ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版   作:天野空

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無事に【バーチャル】に着いたあなたは美味しいパンを食べ、急ぎ学園へと向かった。
果たしてこれからあなたを待つ学園生活とは?


学園入学そして学生へ

「はぁ、はぁ」

俺は今、全速力で逃げていた。

マップを見ていないからどこを走っているか分からない。

でも、今は逃げないと捕まる。

後ろを振り向く。

追ってきている。

全速力で走っているはずなのに、距離を縮められている。

「…ちなさい」

何か叫んでいるけど分からない。

「はぁはぁ」

もう、ダメだ。

ゲームの中なのに疲れるの一緒って、そこまでリアルにしなくていいのに。

俺はその場で倒れこむ。

ああ、アスファルト気持ちいい。

「はぁはぁ、やっと追い付いた」

仰向けになって追ってきた人物を見る。

ころねちゃんだ。

「まってって、言ったけど聞こえなかったん?」

ころねちゃんも疲れたみたいで膝に手をあてて息を整えている。

「い、いや、必死で走ってたので」

そう、あのパン屋から出た後、しばらくしたらころねちゃんが後をいきなり追ってきたので、あの時の恐怖が甦り走って逃げてしまったのだ。

「何をそんなに急いでるのか知らないけど、はいこれ」

そう言って寝ている俺の手を取り、何かを渡される。

チャリン

所持金が増える。

「スタンプカード渡した後、すぐに店出るんだから、おつり渡しそこねちゃったよ」

あ、そういえば指のスタンプ見てブリーズした後すぐに外に出たんだった。

ゆっくりと起き上がる。

「すいません」

「別にかまわないけど、気をつけなよ」

俺はガードレールに腰かけた。

ころねちゃんを横に並ぶ。

そうだ、あれを買ってたな。

「これよかったらどうぞ」

俺はアイテムボックスから、【ファンタジー】で買ったある物をころねちゃんに渡す。

「ん?」

ころねちゃんはそれを受け取ってくれた。

「ラミィ水です。

俺がゲームに入って最初の町で売ってたものです」

「あ、ありがとうね」

ごくごく飲むころねちゃん。

ゲームだからこぼれないし、賞味期限とかないからありがたい。

俺もラミィ水を飲む。

うん、美味い。

「それできみは今からどこにいくん?」

「あ、学園に行こうと思って」

「学園?入学するん?」

「はい」

「へぇ、でも、あそこはなかなか入れないって聞くよ」

ころねちゃんがラミィ水を飲みながら俺に言ってくる。

ま、ホロメンのころねちゃんなら見せてもいいか。

俺はアイテムボックスから推薦状を取り出した。

「これを貰ってて」

ころねちゃんに見せる。

推薦状を受け取り中身を確認するころねちゃん。

「へぇ、あやめる、フブちゃん、ミオしゃの推薦状。

すごいね、こんなのよくゲットできたね」

「ま、いろいろありまして」

「それじゃ、これを学園の門にいる人に見せればいいよ」

ころねちゃんはそう言いながら推薦状を返してくれた。

「分かりました」

「それじゃ、また近いうちにねぇ」

そう言い残しころねちゃんは来た道を帰っていった。

近いうちに?

どういう事だろう?

ま、パン屋には行く予定だしそれでかな?

俺はマップを開く。

案外遠くには行ってないみたいだ。

学園までもう少しだな。

俺はマップを確認しながら学園へと急いだ。

 

 

「すっげぇ」

学園前に来た俺は中の建物を見てそう思った。

広いグラウンド、3階建ての横に広い建物。

門の中では多くのプレイヤーが学生服を着て歩いている。

これが【バーチャル】を代表する建物の1つ、学園か。

俺は早速、門の横に立っている厳ついスーツ姿の男にころねちゃんに言われたように推薦状を渡した。

推薦状を見るスーツ男。

「しばらくお待ちください」

そう言って、胸に付いてるインカムで誰かに連絡をとりはじめる。

しばらくすると。

「お待たせしました」

いつの間にか目の前にスーツをビシッと決めた猫人の女性が立っていた。

《スキル【運命】が発動しました》

「おお、おかゆちゃんだ」

「おい、あれ秘書バージョンじゃねぇか?」

「うぉ、レアでありますなぁ」

「おかゆ様素敵」

なんか外野がわちゃわちゃしてるなぁ。

そんな外野に笑顔を振り向きながらおかゆさんがこちらに軽く頭を下げる。

つられて俺も頭を下げた。

「はじめまして、この学園の秘書をしています。

猫又おかゆです。

よろしくお願いしますね」

「あ、はい、よろしくお願いします」

「それでは、今から学園長のところまで案内します」

「はい、お願いします」

「はい、こちらが学園長室になります」

え?

いつの間にか俺は学園の中に入り、目の前には少し豪勢な扉があった。

いつの間に移動したんだ?

さっきまで門の外だったのに。

おかゆさんを見ると先程と変わらぬ笑顔だった。

コンコン

「学園長、お連れしました」

ノックの後、おかゆさんが扉を開く。

「どうぞ」

おかゆさんに言われて俺は学園長室に入った。

「よく来たね」

大きな机の上に肘を当て手を組んでこちらを見る学園長。

某司令官みたいだな。

その学園長の頭にどこかで見た戌耳がピョコピョコ。

って。

「ころねちゃん?」

ビクッとする学園長。

「ちがう、ころね学園長だ」

と、別に変わらない訂正をされた。

 

「というわけでまた会ったね」

学園長の椅子に座りくるくる回りながらころねちゃんは楽しそうに言う。

その学園長の机の横にニコニコしながらおかゆさんが立っていた。

「さて、入学にあたって1つ確認しないといけないんだけど」

ころねちゃんは椅子をピタッと止めこちらを見る。

「はい」

「この学園に入ると卒業するまで、この【バーチャル】の世界から出れなくなるの。

住むところはこちらで用意してるから大丈夫なんだけど、クエストもこの学園内にある掲示板から学園専用のクエストだけしか受けれなくなる」

「制約があるんですね」

「うん。だから、いろいろな場所に冒険したいなら、学園には入らない方がいいかも」

確かに卒業までここに縛られるならそれも考えられる、が。

「大丈夫です」

俺ははっきりとそう答えた。

「わかった。

じゃ、今日から入学という事で」

「え?

なんか入学試験とかないんですか?」

「これがあるから試験はパス出来るよ」

ころねちゃんが推薦状を見せる。

「なるほど、ありがとうございます」

「あ、それと卒業の条件はおかゆに聞いてね」

「あ、はい」

「それじゃ、先に退出します」

そう言うところねちゃんの姿が消える。

どうなってんだ、この学園?

「ぼくやころさんは、この【バーチャル】でいろいろと兼任してるから、さっきみたいな瞬間移動が使えるんだよ」

「そうなんですね」

学園長室に残された俺は、少し話し方の変わったおかゆさんの話を聞くことにした。

「さて、卒業の条件だけど簡単に言うとね。

あるチェーンクエストをクリア出来たらいつでも卒業は出きるんだ」

「そうなんですか?」

「うん。ま、卒業したらこの学園での生活がなくなっちゃうからあまり卒業しようとする生徒はいないんだけどね。

でも、キミは少し違うみたいだね。

だったら、放課後の一階第七教室に言ってみるといいよ。

そこにキミの道を示してくれる人がいるから」

「はい、ありがとうございます」

くるっと回るおかゆさん。

さっきまでのスーツ姿が制服姿へと変わる。

「ぼくやころさんはここで学生もしてるから、その時は同じ学生として接してくれたらいいよ」

ゆっくりと扉の方へ行き、おかゆさん、いや、おかゆちゃんか、扉を開けてくれる。

「では、この学園始まって以来の卒業者になれるように、この学園を楽しんでね」

「はい、ありがとうございます」

お礼を行って、俺は学園長室を後にする。

ピコン

機械音がしたのでアイテムボックスを見ると制服が支給されていた。

後は自分の住む寮の鍵とマップに場所が表示されていた。

さぁ、いよいよこれから学園生活の始まりか。

俺が学園長室前でそう思っていると。

「よ、君が噂の新入生かい?」

と声をかけられた。

振り向くとそこには1人の男子学生が。

後にこの男性が学園生活で1人目の友達になる相手だった。




お待たせしました学園編突入です。
少し長丁場になりそうですがお付き合いくださいね。
では、次回に
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