その場所である事をすれば全てが終わるはず。
あなたはそう考えていた。
おかゆちゃんからもらった鍵を持って俺は今、校長室に来ていた。
あの時、ころねちゃんから聞いたクエストクリアの条件。
ころねちゃんは招き猫を守ればいいと言っていた。
そう、守ればクリアするとは言っていない。
守れなくても失敗とも言っていなかった。
前回はマモリに盗られて、招き猫の中の物も完全に失ってしまった。
でも、今回は違う。
俺はゆっくりと金庫の鍵穴に鍵を差し入れる。
カチャ
開いた。
ゆっくりと扉を開く。
開かずの金庫は開いた。
《クエストクリアです》
そう、このクエストは金庫を開ける事がクリア条件だったんだ。
俺はゆっくりと扉を開けた。
中にはたくさんの写真が。
ころねちゃん、おかゆちゃん、まつり部長に、スバルちゃん、ちょこ先生に、他にもまだ見たことない人達が写っている。
これがころねちゃんの思い出であり宝物なんだな。
俺はゆっくりと扉を閉じ鍵を閉めた。
次に向かう場所は決まっている。
俺は急いでその場所に向かった。
「いらっしゃい」
元気な声で迎えてくれるころねちゃん。
俺はパン屋に来ていた。
「あれ?どうしたの?」
不思議そうに聞いてくる。
「今日はころねちゃんにプレゼントがあって」
「お、なになに?」
俺はころねちゃんに鍵を渡した。
ころねちゃんはじっと鍵を見る。
「そっか、クリアしたんだね」
少し寂しそうにころねちゃんは言った。
「中も見た?」
「あ、はい、見ちゃいました」
「そっか」
ぐいっところねちゃんに引っ張られる。
「え?」
カシャ
ころねちゃんとツーショット?
「これも金庫に入れとくね。
大事な思い出として」
「はい」
「ほらほら、まだまつりちゃんに報告してないんでしょ」
「はい、まだです」
「それじゃぁ、まだクリアおめでとうは言えないなぁ。
報告したらまた会おう」
「分かりました」
少し寂しげではあったがころねちゃんは笑顔で見送ってくれた。
俺は少し日が傾きかけた【バーチャル】の世界を学園に向かって走った。
「おかえり」
扉を開くといつものようにまつり部長が出迎えてくれる。
「ただいま」
いつの間にか学園内でここが一番来るところになってたなぁ。
「クリアしたんだね」
「はい」
まつり部長の言葉に俺は力強く頷いた。
「おめでとう」
「ありがとうございます」
「これでキミも晴れて自由の身か」
「なんかその言い方嫌ですね」
「そう?
言いえて妙でしょ。
学園に捕らわれなくなったんだから」
「そうですけどねぇ」
「この探偵部もまた私1人に逆戻りかな」
「そうなんですか?
俺は卒業しても探偵部でいたいんですが?」
「え?」
俺の言葉に驚くまつりちゃん。
「卒業しても部活に在籍って出来ないんですか?」
「そりゃ、しようと思えば出来るけど」
「なら、よろしくお願いします」
「はぁ、キミも物好きだね」
まつりちゃんは笑っている。
「分かったよ、キミは探偵部の始めての部員でありOBであり名誉部員に任命する」
「ありがとうございます」
「そうだね、これから学園を去ったとしても、たまには顔を出して冒険の話聞かせてよ」
「もちろんです」
俺の言葉にまつりちゃんは嬉しそうに笑った。
「じゃ、後はこの学園最大のイベント。
学園祭だね」
「それなんですが、どうやったら起きるんですか?」
「それは簡単だよ、寮に帰って寝ればいい」
「え?」
「全てはまた明日ってね」
俺はまつりちゃんの笑顔に見送られ寮に戻った。
今はゆっくりと休もう。
明日から大変な日になりそうだから。
これにて卒業クエスト終了です。
次回からは新たなイベントがお楽しみに