くらいは嬉し涙だけども。

 

「アグネスストーカー、君も懲りないな。こうして向かい合うのは、これで何回目だったかな?」

 

「ちょうど二百回目ですね」

 

 シンボリルドルフ。

 

 トレセン学園の生徒会長を務め、皇帝と呼ばれるにたる実績を持ったウマ娘。

 

 凛々しい雰囲気と白い三日月模様が特徴的な鹿毛、ルックスは完全にイケメン寄りの美しさ。

 

 デジたんやマチタンを除けば一番言葉を交わす機会が多いが、その理由のほとんどが生徒会室でのお説教というのが何とも切ない。

 

「ところで、君はまだ満足していないのか?」

 

「ッ!」

 

 反省文がようやく50枚に達したところで、会長は威圧感を帯びた声色で私に問うてきた。

 

 それは私がデジたんのためにウマ娘たちを盗撮しているということにではなく、エアグルーヴさんに追いかけられるのを分かっていてまで行う理由について聞いているのだ。

 

 もちろんデジたんのために写真を撮っているのは本心だけど、それ以外に誰にも話したことがない()()()()()()()がある。

 

「エアグルーヴを自分の実力を試す相手にする、その上で何度も勝利をもぎ取ってきた君の走りはとてもいい。実際のレースとは勝手が違うからまた結果も変わってくるだろうが、もうデビューしても問題はないだろう」

 

 確かに客観的に見ても充分な実力はついていると思うし、レースに出て勝利した先にある光景をこの目で見たいという欲求はある。

 

 でも…………

 

「…………会長。私、三冠ウマ娘になりたいんです」

 

「ほう。それは大きく出たな」

 

「三冠ウマ娘になって、デジたん(あの子)にとって一番のウマ娘でありたいんです。私の一番のファンになってもらって、その時に…………どうしても伝えたいことが…………ありまして…………」

 

 言葉を紡いでいくうちに、私の胸は早鐘を打つように強い動悸を訴えていた。顔がすっかり暑く、鏡を見なくても分かるほど真っ赤になっているのがよく分かる。

 

 ウマ娘として転生してからずっと見てきたデジたんの姿、決して手の届かなかったあの子を近くに感じて触れていくうちに想いはどんどん強くなっていった。

 

「…………」

 

 会長は真剣な面持ちで沈黙している。不純な理由だと怒られるだろうか、それとも呆れられてしまうだろうか。

 

「…………なるほど、それが君の走る理由か」

 

「え?」

 

 納得したような表情と声音。どこか安心したように感じさせるその言葉に、私は間抜けな顔で口を開くことしか出来なかった。

 

「ならばその想いに報いられるように、より一層努力を続けることだ。君が進もうという道は決して楽なものではない。実力や運だけではく、自分の持てるもの全てをかけて挑むんだ」

 

「…………は、はい!」

 

 ルドルフ会長からの全身にひしひしと伝わる激励、とんでもないひとに背中を押されてしまってはびびってはいられなくなってしまった。

 

「私頑張ります! 三冠ウマ娘になって、この想いにも応援してくれる会長にも必ず報いてみせます!」

 

「そうか。では、今日はもう寮に戻って休むといい。これからやらなければならないことはたくさんある」

 

「でも、まだ反省文が…………」

 

「エアグルーヴには私がうまく言っておくよ。君の本音を聞かせてくれたお礼だ」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 

 テイオーが憧れる理由が、なんとなく実感できた気がする。

 

 あの会長に期待されているという誇らしさ、デジたんへの想いを肯定してもらえたような安心感を胸に私は自室に帰った。

 

 珍しく満足げな私を見て、熱があるのかとマチタンに心配された。

 

 解せぬ。

 

 

 




ルドルフ会長の話し方は難しいですね…………


アグネスストーカー

バ場 芝A  ダートA 

距離 短距離B マイルA 中距離A 長距離C 

脚質 逃げA 先行A 差しB 追込D

アグネスストーカーの三冠でライバル

  • スペシャルウィーク世代
  • テイエムオペラオー
  • ミホノブルボン
  • トウカイテイオー
  • シンボリルドルフなどの高3組
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