デジたんの幼なじみに転生した件(最高です) 作:レイラレイラ
「くうっ! 推しウマ娘ちゃんを眺め、食べるご飯は今日も美味しいですねぇっ!」
「そうだねぇ、美味しいねぇ」
デジたんの言う通り、推しを眺めながら食べるご飯は何よりも美味しい。
この世のどんな極上食材を使ったとしても、気を張らなければ昇天しかけるほどの多幸感は得られないだろう。
エデンはここにあったのだ!
はぅ~! お持ち帰りしたいぃ~~~~~ッ!
「…………あの」
「どうしたの、愛しのデジたん! あ、とうとう私をおかずに食べてくれる気になりましたか! いいよ、いいよぉ! どんどん食べちゃって!」
「そうではありません! あたしをお持ち帰りするなど、解釈違いです! あたしは推される側の存在ではなく、あくまでも推す側だと昔から言っているではありませんか!」
やっべ、声に出ていたか。
不覚ッ!
確かに小学校に上がってからというものデジたん布教活動を続けていたというのに、彼女は自分も推される側だということを否定してしまう!
だがしかし、私の最推しはデジたん以外にありえない!
それを分かってもらうために、私はデジたんへ愛を注ぎ続けるのみ!
「ふっふっふ。甘い、甘いよデジたん。お汁粉に蜂蜜ぶっかけるよりも甘い。デジたんが可愛いのは世の理と言っても過言ではない! 現にほら、世界はこんなにも輝いているのですから!」
「ひょあっ! …………確かにトーカちゃんの想いは理解しています。何度も他のウマ娘ちゃんを薦めても、一向に揺るがないその精神は尊敬に値しますよ。しかし、それは視野を狭めているだけだと…………」
ペロッ。
「…………」
「ほら、ガードが甘いよ。デ·ジ·た·ん」
「…………(昇天)」
口元についたソースを舐めてやると、デジたんの顔はみるみる真っ赤になっていくとやがて気を失ってしまった。
ああ、やっぱりデジたんは愛おしい! 可愛い! マイエンジェル!!
このまま本当にお持ち帰りして、食べてしまっても…………
ガシッと肩を捕まれ振り返ると、全身から鳥肌が立つほどの怒気を滲ませたエアグルーヴさんが…………
「毎度毎度、何度やらかせば気が済むのだこのたわけがぁ!!」
やらかす? 私が?
はて、いったい何のことを…………
…………そうだ、私はデジたんを…………デジたんを…………な、なめめめめめめめめめめめめめ!!
「…………きゅぅ」
放課後、デジたんにそれはもう土下座した。
この暴走癖はなんとかしないとなぁ…………
コンコン。
「ウマ?」
「娘」
とある部屋の前で軽くノックをすると、私はいつものように合言葉を唱える。
「よし、入りたまえ」
部屋の主の許可を得て、監視の目がないことを確認してから入室する。
薬品の匂いに満たされ、どこか狂気さえ感じさせる空間がそこにはあった。
その研究室の中央で、タキオンさんは席に怪しげな雰囲気を纏いながら腰かけていた。
アグネスタキオン。
私と方向性は違えど、要注意人物として学園からマークされている俗に言うマッドサイエンティスト。
栗毛のショートヘアは思わず撫で回したいふわふわで、登頂部からは彼女の性質をよく表している奔放なアホ毛。右耳には化学構造式を模したイヤリングをつけ、狂気を滲ませるハイライトの無い瞳が特徴的。
「よく来てくれたね。トーカ君、例のものは?」
「こちらになります」
脇に抱えていた箱をタキオンさんに差し出すと、彼女は満足げに笑みを浮かべる。
「へっへっへ。タキオンさん、それでは代金の方を頂けますかねぇ」
「いいだろう。ほら、受け取りたまえ」
タキオンさんの懐から取り出されたのは一枚の封筒。思わず涎が垂れそうになるのを我慢しながら、私は差し出された封筒を手にする。
「…………タキオンさん、あなたも悪ですねぇ」
「いやいや、君には到底敵わないよ」
お代官と越後屋のようなやり取りもそこそこに、私は封筒の中身をあらためた。夜空に煌めく星々よりもなお、強い光を放つそれは…………!!
「ウッヒョぉぉぉぉぉぉッ! デジたんの寝顔写真だぁ! たまんねぇぇぇ!」
ヤバい取引でもしているかと思いましたか?
その通り! デジたんの寝顔という昇天もののヤバい写真を、同室のタキオンさんに依頼していたのです!
あ…………ヤバい、鼻血が出そう!
「いつもすまないね。この紅茶の味が忘れられなくてね」
「無問題ですわ! 我々は紅茶好きの同士なのですから、お気になさらず!」
私とタキオンさんの出会ったのは、デジたんが同室ということでご挨拶に行ったときでした。
タキオンさんが紅茶好きという前世からの情報で取り入り、なんとかデジたんの寝顔コレクションを確保できないかという打算的なものでした。
しかし、実際に会っていくうち紅茶の話だけでなく、時折タキオンさんの実験に加担する中で本当の意味で友人になっていたわけなのです。
「では、そろそろティータイムといこうか」
「お茶受けのチョコレートもありますから、よかったらどうぞ!」
「君は本当に用意がいいな…………」
ちなみに、私が持ってきた紅茶はキャンディと呼ばれるもの。香りや風味が優しく飲みやすい紅茶なんだけど、タキオンさんはどんな紅茶でも砂糖をどばどば入れるからなぁ。
「そういえば、もうすぐ選抜レースの時期だがトーカ君は出るのかな?」
「は、はひっ!? えっと…………そうですね、選抜レースは正直別にいいかなって」
選抜レースは年に四度開催され、トレセン学園の一大行事となっている。チームに所属していないウマ娘のみエントリーでき、レースの成績によっては今後の運命が決まると言ってもいい。
観戦に来ているトレーナーへの実力アピールにもなるわけで、やる気になっているウマ娘は多い。
でも、私にはある目算があった。
時期的にはちょうど例のチームがメンバーを欲しがっているはずで、私とデジたんのスタンスからしても相性はいいはずだしね。
「そうか。トーカ君が言うなら心配はいらないだろう。同士として応援させてもらうよ」
心地よい空気感の中、私たちはのんびりと紅茶を味わう。
内心の高ぶりを抑えるために。
待っていなさい、チームスピカ!
私とデジたんの幸せのために!
デジたんへの愛で暴走するトーカちゃん。
恋は盲目とはこのことか…………
トーカちゃんの最推しはデジたんですが、自分から進んで関わっていくタイプなので割りと友達は多いです。
アグネスストーカーのヒミツ①
実は、母方の実家が紅茶専門店でトーカも紅茶好き
自ら紅茶を淹れることもでき、その実力はプロ級
アグネスストーカーの三冠でライバル
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スペシャルウィーク世代
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テイエムオペラオー
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ミホノブルボン
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トウカイテイオー
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シンボリルドルフなどの高3組