ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版   作:天野空

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危機一髪天音かなたを助けたあなたは、桐生ココとの約束通り、赤竜帝の小手を渡し、天音かなたに気合いを入れる。
天音かなたはその手に赤竜帝の小手を装備し、力を解放した。


最強の力と摩訶不思議な力

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~」

金とオレンジの螺旋の中からかなたちゃんの雄叫びが聞こえる。

「やっと踏ん切りついたのね」

俺の隣にトワ様が戻ってきた。

「な、なんなんですかそれは」

マモリもその圧倒的な力に動けないみたいだ。

雄叫びが止み、螺旋から足が出てきた。

その足はまるでドラゴン。

両手が螺旋を中から引き裂くように出てくる。

そして、力の螺旋を引き裂きかなたちゃんが現れた。

手裏剣のような天使の輪は頭の真上に。

額には赤いエネルギーで出来た竜の角。

胸にはドラゴンの頭が付いたアーマーを装備し、手はドラゴンの手となり、手の甲の部分から少し幅広く伸び盾のようになっていた。

そして、背中には大きなドラゴンの羽と天使の羽が1対ずつ。

ドラゴンのしっぽも生えていた。

背も少し伸びており髪は金とオレンジが混ざったロングヘアーになってる。

胸も少し大きくなった?

「心配かけてごめん、トワ。

後はぼくがやるよ」

「任せるわ」

トワ様はデビル化を解きその場に座る。

ゆっくりとかなたちゃんはマモリの方に向かっていく。

「本当にあの姿見ると思い出す。

ココのドラゴニュートフォームと一緒」

「ドラゴニュートフォーム?」

「そう、竜人のココが人の姿のまま、ドラゴンの力を最大限に出す時の姿よ。

ああなったらもう誰にも止められないわね」

 

「なんですか、それ。

反則です」

マモリは下がりながらかなたちゃんに言う。

「ぼくもそう思うよ。

普段の力の解放よりすごいのに力が安定してる。

これで相手してあげれるよ。

存分に」

一瞬でマモリとの間合いを詰める。

そして、鋭い突きを放った。

「うわぁ~」

防御の上からマモリを吹き飛ばす。

すぐさま追うかなたちゃん。

そして、数十発のパンチを打ち込み、鋭いアッパーを入れた。

為す術もなく上に打ち上げられるマモリ。

そこに向かって掌を開き横に合わせるかなたちゃん。

「くらえ!」

金とオレンジの力の螺旋がマモリに向かって放たれる。

「く、これまでです」

間一髪マモリは黒いゲートに逃げ込んだ。

「すごい」

その圧倒的な強さに驚くしかない。

かなたちゃんは、こちらに戻ってくる。

「ごめん、トワ行ってくる」

そうかなたちゃんは言った。

「はいはい、構わないよ。

さっさと行ってぶんなぐってでも連れて帰っておいでよ」

「分かった」

かなたちゃんがこっちを見る。

「もう少しこれ貸しといてね」

ドラゴンアームを見せるかなたちゃん。

「はい」

俺は笑顔で頷いた。

「ココさんによろしく伝えてください。

そして、助けてあげてください」

「分かった、約束する」

かなたちゃんは浮島の外に向く。

そして、胸をそらす。

胸のドラゴンが大きく口を開いた。

その口からレーザーが吐き出され空間に当たる。

そして、空間がガラスのように割れた。

その奥には俺が落ちた時の穴が見える。

「行ってくる」

そう言ってかなたちゃんはその穴に飛び込んだ。

ゆっくりと巻き戻しされるように空間が元に戻る。

「行ったわね」

トワ様がその姿を見てポツリと呟いた。

何気なく浮島の下を見た。

近くにお城が見える。

「あれは【ファンタジー】の中心部にあるお城ね」

「お城ですか?」

「ええ、あそこには多くのプレイヤーが住んでるはずよ」

大勢のプレイヤー?

「そう言えばトワ様、アスモさんは?」

「あ、助けた後置いてきちゃった」

「く、しまった」

俺は急いでダンジョンに戻る。

「どうしたの?

そんなに急がなくても隠しダンジョンは安全よ」

トワ様の言葉を背に俺は隠しダンジョンに急いだ。

 

 

「これで今回は私達の勝ちね」

巨大な浮遊石の前に1人の女性が立っていた。

その顔にはドミノマスクが付けられている。

彼女は手を静かに浮遊石に向ける。

掌に魔力が集まる。

その威力なら軽く浮遊石を壊せるだろう。

浮遊石を壊された浮島は下に落ちる。

今ならちょうど【ファンタジー】の城の上。

甚大な被害が出るのは明らかだった。

彼女の手から魔力が放たれた。

これで終わりよ。

そう彼女は思っただろう。

しかし、魔力は浮遊石に当たるどころかすり抜けてその先の壁に当たり、壁を破壊した。

「え?」

「そうは簡単にいかないものなんですよねぇ、世の中って」

彼女は声が聞こえた方を向いた。

そこには巨大な浮遊石に座り頬杖付いたピエロのような格好をした人物がいた。

 

「まてぇ」

俺は浮遊石の場所に着いた。

やはりいた。

「アスモさん。

いや、マモリの仲間のアスモでいいかな?」

名前を呼ばれた彼女はゆっくりとこちらを向いた。

顔にはやはりマモリと同じようにドミノマスク。

服装はかなりきわどいチャイナ服を着ていた。

「まさかあなたにも感ずかれるなんてね」

「も?」

「は~い、ポルカおるか、おるよ~でお馴染みの尾丸ポルカで~す」

《スキル【運命】が発動しました》

浮遊石の上で座っている獣人の女の子が軽く手を振っている。

「おまるんなんで?」

トワ様もやってきた。

「はぁ、別に来たくて来たんじゃないんですけどね。

目的はそこのキミですよ、キミ」

俺を指差すポルカちゃん。

え?なんで俺?

「キミ、ラミィとのクエスト中にいきなり消えたでしょ」

「あ」

「それで、ラミィが心配してね、ポルカ達に探すようにお願いしてきたのよ。

ま、ラミィの言うことを聞かず、あちらこちらカンカンしたキミが悪いんだからぁ自業自得なんだけど、オレの推しの頼みだから探してた訳」

う、何も言い返せないです。

「で、ここにいるみたいな話を小耳に挟んだから来てみたら、そこのお姉さんが浮遊石を壊そうとしてたから邪魔しちゃいました。

ま、ポルカはマジシャンとかじゃないんだけどねぇ」

「え?あんたがアスモさん?」

トワ様がアスモを見て驚く。

「キミはなんで私が怪しいと思ったのよ」

アスモが俺に聞いてくる。

「俺がキメラの話をした時にあんた大召喚を使ったって言ったよな。

それだよ。

あれを大召喚だと分かるのは、あの時見たやつか、あいつらの仲間以外考えられないからな」

そう、だから俺はなるべくアスモから離れないように護衛をかって出たんだ。

「なるほどね、そんなところでバレてたとはね」

「で、どうするんだ?」

俺は鬼切丸を構える。

トワ様も臨戦態勢だ。

ポルカちゃんも体勢は変えてないが、視線はじっとアスモをとらえていた。

「いいわ、今回は私達の負けよ。

ホロメン2人を相手にできる程、私は脳筋じゃないからね」

アスモの背後にあの黒いゲートが現れる。

「それじゃ、またいつかね。

世界の答えさん」

そう言ってアスモはゲートに消えた。

しばらく僕達は様子を見たが何も起きなかった。

周辺を調べたがおかしな所はなかった。

ま、浮遊石の位置がずれてるけど。

「さて、お立ち会いこの別の位置にある浮遊石がなんとスリーカウントで元の位置に戻ります」

浮遊石から降りたポルカちゃんが目の前で指を三本出している。

「ワン、ツー、スリー、はい!」

ポンと浮遊石は煙に飲まれ、気づいたら元の位置に戻っていた。

トワ様と俺は拍手を送る。

「はい、ありがとうございます」

帽子を片手に挨拶するポルカちゃん。

「さて、ショーも終わったところで次はキミだけど?」

俺に近づいてくるポルカちゃん。

「キミすぐに【ファンタジー】に戻れるの?」

「いえ、まだやらないといけない事があるので」

そう帰還した友人達が心配だ。

「でしょうね。

なら、キミを見つけたポルカはラミィになんて言えばいいのかなぁ?」

「う」

俺はラミィちゃんから借りていたアイテムを、ポルカちゃんに差し出す。

「これは?」

「採掘の時にラミィちゃんから借りた物です。

これを持っていけば俺に会った証拠になります。

後、本当にごめんなさいと伝えてください」

俺はポルカちゃんに頭を下げる。

「あのねぇ、ポルカに頭下げられても困る」

ポルカちゃんは俺からアイテムを受けとる。

「これはラミィに返しとくよ。

後、今回の事はラミィに全部言っとく。

キミがいなかったらめちゃ大変になってたってね」

「ポルカちゃん」

「あ~あ~うるさい。

フォローするのは今回だけ。

キミはなるべく早くラミィの所に戻って頭を下げな~」

「分かった、ありがとう」

俺はポルカちゃんにお礼を言った。

「それじゃ、ポルカ終わるか」

そう言ってポルカちゃんは煙と紙吹雪の中消えた。

「案外いい人なんですね」

「ま、言動と行動がね」

トワ様はそう言って笑った。




次回は番外編
電子の狭間に向かったかなたちゃんのお話です。
では、また次回に
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