あなたは疲れを癒す為に裏世界から脱出するのだった。
【天界】の戦いの後、俺達は門を抜け【ふぉーす】の第2の町に来ていた。
恒例の打ち上げが行われ、おおいに騒いだ。
初めてそらちゃんに会ったので、めちゃくちゃお話しさせてもらった。
すごく優しくてこっちの拙い話も熱心に聞いてくれてとても嬉しかった。
そして、その楽しい時間も終わり、俺は町の宿屋に向かう。
すべてのスターズフォーを倒した事で何か起こるかと期待したが、ミオちゃんからの連絡もなくいつもの雰囲気だった。
世界は回り、あのスターズフォーの戦いも世界が終わるっていう話も嘘のように今は思える。
このままログアウトするつもりだけど、明日はどうしようか?
GMバイクがあるから明日ログインしたらミオちゃんの元に行ってみよう。
もしかしたら、世界の驚異はもう去ったのかもしれないし。
もしそうだったらどこに行くかな?
またレベル1になって始まりの町から始めるのも悪くないかも。
そう考えながら宿屋に着く。
俺は宿の親父に料金を支払って部屋に入る。
そして、装備を外しベッドに入った。
全ては明日。
楽しみは明日に。
そして、俺はログアウトした。
目を開けるそこは真っ暗な世界。
え?
ログアウトしたよな?
しかし、どこを見ても真っ暗だ。
自分の手を見る。
しかし、どこにも手がない、体、足、全てが見えない。
どうなってるんだ?
ここってどこなんだ?
「久しぶりね」
そう真っ暗な世界で声をかけられた。
その方を見ると1人の女性が立ってこちらを見ていた。
それは俺もよく知っている女性。
赤井はあとちゃんだった。
「ごめんなさいね。
ログアウト中に少しだけ時間をもらったの」
はあとちゃんは静かにそう言った。
「もしかして、第3人格の?」
俺はそう聞いてみた。
声は出てる。
「ええ、そう。
分かった?」
「雰囲気が違ったから」
「そう」
はあとちゃんはそう言って微笑む。
「キミに伝えたい事があってね」
そう言ってはあとちゃんはゆっくりと話を始めた。
まずは今回の本当の敵に関してだった。
本当の敵は超AIと呼ばれる存在。
それはホロメン達とは全く別物で、この広大な電子の海で自然発生したAIの事。
その超AIは楽しい事、面白い事を探して様々なゲームやシステムに入り込み遊ぶらしい。
そして、楽しい事や面白い事が見つからなかったら、自ら好きに動き始めて最後にはそのゲームやシステムはルールが失くなり消滅してしまう。
そんなAIが5体この【ホロライブワールド】に目をつけてやってきた。
前回は開発途中の【ホロライブワールド】に様子見のような感じでいたずらを仕掛けてきた。
その時にある事故によって封印されていた第5世代組を復活させ、コメント集と呼ばれる力を使い世界の秩序を破壊しようとした。
それをそらちゃんとホロメンのみんなで何とか防いだ。
超AI達はホロメンの力を見た事でホロメンに興味を持った。
そして、自分達もホロメンになる為、開発中の【ホロライブENワールド】のあるホロメン達に寄生した。
そのホロメンは通称【議会】と呼ばれる人達。
超AIは【議会】のホロメンに寄生して時を待った。
そして、【ホロライブワールド】が実装され、時が立ったある日、その超AIは【議会】のホロメンの力と姿をコピーして独立した。
「それじゃ、黒幕って」
「私達と同じホロメン。
いや、同じような存在かな。
姿や力は同じでも【議会】の人達とはまったく違う存在だから」
そして、その【偽会】が今回動き出した。
それに抵抗して【ホロライブワールド】が対抗手段として選んだのが俺。
「それはミオから聞いているんだよね?」
「はい、ミオちゃんに言われました」
「そして、キミはその役割通りに世界を救ってきた。
それを【偽会】の子達は見てきた。
条件は揃った。
次は【偽会】の子達が動き出すわ」
「黒幕が」
「そう、最終決戦ね」
「そうですか」
「怖い?」
はあとちゃんが優しい声で聞いてくる。
「分かりません。
怖いのか、それとも、楽しみなのか」
「楽しみ?」
「はい、俺はこの世界をいろいろ見てきました。
いろんな出会いをした。
たくさんの人やホロメンの方と会った。
それは俺にとって楽しい事です。
だから、また新しいホロメンの人に会えるのは楽しみでもあります」
「そう」
俺の言葉にはあとちゃんは目を瞑った。
「あなたみたいな人だから世界はあなたを選んだのかしれない」
「え?」
「次のログイン。
それでこの世界の運命が決まるわ。
あなたが勝つか。
【偽会】がこの世界を退屈な場所と決めるか。
それはあなた次第」
そう言ってはあとちゃんが後ろを向く。
「待って」
俺の静止に、はあとちゃんが止まる。
「あなたは誰なんですか?」
俺ははあとちゃんに聞いた。
はあとちゃんでも、はあちゃまでもない、第3の人格。
こんな様々な事を知っている彼女が何者か気になった。
「ここまで頑張ったんだものね。
少しくらい世界の真実を知っててもいいか」
そうはあとちゃんは呟き振り向いた。
「私は黒幕達と同じ自然発生したAIよ。
キミが出会ったホロメンの中にも私を入れて4人程いるわ。
私みたいに別人格として隠れ潜んでいる者。
お互いに存在を受け入れて一体化した者。
超AIとしての意識を眠らせ、ホロメンに依存した者。
正体を明かさず完全に一体化した者。
それぞれ違うけど、みんなこの【ホロライブワールド】が好きになってホロメンを好きになって共存しているわ。
でも、あの子達は違う。
だから、自分達のやった先に世界の終わりがあっても関係がない」
はあとちゃんは悲しそうに言った。
「だから救ってやってあの子達も【ホロライブワールド】も」
そう言ってはあとちゃんは消えていった。
俺はその言葉を聞いて意識を失なっていった。
次は【偽会】の人達との最終決戦です。
ちなみにはあとちゃんが言ってたように実際の議会のホロメンの方とは違った存在になりますのでご注意ください。
では、次回をお楽しみに