ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版   作:天野空

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兎田ぺこらと微妙な再開を果たしたあなた。
防具を新調し、いざ、この町にいる最強の鬼娘へ会いに行く。
果たしてあなたの運命は?


鬼生門の紅き鬼武者

さっきまで町の広場を歩いていたはずなのに、いつの間にか周りは霧で囲まれていた。

周りがあまり見えない。

俺はどこを進んでいるんだ?

すると、先に誰かがいるような気配がする。

俺はその霧から抜け出す為に先を急ぐ。

いた。

見えた。

『え?』

霧を抜けたその先には、きちんと座布団に正座してお茶碗片手にご飯を食べようとしている、可愛い鬼娘が驚いた顔をしていた。

《スキル【運命】が発動しました》

 

「よ、よくぞここまでたどり着いた」

鬼娘は顔を真っ赤にしながら背中の方に茶碗と箸を隠そうとしていた。

「ま、まさか、ここまでくる者がおるとは、余も思ってもみなかったぞ」

ま、確かに普通はそちらがポップするはずですから。

何はともあれ。

「すいません、お食事中に」

俺の言葉に頬がなおいっそう真っ赤になった。

そして。

「ほんとだよ、もう。

せっかく大好きなハンバーグ食べようとしとったのに、何で余の邪魔をしたの?

それにここどこ?

普通は余が向こうに行く筈なのに、中途半端な場所にこさされとるじゃないの余」

う~ん、かっこつけるの止めたな。

「それに本当は余がかっこよく大太刀妖刀羅刹を肩に担ぎなから颯爽と現れ、余と勝負じゃって言うのがセオリーなのに。

それを食事しようとしとる時に強制的にポップさせるなんてそなた何者なの」

「あ、えっと」

言葉のマシンガンにやられつつふとアイテムボックスを見るとあるアイテムが光っていた。

ここか。

俺はそのアイテムを取り出す。

そういえば、使う時に呪文が必要だったな。

確か。

「ミオ、フブキ、キミに決めた!」

俺は勢いよく2つの玉を投げる。

すると玉は地面に当たり、煙を吐き出した。

そして、中から懐かしい2人が。

「呼ばれて出てきてじゃじゃじゃ~ん、大神ミオですみぉ~ん」

「続いてみんなの守り狐、白上フブキです。

こんきーつね」

「な、フブキちゃんとミオちゃん?」

「久しぶりあやめ」

「お久しぶりあやめちゃん」

「なるほど、これは2人の差し金かぁ」

2人を見ながら頬を膨らますあやめちゃん。

「えっと、うち達だけのせいでもないんだけどねぇ」

「確かに」

「どういうこと?」

「ほら、その子の胸元何か感じない?」

「え?」

ミオちゃんに言われてあやめちゃんが俺の胸元を見る。

「あ、本当に手に入れとる人いたんだ」

あ、レインボーダーツの事言ってるのか。

「確かにそれがあったら余を強制的に呼べる余ね」

「そういう事」

ミオちゃんが笑う。

「でも、それを使うように導いたのはどうせミオちゃんだ余ね?」

「ははは」

「もう、別にいいけど。

それじゃ、始める余」

あやめちゃんが手を横に振り払う。

辺りの霧が一気に晴れる。

そこはあの広場だった。

しかし、人が1人もいない。

「ここは余専用のフィールド、鬼生門。

ここから出たかったら余に一撃入れるか、やられた時のみ。

いつもは余も手加減するけど、今回は味方もおるようじゃし、久しぶりに本気でいかせてもらう余」

大太刀妖刀羅刹を構えるあやめちゃん。

構えた瞬間、俺は全身に冷や汗をかいた。

さっきと見た目は同じなのに、まるっきり別人だ。

「久しぶりだね、お互い本気は」

「楽しみです」

左右のフブキちゃんとミオちゃんも出会った時とまるっきり存在が違う。

俺もオーガキラーを取り出し構えた。

「な、それどこで?」

俺のオーガキラーを見てあやめちゃんが驚く。

「え?

あ、前にオーガロードを見つけた発見ボーナスで」

「ええ?

それってそおいう事で手に入れられるものじゃない余?

かなり特殊な条件を達成したうえでかなり低い確率で手に入るものなんだけど?」

「と、言われましても」

あやめちゃんはオーガキラーから目を外す。

「でも、その状態ならまだ大丈夫かな」

「え?」

「意地悪だなぁ、百鬼は」

「そうそう、ヒントくらい教えて上げてもいいよね」

2人に言われ頬を膨らますあやめちゃん。

「うう、分かった余。

今、人間様の持っておるのは刀だ余。

鬼を切った刀。

オーガキラーなんて名ではない。

はい、ヒントおしまい。

さぁ、ここからは真剣勝負。

いざ、参られよ」

あやめちゃんがもう一度構える。

武器を構えて相対すれば分かる。

あやめちゃんに隙はない。

それにこちらが動けばすぐ斬られる。

そんな想像が容易に思い浮かぶ。

「まずは目を慣らすところからかな」

フブキちゃんが腰の刀に手をあて一歩前に出る。

「うち達の動きよく見ながら、隙を見つけたら参加してみて。

これもこれからの為に必要な事だから」

「分かった、やってみる」

俺の言葉にミオちゃんが頷く。

「じゃ、始めようか」

「あやめ行くよ」

フブキちゃんは刀を抜く。

ミオちゃんの手は不思議なオーラに包まれた。

そして、ホロメン同士の戦いが始まる。

それは正直目で追えるような戦いではなかった。

赤と白と黒い線が時に離れ時に混じり合い火花を散らす。

ギャンと鳴って2人の攻撃を受け止めるあやめちゃんが見える。

しかし、すぐに次はあやめちゃんの攻撃を防ぐフブキちゃんに変わる。

でも、少しずつではあるけれど3人の動きが見えるようになってきた。

ミオちゃんのパンチを刀の腹で受けるあやめちゃん。

あやめちゃんの刀を紙一重で避けるフブキちゃん。

フブキちゃんの刀を避け、背後から来たミオちゃんにカウンターの一撃を入れるあやめちゃん。

そして、離れる3人。

「やっぱり2人相手だと1本じゃしんどいかな」

あやめちゃんは片手で大太刀を持つ。

普通は片手で持てる品物じゃないのにどれだけ規格外なんだ。

そして、腰からもう1本、太刀鬼神刀阿修羅を抜いた。

二刀流?

「あらら、百鬼、抜いちゃったかぁ」

フブキちゃんは軽口を言っているが額から汗が流れている。

「そろそろ、こっちもあやめを抑えに行った方がいいかもね」

あやめちゃんの方に構え直すミオちゃん。

「どう、だいぶ目は慣れた?」

「なんとか」

ミオちゃんに聞かれ俺はそう答える。

「上等。

なら、次であやめが本気の本気を出してくるから、それをうち達でどうにか隙を作る。

そこに全力で打ちこんで」

「はい!」

「いい返事、刀の答えもでましたか?」

フブキちゃんの答えに頷く。

俺の中で大体の答えは出ている。

「なら、行くよ」

俺達3人はあやめちゃんに向き直る。

「相談は終わった?

じゃ、これで終わりにする余」

一気にあやめちゃんからの圧が膨れ上がる。

そして、彼女の背後から光の鬼武者が現れた。

「あれは」

「あやめの持つ力の1つ。

でも、これからが本領発揮ね」

「では、参る」

あやめちゃんの言葉と同時に光の鬼武者はあやめちゃんと1つになった。

「【鬼神大元】」

光の鬼武者のオーラを纏い、今目の前に鬼神と化したあやめちゃんが立つ。

くそう、勝てる気がしない。

「気持ちで負けたらダメですよ」

フブキちゃんはそう言って俺の肩を叩く。

何故か力が溢れてくる。

これはバフ?

「じゃ、始めるよ」

ミオちゃんの言葉でミオちゃん、フブキちゃんは神々しいオーラを纏った。

「先手必勝。

大神の力をとくとごろうじろ」

ミオちゃんが胸の前で勢い良く手を合わせる。

と同時にあやめちゃんが何かの力に押さえ込まれる。

たぶんミオちゃんの力だ。

フブキちゃんはその隙を見逃さず刀を構えあやめちゃんに突撃する。

「く、こんなもの!」

フブキちゃんが目の前に届く寸前、あやめちゃんが拘束を外す。

「やっぱり数秒かぁ」

ミオちゃんの悔しそうな声が聞こえた。

あやめちゃんは振り上げた二刀を目の前に迫ったフブキちゃんにばつの字斬りを振り下ろす。

あやめちゃんに斬られたフブキちゃん。

だが、その顔はニヤッと笑ってその姿をボンっと煙に変える。

あやめちゃんの顔に焦りが見える。

何故煙に巻かれるあやめちゃんの表情が分かるというと、それは俺が今オーガキラーを振り上げて煙の中からあやめちゃんにまさに振り下ろそうとしているからだ。

フブキちゃんが一瞬であやめちゃんとの間合いを積めなかったのは、俺が後ろについて走っていたから。

「まだぁ!」

しかし、伸びきった腕で振り下ろした刀を振り上げ、刀を交差して俺の一撃を受ける。

「く!」

完全に受け止められた。

だけど、ここで押しきらないともう後はない。

「まだまだぁ、負けるかぁ!」

その時、あの言葉が思い浮かぶ。

この刀はまだ本当の力を出せてない。

鬼を切った刀。

そう、あやめちゃんは言った。

俺が知っている鬼を切った刀の名は。

「いけぇ、鬼切丸!」

俺の言葉に刀が力強く輝く。

大幅な刀身は普通の刀の大きさに変わる。

しかし、その刀身からは今までとは違う力強さを感じる。

「うぉぉ!」

「くぅ!」

少し押し入れたが、やはりダメだった。

あやめちゃんに押され、俺は思い切り後ろに吹き飛ばされた。

「はいっと」

吹き飛ばされた俺をフブキちゃんが受け止め支えてくれた。

「よくやったね」

ミオちゃんが俺を見ていう。

「でも、俺はあやめちゃんに何も出来なかったです」

「それはどうかな?」

ミオちゃんは笑顔であやめちゃんを見ていた。

「ふぅ、今回は人間様の勝ちかな」

こちらに向かって歩いてくるあやめちゃんは刀を納め、あのオーラもなくなっていた。

「余の角にちょこっと当っておったからね」

「まじですか、やったぁ」

俺はその場に寝転ぶ。

しかし、今回は2人の力が大きい。

1人では到底勝てなかった。

「ま、1人で来てたら余は手加減しておったからもう少し楽に一撃入れれたかも」

「ええ」

「はは。

ま、今回はあの早さに目を慣らす為だからねぇ」

ミオちゃんがばつ悪そうに答えた。

「なんだかなぁ」

「あははは」

そんな俺を見てフブキちゃんが笑っていた。




次は彼女に再戦です。
てはお楽しみ。
ドドンガドンドンドン。
【鬼神大元】(きしんたいげん)について
普通は大元とかいておおもとと読みますが、今回はたいげんと読む事にします。
彼女がこの世界で鬼の大元であり、唯一鬼神を体現できる存在として彼女専用の最終技です。
よろしくお願いします
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