デジたんの幼なじみに転生した件(最高です) 作:レイラレイラ
美少女ウマ娘二人に挟まれ、端から見れば完全に羨まけしからんな状況にある私ことアグネスストーカーです。
正直に申し上げますと、ウマ娘オタクである私としては嬉しくないわけではないのです。
だがしかし!
私はあくまでもデジたんを愛し、信仰するものでありますれば!
ここは不屈の精神で乗り越え…………
「ふーっ」
「ひょぇっ!」
「真っ赤になっちゃって…………カワイイ♪ ︎」
「むぅ~~~~!!」
くっ、なんという破壊力でしゅか!
このままでは私の不屈の精神(紙装甲)でももちそうにない、というかさっきから右腕に折れそうなくらい力が入ってるんですが!?
これ以上は精神衛生上でも、肉体的にもヤバい状況になりつつあります。
…………仕方ありません。
これだけは最終手段にと、出来ることなら使わずにいられたらそれに越したことはないアレを使うときが来ようとは!
「二人とも…………これを見るがいいです!」
かろうじて動く左腕をスカートのポケットに突っ込み、一枚の写真を二人に見えるように掲げます。
そう…………その写真とは!
「「…………ドピュッ!!」」(鼻血の出る音)
「本当はデジたんに捧げようと思って出すに出せなかった攻め写真、まさかこれが役に立つ日が来ようとは…………」
肝心な部分だけを辛うじて隠し、ほとんどの部分がすけすけという所謂過激な下着を纏い恥じらう私の姿がこの写真には写っております。
撮ったはいいものの、さすがに恥ずかしいと思って封印していたものですが今回は助かったので結果オーライですね。
まあ、自由の代わりに何か別のものを失ったような気がしますが…………
「はーはっはっは!! 何処かで見た顔だと思えば、まさかキミだったとはね!」
「この声は!」
「また会えたねトーカ! 我が積年のライバルよ!」
無駄に大仰な動作で登場したのは、数多のウマ娘ちゃんやヒトの女性を魅了してしまうイケメンフェイスかつ超がつくほどのナルシスト!
輝かしいオーラとともに、あのテイエムオペラオーが私の前に現れましたよ!
尚、ライバルというのは自称です。
なんというのか、気づいたときにはライバル宣言くらってたんですわ。
ただ、ここで彼女が現れたことはむしろ好都合というもの!
「オペくんではないですか! 丁度いいところに! カレンちゃんとテイオーを見ててください!」
「いいだろう! 他ならぬキミの頼みだからね、引き受けようじゃないか!」
よし、カレンちゃんとテイオーを見張る役回りを押し付けることに成功しました!
これで落ち着いて入部テストを受けるウマ娘の観察に集中出きるというもの!
「デジたんは…………まだ尊死中ですか」
やっば…………寝顔のデジたんまじ天使!!
普段から天使ではあるのですが、寝顔の可愛らしさと来たら…………た、たまりませんなぁ!!
おっとと、いけないいけない。
まずはスペちゃんを探さなければいけませんね。
その前に、一枚だけパシャリと撮らせていただきましょう。
デジたんの寝顔写真をゲットしたことで幸せの絶頂を迎えながら、持参していた双眼鏡でグラウンドを見据える。
見事に整列させられていますね、ウマ娘ちゃんたちがあんなに密集して…………
「ぬぉおおおお! ウマ娘ちゃんパラダイスを前にしていつまでも死んでいるわけにはいきませんよぉ!!」
「デジたん!!」
「はぁ…………はぁ…………ウマ娘ちゃんたちが一同に介しているなんという幸せ空間! トレセンに入学してよかったー!!」
うんうん、私はデジたんと同じ空間にいるだけで幸せです。
それにしても、エルコンドルパサーやキングヘイローはすぐに見つけられましたが肝心のスペちゃんが見つかりません。
ウマ娘ちゃんの容姿はだいたい覚えているので見逃す筈はないのですが…………
私が見逃していないとすれば、もしやスペちゃんは入部テストを
これは、いったいどういう…………
「うわぁああああああああッ!!」
「な、何事ですか!?」
オペくんの悲鳴が背後から響き、後方に視線を向けると…………全身の鳥肌が一気にぶわっと立つほどの光景が広がっていたのです!
「…………ねぇ。もっとトーカちゃんのカワイイをカレンに見せてよ。はぁはぁ…………トーカちゃんのカワイイもっとぉ!」
カレンちゃんが恍惚な笑みを浮かべ、ゾンビみたいな足取りで歩み寄ってきます。
ゾンビカレンちゃんも可愛いなと考えてしまうあたり自分も相当毒されてるなと思いつつ、さらに驚愕の現象を目の当たりにする。
「カワイイカレンチャン!」
「なんですとぉ!? オペくんが堕ちたぁ!?」
あのオペくんが「お話」の餌食に!?
畜生! 誰ですか、オペくんをあんな目に合わせたのは! (ブーメラン)
「そうだ、テイオーは!?」
「ぴえ……ぴええ…………」
テイオーには過激すぎたでしょうか…………
目をぐるぐるさせ、顔も真っ赤になっていてえっちぃのに耐性がないことがまるわかりというもの。
そんなことよりも、このままではデジたんまで「お話」の餌食になりかねない!
「デジたんに写真係は任せていいですか!? 私はやむを得ない事情ができまして、少ーし大逃げをかまさなくてはならなくなりまして!」
「ここはあたしにおまかせを! 部室がいっぱいになるぐらいに撮りまくってやりますとも!」
さすがにそこまでは撮らなくてもいいですよ!
カレンちゃんからデジたんを守るために…………
「逃げるんだよォ!」
「レースじゃあるまいし、こんなに緊張感のある逃げは初めてですわ…………」
ほぼ全速力で逃げること約十分、とにかく校舎内に駆け込んで屋外で目立つことを防ぐ。
カレンちゃんは短距離が得意なウマ娘ですから、ここに着くまでの時間は稼げる筈。
「取り敢えずタキオンさんに鎮静剤でも貰いに行って…………ッ!」
一息ついて目標を定めたところでまたもや全身から鳥肌が立ち、即座に壁際に隠れて様子を窺います。
「どこ行っちゃったの? カレンはここだよ、トーカちゃん…………」
カレンちゃんが不気味なオーラを纏い、校舎のすぐ側まで迫っているではありませんか!
だって早すぎでしょう!
ペース配分とかを考えたとしても、全力でこっちは走って数十秒遅れで到着なんて!
「これが火事場の馬鹿力というやつですかね…………」
これならエアグルーヴさんに追い回されていた時の方が、圧倒的に気が楽ってもんですよ。
さっさとタキオンさんの研究室に向かわないと…………
カレンちゃんの進行方向とは逆の階段からの死角でどんと、誰かにぶつかってしまいます。
「すいません、少々立て込んでおりましてお詫びはいずれ…………」
「え、トーカじゃん。何してんのこんなとこで」
そのどこか斜に構えた感じの喋り方とお声は…………!!
「ナイスねーちゃん!」
「ナイスネイチャだっ!」
「お願いしますっ! 匿ってくだせぇ!」
「…………は?」
オペラオーは犠牲になったのだ…………犠牲の犠牲にな…………
スペちゃんはいずこへ…………
③で終わるでしょうか