デジたんの幼なじみに転生した件(最高です) 作:レイラレイラ
日間ランキング64位に入っていた時期が…………私にもありました…………(応援ありがとうございます!)
「では、皆さん誰にもつけられていませんね?」
私ことアグネスストーカーの数ある取引場にて。
もう辛抱溜まらんという表情で、三人ほどのウマ娘ちゃんたちがこくこくと頷いている。
まあこれからすることは人様に見せられるものではないですし、これぐらいは確認しておくのは必須なのですよ。
「ふっふっふ~。安心なさいな、とっておきの品々を用意しておりますから。皆様方にはとっておきの商品をご提供しましょう」
懐から取り出したるは、数枚の写真たち。
ですが、それらはただの写真ではない特級の品なのです!
「フジキセキさんの今朝のお食事時の写真をご案内致します! 一枚五百円!」
「「「買いますっ!」」」
「まいどあり~」
今朝撮りたてホヤホヤの写真たちに食いつくウマ娘ちゃんたちに五百円玉を手渡され、すぐさま彼女たちは黄色い声をあげながら立ち去って行きました。
デジたんと趣味の時間に使う経費のため、少しでも多くお金が必要なのです。
直接依頼されたりしてウマ娘ちゃんを撮影、私の指定した場所で商品の受け渡しを行うというもの。
秘密厳守をモットーとしていますが、取引にあたって万が一人の目に触れては不味いためにとあるウマ娘に協力を依頼しているのです。
「やっほ~トーカちゃん。うまくやってるみたいだね、トーカちゃんのやってることがバレるとカレンも困っちゃうもん」
「ふっ、抜かりはありませんのでご心配なく。カレンちゃんとはこれからもよい関係を続けていきたいですからねぇ」
そう、協力者とはカレンチャンのことです。
カワイイの追求に余念がない、おしゃまな美少女ウマ娘。
そのカワイイには私と言えど気を抜けばやられかねない魅力を秘めており、デジたんがいなければまず間違いなく堕とされていたでしょう。
「それで、カレンの新作本の進捗はどうかな? 資料とかもっと必要だったりする?」
そう、カレンちゃんとは彼女のカワイイを凝縮した本を制作して販売することで私のやることに協力するという契約をしているのです!
今回は写真の受け渡しの際、邪魔が入らないように周囲を見張っておくように頼んでいました。
「ええ、進捗は順調ですとも! 夏コミには問題なく間に合うかと! 資料用の写真はデジたんへの貢ぎ物として別途頂けると…………」
「オッケー。写真はメールで纏めて送っておくね」
「どうもすいません。毎度助かってます」
「気にしないで。カレンとトーカちゃんの仲じゃない」
私のクラスに転校してきた時には驚いたけど、カレンちゃんにはカワイイについてのご教示を頂いている。デジたんに可愛く見られたいからね。
デジたんに用事があって寂しい時にお茶がてら話を聞いてもらったり、ウマスタでのコラボ写真を撮ったりと結構仲は良いと思う。
「そういえば、トーカちゃんってチームに入ったんだって? よかったね! デジタルちゃんに告白するまでの一歩を進めて!」
「ななな、なんでその事を!?」
「あははは~! だってトーカちゃん分かりやすいんだもん! …………それに、カレンがトーカちゃんのことで知らないことなんてないんだよ」
…………うぅ、私ってそんなに分かりやすいのかな?
そりゃあデジたんのために暴走している自覚はありますが、体裁だけはどうにか保てていると思っていたのに!
そういえば最後の方は聞こえなかったけど、まあカレンちゃんのことだから何を考えてても不思議ではないから気にしなくてもいいかな。
「…………いつか、カレンのカワイイでいっぱいにしてあげるからね。トーカちゃん」
カレンちゃんと別れて適当に歩くこと数分、今日はトレーナーさんが留守だったことを思い出す。
レースを見に行く的なこと言ってたし、推測ではあるがスペシャルウィークことスペちゃんと出会う日なのかもしれない。
時期的にももうそろそろだったはず、そう思うといよいよ本格的に物事が動きだすかもしれないと胸がワクワクしてくる。
かといってまだ私に出来ることがあるわけでもなし、デジたんのスカーレット×ウオッカの本制作を手伝おうかと思案する。
「…………あっ」
ありましたわ、出来ること!
スペちゃんがスピカに入り、メイクデビューの後に行われたウイニングライブの惨状…………
ダメダメ!
デジたんがチームスピカに入った以上、不甲斐ないライブには絶対にしちゃいけない!
そして、ルドルフ会長を怒らせることも避けたい!
あの娘がスピカに入るまでそこそこ時間があるけど、こうなったらやむを得ないのです!
ポケットからスマホを取り出し、私はあるウマ娘に電話をかける。
この状況をどうにかするには、あの娘に頼るのが一番ですからね!
何回かのコールの後、快活で元気いっぱいな声が電話口から流れた。
『もしもし? トーカが電話してくるなんて珍しいじゃん! どうしたの?』
「
『…………なんか、大変そうだね。今からそっちに行くから、話を聞くよ!』
「ありがとうございますぅ!」
「で、どういうこと? とんでもないことって」
「そ、それが…………」
噴水広場にテイオーを呼び出し、ベンチに腰かけながら私は今後起こるであろう惨状を間接的に説明した。
あのトレーナーさんのことだからレースに集中するあまり、ウイニングライブを教えるのを忘れかねないといった具合に。
もちろんテイオーには一瞬怪訝な目線を送られるが、すぐに納得したように首肯してくれる。
「まあ、トーカが言うならありえるかもね。トーカは人を見る目だけは確かだし」
「だけは余計です」
テイオーもといトウカイテイオーとは小学校の頃からの付き合いで、初めて出会ったのはデジたんと一緒に日本ダービーを見に行った時だ。
ルドルフ会長の走りにはウマ娘として憧れていた私はデジたんを誘い、日本ダービーを見に行き二人して興奮冷めやらぬ様子で帰る直前に見覚えのあるウマ娘とぶつかったのです。
すぐにトウカイテイオーだと分かり、私は彼女と交流を持つようになった。
学校が別だったので毎日会うわけにはいかなかったですが、私とデジたんとテイオーでいろいろなレースを見たり遊んだりしたものです。
「できればチームスピカに…………いえ、せめてダンスコーチだけでもお願いしたいのです!」
私とデジたんだけでもその役目は全う出来るだろうが、デジたんは昇天してそれどころではないだろう。
さすがに専門家でもない私だけで三人、スペちゃんも入れば四人も面倒を見るとなると厳しい。
「私に出来ることはなんでもします! ですから…………」
「いいよ?」
「…………え?」
「スピカに入って欲しいんでしょ? トーカの頼みだからね、それにボクもそろそろチームに所属しようかなって思ってたし」
テイオーの言葉を理解するのに数秒、あるいは数十秒の時間を要しただろうか。
「ちょ、トーカ!?」
気づけば私はテイオーを抱き上げ、学園の敷地内をとにかく走り回っていた。
「よっしゃあ────ッ!! テイオーに感謝の抱っこ走りをプレゼントしちゃいますから、しっかり捕まっててくださいよ ────!!」
「ワケワカンナイヨー!!」
抱っこ走りの後、テイオーに並走トレーニングをお願いして自主トレを行いました。
帰り道の途中、お詫びとお礼を兼ねてはちみーを奢ることになった。
本気で走った後の余韻故か、テイオーを原作よりも早くチームスピカに入れることが出来たことの喜び或いはその両方。
普段なめているはちみーよりずっと甘い気がした。
なんだかトーカちゃんの背後にやべぇ感じが…………
アグネスストーカーのヒミツ②
トレセン学園の様々な場所に取引場を設けているとか。
依頼を受けるなどして、ウマ娘の盗撮写真を提供している。
トーカちゃんの影響を受けて一部のウマ娘ちゃんが変態化しているとか…………