尾丸ポルカと別れ、あなたは一度常闇トワと一緒に友人達の向かった第2の町に戻るのだった。
「戻りましょうか」
ポルカちゃんが帰った後、俺はトワ様にそう言って第2の町へと急ぐ。
マモリが言ったキメラが、町に向かって放たれているとしたらかなり心配だ。
俺はあの場所でキメラの大群と戦えたが、あれはいろはちゃんの助力があったからこそ戦えた。
普通に戦っていたら死んでいたかもしれない程強いモンスターだ。
学園で呼ばれていたキメラより、格段に強くなっていたからな。
俺の横を並走してくれるトワ様の顔も少し不安な様子だった。
「あれ?」
町に着いた俺は前回来たのと同じような町の雰囲気に驚く。
キメラが来たんじゃないのか?
「どういう事だろうね」
トワ様も普段と変わらない町を見て不思議そうだ。
「ま、キメラの件はどうやら片付いているみたいだし、トワは一旦ダンジョンに異常が起きてないか調べてみるよ」
「はい、分かりました。
いろいろとありがとうございました」
「いいよ、こっちこそ、かなたの事ありがとうね。
おつやっぴー」
トワ様はそう言って町の方へ飛んでいった。
さて、まずは状況を確認しないと。
俺はステータスを開き連絡した。
「お、無事だったみたいだな」
酒場の前で俺は友人と待ち合わせしていた。
「おう、それよりどうなってるんだこれ?」
俺の問いに友人は後ろ頭をかく。
「俺もそれは話しておきたかったからな。
まぁ、中に入ろうぜ」
俺は友人と酒場に入って、個室を頼んだ。
注文も終わりいつもの飲み物がくる。
「さて、帰還してからの事を話そうか」
友人はラミィ水を一口飲んだ後、話し始めた。
友人とカーディアさんが第2の町に着いた後、すぐに友人のギルド仲間に連絡して集合してもらったらしい。
町全体に呼び掛けたら大混乱になるし、情報も曖昧だからだ。
友人達とギルメンは各門で見張っていた。
何かあれば直ぐに集合できるように集合魔法が使える人を各グループに配置していた。
そして、あれが来た。
来たのは友人達が見張っていた門だった。
しかし、それはたったの1体それも何かから攻撃を受けたようで爪で攻撃された跡があったそうだ。
手負いのそれを友人達は苦もなく討伐。
その後、後続がくるかもしれないと構えていたが一向に現れなかったらしい。
「それで、一旦解散になって俺とカーディアさん、後数名がこの町に残っていたが、何もないので残りのグループもさっき解散した」
「そうだったのか。
カーディアさんは?」
「カーディアさんもリアルで用事があったみたいで先にログアウトしたよ。
俺はお前に話をしないといけないから残ってた」
「そっか、ありがとう」
「で、心当たりありそうだな」
俺の顔を見て友人が言った。
俺は友人に話していいものか考える。
このゲームが狙われている事。
電子の狭間でキメラが大量にいた事。
そして、ドミノマスクを着けた怪しい敵の事。
「実はな」
俺はしばらく考えて、全てではなく話せそうな事だけを友人に話す事にした。
「なるほどな、そんな場所に行ってたのか。
それで納得がいったよ。
たぶんこっちに来たキメラは、ココさんの攻撃を受けてこちらに召喚されたか、逃げてきたんだろうな。
後続が来なかったのもココさんが向こうで倒してくれたんだろう」
確かにドラゴンなら爪も持っているし、俺が使った小手も特殊能力を発動したらすごい爪が付いた手に変わったし。
「しかし、前から思ってたがなんでそんなにお前はホロメンに会えるんだ?
前にも言ったがホロメンには普通なかなか会えないものなんだぞ。
俺だって全体イベント以外であんな個人イベント参加したのはお前と一緒になってからだ」
確かに普通なら考えられないだろうな。
俺は少し躊躇いながら懐からあるアイテムを出して机に置いた。
「おい、これって」
友人は驚きながらも小さい声で言った。
「知ってるか?」
「ああ、まさかこれって存在してたんだな」
「これのお陰で俺はホロメンとよく出会えるらしい」
「なるほどな、このアイテムはそういう効果なのか」
友人は机の上の虹色ダーツをまじまじと見ながら言った。
「さて、基本的な事教えとくと、このダーツというアイテムはデスペナで消えないアイテムであり、譲渡出来ないアイテムでもある」
友人はそう言って机の虹色ダーツを持つ。
すると一瞬で手元から消えて俺の手の中に戻った。
「本当だ」
「ま、しばらく持つことは出きるが、最終的には必ず持ち主の元に戻る。
さて、このアイテムだが、おまえときのそらさんに会っただろ?」
「え?」
俺はダーツを手に入れた時の事を思い出す。
確かあの時女性にぶつかって。
「女性にぶつかってこのアイテムを落として、拾ったらあげますって言われた」
「その人がときのそらさんだよ。
推し一覧開いて見ろよ」
俺は言われた通りに開く。
「最上段の一番左のホロメンが光ってないか」
「光ってる」
「やっぱりなそれがときのそらさんに会った証拠だ」
「しかし、お互いに挨拶したわけじゃないから、普通ならはっきりとした点灯じゃないんじゃないか」
「普通ならな。
でも、ときのそらさんは違う。
前にも言ったろ、ただ1人AIがこの世界に存在しないホロメンだって。
だから、会うだけで点灯するんだよ。
そして、運良く会えたとしても必ずダーツがもらえる訳じゃない。
もらえたとしても複数の種類からランダムでもらえるもので、その中でもあるだろうと噂されていたのが、その虹色ダーツだ。
なので、どんな効果があるのか不明だったが、まさかそんな効果があるとはな」
激レアとは聞いていたが、同じプレイヤーの友人から聞くとまじで激レアなんだなと思う。
「ま、俺には信用して見せてはくれたんだろうが、他のやつ、カーディアさんにも見せない方がいいな。
ホロメンに会うために利用されるかもしれん」
「カーディアさんにもか?」
「それはそれほどのアイテムなんだよ。
ホロメンに会いたい人間なら喉から手が出る程欲しい物だからな」
「まじかぁ」
「はぁ、それでお前は何かやらないといけない事があるんじゃないか?」
「え?」
「だってよ。
おかしいくらい運がいいっていうか、出来すぎっていうかさ」
「はは、そう思うか?」
「まぁな。
でも、なんか今は説明出来ないって顔してるからさ」
「分かるんだな」
「腐れ縁だろ」
「確かに」
2人で笑う。
「で、何をするんだ?
俺で力になれる事はあるか?」
「まずはこの推し一覧のホロメン全てに会いたい」
「はは、それはまだ誰も成し遂げられてない事だよ」
友人は笑う。
「しかし、お前なら出来そうかもな。
それで推し一覧また見せてもらっていいか?」
「ああ、構わない」
友人に推し一覧を見せる。
「はは、まさかこんなに会ってるとはな。
それもこの一番下。
まだ、情報にない人達だぞ」
「知ってるのか?」
「ああ、リアルではいろいろと配信されてるしな。
知ってるよ。
いつこのワールドに来るのかはまだ未定だったけどな。
だから、俺はこの人達の事は見てない事にする」
「すまん」
「さて、会ってない人の中で会える確率が高いのは」
いろいろと首をかしげながら考える友人。
「そうだな。
【ファンタジー】の第3の町に行ってみるのがいいかもな」
「第3の町?」
「ああ、海辺の町でな。
そこに屋敷を構えているホロメンがいる。
基本はその屋敷にいる人達だから会える可能性が高い。
ま、普通なら会えないが、お前ならそのアイテムがあるからどうにかなるだろう」
ニカッと笑う友人。
「で、誰なんだ、そのホロメンは?」
「屋敷の主は姫森ルーナちゃん、その屋敷のメイド長を湊あくあちゃんがやっている。
屋敷は町に行って人に聞けばすぐに分かるさ」
「わかったありがとう」
「後、第3の町には高レベルのパーティー必須だけどお前なら大丈夫だろ、ここまでも素で進んできてるしな」
「そうかなぁ?」
友人は笑いながら机の上に1つの石を置いた。
「これは?」
俺は石を見ながら聞く。
「これは思ひ出の石」
「思い出?」
「違うお、も、ひ、で」
「あ、ああ」
相変わらず変にこだわり強いな。
「このアイテムは使い捨てだが、使うと自分が初めて行った町に戻れる」
「てことは」
「そう、お前は【ファタジー】の最初の町に戻れるってわけだ。
何かやり残してる事あるんだろ?」
友人はそう言ってウインクする。
「いや、ウインクいいから」
「うるさい。
ほら持っていけ」
「いいのか?」
「選別代わりだよ。
ま、今度ホロメン、特にねぽらぼの方に会わせてくれるって事で手をうとう」
「ああ、恩にきるよ」
「よし、それじゃ、俺は先にログアウトするよ。
明日からちょっと予定があってな」
「そうか、いろいろとありがとうな」
「ああ、また何かあったら声かけてくれ」
俺と友人は共に店を出て、友人は宿に向かった。
手には友人からもらった思ひ出の石。
これで謝りに行けるな。
俺は地面に石を投げつける。
石は割れ、視界がぼやけ始める。
そして、俺は【ファンタジー】始まりの町の門の前に立っていた。
新たな物語に突入です。
ここからまた新しいホロメン達が次々と出てくる予定なのでお楽しみに
では、次回