最後の調整をするあなたを背後から見ていた人物は誰だったのだろうか。
果たして無事に学園祭を迎えられるのか
待ちに待った学園祭当日。
俺はエリトアと一緒に舞台端にいた。
何人かのお手伝いをしてくれる人も舞台の準備をしている。
「緊張するね」
「はぅ~」
「おいおい倒れるなって」
ちょこ先生に話しかけられ倒れそうになるエリトア。
「今日の衣装も素敵ですね」
俺はちょこ先生を見て言った。
黒のドレスでかなりきわどい衣装だが何故だろう、ちょこ先生が着るといやらしさを感じない。
「ありがとうね」
笑顔が素敵です。
「笑顔もいい」
エリトア同じ意見だよ。
「では、今日は司会進行お願いします」
「うん、頑張るね」
「じゃ、エリトア。
開始まで少し時間あるからこっちは任せた。
俺は他のメンバーに挨拶した後に呼び込みに行くよ」
「な、お前が呼び込みする必要ないだろ。
誰かに任せて」
「いや、俺が自信をもってるステージだ。
自分自身で呼び込みしたいんだよ」
俺は真剣にそう思っている。
「分かった。
任せろ」
エリトアが頷く。
俺はエリトアに任せて控え室に向かった。
コンコン
「は~い」
中から元気な声が聞こえる。
「俺です、今入ってもいいですか?」
ここは1階の第1教室。
ここを特別に控え室として使わせてもらっている。
もちろん、教室の窓にはカーテンが付けられて内部を隠していた。
「いいわよ」
カチャ
中から鍵が開いた音がした後、すいちゃんの声。
「失礼します」
俺はさっと中に入る。
「おお」
目の前にはお揃いのステージ衣装を着たホロメン達が。
「みんなめちゃくちゃ似合ってます」
素直に言葉が出た。
「それはそうでしょう、すいちゃんの知り合いの服屋に頼んで作ってもらったんだから」
すいちゃんはそう言いながら胸をはる。
「すっごい緊張する」
スバルちゃん、震えてるけど大丈夫かな?
「大丈夫だよ」
「ぼく達がついてるし」
ころねちゃん、おかゆちゃんが笑顔で言う。
「はあとちゃん、今日はお願いしますね」
「ええ、このはあちゃまに任せなさい」
『え?』
みんながはあとちゃんを見る。
「ま、まぁ、そう言うこともあるわよね」
まつりちゃんが笑いながら言った。
「みなさん準備できてるようで安心しました。
俺は今から呼び込みに行ってきます」
「え?
キミが呼び込みするの?」
すいちゃんが不思議そうに言う。
「はい、このライブが素晴らしい事をみんなに伝えたいんです」
「そっか。それじゃ、任せた」
まつりちゃんに笑顔で任された。
「はい」
俺はみんなに見送られながら、屋外ステージの方に向かった。
先に数人の人が呼び込みをしてくれていた。
俺もそれに混ざり、ビラを配りながら呼び込みをした。
そろそろ開演が近づいてきた。
お客さんもだいぶ入ってきている。
ホロメンが本当にライブするのか半信半疑な感じだな。
ま、確かに他と違って普通に会える学園のホロメン達だけどライブをするなんて普段はあり得ないだろうしな。
それも1人の冒険者が企画したステージで。
ただ、この客入りを考えるとホロメンが歌ってほしいという願いも込められてるんだろうな。
「そろそろ始まるわね」
「楽しみです」
お客さんに混ざり、いつの間にか横に来ていた、シオンちゃんとるしあちゃん。
「来てくれてたんですね」
「当たり前よ」
「楽しみにしてるって言いましたです」
2人はにこり。
「はい」
ステージに1人の女性が進み出た。
お~
歓声が上がる。
ちょこ先生だ。
「さすがよね、ちょこ先生」
「ですね、素敵です」
2人もちょこ先生の姿に見とれている。
「こんにちは、みんなの保健医ちょこで~す。
今日は楽しんでいってねぇ」
は~い。
すごい人気だなぁ。
「それではさっそくいっちゃうね。
まつり様どうぞ~」
お~
まじかぁ~
またもや歓声が。
「こんにちは~学園のみんなのアイドル夏色まつりで~す!
今日は楽しんでいってね~」
楽しんでいくよ~
まつりちゃんの声に学園の学生が集まってくる。
さすが、まつりちゃん人気だなぁ。
「では、歌いくよ~」
いつの間に作られたのか、お客はサイリューム片手にふりはじめる。
「知り合いの武器屋に頼んで作ってもらいました」
さっき一緒にビラ配ってた人がそう言ってにこやかに去っていった。
まじでぇ?
「ありがとうね~」
予想通り歌は順調、お客も初めより倍以上になっていた。
次はおかころコンビだ。
「はぁ~こんな時に」
え?
隣でシオンちゃんがため息をつく。
「るしあちゃ、感じた?」
「はい、シオン先輩。
せっかく楽しんでいますけど仕方ないです」
「そうね、この為に残ってたっていうのもあるし」
「ど、どうしたんですか?」
2人が会場に背を向けたので慌てて聞く。
「グラウンドの方から明らかにこっちに殺気を送ってくるやつがいるのよ」
「たぶん、このライブをぶち壊そうとしている人がいるのです」
「なんだって」
「だから、シオン達が原因を止めてきてあげる」
「この学園はクエスト以外で武器を使用する事ができないのです。
だから、今こっちにこられたらみんなやられてしまうです」
「だったら、俺も行きます」
「な、何いってるのよ、これあなたのクエストでしょ?」
「はい、だから行くんです。
さっきるしあちゃんが言ってましたよね。
クエスト中なら武器使えるんでしょ」
「なるほどなのです。
確かに使えます」
「だからといってね」
「お願いします、足を引っ張らないようにやります。
みんなの楽しみを一緒に守らせてください」
俺は2人に頭を下げる。
「はぁ、分かったわよ。
着いてきなさい」
「一緒に頑張るのです」
2人はグラウンドの方に歩きだす。
俺は1度ステージを見た。
そこにはおかころがまさに歌おうとしていたところだった。
頑張ってみんな。
俺はみんなの頑張りを壊されないように行ってくるよ。
俺は装備を変え、手に鬼切丸を持つ。
向かうはグラウンド。
こっちに敵意を見せてる相手だ。
「あんた達がそうよね?」
グラウンドに2人の女性が立っていた。
1人はこの学園の制服を着ている。
もう1人は。
「やっぱり、あなただったのです」
そう、るしあちゃんが怪しいと言っていた司書がそこには立っていた。
「まさか、感ずいていたなんて。
さすがチートですね」
そう言った司書は笑顔だった。
「ふぅ、早くやりましょう。
ライブが終わっては潰せないですし」
物騒な事を言う女子学生だな。
「そうね。
では、行きましょうか」
2人の女性はどこからかドミノマスクを取り出す。
2人とも色違いのマスク。
でも、どこかで見た事が。
「さぁ、開始といきますか」
そう言って2人はドミノマスクを着けた。
黒い渦が彼女達一人一人を飲み込む。
そして、渦が消えた後に全く違う2人の女性が立っていた。
「はっはぁ、やっぱりこの姿が1番いいぜぇ」
真っ黒のボサボサで長い髪の毛の犬女が声を上げる。
「はぁ、私的にはさっさと終わらせて早く戻りたいですけどね」
赤や黄、オレンジの色が混ざったカラフルな髪の女性は気だるそうに言った。
体型的にはいうと、カラフルな女性が司書か?
「まさか、またあれを見ることになるなんてね」
「はいです、やっぱり前回の事件と関係してるみたいなのです」
「2人とも知っているんですか?」
俺は鬼切丸を構えて2人に聞く。
「ええ、あれはコメント集ね」
「コメント集?」
「そうなのです。
人に力を与え操る力なのです」
「なに、こそこそ話してやがる。いくぞ」
犬女が吠える。
「こい、お前ら出番たぞ」
犬女が大地を叩く。
すると、大地から継ぎ接ぎのモンスターキメラが次々と現れる。
「まさか大召喚?」
驚くシオンちゃん。
確か大召喚ってホロメンしか使えない力なんじゃ。
「だったら、こっちもやるしかないのです」
るしあちゃんはその場で踊り始める。
するとグラウンドだったその場は広い草原に変わる。
所々に墓石が見える。
「ふぁんでっどのみんな出番なのです~」
その言葉と同時にるしあちゃんの周りからあの蝶が舞いお墓に1匹ずつ止まる。
すると墓石の前から骸骨の鎧に身を固めた騎士達が地面からわき出てきた。
「追加です」
左手を目に当て勢いよく下ろす。
「操縦眼なのです。
来るのです、ジャイアントスケルトン」
その言葉と同時に地面が盛り上がり巨大な骸骨が姿を表す。
その肩にはるしあちゃんが。
「それじゃ、開戦よ!」
シオンちゃんはそう言って紫色の雷を纏い、敵の中に突っ込んでいく。
ふぁんでっどのみんなや、るしあちゃんもその後に続く。
もちろん俺も参戦した。
ここで止めないとみんなの楽しみが消えてしまうから。
俺は鬼切丸を握る手に力を込めた。
ここが正念場だ。
待ちに待った学園祭が始まりました。
順調に進むライブに横やりが。
果たして彼女達は誰なのか?
予想どおりの展開だけど、次回をお楽しみに