竜殺しっぽい誰かの話。   作:焼肉ソーダ

20 / 63
祝・20話! そろそろ長くなってきたので矛盾が発生していないか怖くなってくる頃ですね。そしてUAも50000を超えました……。
そして皆様、感想や評価いつもありがとうございます。大きな励みです。


20.しつこい男は嫌われる……らしい

 あれよあれよという間に時は過ぎ、気が付けばあっという間に魔導兵団戦の本番となってしまった。

 

 今俺たちがいるのは、今回の授業で使う学院所有の演習場。こういった状況でなければピクニックにでも使いたいと思えるようなのどかな景色が広がっている。……いや本当、湖畔に草原に森に丘にと、こんなおあつらえ向きの地形があったのかとちょっと驚いている。

 

「───ではこれより、この私ハーレイ=アストレイが、貴様らにこの魔導兵団戦のルール説明をしてやる。心して聞け」

 

 ぼけっとしていたらそんな声が聞こえた。緊張を紛らわせるための雑談でざわついていた二組と四組が静かになる。

 それに満足したのだろう、ハーレイ先生は一つ頷いて、いつも通り尊大にルールを説明していく。

 

「使用可能な呪文は以前に通達した通り、【ショック・ボルト】などの初等呪文のみだ。実際に怪我をすることはまずないだろうが、万が一の場合は学院の医務室で働いておられるセシリア先生に頼るがいい。それから───」

 

 あ、なんか眠くなってきた。

 

「───以上が、今回の魔導兵団戦のルールだ。さて、理解できなかった凡愚はいるか? ……よろしい。では、各自配置につけ」

 

 審判も務めることになっているハーレイ先生の号令に、生徒が自分たちの指揮官───俺たちの場合はグレン先生、にくっついて、拠点となる南西の環状列石遺跡に向かっていく。

 

 今回、頭に入れておくべき重要なポイントは『平原』『森』『丘』の三つ。

 平原は敵拠点への最短ルートとなっていて、最速を目指すならここを通れば良い。が、それは相手も同じこと。どうしたって、平原はお互いにぶつかり合い戦況が膠着する最前線になるだろう。

 その横の森もまた面倒で、守りやすく攻めにくいここを占拠されてしまうと遮蔽物の少ない平原チームは横っ面から魔術をバカスカ食らうことになってしまう。従って、ここも平原ほど派手にはならないだろうが激戦区になるだろうことは予想できる。

 最後、丘。見晴らしの良い高所は狙撃ポイントになるというのはまあわかりやすい話だ。平原はともかくさすがに森までは初等呪文では届かないし、敵の拠点まで一番遠回りになるのもこの丘を通るルートだ。

 

「つまり?」

「ふっ。……全ッ然わからん」

「おい」

 

 横からカッシュの呆れたような声が聞こえたが無視する。

 仕方ないだろう。こちとら素人じゃ。

 

「あー……まあ、ギイブルも言ってたけど俺らの実力でテッペン(頭上)抑えられたら平原は一瞬で制圧されるだろうし、丘には強いやつを投入するんじゃないか? 最重要拠点、てコト」

「なーる……悔しいけど、確かに俺たちの魔術練度じゃ四組とまともにやりあったら不利か」

「そ。だから……そうだな。俺らはたぶん、平原か森に配置されることになる」

「丘は誰が行くと思う?」

「そりゃお前……」

 

 ちら、とグレン先生の指示を聞いている一人の少女に目を向ける。

 攻撃ができない代わり、おそらく今回一番拠点防衛に向いている少女。

 

「レイフォードだろ」

「……リィエルちゃん、【ショック・ボルト】くらいなら軽々避けちまうもんなあ……」

 

 しみじみとカッシュが言う通り、レイフォードの動体視力はバケモノ並みだ。

 たかが生徒の魔術くらいならたぶん勘と経験で避けてしまう。さすが軍人というべきか、さすがレイフォードというべきか。どっちが正解なのだろうか。きっと後者だろう。

 

「どっちにしろ、今回の戦略を練るのはグレン先生だ。俺らは馬車馬のごとく働けばいいのさ」

「それもそうだな……よっし、ならどっちが多く敵兵を撃破するか競争しようぜ!? 負けた方がメシ奢りで!」

「却下だおバカたれ。そーゆーのはギイブルとやってなさい」

「……ギイブルのメシか」

「……いや、奢りなんだから食堂のメシの代金持ってくれるってだけだろ」

 

 お前、さてはうちの店でぱーっと豪華に夕飯を奢ってもらおうとか考えてたな?

 そう指摘すると図星だったのか、カッシュはそそくさとギイブルに勝負を吹っ掛けに行った。ああ、ありゃ今週の生活費がキツくなるだろうなあ。

 

 そんな雑談で暇を潰していると、グレン先生からお呼びがかかる。どうやらレイフォードへの仕込みは終わったらしい。

 にっと見慣れた形に口の端を吊り上げ、グレン先生が今回の作戦を披露する。

 

「いいかお前ら。今回の魔導兵団戦でのお前らのポジションは───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───電撃が、突風が、緑生い茂る森の中を駆け巡る。

 

 その真っ只中で、俺は現在樹から樹へと飛び移りつつ目に付いた敵に片っ端から攻性呪文(アサルト・スペル)をぶちかまし続けていた。

 

『アッシュ、お前サルかなんかみてーに樹を伝って移動とかできねえ?』

 

 冗談だったのだろう、あはははは、さすがに無理だよなーメンゴメンゴ、と言って笑うグレン先生を尻目に俺は少しの間考えて。

 

『できますね』

『ゑ?』

『ゑ?』

 

 そんなアホみたいな会話から数十分、グレン先生の策略が見事にハマりレオス先生の陣営が次々と脱落していく中、今が好機と待機組だった俺たちを出撃させたのが現状だ。

 途中でナーブレスがスッ転ぶなんていうアクシデントもあったが、概ね問題はない。

 

「い、いたぞーッ! ヴィルセルトだ! 討て! 討ち取れェーーーッ!」

「くそ、なんで当たらないんだ!? あんな出鱈目な動きしてるくせに……!」

「そりゃあ……まあ、うん」

 

 散々師匠に森で叩きのめされたからですがなにか。

 というかつい最近魔術ぶっ放してくるやべえケダモノとやり合ったから前より森での動きは洗練されておりますことよ。

 

 思い切り樹の幹を蹴り、別の樹から伸びる枝に手をかける。四組の誰かがこっちに向けて【ショック・ボルト】を撃ったようだが甘い。枝にぶら下がるのではなく、鉄棒のように逆上がりをすることでそれを避け、回転の勢いをそのままに別の枝へ。

 

 いや本当、身体鍛えててよかったわー。

 

「鍛えてるからって問題でもないだろアレ……ええい、《雷精の紫電よ》───!」

「うーん……環境破壊への配慮がある魔術戦はやっぱり良いなあ……!」

 

 あの森、比較的樹が少なかったせいか大炎上まではいかなかったけどちょこちょこ草焦げてたからね。

 大事にならなくてホントよかったよ。

 

 時折すれ違いざまに最近一節詠唱ができるようになった【ショック・ボルト】をぶん投げつつ、連中が目で追うだけでも疲れるようにあっちこっちに動き回る。

 命中率は相変わらず低いが、こっちの変態的機動とレオス先生のパニック、味方の奮戦のおかげで牽制程度にはなっているようだ。……あ、一人落とした。

 

「くっ、前々から思っていたが……君は一体なんなんだ!? どこぞの原住民族なのか!?」

「失敬な。俺は正真正銘の帝国民だぞコノヤロー。あ、ギイブル。四時の方向」

「わかってる……《雷精の紫電よ》っ!」

 

 おお、さすがギイブル。即座に反応して一人討ち取りよった。

 

 その魔術狙撃の精度を少しくらい俺に分けてほしい。

 

「バカ言ってないで次だ! 撃破数を競うつもりは毛頭ないが、負けっぱなしも性に合わない……!」

「うん? 別に俺、お前に勝ったこととかなくない?」

 

 そもそも勝負吹っ掛けた覚えとかないよ?

 

「……三ヶ月前の事件で、君は死んだと思われていたのに帰ってきただろう。完璧に無事とは言い難かったようだが」

「ああ、まあ、うん」

「……いくら魔術の腕を上げたって、実際の戦いで活かせないならそれは技術じゃない。ただの知識だ。……僕はあの日、なにもできなかった」

 

 俺のはただの偶然だけどね。

 

「偶然であれなんであれ、君は魔術師として持てる手段を使い、生き延び、一矢報いた。……それが僕は、少し」

「妬ましい?」

「直球だな。……だけど、概ね間違ってない」

 

 魔術師として、っていうとかなり語弊があるんだが……まあ、いいか。

 ともかく、ギイブルはあの日、明らかな格上相手になにもできなかったことを悔しがっていて、だからこそ確実に襲われたはずなのに戻ってきた俺が若干気に入らないということらしい。

 

 正直相性の話だから気にすることはないって言いたいんだけど。

 

「それでも、だ」

 

 目の前に現れた四組の生徒が放った魔術に対抗呪文(カウンター・スペル)を合わせながら、ギイブルが言う。

 

「僕のプライドが、ここで……模擬戦だとしても、実際の魔術師としての戦いで負けるのは二度とごめんだって言ってるんでね」

 

 ……そうか。

 

「正直自分より下のやつが急にチヤホヤされてたのが気に入らないのかと思ってた」

「君が僕をどう思ってるのか、今度ゆっくり話し合わないといけないみたいだね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔導兵団戦はお互いに損耗率が80%を超えたので、引き分けということで終わった。

 

 俺? ギイブルとは途中で別れてその辺うろついてたよ。一回だけグレン先生誤射しそうになってめっちゃビビった。

 あとクラスのやつらにその変態機動はどこで身に付けたんだって言われたから森でほぼ丸腰のまま魔獣との組み手百回でもすれば勝手に覚えるって言ったらドン引きされた。解せぬ。

 

「お前の動き、なーんかデジャヴるんだよな……」

 

 とは、試合終了直後のグレン先生の言である。

 元軍人ってことだし、実は師匠と知り合いだったりするのだろうか。

 

「……というか、師匠が軍人ならあの時代に知り合った大人はみんな軍人という説……?」

 

 えーと、セラさん、リディアさん、アルベルトさん……はたぶん魔術競技祭が初めてだったよな?

 ……他、師匠が紹介してきた人って誰かいたっけ。

 いない気がする。

 というか、それ以外に知り合いがほとんどいない気がする。

 

「……。あれ、もしかして帝都にいた頃の俺ってぼっち?」

 

 気付いてはいけないことに気付いてしまった……。でも考えてみれば確かに帝都で暮らしてた頃は師匠が連れて来た人たちぐらいとしか会ったり遊んだりしていた覚えがねえ。ぼっちじゃん。

 あとの時間って大体ぬぼーっとしてたか、勉強してたか、師匠にしごかれてたかの三択だったし……。

 

「よし、忘れよう。今はぼっちじゃない、それで良いじゃないか……」

 

 それによくよく考えたら別にぼっちでも問題ないし。

 第一、七つか八つくらいで故郷から引っ越してきたらそりゃ知り合いなんざいねえわな。

 

「貴方たちッ! なんなんですかその体たらくはッ!」

 

 突然、反省会をしていた四組の方から聞こえた怒声にびくりと何人かが身をすくませる。

 

 くだらないことを考えていた俺も例外ではない。反射的に声が聞こえた方に顔を向けると、そこにいたのは顔色を土気色にしながら頭ごなしに四組の生徒を叱り付けるレオス先生だった。

 

 さすがに言いすぎだと思ったのか、グレン先生が仲裁に入る。

 

 ……おおう。今度はレオス先生がグレン先生に手袋をフルスイング。

 しかし、そこで我慢の限界が来たらしい。フィーベルがついにブチギレて二人の間に割って入っていった。

 が、グレン先生はそれを丸っと無視して手袋を拾ってしまう。叩き付けられた手袋を拾い上げるというのは決闘の申し出を受けるという意思表示だ。フィーベルの抗議にも関わらず、あの二人の決闘は決まってしまったらしい。

 

 ええ……。これ、どうなるんだろう。さすがにフィーベルが哀れというか渦中にいるのになにも知らされてないっぽくてなんとも言えないんだけど。

 当事者ではないので口を挟めないとはいえ、そろそろグレン先生はフィーベルに色々説明してやるべきではないだろうか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんて考えてたら翌日にフィーベルとレオス先生の婚約が発表されたでござる。

 

 Why?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グレン先生とレオス先生の決闘を待たずに発表されたフィーベルとレオス先生の婚約。しかも一週間後に結婚式まで執り行われるらしい。

 

 それから逃げるように、指定した時刻にグレン先生は現れなかった。

 

 学院内は予想外のゴシップに色めきだっているようだが、当然あんなに複雑そうな顔をしていたフィーベルを知っている二組生徒はそれどころではない。みんな、どういうつもりだとフィーベルに詰め寄っていた。

 

「いいの……私、現実を見ることにしたんだから……レオスのお嫁さんになるのが、私の夢だったんだから……」

 

 噓つけ、と言ってしまいたくなるほど、フィーベルの様子はおかしかった。

 

 普通、望んで花嫁になる人間ってのはもっと幸せそうにしているものではないのだろうか。今のフィーベルはむしろ、嫌で嫌でたまらないけど仕方ないから従っている……みたいな悲壮さが漂っている。

 大体、挙動不審にもほどがある。なにを聞いても『私はレオスと結婚する』としか言わないのだ。とんでもなく怪しい。

 

「システィーナ。よろしいですか? 式の段取りについて相談があるのですが……」

「え、ええ。もちろんよ。良い式の……ため、だものね」

 

 いやそのセリフの区切り方は明らかになにかあるって言ってるようなものじゃんよ。

 

 しかしここに、いつもならレオス先生に突っかかるはずのグレン先生はいない。決闘をすっぽかしたグレン先生は、その日から音信不通になっていた。

 

「あー……ティンジェル、どう思う?」

「絶対におかしいと思う。でもシスティ、私が聞いてもなにも答えてくれなくて……」

「それはやっぱり、レオス先生と結婚する、の一点張り?」

 

 こくり、とティンジェルが頷く。

 ついでに、こっそりと『なにか弱みを握られてるんじゃないかなって思う』と耳打ちもしてきた。

 

 フィーベルを動かせるぐらいの弱み……弱み……ねえ。

 

 俺たちの知るシスティーナ=フィーベルという少女が握られて困りそうな弱みと言われれば、考えられるのは『従わなければ魔術研究ができなくなる』、『従わなければフィーベル家が破滅する』といったところ。

 可能性は低いだろうが、変化球で『従わなければティンジェルの秘密をバラす』……とかも有り得るだろうか? その場合、どこからその情報を入手したのかが疑問だが。

 

「そんな……じゃあ、レオス先生は天の……?」

「ま、現状お前のあれこれを知ってるとしたら天ぷらかお偉いさんくらいなもんだろうし……可能性は低い……と言いたいところなんだが」

「天ぷら……?」

「東方の料理。今度食わせてやる」

「え、あ、ありがとう……?」

 

 問題はそうなると、俺たちにできることがほとんどないということだ。

 ティンジェル曰く、三日前……フィーベルが結婚を発表する前日の夜にグレン先生に助けてくれって言いに行ったらしいけど、グレン先生は『任せろ』と大変頼もしい一言を残して失踪。けどあの人の性格から言って、どこかに潜んで機を窺ってるんだろうと思う。

 白金魔導研究所の一件じゃ、キメラにエレノアさんにとボコボコにされてレイフォードに回収されたあと、すげー勢いで謝ってきたし。あの人の義理堅さはもうそれはよーく知っている。レイフォードもそうだけど、諸悪の根源は天ぷら同好会なんだから気にしなくていいのに。

 

「しっかし、わかんねえな……フィーベルが屈した理由もそうだけど、レオス先生の強引さ……謎が多すぎる」

 

 そもそも、今までは婚約者らしいからと流していたが、これだけ強引な結婚なんて認められるのか?

 

 フィーベルは大きな家の跡取りでしかも一人娘だし、少なくとも嫁入りは家で話し合わないといけない……つまり、結婚式を挙げるのが些か早すぎるのではないだろうか。

 

 前世や書物でかじった知識から考えるに、嫁入りにせよ婿入りにせよ、貴族同士の結婚ってのはかなりしがらみが多かったはずだ。それを丸ごと無視して一週間後に結婚。そんなことが有り得るのか?

 

 そういう事情に比較的明るいだろうティンジェルに視線を向けると、ふるふると首を横に振った。

 答えはノー。有り得ないとまでいかずとも、これがレオス=クライトスとシスティーナ=フィーベルの二人だけで決められる話ではないということだけは伝わった。

 

「ううん……システィのご両親だけじゃない。最悪、政府の介入だって有り得るの」

「は? マジか……そこまで大事になるって?」

 

 今度のティンジェルの返答はイエス。

 政府が介入するレベルの大事件になるっていうんなら、なおのことこうもお手軽ハイスピード解決していい案件じゃない。

 

「……れおすを斬れば、解決する?」

「無理。その場合、お貴族サマをなんの根拠もなく斬り捨て御免したバカヤロウとしてお前は牢屋行きだ」

「でも、システィーナはたぶん、あいつのせいで嫌な思いをしてる。れおすはきっと、悪いやつ。……それでも、だめ?」

「お前がどうにかなっちまったら、それこそフィーベルが悲しむだろうよ」

 

 さすがに諦めたのか、レイフォードがしゅんとうなだれる。

 ティンジェルはグレン先生が助けてくれる、と言って慰めているが、事を起こすとしたらたぶん……勘でしかないが、結婚式当日になる。

 

 ヒーローは遅れてやって来る、という法則に従うわけではないが、結婚式を台無しにするのもその予定を台無しにするのも変わらない。いや、見た目の派手さからいけば断然当日に全てをぶっ潰す方が簡単でわかりやすいはずだ。そのあとに起こる問題はともかくとして。

 

「……信じて待つ、か」

 

 結局、あれこれと考えたところで俺たちにできることはそれしかない。

 

 友人がなにかに巻き込まれているのになにもできない歯がゆさに、俺たちを含めた二組の生徒はみんな複雑な顔でその日を待つことしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 暗く濁った曇天を見上げる。

 

 今日はシスティーナ=フィーベルの結婚式。なんだか色々な陰謀がひしめいているみたいだけど、それでも近くにいるぐらいはしてやりたかった。

 

「なんで、まあ……そこ、どいてくんない?」

 

 見据える先にいるのは無数の人間。

 力ない足取りはまるでひと月前に対峙した屍人のよう。

 

 だが、それは紛れもなく───()()()()()だった。

 

「はー……ほんっと、最近はこういうことばっかだよなあ……」

 

 つぶやいて、ゆっくりと拳を構える。

 

「また、制服ダメになるかもな」

 

 諦めのように吐き捨てる。

 

 それを合図に、生きながらにして死に果てた文字通りの生ける屍たちが、てんでバラバラな凶器を振りかざした。




バーナード伝いに特務分室の大半と知り合いのアッシュ。なるほどこれが人脈チートか(なお半数が故人)

追記
ところで感想でもついに指摘が来ましたがマジで話に関わらねえなこいつ……と皆様思われていると思います。自分もです(真顔)
五巻はマジで絡ませ方がわからないしでかなり原作沿いになってしまっている自覚はあります。というかプロットがないからそうなるんやで。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。