新たな旅立ちに待つものはいったいなんなのだろうか。
「ふぅ」
久しぶりにログインした。
といっても昨日1日休んだだけなのだが。
それでも久しぶりの感じがするのは、俺がこのゲームにはまってしまってるのかもしれない。
一昨日まで友人とフブキちゃんとでチェーンクエストをしていた。
たった4日だったがいろいろな経験をする事ができた。
今日からは新しい町へ出発だ。
確か一昨日別れ際に友人から聞いた話だと、だいたい朝から出て夜には着く距離だと言っていた。
街道沿い歩くからモンスターにもそう頻繁には出会わないだろうとも言っていたな。
俺はまず道具屋に行って必要なアイテムを購入する。
回復薬も必須だ。
俺も魔法ぐらい覚えててもいいかもな。
ガーディアンさんみたいに回復魔法覚えてたらだいぶ楽だし。
これからの旅に必要となる事だし、機会があれば習得してみるか。
一通りのアイテムを買い揃えた俺は、次の町へ続く門へと向かった。
門の周りにはあまり人はいなかった。
まばらにパーティーを組んでいる人達がいるくらいだ。
これも友人からの知識になるが、次の町が、この世界ではだいたい中心に位置していて、だいたいのプレイヤーがそこを拠点にしているらしい。
それを考えるとここはこんなものなのかもしれない。
さて、気合いを入れて、ここから俺の新たな旅が始まる。
そして、門から記念すべき第一歩を踏み出した。
「あ、ちょっとそこのキミ」
門を出た瞬間声をかけられる。
何故かデジャヴ。
これで声かけてきた人が、フード付きマントとか着ていたらもう。
俺は声をかけられた方を見る。
その相手は門に腕組みをして寄りかかっていた。
もちろんフード付きマント着用。
ああ、やっぱり。
そのフードの人物は俺を見ながらゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。
そして、俺の目の前で立ち止まった。
やっぱり俺かぁ。
「ふふ、いきなりの登場で少しびっくりしたのかな?」
「あ、いえ、前に同じように待たれた事があったので、またかと思いました」
「な、二番煎じ」
「はい」
「まさか、真似されていたとは」
えっと、この場合どっちが真似になるんだ?
「まぁ、いいわ。
それでは自己紹介しておこうかな」
フードさっと取り外す。
髪は綺麗な水色。
顔は可愛いと言うよりキリっとしていてカッコいい感じだ。
「町から町へと流れるほうき星」
自己紹介が始まったんだけど。
「えっと町から町へ流れるなら流れ星の方が語呂がいいような」
「いいの、流れ星じゃなくてほうき星で」
「は、はぁ」
「というか喋ってる途中だから黙って聞いてて」
咳払いをする水色髪の女性。
「改めて。
町から町へと流れるほうき星。
【ホロライブワールド】に現れた最強の歌姫の一角。
星街すいせい」
「え?星持ち?」
「違う、ほ、し、ま、ち。
星持ちはモンスターでしょ」
「え!人型モンスター」
大袈裟に驚いてみる。
「違うわよ、どこ見てるのよ。
どう見ても可憐な美少女でしょ。
まぁ、少なからずサイコパスって言う人もいるけど…」
「ですよね、ビックリした」
「こっちがビックリするわよ。
ボケなのか確信犯なのか分かりにくいし、確信犯だったら一発殴ってるわよ」
「すいません、二番煎じだったので面白くしようと思って」
「いらない気遣いよ。
って確信犯か」
《スキル【運命】が発動しました》
一通り2人でわいわいした後、持ってきたお茶を渡し2人で飲んで一息ついた。
ふぅ。
しかし、周りから見たら俺から1人で騒いでる変な人なんだよな。
そう、基本ホロメンはイベントキャラという事で、イベントをしている人にしか見えないらしい。
「そういえば、2人同時に同じホロメンのイベントって起きるんですか?」
「え?
ううん、基本はホロメンは1人だから重複はしないよ」
「そうなんだ」
「それで、すいちゃんはどうして俺に声を?」
「そうね、キミの胸に運命の星を感じたからかな」
絶好調だなぁこの人。
確かにスキル【運命】持ってるし、胸にはホロメンとのイベント率を上げるレインボーダーツあるけど。
「そうなんですね。
で、本音は」
「ま、次の町に行こうと思ってたところに、なんか面白いアイテム持ってるキミが来たから声かけてみた」
「ありがとうございます。
それじゃ、次の町まで一緒に参りましょうか?」
「いいよ、よろしくです」
そうして、俺はすいちゃんの次の町へ向かって進むのであった。
すいちゃんとの道行きはかなり良いものだった。
この【ホロライブワールド】を旅しているらしく話題豊富にいろいろと教えてくれる。
また、アカペラで旅のBGMとして歌ってくれた。
さすがホロライブワールド最強の歌姫の一角、めちゃくちゃ上手かった。
それにすいちゃんの歌を聞いていると、何故かステータスにバフもかかってたし、元気も出た。
ただ、戦闘になると少しすいちゃんの様子が変わる。
さっき現れた小鬼にも「そこにいると邪魔だね、やっちゃうよ」と軽く言いながら手から小さな星を出して投げつける。
それが見た目に反して地面に激突したら大爆発を起こす。
完全なオーバーキル。
すれ違ったプレイヤーはその都度、何事かと振り向く程だ。
ま、楽しそうに戦ってるからそれはそれでいいのかもしれない。
お陰で、次への町には思った以上に早く着けた。
次の町への門の前。
俺はすいちゃんにお礼を言った。
「なんかキミとはまた会うような気がするよ」
「そう運命の星が言ってるんですか?」
「ふふ、そうだね。
それじゃ、今から大変そうだけど頑張って。
おつまち!」
何やら予感があったのかすいちゃんはそう言いながら、夜の町へ入っていった。
すいちゃんのお陰で楽しい旅立った。
俺も夜の町へ進む。
さすがこの【ゲーマーズ】の中心にある町。
夜でもきらびやかだ。
町のメイン通りには提灯が並びお祭りみたいだった。
メイン通りの奥には山があり、その頂上にはここからでも見える巨大な桜の木があった。
その下には大きな神社があるのか?
しかし、夜だというのに賑やかだな。
俺はまず宿を探した。
今日はもう遅いから何か食べた後、休むことにする。
散策は明日にしよう。
俺は宿を探しながら露店で買い食いをしながらそう考えた。
お腹いっぱいになる頃には宿も見つかり俺はそこに泊まった。
さて、明日はこの町で会えるホロメンの情報を探さないとな。
満を持して2人目のオリジナル世代登場です。
基本オリジナルは世界を旅しているので会うのはかなりレアなのですが、今回は【運命】とレインボーダーツのお陰という事で。
では、次はある人物と出会います。
果たしてお相手は誰なのか?
次のお話でドドンガドンドンドン。