しかし、全てのお話が終わったわけではない。
これはまだ誰も知らない物語の始まりの前。
少し薄暗い大広間に5人の女性が集まっていた。
「それでこれからどうするんですか、ラプラス?」
ちょっと豪華な椅子に座る少女に鷹嶺るいが聞いた。
「ん?
そりゃ決まっているだろ?
この世界を吾輩のものにする」
「はぁ、また始まったよ」
それを聞いて沙花叉クロエがため息をつく。
「リアルのラプ殿もそう言ってなかなか出来ていないでござるよ?」
風真いろははそう言って笑う。
「ま、ラプちゃんはそれが趣味だからねぇ」
博衣こよりは手元で何やら新しい機械を触りながら言った。
「それより、運営から私達の実装を告知すると連絡が来ました」
るいが報告する。
「ほほう、これでやっと吾輩達も大召喚が使えるようになるわけか。
これでまた一歩世界征服に繋がるな」
「ただ、ラプラスが封印を解いてる事も運営に知られてるみたいで、GMが動くみたいですよ」
「はぁ?
やっと自由になれたのにまた封印されるのか?
そんなの嫌だ~」
だだっ子のように足をバタつかせるラプラス。
「でしょうね。
というわけで、引っ越しをします。
ここは運営にバレてますから」
とるいが言った。
「ええ、今からでござるか?」
「こよ、持っていく荷物山積みだよ?」
「沙花叉はそんなに多くない」
「では、各自部屋に戻って片付けてきてください」
『は~い』
「ほら、ラプラスも」
「えぇ~、吾輩、片付け嫌だ」
「なんで封印解いて最強の力を手に入れてるのに性格は子どものままなんですか?」
るいに背中を押されるラプラス。
「子どもじゃないやい!」
「子どもはみんなそう言います」
そして、大広間には誰もいなくなった。
そこは運営が【ホロライブワールド】内に作るGM本部。
ここでは【ホロライブワールド】で起きる問題の連絡を受けていち早く駆けつける為、日夜運営の関係者が待機していた。
「はぁ、また夜勤かよ」
1人の男性がぼやく。
「仕方ないでしょ、ゲームの世界に昼も夜も関係ないわよ」
小柄な女性がそう言って笑う。
「俺達はそれを承知でこの仕事してるんだからな」
大男がバシッと男性の頭を叩く。
「いたぁ、止めてくださいよ、後輩いじめっすよ」
男性は叩かれた頭を押さえながら大男に言う。
大男はそんな男性を見て笑った。
「しかし、今回は本当に助かったわ。
あのプレイヤーがいなかったら【ホロライブワールド】は終わってた」
テーブルについている1人の女性が画面を見ながら言った。
「何言ってるんですか、GMでもないプレイヤーがあんな事するのはおかしいですよ」
男性が怒鳴る。
「ま、仕方ないだろ。
【ホロライブワールド】が決めた事だからな」
「でも、あの戦いの後、データが改竄されているのが確認できた。
それも大規模に」
女性はキーボードを叩きながら言う。
「記憶の改竄ね。
まさか、こんな大規模な事が出来るなんて思わなかったな」
小柄な女性は真剣な顔で自分用の画面を見た。
「このゲームが脳に直接影響を与えるような事が出来ると立証されたみたいなものだ」
「この事実は隠さないとね」
トンとキーボードを打ち終え女性が画面を閉じる。
そこに大きな画面が現れた。
そこにはAちゃんの姿が。
「GM、チームαの皆さんお仕事です」
そう言われ立ち上がる一同。
「内容は各自にメッセージしております。
それではお願いします」
『了解』
今日もまたGMの仕事が始まる。
彼らと第六世代組のお話はまた別のお話。
では、またいつか。
最後まで読んでくださってありがとうございました。