そして、次の日ログインしたあなたはこれからの事を考える。
「はぁ、これからどうするかなぁ」
ログインしたこの世界【ふぉーす】で寝転びながら考える。
昨日はあの後すぐにログアウトした。
元の世界だったら、道具屋で買ったテントのアイテムが使える為に安心してログアウトできる。
ちなみに前回もテントは確認済みで使えなかった。
上半身を起こす。
俺が寝ているのはワールドの端っこ。
もうすぐそこは崖だ。
ただ、前回の世界と違うのは下を覗くと大地が見える事。
落ちたらたぶんあの大地に激突してリスボーンかな。
さてと、俺は立ち上がり辺りを見回す。
少し探索をするか。
ここにいてもしょうがないしな。
そう思って歩きだす。
すると遠くの方から手を振りなが誰かがこちらに走ってきていた。
2人?
「おぉ~い」
なんだ?
だんだん近づいてきてその姿がはっきりし始める。
「あ、久しぶりだなぁ~」
俺も相手が確認できて手を振った。
「久しぶりだなぁ~じゃないわ、昨日リアルであったろうが」
そう、それは俺の友人とカーディアさんだった。
「いや、だからお前には言ってないカーディアさんに言ったんだ」
「はい、そうですか」
少し怒る友人。
「お久しぶりです」
そんな友人を見ながらカーディアさんは笑顔で挨拶してくれた。
「それより、まじでこっちに来てたんだな」
そう、昨日ログアウトした後、友人から連絡があり俺の居場所がおかしな表示になっているから大丈夫かと連絡がきた。
詳しくは説明せず、【ふぉーす】にいる事だけを伝えたのだが、まさか来てくれるとは。
「よく俺の場所分かったな」
「前にも言ったろその為にカーディアさんに手伝ってもらってるんだよ」
「あ、なるほど。
友人がお世話になってます」
確か、前回もそういう理由で手伝ってもらってたな。
「いや、お前が神出鬼没すぎるんだよ。
探しに行く俺の身にもなれ」
「いや、頼んでないんだが。
ま、ありがとう」
「はいはい」
「仲良いんですね」
そんな俺達を見て笑うカーディアさん。
『腐れ縁なだけです』
そっか、前にぺこみこコンビに突っ込んだ時、こういう気持ちだったのかな?
と頭によぎった。
「それより、これからどうするのか決まってるのか?」
「いや、まだ。
ま、まずは近くの町にでも行ってから考えようかと思ってる」
「なるほど。
なら、俺達が案内してやるよ」
「お、助かる」
俺は友人とカーディアさんとパーティーを組んだ。
友人の話ではここから一番近いのは【ふぉーす】の2番目の町なのだそうだ。
まずはそこを目指す。
「そういえばずいぶんレベル上がってないか?」
「え?」
友人に言われてステータスを確認する。
本当だ。
76になってる。
「いつの間に」
「おまえ、レベルアップの時の通知切ってるだろ」
「あ」
そういえば、前にうるさいなと思って切ってたの忘れてた。
「ま、そこまでレベル高いならやれる事もあるさ」
そう友人は笑っていた。
何させる気だこいつ。
そして、俺達は【ふぉーす】にある第2の町を目指すのだった。
旅は順調。
友人はレベル99からリセットして今は60
らしい。
カーディアさんは97でそろそろ最大だ。
この付近のモンスターなら負ける事なく進めた。
「ほら、これが【ふぉーす】の第2の町だ」
西洋風な家が立ち並ぶ町で、住人は天使や悪魔、羽のある亜人が多かった。
「ここは天界って感じだから羽持ちの種族が必然的に多くなる。
もし、エリアから落ちても羽があれば生き残れるからな」
と友人。
「じゃ、やっぱり落ちたら」
「死ぬな。
ま、落ちるやつはそうそういないけどな。
崖から落ちるとレスキューと呼ばれるロボットが助けに来てくれる仕様になっている。
しかし、そんな事も知らずにここに来たのか?」
友人の目が怪しく光る。
このパターンは。
「はぁ、本当に初心者はいつまでたっても手がかかるな」
俺はカーディアさんの方を向いた。
あ~あという顔で俺を見て笑った。
俺もしまったという顔をしてたんだろうな。
「じゃ、店に入るか」
俺達は友人の後について店に入る。
そして、例のごとくあれが始まるのだった。
酒場に入り席につく。
まだ昼前で酒場にも人は少なかった。
「ご注文はいかがしましょうか?」
ウェイトレスが注文を取りに来た。
「ラミィ水2つとカーディアさんどうします?」
ふ、友人より先に言ってやる。
ラミィ水はここにはさすがに売ってないだろうが、先手はうった。
俺がどや顔していると、友人が驚愕な顔をする。
「な、なんで知ってるんだ、ここにラミィ水が売り出された事を」
売り出されたんかい。
「す、すごい」
いや、カーディアさんもそんなびっくりしないで。
「いや、知らんかったけど。
ここも売ってるの?」
「ああ、最近ラミィ水を売りにある冒険者が…」
「ああ、ねねちゃんね」
「せめてオブラートに包め~」
「いや、もうそこまで売りまくってたらラミィちゃんに気がつかれてるだろう」
「あ、私はホットミルクでお願いします」
「はい、分かりました」
ウェイトレスはさっと厨房に戻っていった。
「そうかもしれんが」
「で、話があるんだろ?」
「ん?あ、そ、そうだ」
そして、彼の説明が始まった。
ここ【ふぉーす】は俺が思っていた通り、【ファンタジー】【ゲーマーズ】【バーチャル】の空に浮かぶ浮島が複数存在する世界だ。
そのせいで、この世界が他の世界より広大らしい。
しかし、浮島が複数ある感じなので大地の広さは他の世界の方が多いという事だ。
それで、この世界は主にダンジョン攻略をするのが主流の世界で、各浮島には大小様々なダンジョンがあるらしい。
ただし、ほとんどが高レベルのパーティー推奨ダンジョンらしい。
それで、友人はここを第2の拠点にしてるのか。
ダンジョンからは様々な武器や防具、そして魔導書が見つかるらしい。
「そこでだ、今からどうだ?」
「ん?何が?」
突然の申し出に聞き返してしまう。
「いや、何が?じゃなくてダンジョン攻略だよ」
「ま、特に武器は要らないし、防具も今は興味ないしな」
「魔導書はどうだ?」
「う、それは欲しいかも」
「だろう?
ドロップで魔導書が出た場合、優先権やるよ。
だから行こうぜ」
友人がしつこく誘ってくる。
「ま、別にいいけどカーディアさんはそれで良いんですか?」
「はい、構いませんよ」
すんなりオッケーされたんだが?
「久しぶりのダンジョン探索なので、それに魔法は今限界まで所持してますから」
「そうなんだ」
「で、どうするんだよ」
「分かったよ」
「よし!」
友人はガッツポーズ。
「そこまで喜ぶ事か?」
「いや、最近【ふぉーす】で更新があったな。
新しい装備や魔法がダンジョンに追加されたんだよ」
「なるほど、それ狙いって事か」
「じゃ、早速向かおうぜ」
友人はラミィ水を飲み干す。
「元気だなぁ」
俺もラミィ水を飲み干した。
「では、行く前にアイテムを購入しておきましょうか」
『賛成』
俺達はまずは道具屋に向かった。
俺はさっき使ったテントの補充とポーションをいくつか購入。
先に店を出る。
そうだ。
俺はアイテムボックスにある赤竜帝の小手を装備する。
お、すげぇ。
防御力以外にも攻撃力や特殊能力が付く。
「お、おい、それどうしたんだよ」
「ん?」
続いて店を出た友人が俺の小手装備を見て驚く。
「これか?
もらった」
「はぁ?
それもらえるとかそんなので手に入るもんじゃねぇぞ」
「そうなのか?」
「それってドラゴンアームだろ?」
「ドラゴンアーム?」
「ああ、通称だけどな。
赤竜帝と呼ばれるホロメンに力を認められた者だけが手に入れられる物だぞ。
そして、現在その赤竜帝がどこにいるか分からないからほぼ入手不可能と言われてる」
「赤竜帝?」
「ああ、赤き竜の帝王。
全ての竜の王と呼ばれるホロメンだ。
名前は桐生ココさん。
たぶんホロメンの中でも最強の一角だよ」
「そんなすごい物なのか?」
「おまえ、なんでそんなレア装備ばかり手に入れてるんだよ」
「わからん」
「お待たせしましたってそれもしかして」
カーディアさんも俺の小手を見て驚く。
そこまで有名かこの装備。
その後、友人達に言われて装備のグラフィックをデフォルトにする。
「そんな装備してたら、赤竜帝の居場所聞きまくられるぞ」
「ま、俺も教えられないんだけどな。
あの場所がどこか分からんし」
「ま、いいや、ダンジョン攻略行こうぜ」
そして、俺達3人はダンジョン攻略に向かった。
その先で誰も予想がつかない事態が起こる事は、また次回のお話。