ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版   作:天野空

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2つ目のクエ、白上神社に白上フブキを連れていったあなた達。
てぇてぇという言葉を知り、にやにや眠りにつこうとしたあなたに謎の魔の手が迫る。


チェーンクエスト『四大神社をお参りせよ』猫又神社編

町に戻った俺達は明日に備えてログアウトする事にした。

帰り道に3人で相談した結果、次に向かうのは猫又神社がいいという事になった。

理由として場所が少し遠いみたいで、後に回した時にリアルで深夜までしないといけなくなる可能性が出てくる為だ。

俺達は次の目的地を決めた後、宿屋に向かう。

ログアウトをするのでパーティーを解散しないといけないのだが、カーディアさんがすごく名残惜しそうにフブキちゃんを抱いていた。

明日も会えるからとなだめた後解散、俺は宿の部屋に入り布団に入った。

はぁ、いろいろな事があったな。

しかし、あのてぇてぇというのはいいものだった。

ゲームの為、画像がはいっきりと残せるのはありがたいな。

ログアウトの為、睡魔に襲われる。

ふと、誰かが近づいて来て俺を覗き込んでいる感じがする。

眠い、誰だ?

「それは忘れろビーム案件ですよぉ」

そう、最後に囁かれた気がした。

 

 

次の日。

俺は【ホロライブワールド】にログインした。

昨日の夜、ログアウトしようとした時に何かあったと思ったが何だったのだろう。

旅の記録を納めた画像を確認する。

特に何もないかな?

でも、なんか違和感がある。

黒フブキちゃん登場の後、すぐに帰るスクショになってる。

なぜだ?

なぜかこの間に大事な事があった気がする。

そう、て。

て、なんとか。

てぇ、もう少しで思い出しそうだ。

そうてぇて。

「それ以上は戻ってこれなくなりますよぉ」

「うわぁ」

いきなり背後から声をかけられる。

「な、なんでここに来れるんだよ、フブキちゃん」

そう、そこには人形型のフブキちゃんが不適な笑みで浮いていた。

「いや、人形状態で不適な笑みのまま、浮かばないでホラーだから。

ああ、もう、もう少しで思い出せそうだったのに」

「ま、人生なんて過去を忘れながら進んでいくものですから」

「なんか格言ぽく言ってるけど、めちゃくちゃ言ってるから、過去は大事な情報だから」

「それじゃ、外で待ってますぅ」

そう言って浮遊したまま扉に向かう、フブキちゃん。

ふと、扉の前で止まり、こちらを振り向く。

「決して思い出そうとしないように」

「分かったって、だからその不適な笑み止めて」

「キヒヒヒヒヒ」

「だぁ、その笑い方も」

フブキちゃんは笑いながら扉を開けずにすり抜けていった。

まじで、怖いから止めてください。

 

 

その後、準備をして宿を出る。

外では3人が待っていた。

早速パーティーを組む。

「フブキちゃん」

ぎゅっとカーディアさんに抱きしめられるフブキちゃん。

なんか苦しそうに見えるけど。

「よ、調子はどうだ?」

「え?、なんで?」

「なんか顔憑かれてるから」

「いや、疲れてないぜ、起きたばっかだし」

「ならいいが憑かれたならお祓いしてもらえよ」

「そっちの憑かれてるか!

なら、絶賛憑かれ中だよ」

2人でフブキちゃんを見る。

「確かにな」

 

それから俺達は町にある篭屋に向かった。

目的地まで少しあるので篭に乗って近くまで行くらしい。

「へぇ、これが篭かぁ。

って言うか人力車じゃね?」

そう、俺の目の前に人力車があった。

「そうだか、ここではこれを篭っていうんだよ」

「ふぅん」

「さ、乗り込むぞ」

俺達は向かい合って座るかたちで乗り込む。

「案外座れるな」

「ま、馬車みたいなものだな」

「今回はご利用ありがとうございます」

そう言って馬頭の人が話しかけてきた。

「いや、馬車じゃん」

「はは、お客さん。

私はこう見えてもれっきとした馬人。

そんじゅそこらの馬と同じにされては傷つきます」

「あ、これチップで」

友人はそう言ってニンジンを渡す。

「これはすいません、遠慮なくいただきます」

ガリガリ

生で食べる馬人。

「ヤッホゥ、高級ニンジンだぜ、ヒヒーン」

いや、馬じゃん。

「にゃぁ」

ヒヒーンに驚いたのかフブキちゃんが変な声をあげる。

なぜか目を輝かせるカーディアさん。

「ねこ…」

「フブキちゃん、狐なんだから変な鳴き方したらダメだよ、狐の自覚もって」

何かカーディアさんが言おうとしてたが、先に言ってしまった。

「え?あ、はい、気を付けます」

素でフブキちゃんに返される。

「すごいな、お約束もなんもぶち壊していけるんだなぁ」

友人の言葉に無言で頷くカーディアさん。

「ん?どういう事だ?」

「いや、別にいいよ」

友人はそう言って哀れみと驚きの目で俺を見ていた。

そうこうしている内に、俺達は目的の山の麓に着く。

料金を渡し、帰っていく篭。

帰りも通話機能を使えば呼べるらしい。

ちなみに個性豊かだが彼もNPCだそうだ。

「ここが目的の場所がある山か」

大神神社や白上神社とはまた違った山。

草木はあまり生えておらず、鋭く尖った岩が所々切り立っている。

「この山の中腹に目的の猫又神社がある」

「ここは守り人がいないんだったよな」

「ああ、だからモンスターとの遭遇率も高いはずだ」

友人の言葉に俺は頷く。

カーディアさんも心なしか緊張しているみたいだった。

俺も武器を取り出す。

いつでも戦闘態勢に入れるようにしないとな。

そして、俺達は山の中腹に向かった。

「そういえば、あの篭を使えば次の町にも安全に行けるんじゃないのか?」

疑問を友人にぶつける。

「ああ、あれな。

あれは町間は使えないんだよ。

行けるのは自分が1度でもいったことのあるダンジョン系の場所だけだ」

「そうなのか?」

「ああ、それに使う篭屋から離れすぎるとダメなのと、いく場所の適正レベルより上じゃないと運んでくれない」

「じゃ、おまえはここに来たことあって適正レベルより上なんだ」

「ああ、カーディアさんも来たことあるんじゃないか?」

「はい、何度か来ました」

「ちなみにここの適正レベルは50だ」

「うぇ、20も上かよ」

「ま、俺やカーディアさん、それにフブキちゃんがいるから大丈夫だよ」

「ああ、頼りにする」

「任せてください」

カーディアさんとフブキちゃんが笑顔で答えてくれる。

「しかし、モンスター出ないもんなんだな」

そう、あれからだいぶ歩いているが、まだ遭遇していない。

「普通はここまで来るのに2回程戦闘してるけどな」

そう、友人が呟いた時。

「おりゃー」

ギャァァァ

誰かの声と断末魔が少し先の方から聞こえてきた。

「誰かが戦ってるみたいだ。

行ってみよう」

友人の言葉に俺達は先を急いだ。

 

そこには1人のナイト風の装備に身を包んだ冒険者がいた。

「こんにちは」

友人が話しかける。

「ん?

やぁ、探索かい?」

ナイト風の男性も気さくに話しかけてくれた。

「いえ、この先の猫又神社にお参りに」

俺がそう伝えるとナイト風の男性は嬉しそうな顔をする。

「なんと参拝者の人だったか、分かった案内するよ」

俺達はナイト風の男性、名前はウメさんを先頭に神社に向かった。

ウメさんはこの猫又神社の主、猫又おかゆさんを推してる人らしく今日は当番でこの付近のモンスターを狩っているという事だった。

「ここには守り人がいないだろ。

なので、おにぎりゃーで当番を作って、ここ一帯を安全にしているんだ」

「なるほど、守り人の代わりですね」

さすがファンの人。

「で、おにぎりゃーって?」

隣の友人に聞く。

「ああ、ファンの愛称だな」

「ちなみに私はすこん部ですよ」

フブキちゃんが嬉しそう頷いている。

「ほら、見えてきた」

ウメさんの指差す先に鳥居が見えた。

しかし、何か様子が変だ。

誰かが戦っている音がする。

「くそ、まさか今日現れたのか」

ウメさんの顔色が変わる。

「すまない手を貸してくれ、やつが現れたらしい」

ウメさんと共に俺達も社に向かって走りだす。

「やつって?」

「この付近にポップするボスモンスター

女郎蜘蛛だ」

 

俺達が社に着いた時、戦いは始まっていた。

俺の3倍はあるだろう巨大な蜘蛛と1人のナイトが戦っていた。

大きなおにぎりの被り物をして。

「えっと、ウメさん?」

俺はウメさんを見る。

「なんだい?」

おまえもか。

「おにぎりゃーはこれが正装だからな」

友人は武器を手に取りすれ違いざまに教えてくれる。

「そういうものか」

「行くぞ、君たち」

ウメさんを先頭に俺達も戦いに加わった。

「おお、ウメ来てくれたか」

「ああ、オカカよく耐えてくれたな。

援軍も連れてきたぞ」

いや、おにぎりの具材だよね?

「よし、総攻撃だ」

ウメさんとオカカさんが敵からの攻撃を防いでくれている間に、カーディアさんの炎の魔法、友人の剣技が炸裂する。

俺も敵の噛みつき攻撃を避けながら頭部に一撃を加える。

「く、今回は星持ちか」

確かに額に星1つ。

「大丈夫だ、こっちは5人勝てない相手ではない」

うーん、シリアスなんだけどなぁ、めちゃくちゃシリアスなんだけど。

ガァァァ

女郎蜘蛛がその細い後ろ足で立ち上がる。

「くそう、プレスだと」

「く」

友人達の顔色も変わる。

あの巨体でプレスしてこられたら、ヤバイ。

ギャァァァァァァァァー

しかし、プレスは来ず断末魔を上げ一瞬怯む女郎蜘蛛。

「よし、後退だ」

ウメさんの号令で俺達は女郎蜘蛛から距離をとる。

女郎蜘蛛はそのままゆっくりとこちらに倒れてくる。

プレスじゃない?

目の前に弱った女郎蜘蛛。

「ここだ!畳み掛けるぞ!」

オカカさんの号令で俺達は女郎蜘蛛に総攻撃をかける。

女郎蜘蛛は徐々に光に変わり消えていった。

その時、俺は女郎蜘蛛の背中に何か大きな爪痕があったのが見えた気がした。

しかし、なんで最後プレス攻撃してこなかったんだ?

「やっぱり、おにぎりゃーの頑張りはきちんと見てるんですね」

ガッツポーズを取るおにぎりゃーを見てフブキちゃんがポツリと呟く。

「何か言った?」

「いえいえ」

フブキちゃんは誤魔化すように笑っていた。

その後、本殿周りを掃除、お参りをした後、俺達は町への帰路に着いた。

今回の猫又神社のクエも無事に終了。

次は最後の神社、戌神神社だ。




次でチェーンクエストラストになります。
先に書きためていますので明日投稿予定。
では、また次のお話で
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