竜殺しっぽい誰かの話。 作:焼肉ソーダ
……それからの話をしよう。
あのあと、何回目だ! と言いたくなりながらも『知らない天井だ』を敢行した俺の前にいたのは、例によってグレン先生とアルベルトさんだった。
なんかめちゃくちゃ渋い顔してるからやっだなあアルベルトさんそんなおっかない顔しないで? 私被害者よ? と言うとますます渋い顔をして黙り込んでしまった。また尋問されるのかと思ったけど今回はそういうことはないっぽい。でも前回みたいに一瞬でビーム出してくるあの指突きつけてくるの普通にびっくりするからやめてくださいね。
で、聞いた話によるとあの謎のキザ野郎ことジャティスとやらはあのとき聞いた通り今回の事件の黒幕、かつ目的はグレン先生へのリベンジマッチだったらしい。あいつよくわかんないけど頭イカれてますねって言ったら今度はグレン先生が渋い顔で「そうだな」と同意を返してくれた。
いくつか質問に答えたあとにしばらく安静にしているように、と言い残して二人は去っていった。
ところでじっとしてるの飽きたんですけど。
「……あのね、あんたの辞書に『安静』って二文字はないの?」
「なんでグレン先生といいフィーベルといい、俺の辞書を疑うの? さすがにあるよ」
じっとりとこちらを睨むフィーベル。
安静ってあれでしょ? 安全な場所で静かに動けって意味でしょ?
「それ、本気で言ってるならその辞書は誤植だらけの欠陥品だから取っ替えた方がいいわよ」
それはどうも。
フィーベルの手元ではするするとリンゴが剥かれている。どこか危なっかしい手つきのそれを終えると、こっちにトン、と切り分けたリンゴを渡してくる。そういえばだけど、なんで俺は世話を焼かれているんだろう?
「クラスを代表してお見舞いに来てあげたのよ。……色々気にかけてもらったしね」
「そ、っか。一応、礼を言っとく」
「お礼を言われるようなことじゃないけど受け取っておくわ」
これまた聞いた話によると、俺が気絶したあとにジャティスを撃退したのはグレン先生とフィーベルの二人らしい。
あいつめっちゃ強かったのに撃退とかすごいな……。あ、ちなみに今回回収してくれたのはアルベルトさんでした。なんというかお世話になりっぱなしですね。すみません。
それから、ジャティスはグレン先生の昔の同僚だったとか、一緒に戦ったのだとか、あんたはなんでいつもボロボロになってるのよ等々。退屈を紛らわすように、色々な話をした。
最後に関しては不可抗力だと思います。
「はあ……じゃ、そういうことだから私はそろそろ帰るわね」
「ん、そうか? もっとゆっくりしてても良いのに」
「ここはあんたの自室じゃないでしょ。……じゃなくて、まだレオスとの色々の後処理があってね。あんまり暇じゃないのよ」
「なんで来たんだ……」
他のやつに任せればよかっただろうに。
そう言うと、フィーベルはふう、と息をついた。
「……お礼。言っておこうと思って。今回は、色々とありがとね」
「それこそ俺が言われるようなことじゃない気がするけど……一応、受け取っておく」
「そこは素直に受け取りなさいよ……」
それじゃあ、という声のあとにパタン、と扉が閉まる音。
それを見届けてから、ふと思い立って動かせる範囲で身体を動かしてみる。
「損傷軽微。各種行動、支障なし、っと……やっぱり、おかしいところはない……よな?」
感覚的に失うものはたぶんないと分かっていても気になるものだ。念のためここ最近の記憶も洗ってみる。……問題なし。どうやら本当に、少なくともわかりやすいところに代償はないらしい。
念のため、帰ったら机に放置していた本───忘れっぽいからと昔
「さーて……」
これにて晴れて事件解決、あとは帰る許可が降りる日を待つだけだ。
ここしばらくは忙しかったし、なんでかツキイチで事件に巻き込まれたりもしていたけども、裏を返せばあと一ヶ月近くは平穏が約束されている。
「よーし、そしたら張り切ってバイトするぞー」
おー、と誰もいない病室で腕を振り上げる。
なんせね。今回で三回目だからね。
制服がズタボロになるの。
これで三 回 目だからね。
「制服って高いんだよなあ……」
思い出さなくても良いことに気付いてしまった俺は、ふて寝をするように布団をひっ被って目を閉じるのだった。
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というわけで無事に復帰してから三日後。
店長もさすがに『天使の塵』絡みの大惨事の直後は色々と仕事が多かったのか、店は一時閉店……なんてことは全然なく、この機に新メニューでも開発しようと日夜厨房にこもっている。
「ヴィルセルトくん、これどうかな? スグリのタルト」
「ん……いいんじゃないですかね。冷蔵が面倒なのが玉に瑕だけど」
「ははは、どうせその日中に消費するからね。多少はどうにかするさ」
快活に笑う店長。その目の前のテーブルにはどっさりと積まれた赤スグリのタルトが並んでいた。
確かに、実際の商品として出すならそんなに量を作らないデザートということもあって問題はないだろう。
実際の商品として出すならの話であるが。
「……で、この大量のタルトどうするんですか」
「は、はは……。ちょーっと、作りすぎてしまったかな……」
「ちょっとじゃないですよねこれ。明らかに十人前はありますよこれ」
「だよねぇー……」
がっくりと肩を落とす。そうなのだ。この店長、なぜか新メニューを作るときはとにかく大量に作るのだ。
いつもなら他の店員や客も集めて大試食会を開くのだが、今日に限っては『天使の塵』のゴタゴタのせいで人数が集まらず、結果として店内には男二人では食べきれない量のスイーツが出来上がっていたのであった───!
「誤算だった……。ついいつもの感覚で作ってしまってね……」
「よくわかんないとこで突然大雑把になりますよね、店長」
「耳に痛いね……」
「痛くなかったら困ります。……まあ、これは俺が持って帰りますよ」
一つつまみ食いしながら数を数える。それなりの量ではあるが、確か店の倉庫に小さめの木箱があったはずだ。それに入れていけば運搬は可能だろう。
「おや、そうかい?」
「学院の友人にスイーツ大好き娘がいるもんで。気に入ってくれればすぐに食べ終わると思いますよ」
もっとも、彼女の好物は苺のタルトであってスグリではないのだが。
「そうかそうか……それは助かるよ。今度、試食会に呼んでみようかな」
「あー……そうですね。それは悪くないかもしれないです」
ついでにフィーベルとティンジェルもついてくるだろう。タダで食べられると知ればさらにグレン先生もついてくるかもしれない。
……いや、改めて考えてみても濃いなあ、俺の周囲。今年度が始まってすぐの頃からは信じられない。
そんなことを考えながら木箱を確保し、底にちょちょいっと氷のルーンを刻む。
紙に包んだタルトを箱に詰めつつ、食堂に持っていけば他にも誰か食べに来るだろうかと考える。カッシュ……は弁当組だがどうせ呼べば釣れる。
貴族としてナーブレスの意見もほしいところだが、まあフィーベルとティンジェルに任せよう。あの二人も結構やんごとない身分なんだし。強いて言うなら商会の娘だというレイディにも意見を聞きたいところ。
ギイブル……は、どうなんだろう。あいつ、あれで意外と食レポ得意だったりしないだろうか。知識はやたらあるから声を掛けてみるか。
グレン先生? どうせどっかから聞き付けてつつきに来るだろ。
そういう謎の信頼感があの人にはある。
「…………」
「ん? どうかしました、店長」
「え? ああいや、君も魔術師だったなぁと思って……」
「……?」
魔術師っぽいこと、なんかやったか? 俺。
「ま、そういうことならありがたく押し付けさせてもらうよ。余裕があればリクエストや感想なんかも聞いてきてくれ。参考にする」
「抜け目ねぇー……。了解です」
よっこいしょ、と木箱を抱える。今日はこれでお開きだ。
本当はもう少し色々と試してみたいところだったのだろうが、他のメニューでもこの量を作られてはたまらない。
「今度、うちのクラスメイト呼びますから。そしたら思う存分作ってください」
「ああ、ありがとう。楽しみにしているよ」
それじゃあ、と軽く頭を下げてから店を後にする。
たまにはこういうのも悪くないだろう。
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翌日。
シンプルなベッドに寝転がっていた俺は、むせ返るようなタルトの匂いで目が覚めた。
「…………おぉう」
か、香りまでは想定していなかった……。
新調した制服にまでついてないよな、と心配したが、鼻が麻痺してしまってわからない。今日はこのまま行くしかなさそうだ。
さっさと着替え、荷物をまとめて学院へ。
二組の教室へ木箱と一緒に入り、案の定甘い匂いがするとクラスメイトにからかわれ、レイフォードには苺タルトかと聞かれた。違うけどあとで振る舞うから待っててほしい。
と、チャイムが鳴る少し前にグレン先生が教室に現れた。ここしばらく見なかったような、真面目くさった顔をしている。
やがてチャイムが鳴ると、グレン先生は授業の前に大切な話があると切り出した。
「お前たちは───魔術師として、もっと広い世界を知るべきだ」
なんか真面目なこと言い出した。
「学院で朝から晩まで勉強勉強また勉強……いや、確かに学ぶことは大切だ。知識は魔術師にとっての力そのものだからな。───だがしかァし!!」
ばん、と教壇に両手のひらを叩き付ける。
そろそろ今年に入ってからずっと荒い扱いをされている教壇の耐久度が心配になってくるな。
「本当にそれで良いのか!? お前たちは、こんな狭苦しい世界だけではなく、大いなる真理を求めて外の世界を知るべきではないのか!? いや、知るべきだ!」
誰この人?
いつぞや交わしたアイコンタクトが再び出番を得た。
フィーベルは以前と同じく肩をすくめた。ティンジェルは苦笑いを浮かべている。レイフォードは首を傾げて……いや、訂正。俺の持ってきた木箱をガン見している。
「そこで! 俺は今回……とーくーべーつーに! お前たちを、遺跡調査に連れていきたいと思う───!」
ああ、今度はなにやらかしたんですか? グレン先生。
そう聞きたくなるのを堪え、より詳しい内容に耳を傾ける。
曰く、グレン先生は学院長から直々に依頼され、『タウムの天文神殿』とやらに調査に向かうことにしたのだとか。
で、その遺跡調査はとてもではないが一人では終わらないため、調査メンバーに二組生徒を連れていこうということらしい。
で、引率のグレン先生がこれ以上増えると面倒を見きれないからと選出メンバーは基本八人。
といっても、八人中三枠はいつもの三人娘で埋まると思うし、これはあと五人ってことで良いだろうな。
ほうほう、と頷いていると不意に視界の端でなにかがキラリと光った。
誰あろう、それは眼鏡っ子の特権『眼鏡クイッ』を披露したギイブル=ウィズダンである。
「ふう……あの噂は本当だったようですね」
「ギイブル、あの噂って?」
とりあえず乗っかってみる。ギイブルはぼっちのクセに意外と情報通なのだ。
「グレン先生が論文を提出していないって噂さ。魔術研究の成果である論文の提出は講師を続ける条件の一つ……率直に言えば、グレン先生はこのままだとクビになるってことだね」
「ギクッ」
おい今なんかすげーわかりやすい反応したぞこの講師。
「ちちちちげーよ!? 論文とかなんのことだか僕サパーリ!?」
「大体、なぜ僕らに限定して調査隊員を募集するんですか? もっと位階の高い四年次生から募れば良いじゃないですか」
「そりゃーお前、一人前の魔術師と見なされる
「く、クビ……!?」
ここで反応したのはグレン先生になんでか懐いてるティンジェルである。真っ青な顔でコトの真偽を問い質しているが、対するグレン先生は挙動不審になりながら誤魔化している。
「そ、そういうわけでお前ら、今回の遺跡調査に……ああもうまだるっこしい!! どうかこのゴミクズボケカスクソ野郎に力をお貸しください───ッ!!」
自虐しすぎじゃありませんかねえ……と思う俺(たち)の目の前でグレン先生は見事な土下座を披露していた。無駄に洗練された無駄のない無駄な動きというヤツである。
しかしそんなグレン先生に救いの手を差し伸べる天使がいた。
我らが二組の誇る大天使ことルミア=ティンジェルである。
「先生……どうか、私にもお手伝いさせてください。私ではお役に立てないかもしれませんが……ね?」
「ん。グレンとルミアが行くなら、わたしも行く」
「お、お前ら……い、いや、お前らが来てくれるってのは織り込み済みだしな!? はーっはっはっはっ、作戦どーりだぜ!?」
「はいっ。先生が良い論文を書けるよう、頑張りますね!」
「ろろろ論文とかなんのことだかわかりませんねえ!?」
じーんと感激していたらしいグレン先生は即座にいつもの調子を取り戻し、ついでに全てを見透かしたティンジェルの言動にキョドっていた。
そして取り残された三人娘ことフィーベルは、素直に参加したいですと言うのが癪なのか、こちらも挙動不審になりながら机の下で手がガタガタ震えていた。
「そういうことなら俺も行かせてくれよ!」
「僕も……遺跡調査っていうのは気になる、かな」
「カッシュ……セシル……お前ら、遊びじゃないってわかってんのか? けどまあ、助かる」
「やれやれ……まあ、遺跡調査は成績にハクがつきますからね。僕も行かせてもらいましょう」
「げ、ギイブルお前も来るのか……助かるけどよ」
「そういうことなら私も同行させてくださいな、先生。我がレイディ商会が、どこよりもお安く、調査のための資材をご提供させていただきますよ?」
「わ、私にもお手伝いさせてください……!」
「リンはともかく……テレサお前、コネ狙いか……つかどこで俺が自腹切らにゃならんと知って……ま、まあいい、素直に助かる。今回はその策略に乗ってやろう」
そうしている間にも、どんどんメンバーは埋まっていく。
どうするんだと思っていると、残る最後というところになって、ようやくフィーベルの手が動いた。
しかしやっとかー、と思う俺の傍ら、フィーベルが手を上げるより早くグレン先生は「誘いたいヤツがいる」と言ってフィーベルのそばを通り過ぎ───
「ウェンディ。頼むわ」
「……わたくしですの? お断りしますわ。どうしてこの高貴なわたくしが、そんなカビ臭いところに行かなくてはならないのです?」
「絶対危険な目にはあわせないからさー、なっ? 碑文の再解読を暗号解読系の魔術の天才たるお前に頼みたいんだよ~、なー?」
ゴマをすりすり、グレン先生がナーブレスに頼み込んでいる。
さすがにそういう理由であれば悪い気はしないのか、ナーブレスは仕方ないですわね! と言いたげな様子で参加を表明。
───さて。
「ふぅ~~~ッ、うぅ~~~~ッ……!」
この白猫さんはどうしようなあ……。
席が近い自分のことかと一瞬期待してしまったのか、フィーベルは話をまとめるグレン先生に向かって唸っている。
さすがにいたたまれないのでちょいちょいとグレン先生に見えるようにフィーベルを指差した。フィーベルの横ではティンジェルが手話でコトの次第を伝えようとしているし、大丈夫だろう。
「あ~……じゃ、白猫。調査隊員のリーダーと魔導考古学の専門家としてお前も同行な」
「!!!!」
全てを察したグレン先生のファインプレーにより、フィーベルは無事に調査隊のメンバーに加わった。
さて、これでようやく終わりか……と思い教科書を取り出す。
これで調査隊員は合計九人。ちょっと増えはしたが、フィーベルたちなら問題ないだろう。
「あ」
「は?」
不意にグレン先生のなにかを思い出したよーな声。
なんか嫌な予感がして、必死に目を逸らす。
「アッシュ。お前も同行」
「は??」
「あれだ……リィエルのご機嫌取り用に、デザートでも作ってやってくれ」
「はあーーー!?」
……こうして、なし崩し的に俺も遺跡調査に参加することになってしまったのであった。
いや、デザート役ってナニよ?
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「アッシュ。これ、おいしい……けど、苺タルトじゃない……」
「今度作ってやるからそんな顔しないでくれ。なんでか俺の罪悪感がすげー刺激されてる」
目の前でかりかりとスグリのタルトをかじっているリィエル。
その対面では、アシュリーが木箱を持って椅子に腰掛けている。
「フィーベルとティンジェルはどうだ?」
「すごくおいしいよ。アッシュ君の手作り?」
「うんにゃ、作ったのは店長。少し手伝いはしたけどな」
「く……っ、やめたいのにやめられない……おいしいけど! おいしいんだけど!」
「うん、無理して食うな? デザートを大量に食うのはなんかお前的にタブーと見た」
「はむはむはむはむ……」
「……元気だなお前ら……」
諸々のミーティングを終えたグレンが、退屈そうにタルトをかじる。
やるべきこと、考えるべきことが多過ぎて気力が尽き果てているのだ。
「で、先生は?」
「……あ? あー、うめぇと思う。こんなものがタダで食えるなんて、俺は良い生徒をもったなあ……!」
「……あんただけ試食会から省こうかな」
「やめて!? リィエルのせいで給料減ってんのにメシを食えるチャンスを逃してたまるか!?」
冗談です、という教え子の姿を見ながら頬杖をつく。
思い起こすのは、先日アルベルトに言われた言葉だ。
アシュリー=ヴィルセルト。
素性調査を行ったアルベルト曰く、十年前、なんらかの事件によって住んでいた村が壊滅した中で一人生き残り、その後駆け付けた軍によって保護され、監視下に置かれていた時期があるものの別段変わったところのないごく普通の少年。
なんらかの事件、のところまではアルベルトは教えてはくれなかったが、どうせロクでもないものだろうということは顔と声色から察することができた。
一人を残して住民が全滅、というのは一見痛ましい事件ではあるが、天の智慧研究会をはじめとする外道魔術師の存在のせいで今やありふれた事件でもある。実際、グレン自身もそういった経歴の持ち主だ。
事件前後の記憶があやふや、というのも共通する。なんだか不謹慎な親近感を抱いてしまいそうだ。
まあ、そんな平凡な人間がそれがどうして天の智慧研究会に襲われることになるのかはやはり、皆目見当もつかないが。
確かに本人曰く
(……まあ、一人で置いてくのは不安だが……近くにいりゃ、少しは安心できるだろ)
なんせ今回のメンバーはシスティーナ、ルミアはもちろんあのリィエルも同行しているのだ。『タウムの天文神殿』の危険度は最低ランクのF級だし、特に問題は起こらないだろう。
デザート役、なんていう無理のある理由で同行を命じたのは、目の届く範囲に置いておくためでもあった。
軍のゴタゴタのせいでアルベルトがフェジテを離れている今、ルミアはもちろんのことながらオマケ程度とはいえ狙われているらしいアシュリーから目を離すのは少々怖い。
本人は『あいつら制服弁償してくれませんかね』と、何度も死にかけたにも関わらずケロリとしているが。恐怖というものをどこに置いてきたのだろうか、こいつは。
(……さすがに今回はなにも起こらんだろ)
あくびをして、残ったタルトを口に放り込む。
ほのかな酸味が舌を刺した。
応援コメントや感想等ありがとうございます。とても元気が出ました……。
拙い文章ではありますが、これからもがんばります。