死界は異なる世界にも   作:ゴツゴツクリスタル

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設定めっちゃだるい。初心者には酷ですよこんなの


過去話1

 

 

「おいおい、こんな所で事故かよ」

「俺ちょうど見てたけどすげぇ量の血が出てたぞ、ありゃ助からないな…」

 

夜中にけたましく鳴るサイレン

住宅街の一つの塀には赤いペンキが不細工に塗られ、その塀に死人のようにもたれかかっている少年がいた。

 

(あれ、手足が思う様に動かない…)

 

頭から血をダバダバと流す姿は見た時に助からないと思わせる量だ

 

(……まぁ、僕の命とでしたら、交換条件としては……悪くない…でしょう。)

 

ぼんやりとした視界で必死に自分を揺さぶるリボンの少女を見ながら自分の意識は途切れた。

中1の春だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………どこ…ここ」

気づいたら知らないベッドで寝ていた。状況を確認したくて横を見たらナースコールというものがあった。

どうやら自分は助かったらしい、均等な音程で聞こえる鼻息と動かそうとすると痛む体に生の実感を覚えた。

死ななかったことへの安堵感の後に考えたことは、妹は大丈夫なのか、何故あの状態から助かったのか、

 

何より

 

この赤黒い線はなんなのか

 

等、聞きたいことが山ほどあるが、それも後で全部話してもらえるだろう。

 

今はただ、見てるだけで吐き気を催す赤黒い線を直視したくなくて目を瞑った

 

 

 

 

 

2日経って面会を許された。

妹の紫乃が病室に入った途端に泣きながら抱きついてきた。何度も謝られる姿を見て帰ってきた感覚を覚えた

事故の直前紫乃を勢いよく飛ばしたおかげで壁にぶつかった時に出来た擦り傷以外は傷はなかった。

よかった。折角の可愛い顔に傷がついたら僕は自分を許せなかっただろう。

傷つけたら他界した親に指全部折られちゃいますよ、と少し場を和ませようと冗談を言ってみた。

 

「……いなく…ならないよね?…もうどっか……行っちゃわないよね…」

 

その唯一の妹の言葉にも視界に映る赤黒い線を見てしまって

 

返事をすることができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中2の夏、まだちゃんと志望校を決めていない人が多い季節に、帰ろうとバックを背負って教室を出ようとすると、あまり仲良くもない男子に呼び止められた。今日当番だけど今は暇じゃないからとゴミ袋を渡された。

わかりましたと出来るだけ世間一般でいういい笑顔で返事をしたら少し恐怖の入り混じった顔をした後そそくさと帰っていった

 

校舎裏のゴミ捨て場に足を運ぶと女子の怒号が聞こえてきた。

 

「ねぇ、私が光輝くんの事好きってわかっててやってるよね?」

「ち、ちがっ、そんなつもりはなくて「そんなつもりはない?あんなに光輝くんにひっついて置いて?」っ」

 

どうやらこの学校で有名な超イケメンくんの天之川光輝に関する揉め合いらしい

3人の女子に囲まれてる中にポツンといるあの女の子は会話の感じからすると天之川光輝といつも一緒に

いる八重樫雫だ

 

「……………」

「もう2度と光輝くんの視界に入らないで」

 

カバンから出したノートを八重樫雫に投げてそのまま3人組は帰っていった

 

 

 

 

「…笑いに来たの?」

 

どうしたものかと考えているうちに涙目で呼びかけられた

 

「ほぼ初対面の相手にそんな事しませんよ」

「うん、確かにそうかも…」

 

疲れきった笑顔だった

 

「まぁ、流石に今の会話盗み聞いて無視できるほど僕の精神は図太くないので初対面の僕なんかでよければ

 話を聞くくらいはできますよ」

「…ごめんなさい、少し、聞いてもらえると嬉しいわ」

 

八重樫雫から聞いた天之川光輝はその外見に見合わないほどの無責任さとご都合解釈人間だった。

彼は多分根本的な所では女性の事をアクセサリーか何かの様に考えているのだろう

 

「こんな話に付き合ってもらってありがとう。今日あったばかりなのに…

 ふふっ、不思議ね。なんだかあなただったら全部受け止めてくれるかなって思っちゃったわ」

「そう言ってもらえると光栄です。盗み聞いた甲斐があったものです。」

「盗み聞き自体はもう二度とやらない方がいいわよ?」

「成り行きで聞こえてきたんですよ、不可抗力です」

 

クスクスと二人で笑い合った。八重樫雫の表情も先ほどとは打って変わって明るくなっていた。

 

「こんな話ちゃんと聞いてもらえたの初めてだわ。改めてありがとう」

「感謝は素直に受け取りましょう。……….雫さん、また困ったことがあれば相談に乗りますよ」

 

一瞬惚けた顔になった後満面の笑みを浮かべた

 

「えぇ!またお世話になるかもしれないからその時はよろしく!」

 

男勝りと言われながらそんな少女らしい行動をとる彼女を見て不安に駆られた

 




見直してなぁい
また不定期投稿します

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