出来れば今日中に各々の現状の纏めと一緒に後書きも出したい…!
イェーガーと紹介された
彼らが追うチェッカーフェイスは神出鬼没。話を聞く限りだが頭も切れる。そんな憎き仇敵に聞かれる
私が初代雪の守護者だから?
───それだけでは動機には弱い。
私が並盛に現れたのがチェッカーフェイスの引き起こした事象ではと疑っている?
───そもそも私に話すメリットがない。
ジョット君が何か言った?
───バミューダの名を出した時もすぐにジョット君経由の情報だと察されたことから可能性は高いが、『マフィア界の掟の番人』である彼らが一ファミリーのボスと個人的な関わりを持つとは考え辛い。
あるとあらゆる可能性を想定してはいるが、どれも弱かったり不可解だったり。これは本人の口から聞くのが正解だ。
「…理由は幾つかある。その中でも決定打になったものが、“
バミューダが差し出した手の上で、ぶわりと黒い炎が揺らめいた。
一切光が無く、混じり気のない純粋な黒に魅入られる。かつては禍々しさすら感じたというのに、こんな気持ちになるのは何故なのだろう。
「やってご覧」
「は?」
「炎を灯してみるんだ、勿論リングを着けずに」
つまり、バミューダの真似をしろということか?
言われるがまま、意外にしっかりと憶えていた、霧のリングに死ぬ気の炎を灯した時の感覚を再現する。
身の内で激しく燃える感情がリングに集まり、炎となって発現する。
最初の頃のように丁寧に工程を辿ると、何かが燃え上がる音がした。
リングも無いのに炎が灯せるはずがないと、慌てて目を開けると、闇色の炎が掌の上、頼りなさげに浮かんでいた。
「な……!」
「僕が感じたのは、やはり君のものか…」
説明を求め、バミューダを見つめる。
憂うかのように嘆息した彼は、しばしの間黙考すると口を開いた。
「…それは間違いなく“夜の炎”だ。その色、その感覚…僕がチェッカーフェイスへの復讐の権化となり、『死ぬ気の到達点』へと至った結果生まれたものと全く同じ。恐らく君も『死ぬ気の到達点』に至っている」
死ぬ気の到達点に至っていると言われても、意味がさっぱりだ。そもそも死ぬ気の到達点とは何なのかがわからない。バミューダを見やると、「ある境地のことさ」と言われた。
「ある一つの純粋な死ぬ気が全身を満たした時に至ると僕は予想している。君の場合、それの特定は容易い。心当たりだってあるだろ?」
冷や汗が滲み、首に掛けた懐中時計を服の上から押さえる。
心当たりなんて、一つしかない。
あの日だ。
家族から引き離された、あの日。
何を思ったのかは、どうでもいい。それは今表に出すべきものではない。
大切なのは結果。私があの日、夜の炎を手に入れたという事実。
「…バミューダ。これ、はつまり、私はもう霧の炎を使えない、ということだろうか」
「いや、その辺りは謂わばスイッチのオンオフだ。同時使用はともかく、使う分には問題ないだろうね」
得手とする技術の使用に問題がないことを確認し、詰めていた息を吐く私の目の前で、バミューダが言葉を続ける。
「“夜の炎”を使えるのは僕だけだった。だから他の
改善したい、というバミューダの言葉に偽りはないだろう。
黒曜での戦いの朝、となるとこれまた心当たりがある。恐らくあれだろう、一瞬で並中から黒曜ランドに移動していた奴。謎の現象の正体は炎だったのか。
「つまり、私に
「主なところではそうだ。それから、チェッカーフェイスに関わりそうな事柄が身の周りで起こった場合の報告だね」
「…リボーン君が
『虹の代理戦争』とは読んで字の如く、
無論勝っても負けても呪いは解かれず、それどころか私達が今いる場所の近くの洞窟に生命維持装置であるおしゃぶりの
そして代理は見どころアリと判断されれば虹の呪いを掛けられ、新たな
チェッカーフェイスの外道さにも引くが、この虹の代理戦争、恐らく沢田君も巻き込まれることになる。
あのリボーン君が
だがそれは、沢田君がアルコバレーノになる可能性と、バミューダによって真実を知らされ真っ向から対立する可能性を孕んでいる。
そしてバミューダの復讐は恐らく達せられない。彼らでは、いや私にも、チェッカーフェイスの打倒は不可能だ。
もう一つ放っておけないのがジョット君からも話を聞いた、彼にリングを託した
私に、瞳の色と形がそっくりな女性。
マーレリングを管理する、ユニの先祖。
情報が重なり、補完される。
それを元に予測すれば、全ての辻褄が合う。合ってしまう。
私があの日の続きを、百五十年後のこの時代で行う理由が。
夢現に見た、あの七色の灯火が。
祖父と呼んでいた男の、あの無機質な眼差しが。
何もかもが、それが正しいのだと告げている。
瞼を閉ざし、暗闇の中で思考は加速する。
開示された情報と、今までに得た知識。点と点とを繋ぎ合わせ、未来を描く。
確定しているモノ、裏取りが必要なモノ。ラベリングし、使えるモノだけを選び取る。
イケる。これなら確実だと、断言できる。
目的は定めた。道はつけられる。
これは、最後の抗い。
それまでの日々で、抗いを形にできなかった場合の最終手段。
それまでの抗いが意味を成さなかったからこそ、通じる一手。
それまでに、何が起こるとしても。
結実の日は、そう遠くない。
尤も、その日まで私が生きていることに耐えられるのかは、誰にもわからないけれど。
「…わかった。その条件、了承しよう。ただし、ボンゴレに関する事件などが起きた場合、それを教えて欲しい」
「その程度訳ないさ。じゃあ、炎を供給しながら僕らが掴んでいる最新の情報を教えてあげよう」
その直後、ボンゴレ
断章・苛立ち、若しくは郷愁
いつしか、視線をあちこちに彷徨わせて彼女の姿を探すのが当たり前になった。
自分の行動が気に食わなくて、溜息を吐く。
ぐちゃぐちゃに混ざり合ったそれは、徐々に馴染んできた。
知らない知識。
知らない記憶。
知らない思い出。
当然のように頭の片隅を占拠して、居座るそれら。
いつの間にか受け入れているみたいで、自分に腹が立つ。
受け入れてなんかいない。
これは、僕のものじゃない。
それでも何故か、暇になると思い返してしまう。
知らない、のに。
覚えている、はずがないのに。
まるで、心の何処かに鮮烈に焼き付いていたみたいだ。
(それだけ、憶えていたかったんだ)