友人が椅子に座り直した。
さぁ、また説明の始まりだ。
「さて、休憩も挟んだし続きを語るぞ」
「まじで少しの休憩なんだな」
「そう、言ったろう。
さて、この世界のホロメンとワールドは話したよな?
次はこの世界のシステムをいくつか教えよう」
「お手柔らかに」
「この世界には推しシステムと言うのがある。
推しって言うのはそうだなぁ、簡単に言うとめちゃくちゃファンになった相手って感じかなぁ、上手く言えないが」
「なるほど」
「こうやって誰かにその人の事を教えたくなる程好き、ん~単なる好きでもないんだが、難しい」
「ま、それはおいおい俺も分かるかもしれんし」
「うむ、まぁ、その推しシステムって言うのが、このゲームをする前にパソコンやら携帯と連動してリアルでホロメンのメンバーとかに入っているといろいろと受けられる初期ボーナスの他に、このゲーム内でも推しを選択して特典を受けられる。
ほら、ステータス画面に推し一覧ってのがあるだろ?」
ステータス画面を開く。
確かにそういうタグがあるな。
開いてみる。
ほとんどが黒色で分からないが3人だけキャラアイコンが光っていた。
「普通は一度そのホロメンを見ないとキャラアイさコンが光らないんだよ。
でも、リアルでホロメンのメンバーになってるとそのホロメンが点灯してる」
「えっと、3人光ってるんだが?」
「はぁ?
見せてみろよ」
俺はステータス画面を見せる。
「普通は人のステータス画面を勝手に見れないが今回は俺が許可をもらえたから見れるようになってる、そこは覚えといた方がいい。
知らん人にはステータスは見せないようにな」
「分かった」
「あ、本当だ。
ラミィちゃんが点灯、ぺこみこペアが点滅か。
っていうかラミィちゃんといつ会ったんだよ」
「いや、だから始めに言ったろう」
「くそう、俺もまだ近くで見た事ないのに羨ましすぎる」
めちゃ悔しがってる。
「ま、いい、ビギナーズラックってやつだな」
「そうだ、俺のスキルなんだけど」
「おっと、それは聞けない。
自分の所持スキルは例え仲間でも公開しない方がいい。
どうしてもそのスキルの詳しい事が知りたかったらネットで調べるか、スキル鑑定士に会って調べてもらえ」
「ああ、分かった」
「ま、さっきの続きだがその光ってるアイコンをタッチすると推しますか?はい、いいえと出てくるからはいを押すと推しにする事ができる。
推しにするとさっきも言ったように1ヶ月に1ポイントがもらえてそれを使ってメンバーショップでアイテムを買う事ができる。
ただし、推し1人につき1ヶ月500G払わないといけない」
「お金いるのか?」
「もちろんだ。
でも、全然高くないむしろ安い。
限定アイテムを手に入れるチャンスと特典がついてこの値段だからな。
それにこの値段なら一回クエに行けば稼げる値段だ」
「なるほど、限定が手に入るのはいいな」
「だろう?
なんで、おまえも入れ」
「ん、考えとく」
「ま、誰を推すかはじっくりと考えないといけないのは確かだからな。
ねぽらぼいいぞ。
そして、特典の1つとして、ホロメンが使う奥の手大召喚に参加する事ができる」
「大召喚?」
確か、森であったラミィって女性が使ってた。
「そう、この大召喚はホロメンが自身を推してくれてるプレイヤーを呼び出す技なんだよ。
仮に5000人推しがいるホロメンが使うと5000人味方を召喚できる。
しかも、この召喚に応じて戦闘に参加した場合。
やられてもデスペナルティなしで経験値も倒した分だけ均等に参加者全員に振り分けられる。
ドロップアイテムは活躍した人が後からホロメンからのメッセージ付で送られてくる」
「それは美味しいな」
「あと、ログインしてないとかクエストしてるとかで大召喚に参加できない時は自分のステータスを参考にコピーが代わりに召喚に参加する事になってる」
「となると複数推しがいる時は、その中の1人を選んで参加する訳か」
「く、そうだ、ちなみに参加してない大召喚でもらえるアイテム、経験値はない。
そんなことよりも誰を選ぶかいつも悩む」
「1人にしないからだろ」
「俺はこの4人を推したいんだ」
ダンとテーブルを叩き血の涙を流しながら立ち上がる友人。
何故か周りから拍手が。
もらい泣きしてる人もいる。
「ま、まぁ、この話は置いといてだな」
周りに手を上げながら座る友人。
この雰囲気にはまだついていけない気がする。
「ま、ここまでが大体のゲームの説明だな」
「いや、世界観とか主にホロメン説明しか受けてないが、ゲーム自体の説明は?」
「ん?
それは今から俺と一緒にクエスト受けて学べばいいだろ?」
友よ肝心なところは実地かよ。
「その方がおまえも分かりやすいだろう」
「ま、確かにな」
俺達は代金を支払い酒場を出た。
「これから行くのがギルドだ。
通常のクエスト、討伐や採取のクエはそこで受けれる。
このゲームの中でもお腹は空くし眠たくもなる。
徹夜を続けると状態異常になるしな。
で、食べたり寝たりするにもお金は必要だ。
それを得る為の場所がギルドだ」
ギルドに着いた俺達は簡単な薬草採取のクエを受けた。
場所は俺が初めて行った森だった。
友達と森の入口付近で薬草を採取する。
「ああ、それとな。
クエにはもう1種類あってイベントクエストって言うのがある。
これは村人から頼まれるクエストで毎回出てくるような物じゃない。
好感度やら貢献度が上がると受けれるやつだ。
俺もいくつか受けた事はある。
で、その中でホロメンから頼まれるレアイベクエもあるらしい。
これは実際に受けてホロメンと一緒に戦ったとか聞いた事がある。
めちゃくちゃうらやましい。
俺も1度は受けてみたい」
「へぇ、ま、俺もイベクエには興味あるな」
「な、もし、もしだぞ、ホロメンからクエスト受けたら俺も誘ってくれ」
「ん?別に構わないが」
「本当だな、絶対だぞ」
「ま、依頼主がOKしてくれたらな」
俺は友達の熱心さに負けてそう答えた。
その後、無事に採取クエは終わり、俺はログアウトする為に宿屋へと向かう。
明日からは早速1人でクエを受けてレベル上げだ。
採取クエもクエストクリアしたら経験値くれたし、1人でものんびりレベリングはできるな。
ドン
考え事をして誰かとぶつかってしまう。
咄嗟に相手を支えた。
「ごめんなさい、考え事をしてて」
「いえ、大丈夫です。
こっちも前をよく見てなかったから」
フード付きの長いマントを着けた女性(支えた感じ華奢だったので)はうつむき加減でそう答えた。
《スキル【運命】が発動しました》
また、あの声。
ふと、地面を見ると何かが落ちていた。
俺はそれを拾う。
虹色のダーツ?
「あのう、落としましたよ」
フードの女性にダーツを差し出した。
彼女はフードの奥からそれを見た後、フードを少し上げてこちらを見た。
綺麗な薄い青色の瞳をしていた。
茶色い髪も見えた。
「新規プレイヤーさん?」
「え、はい、今日初めてこの世界に来ました」
「そっか、ならそれはあげるね。
何かの役にたつかもしれないよ」
そういって彼女は笑い人混みに紛れていった。
俺は手の中の虹色ダーツを見た。
なんか高級そうな物だけどいいのかな?
俺はそっと胸元にそれをしまう。
その後、俺は宿屋に泊まりログアウトした。
明日は休みだし、いっぱいこの世界で遊ぶとするか。
では、次回からは本格的にストーリーが始まります。
次回をお楽しみに