ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版   作:天野空

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兎田ぺこらとの決戦をなんとか乗り越えたあなた。
事情を話すと彼女はある場所へと案内してくれた。


桜の木の下で

「えっと、ここって鬼生門じゃないですよね?」

ぺこちゃんについてたどり着いたのは道のない山の麓。

「ここでいいぺこ」

そう言いながらぺこちゃんは草むらの中に頭を突っ込む。

そして、どんどん草むらの中に入っていった。

「ちょ、ちょっと?」

ズボ

草むらの中から顔を出すぺこちゃん。

「何してるぺこ。

早くこっち」

「えっと、ここが本当に進むとこ?」

「そうぺこ。

ここはぺこらしか見つける事が出来ない秘密の道。

だから、ぺこらと離れると進めないよ」

「は、はぁ」

マップ表示には確かに《ウサギの抜け穴》と表示されていた。

ウサギかぁ。

「さぁ、早く行くぺこよ」

「は、はい」

そして、俺はぺこちゃんの後を追い、草の中のトンネルを駆け上がった。

なんか兎を追って走る話どっかで読んだ事あったなぁ。

「もうすぐ着くよ」

トンネルの先が見えた。

トンネルを抜けるとそこは巨大な神社の横だった。

「これが桜大神社?」

今まで見た中で一番でかい。

それにあの巨大な桜もある。

「こっちぺこ」

ぺこちゃんはその桜のある方に向かっていく。

俺も後に続いた。

 

それから、脇道行ったり神社に入って巫女さんに見つからないように隠れながら進む事15分くらい。

今は桜の下にある巨大な広間の横の柱からぺこちゃんと様子を伺っている。

ちょうど広間では何かをやっているようだった。

たくさんの巫女さんの前で、1人の少女が歌に合わせて舞っていた。

それは見惚れるほどの舞だった。

「はぁ、いつもあの調子だったらかっこいいんだけどなぁ」

「え?」

「何でもないぺこよ」

「あれって何やってるんですか?」

「ああ、あれは全世界のチューニングしてるらしいぺこ」

「チューニング?」

「ま、詳しくは知らなくてもいいぺこよ」

そう言ってまた舞を見るぺこちゃん。

その顔は誇らしく子どもを見る母親のようで、頼りになる先輩を見る後輩の顔のようで、仲の良い親友を見守る友達のようでもあった。

舞が終わる。

一瞬、少女がこちらを見たような気がした。

「今日はこれで終わります。

皆さん下がって構いません。

私はしばらく部屋で休みますので、誰も立ち入らないように」

凛とした声が広間に響く。

巫女達はその言葉に頭を下げてから広間を出ていった。

「めちゃくちゃかっこいいじゃないですか」

俺がぺこちゃんに言うと。

「あ、あの状態はいろいろと制約をしてるからああなってるぺこよ。

本性は違う」

「ふぅ」

息を吐いた後、少女の雰囲気が変わったような気がした。

「そこにいるんでしょ?

出てきなさいよ、兎田ぁ」

さっきまでとは違う雰囲気で少女がこちらに向かって叫んだ。

「はぁ、やっぱり分かっちゃうぺこかぁ」

ぺこちゃんはそう言って柱の影から姿を現す。

「ばればれに決まってるでしょ。

っていうか後ろのは誰にぇ?」

にぇ?

え、俺?

「ああ、なんかミオ先輩に言われたみたいだから連れてきた」

「あんたねぇ、そんなふわっとした理由でここに連れてくんな」

俺は「どうも」と柱から広間に出る。

少女がこちらに向かって歩いてくる。

お互い認識出来る距離まで近づいた。

「あ、なるほどにぇ。

それを持ってるなら仕方ないかぁ」

俺の胸元を見ながら言う少女。

「にゃっはろー!

さくらみこだよ」

《スキル【運命】が発動しました》

 

お互いに挨拶を終えた後、俺はぺこちゃんと一緒にみこちゃんに連れられて和式の部屋に来ていた。

座敷に座る。

みこちゃんと対面に座りいれてもらったお茶を飲む。

ぺこちゃんは座敷に寝転んで漫画を読んでいた。

「さてと、これからどうするか決めてんの?」

みこちゃんにそう言われて推薦状を見せ学園に行くことを話す。

「なるほど、それがあれば入学はいけるにぇ。

あそこの学園長に見せれば確実。

後は学園がある【バーチャル】に行く方法だけど。

【バーチャル】は【ファンタジー】を挟んで反対側にある世界だから、普通に行くと時間かかっちゃうにぇ」

「門を使わせればいいんじゃないぺこか?」

漫画から顔を上げぺこちゃんがみこちゃんに言う。

「あのねぇ、そんな簡単にあれは使わせられないの」

「でも、大神も認めてるぺこなんでしょ?」

「ま、確かににぇ」

「ミオちゃんの事ですか?」

大神と言えばミオちゃんだ。

「ん?

ああ、ちょっと違うにぇ。

ミオちゃんは大神の力を使えるけど、大神本体とは違う。

ま、今回は占いをしてるみたいだから大神からの意見も聞いてるって事かなぁ」

ん~

考え込むみこちゃん。

「わかったにぇ。

今回だけ特別に門を使わせる」

「門?」

「ここには各世界に繋がる門があるぺこよ。

それを使えばすぐに【バーチャル】に行けるって事」

「なるほど」

「普段はそう簡単に使えるものじゃないんだから、このエリートみこに感謝しなさい」

「自分は使いまくってるぺこですけどね」

「う、兎田ー!」

「仲いいんですね」

『どこが!』

両方から突っ込みが。

「ま、まぁ、せっかくここまで来たんだから、加護ぐらい上げるにぇ。

何か武器持ってる?」

「あ、はい」

俺は鬼切丸を机の上に置く。

それを持ち見るみこちゃん。

「へぇ、きちんとした刀になってる」

「あ、はい、あやめちゃんにヒントをもらって、その形になってます」

「なるほどにぇ、あやめちゃんに認められてるなら、この形になってるのは頷けるにぇ」

鬼切丸を抜き机の上に置くみこちゃん。

その刀身に手を当てる。

そして、暖かい光が刀を包む。

「これでいいかな?」

みこちゃんが手を離すと鬼切丸の刀身がさくら色に変わっていた。

俺は鬼切丸を手に取り、ステータスを見る。

《大桜印鬼切丸》

名前が変わってる。

《鬼以外にも中特効効果が付く》

おお、かなり良くなってる。

「あと、これを渡しとくねぇ」

そう言ってみこちゃんは1枚の護符を机に置く。

「これは?」

「1回だけ使える強制召喚符。

必ずこの先必要になる時があるからにぇ。

もっときなよ」

「それは予知ですか?」

俺はみこちゃんに聞いてみる。

みこちゃんはニヤッと笑う。

「ま、エリート巫女の感だにぇ」

「ポンコツの間違いじゃないぺこか?」

「兎田ー!」

「本当は仲いいんですよね?」

『よくない』

息ぴったりなんだけどなぁ。

 

みこちゃんとぺこちゃんに連れられて大桜の裏側に来た。

大桜に門がある。

「ここを通れば望む場所に行けるにぇ。

ま、今回は【バーチャル】に固定してるけどね」

「それじゃ、また会おうぺこ」

「そうだにぇ、また会う事になると思う」

「はい、ありがとうございました」

俺は2人にお礼を言って、大桜の門をくぐる。

これから新しい世界に出発だ。

今度はどんな世界なのか楽しみだ。




次回予定通り学園編です。
よろしくお願いします。

では、次回をお楽しみ。

読み方
《大桜印鬼切丸》おおさくらいんおにきりまる。
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