第6世代組のラプラス・ダークネスによりあなたは今までのホロメンとの絆を奪われたが、変わりに【偽会】の力の一部を封印する事に成功した。
そして、【偽会】はこちらの戦力を削ぐべくウイルスを【ホロライブワールド】に放つ。
それの対処にオリジナル世代と特殊世代が向かった。
そして、最後に【偽会】はあなたに攻撃を仕掛けてきた。
その攻撃に耐えられず倒れ意識を失う。
果たしてあなたは【偽会】を止める事が出きるのか。
「う」
俺は首を横に振りながら体を起こす。
「ここはどこだ?」
周りを見る。
なんだこれ?
そこは霧のかかった街中だった。
誰もがよく聞きそうな例を上げれば霧のロンドン。
その広い車道の上に立っていた。
車も人もいない。
いや、霧が濃いから分からないだけか?
「気味が悪いね」
「ホラー感あるなぁ」
「ラミィ、ホラー嫌い」
「そう?楽しいけどなぁ、ホラゲ」
(相変わらずだな、ちなみに吾輩も幽霊みたいなものだがな)
背後に賑やかな5人組。
後ろを振り向くと5人がそれぞれ手を振っていた。
「第五世代組のみんな」
「はい、というわけで【ホロライブワールド】第五世代組が手伝いますよ」
とポルカちゃんが言った。
「よろしくお願いします」
「しかし、相手は誰なんだろう?」
ラミィちゃんが辺りを見回す。
しかし未だに霧は晴れない。
「これじゃ、どこから狙われるか分からないね」
ねねちゃんも不安そうに辺りを警戒する。
「ししろん」
真顔でポルカちゃんがぼたんちゃんに声をかける。
「うん、さっきから見られてる。
まのちゃんどうにかなる?」
ぼたんちゃんはそうポルカちゃんに答え、それからアロエちゃんに言う。
(この霧をどうにかすればいいのだろ?
なら、どうにかなるかも)
そう言ってアロエちゃんが何やら詠唱する。
そして、詠唱が完成した。
アロエちゃんは俺達を包み込むような竜巻を発生させた。
凄まじい風で周りの霧が天へと吸い上げられていく。
「まさか、そんな方法でくるとわ」
全部の霧は晴れなかったが、車道の霧は晴れた。
そして、俺達の前に1人の女性の姿があった。
「オーロ・クロニー」
俺に呼ばれクロニーはこちらを一瞥した。
「私の相手はお前達か。
第一世代が来ると思ったが、期待はずれだ」
そうクロニーが俺達に言う。
「はぁ?
ポルカ達を嘗めてるのかぁ」
ラミィちゃんも怒ったのか足を地面にタンと強く鳴らす。
「だったらどうした?」
ポルカちゃんの言葉に冷たくいい放つクロニー
ダン!
「腹だ立つから撃つ」
撃った後に言わないでぼたんちゃん。
しかし、今まで外したところを見た事ないぼたんちゃんがクロニーの狙いを外した?
「何をした?」
ぼたんちゃんはさっきから腕組みしたまま動かないクロニーを見ながら言った。
「別にただこうして立ってだけだが?」
クロニーは平然と答える。
「そうか、時間を操れるんだったな」
「ほう、なぜ時間を操ったと思う?」
ぼたんちゃんに興味をもったらしくこちらを見るクロニー
「下だよ」
クロニーは自分の足元を見る。
うっすらと霜のようなものがはってあり、そこにクロニーの足跡が付いていた。
「その少しずれた足跡が証拠だ。
いくら早かろうとこれだけの人数があんたの動いた瞬間を見れてないのはおかしい。
だったら、時を操ったと考えるのが妥当だろ」
「なるほどな。
しかし、ここは私の作り出した場所だ。
霜がはるほど寒くはないはずだが?」
クロニーはそう言って俺達の足元を見た。
「ほぅ、なかなかの策士がいるというわけか」
クロニーが気づいたのはラミィちゃんの足元。
そこに少しだが霜がはっていた。
さっきラミィちゃんが足を鳴らしたのは怒ったわけではなく(たぶん)クロニーの足元に霜をはる為だった。
それにしても第五世代はすごい連携がとれている。
さっきのポルカちゃんが大きな声を出したのも、ラミィちゃんが足を鳴らすのを不自然に思わさない為、間髪いれずに銃を撃ったぼたんちゃんも足元を気づかせない為。
「まのあろ、どうだった?」
(時間を進めたり、戻したりはしてないな)
「ねね?」
「たぶん、10秒くらいかな」
ポルカちゃんが2人に聞いた。
「じゃ、現段階での結論を言おうか」
ポルカちゃんがクロニーに向かって言った。
クロニーは体勢を変えず、ポルカちゃんを見る。
「現時点でそっちの能力だけど時間を進めたり戻したりは出来ない。
で、出来るのは時間を止める事、止めれる時間はだいたい10秒ってとこかな?」
「その根拠は?」
クロニーが聞く。
「まず、うちのまのあろがししろんが銃を撃った瞬間、この空間に魔力の網を張った。
この世界はゲームの世界だ。
スキルを使えば何かしら空間に影響がでる。
それを調べた結果、時間操作は止めただけと結論が出た。
次に止めた間の時間は、感だ。
だけど、この戦闘状態においてうちのねねの感は、外れた事はない」
「それと」
ぼたんちゃんが話を続ける。
「時間を止めた後、次の時間停止には数分間時間をあける必要がある」
「なぜ?」
「だってすぐ止めれるなら、あんたなら止めて攻撃してきてるだろ」
そう言ってぼたんちゃんは笑った。
「ふ、ふふふふふ」
クロニーはそれを聞いて笑った。
腕組みを解き、こちらに向く。
「さっきの非礼は詫びるよ。
たったあの1回の攻撃だけでそこまで見破られるとは」
そう言ってクロニーは微笑む。
「確かに今の私の力はかなり抑えられている。
あのラプラスというやつが、私の力を念入りに抑え込んだみたいで、さっきも言ったように時間停止しか今は使えない。
ま、止められる時間もだいたい合ってるよ。
たが!」
クロニーの両手にいつの間にか長い剣と短い剣が握られている。
消えた!
「く!」
ギャン!
目の前にロングライフルでクロニーの剣を受けるぼたんちゃん。
「スキルの方を重点的に抑え込んだみたいで、基本能力は他の仲間よりいささか抑えが弱くてね」
ぼたんちゃんがクロニーに蹴りを繰り出す。
それを後方宙返りで避けるクロニー
そこに追い討ちでねねちゃんが飛び蹴りをする。
「だめ!ねね!」
確実に当たる攻撃を繰り出したねねちゃんに、ラミィちゃんは制止をかけた、が。
「かは」
次の瞬間ねねちゃんは打撃をくらい地面に叩きつけられていた。
「ねね!」
ぼたんちゃんの射撃、アロエちゃんの魔法がクロニーに向かって飛ぶ。
クロニーはそれを避けながら下がった。
俺はすぐにねねちゃんのところに向かい、回復魔法を唱えた。
「ありがとう」
だいぶ楽になったみたいで、ねねちゃんが起き上がる。
みんなも近くに集まった。
「時間は止められるからな。
隙に見えても安易に近づかない方がいい」
クロニーは淡々と言った。
ラミィちゃんはそれが分かってたから、ねねちゃんを止めようとしたのか。
「厄介だな」
ポルカちゃんがクロニーを見ながら言う。
(隙が全て誘いに見えてくるな)
「確かにね」
アロエちゃんの言葉に頷くラミィちゃん。
「なら、完全にスキルを使わせる状態から追い討ちをかける」
ぼたんちゃんの言葉に頷く第五世代組。
(少し体借りる)
アロエちゃんの言葉に俺は頷く。
両手の赤竜帝の小手も解放した。
「いくぞ」
その合図で散開。
クロニーを囲むように散らばった。
全員が同じタイミングで足を踏み鳴らす。
氷の壁がクロニーを包む。
しかし、一瞬の違和感の後、クロニーがその囲いを突破していた。
これが時間停止した間隔。
クロニーの姿を確認した瞬間、手元にあるロケットランチャーを撃つ。
5人とも全く同時だ。
全方位といっていい程濃密なミサイルの弾幕。
しかし、その弾幕は爆発せず空中で止まった。
「な!」
弾幕の間、ミサイルに跳び移りながら弾幕の外に出てくるクロニー
そして、地面に着地した後、指を鳴らす。
ミサイルは動き始め、誰もいない空間で連鎖爆発した。
「そうそう言ってなかった。
全体の時間を止めるのは10秒程だが、生きてない物。
この場合、AIやプレイヤーが動かしてない物ならいくらでも止められる」
ダン!
「こういう風にね」
話しているクロニーにヘッドショットを撃ったぼたんちゃんの弾は、クロニーの数㎝前で止まっていた。
これじゃ、こっちの攻撃はほぼ効かないって事か。
さっきの話から魔法や武器は一切通じないって事だ。
それに時間も止めれる。
くそ。
散開したみんなが戻ってくる。
「ああ、このままじゃ、じり貧だよ」
「さすがにイリュージョンでも誤魔化せないか」
ねねちゃんとポルカちゃんがぼやく。
「何かない?」
ラミィちゃんが俺達に聞く。
クロニーは微笑みながらこちらを見ている。
「……」
さすがにぼたんちゃんも黙ったままクロニーを見ていた。
俺は自分のアイテムボックスを見る。
もしかしたらどうにかなる物があるかもしれない。
しかし、アイテムボックスにはテント用品やら回復薬、食べ物や近未来都市で買った身代わりコイン、懐中時計ぐらいだ。
くそう、役に立ちそうな物がない。
「肉弾戦か」
ぼたんちゃんがぽつりと呟く。
「確かに、まのあろの魔法でブーストして」
「ねねの身体能力で攻撃する」
ねねちゃんがぐっと握りこぶしを作る。
「それしかないかな」
ラミィちゃんも頷いた。
ん?
俺は何か違和感を感じてもう一度アイテムボックスを探る。
何か見落としてる。
回復薬?
テント?
身代わりコイン?
いや、違う。
これだ。
俺はアイテムボックスの中のある物を握った。
「みんなにお願いがあります」
そう言って俺はアイテムを握りしめながらみんなに作戦を話した。
「話は終わったか?
次はどんな手でくる」
そう言いながらクロニーは微笑んでいる。
俺達は武器を片付け素手になる。
スキル【絆】によって5人ともアロエちゃんの魔力を使える。
みんなは魔力で自身にバフをかけた。
「ま、そうだろうな」
少し期待はずれだったのかクロニーはぼそっと言った。
「行きましょう」
俺の言葉に4人は頷く。
そして、5人同時にクロニーに攻撃を開始する。
まずはぼたんちゃんとラミィちゃん。
左右からのパンチをクロニーは剣で受ける。
2人とも氷で作った小手をしているから剣で受けられてもダメージはない。
そこにがら空きになったボディにねねちゃんの飛び蹴り。
それをクロニーは片足で受ける。
本当に基本スペックが他のホロメンより高い。
ポルカちゃんの頭上からのかかと落としも、ぼたんちゃん、ラミィちゃんを押し退け、剣を頭上で交差して防ぐ。
そのまま、頭上を飛び越えるポルカちゃん。
ねねちゃんはそれを見て、両手を地面につけてクロニーを跳ね上げるように蹴る。
クロニーはそれに逆らわず後方一回転をした。
クロニーの着地に合わせ、左右からぼたんちゃん、ラミィちゃんの蹴り、もう一度後方に回るがポルカちゃんがいる。
逆さになったクロニーを思い切りポルカちゃんが殴った。
だが、クロニーは剣で防御している。
そのまま、こちらに飛んでくるクロニー
「ちなみにこちらの目的はあなた達と戦う事ではない」
そう言って空中で体勢を変えるクロニー
俺は体に入っているアロエちゃんの力と赤竜帝ココちゃんの力を最大まで引き出して迎え撃つ。
この一撃が当たれば俺達の勝ちだ。
それ程の威力は十分にある。
が。
気づけば俺の攻撃はクロニーに避けられていた。
代わりに2本の剣が両肩から腹にかけて俺を斬っていた。
「がは」
俺は衝撃で血を吐く。
たが、斬れてはいない。
なんとか耐えれた。
アロエちゃんの魔力を防御に当てて正解だ。
そして、これで俺達の勝ちだ!
俺の目の前でクロニーは大きく目を開いていた。
斬れなかった事に驚いたのだろうか?
それとも今この瞬間、俺が時を止めたのを驚いているのか?
アイテムボックスの中の懐中時計が動き始める。
止められる時間は10秒。
俺はさっきの見せかけとは違う、最大魔力とココさんの力を込めた拳をクロニーの体に打撃する。
そして、懐中時計の針が止まった。
時間は動き出す。
勢いよくクロニーがふっ飛んだ。
「や、やったの?」
それを見たラミィちゃんがクロニーを目で追いかける。
「やった!」
「よっしゃぁ~」
ねねちゃんポルカちゃんがこちらに来て喜ぶ。
ラミィちゃんもこちらに来た。
「よくやった」
ぼたんちゃんも戻ってくる。
(ひやひやものだったな、あれは)
体の中から外に出たアロエちゃんがふぅと息を吐き言った。
俺達はふっ飛んだクロニーを見る。
クロニーはゆっくりと立ち上がる。
その手にはもう剣は持っていない。
「まさか、私の領域に入ってくるとは」
俺はアイテムボックスの懐中時計を取り出す。
懐中時計は役目を果たしたように消えていく。
不思議な場所で不思議なウサギさんからもらった時間を止められる時計。
「ふふ、完敗だ」
クロニーの体は徐々に光の粒子に変わり始める。
「始めから私が世界の答えを狙うのを承知の上で、攻撃を誘導するように隙を作りながら攻撃していた」
そう、クロニーの言う通り、ねぽらぼの4人はそれを意識して攻撃してくれた。
「そして、最後の一撃に見せかけ、防御に重点を置いて私に時間停止を使わせ、攻撃に耐える」
そう、連続で時間停止が使えない隙が今回の作戦の一番重要なところだった。
「私が時間停止を終えた後、直ぐに時間を止められるとは思わなかったよ」
やっぱりあの時目を見開いたのは俺が時間を止めたのが分かったから。
「能力を封じられていたとはいえ、完全な敗北。
生まれて始めてだ。
まだまだ上はいるんだな」
クロニーの言葉に第五世代組は微笑んだ。
「次は負けない。
今度はこちらが挑戦者として戦わせてもらう」
「いつでもきな」
「待ってるよ」
「ま、次もポルカ達の勝ちだろうけど」
「ねね、楽しかったよ」
(また、会おう)
「今度は差しで勝ってやる」
5人と俺はそれぞれの言葉をかける。
クロニーはその言葉を聞いて微笑んだ。
そして、光の粒子となり消えた。
『勝ったぁ~』
5人が喜ぶ姿を見て俺はその場に座り込む。
さすがにアロエちゃんの力を使うのはこの体だと無理が出るらしい。
ココさんの力も使ったしな。
「うぐ」
急に胸が締め付けられるように痛みだす。
これはさっきの。
「どう…」
「だ……!」
みんなの声が遠くに聞こえる。
せっかく勝ったのに俺は…
そして、俺は倒れ気を失っ…
偽・オーロ・クロニーは満足して眠りにつきました。
この後あなたに待つのは誰なのか?
次回をお楽しみに。