死界は異なる世界にも 作:ゴツゴツクリスタル
月曜日の朝。
誰もが待ち望んでいない憂鬱な日の代表格と言っても過言ではない。部活動で登校する生徒達は眠そうな者や、楽しそうな者、だるそうな者がいる。
(あぁ、今日は一段と線が見えやすい…最近どうしたんだろ…)
士道縁
この高校に入学している中立的な顔をした好青年。成績は何故かいつも17位をキープしており、男友達からはよくその事をよくいじられている。困ったことがあれば必ず相談にのり解決率95%というイカれた数字を叩き出していることから男女からよく頼られるお兄さん的存在だ。
「おはよう、士道くん」
「おはようございます、雫さん」
八重樫雫
長い髪をポニーテールにした少女。家が剣術道場を営んでおり、大会では負けなしという天才。そのキリッとした姿からお姉さまと慕われている。
「どうしたの?もしかして体調悪い?」
「いえ、月曜日という事に少し憂鬱感を覚えただけです」
「あなたって時々子供みたいなこと言うわね」
校門をくぐって剣道場に足を運ぶ。中からは掛け声が絶え間なく聞こえてきて、よく見学にくる縁は何をしているかがよく理解できていた。
「では僕は外で見ていますね、部活動頑張って下さい」
「もう、士道くんも剣道部入ればいいのに。手取り足取り教えるわよ?」
「剣道部には光輝くんがいらっしゃるので…」
「あぁそうだったわね。会ったらややこしい事になるものね」
「そういうことです。外から見てる分にはいいけど中に入るとってやつです」
「ふふっ、それはちょっと違うんじゃないかしら」
いつも通り外から剣道部の様子を見ていく。
(くっ、眼鏡を掛けてるのに線が見えてきそうになってきてる…魔眼の影響が強くなってきたって事かな)
士道縁は二度死にかけた事で万物の死が見えるようになっていた。万物の死というと聞こえはいいがこの目は本来人間などというたかが100年が限界程度の生物が手に入れていい存在ではなく、見ていると死の世界に頭が耐えきれなくなって脳が壊死してしまうという便利というにはあまりにリスクの高いものだ。
(今までは昔の家の蔵にあったこの眼鏡を掛けてれば大丈夫だったけど最近は少し気を緩めるとってとこかな)
(あの世界を見るのは依頼の時だけでいい)
八重樫雫が道場から出てきた。まだ汗をかいているとこから急いで着替えてきたことがわかる。
「着替えはゆっくりでいいですよ?」
「光輝って着替えるの早いからあなたがいるのみられる前に行った方がいいじゃない」
「…それもそうですね」
校舎に入って教室へと向かう。教室の扉を開けると気弱そうな男子一人に四人の男子がちょっかいをかけてる様子が見えた。
「よぉ、キモオタ!また、徹夜でゲームか?どうせエロゲでもしてたんだろ」
「うわっ、キモ〜。エロゲで徹夜とかマジキモいじゃん」
「そこ、どいてもらえませんか?通行の邪魔ですよ?」
「ひっ」
出来るだけいい笑顔で追い払おうと思い、語彙を少し強めに発した。
(やかましい人たちですね。毎日飽きないんですか)
そそくさと檜山大介とその三人組はその場から離れていった。
「あ、ありがとう士道くん」
「いえ、ああいう輩は強気にでなければ舐められっぱなしですよ。次からは机に足を乗っけてメンチを切るくらいでいかないと」
「変な事教えないの士道くん」
「あ、あはは」
その後席に鞄を置くと後ろから声をかけられた
「縁、お前八重樫さんと登校してるってマジか?」
「えぇ、事実ですが、光輝くんにこのことは言わないで下さいね、シンプルにめんどくさいので」
「いやそりゃ分かったけど…いいなぁ羨ましいーよお前が、俺も彼女欲しいー」
「そういう事言ってるからできないんですよ。あと彼女じゃありません。」
遠藤浩介
影の薄さはトップクラスといういらない称号を生まれながらに得ている不遇な友人だ。入学時に声を掛けたところ「お前、俺が見えるのか?」という宿の幽霊みたいな事を言われてから仲良くやっている。
「南雲くんも不憫ですね。白崎さんに目をかけられた事で普通ならいつも寝てる人程度の認識が白崎さんに声を注意されてるにも関わらず直す気がない不真面目な生徒扱いにされるなんて」
「でも、実際あんだけ言われて直さないあいつもあいつだと思うけどなぁ」
「白崎さんと南雲さんがどう関わろうと個人の自由でしょう。そこに嫉妬や侮蔑が入り混じって南雲くんを大義があるかのように振る舞うのはいじめと変わりませんよ。まぁまだマシな方ですが」
「ふーん」
あまり興味が無さそうな返事をしてチャイムがなった。
4限目のチャイムがなり、しばらくするとみな好きなところでご飯を食べる。横を見るとまた南雲ハジメが白崎香織に誘われて天之川光輝がそれを止めて、それを不思議そうに言い返すという漫才のような空間が作られていた。
「天之川くんも懲りませんね」
「となりいいかしら」
「どうぞ、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないわよ、これは南雲くんも大変ね」
「全くです」
「香織、こっちで一緒に食べよう。南雲はまだ寝足りないみたいだしさ。せっかくの香織の美味しい料理を寝ぼけたままたべるなんて俺が許さないよ?」
「え?なんで、光輝くんの許しがいるの?」
「ブフッ」
「ははっ、彼女も流石ですね」
そう言って弁当を食べようと弁当のご飯を食べようと箸を持ち上げた
───瞬間、足元に謎の紋様が現れた。
「皆んな!教室から出て!」
愛子先生が咄嗟に叫んだが、その紋様が光り輝いたのとタイミングが同じだった。
「っ、雫さん!手を!」
「え、えぇ!」
そんな中士道縁が光に埋め尽くされる前に考えた事は
またしても妹の紫乃の事だった
数秒光った後、教室にのこされたのは椅子や弁当、飲みかけのペットボトルだけだった。
長かった。過去話つまらんと思ったらけして他のにしようかしら