あなたは雪花ラミィに謝るべく彼女の家に向かうのであった。
確かここがラミィちゃん達が住んでる家だったはずだけど。
俺は始まりの町にある、ラミィちゃん達が住む家に来ていた。
前に友人が言ってたが、あまり家の周りでうろうろしていると大空警察に捕まるって言ってたな。
しかし、このゲームは相手がNPCと言えども勝手に家の中には入れない。
どうしたらラミィちゃんに会えるんだろう。
少し柵の外からうろうろしてみる。
もちろん、大空警察にご厄介にならない程度に。
しかし、やはり何も起こらない。
さすがに万能ではないか。
胸元のダーツを服の上から触ってみた。
「いってきま~す」
「え?」
元気な声が聞こえて、思わず玄関を見た。
そこには釣竿を持って玄関から出てくるラミィちゃんの姿が。
「あ、えっと」
思わず声をかけたがどもってしまった。
「ん?あ、戻ってきたんだね」
ラミィちゃんは俺の顔を見てにこっとしてくれる。
それだけでなんか安心した。
「何かラミィに言いたい事あるんじゃない?」
意地悪そうに笑うラミィちゃん。
「少し時間をもらえるかな?」
「じゃ、いつもの場所で釣りでもしよっか」
釣竿を振りながらラミィちゃんはにこやかに言った。
それから、俺達は俺が初めてゲームに入った時にいた森に向かう。
そして、釣りのクエを受けた湖へ。
「ラミィちゃんの忠告聞かずにあちこちカンカンした挙げ句、心配かけてごめんなさい」
到着してすぐに俺はラミィちゃんに謝った。
「本当だよ、いきなり目の前から消えるから心配した」
ラミィちゃんは釣糸を垂らし、こっちを向きながら言った。
「あれからどうなったか詳しく聞かせてもらっていい?
おまるんには少し聞いてるんだけど、キミからきちんと聞きたいな」
「分かった、説明するよ」
そして、俺は電子の狭間に落ちた後の事をラミィちゃんと釣りをしながら説明した。
ラミィちゃんは頷きながら真剣に聞いてくれた。
「なんかキミっていろんなホロメンに出会いがあるんだねぇ。
実は浮気性?」
「い、いや、違うって」
つうか浮気してないし。
「ははは、うそうそ。
そっか、それで次はどこに行くの?」
ラミィちゃんが笑って聞いてくる。
でも、心臓に悪い嘘はやめてくださいねと心から思った。
「次は第3の町に行こうと思うんだ」
「第3の町って港町だよね?」
「そうだよ」
俺の言葉にラミィちゃんがしばらく何やら考え込む。
「よし、分かった。
ラミィも一緒に行くよ」
「え?」
ラミィちゃんの突然の申し出に一瞬焦る。
「だっていろんなホロメンと旅してるんでしょ?
ラミィも旅したいもん。
それに港町って魚介類豊富だろうし、こりゃ行くっきゃないでしょ」
「でも、ラミィちゃん子どもだし危なくない?」
「え?」
そう、ラミィちゃんは今は子どもの姿だ。
たまに成長した姿を見れる時もあるが基本、子どもバージョンで過ごしているらしい。
「あ、こっちがメインじゃないんだよ。
大人バージョンがメインだから。
でも、大人バージョンになっちゃうとママ達と暮らせないから」
しゅんとするラミィちゃん。
よほどママ達との生活が楽しいみたいだな。
「じゃ、一緒にいきますか?」
俺はラミィちゃんにそう聞いてみた。
「うん、行く!」
表情がころっと代わりにこっと笑うラミィちゃん。
「じゃ、ラミィちゃんのママ達に許可とらないとなぁ」
俺はそっちが心配だったりする。
「頑張って」
「いや、他人事じゃないんだよ」
俺の言葉にラミィちゃんは笑顔だった。
釣りで釣った魚を持って、ラミィちゃんの家に行く。
今ならママ達もいるらしい。
初めて入るラミィちゃんの家。
ラミィちゃん先頭で家に入らせてもらう。
ちなみに中の情報は漏らせない事になっているらしく、詳しくは言えないがめちゃくちゃ綺麗に片付けられて清潔な家だった。
ちょうどお昼だのでノエルさんとフレアさんに釣った魚を渡す。
お昼ご飯もご馳走になることになった。
そして、いよいよ本題に入る。
めちゃくちゃ緊張するんだが?
俺は経緯を話し、ラミィちゃんと一緒に旅をしていいか聞いてみた。
ママさん達はしばらく考えていた。
「ちょっと武器見せてもらっていい?」
フレアさんにそう言われて鬼切丸を机に置く。
「うわぁ、すごいことになってる」
ノエルさんは机の上の鬼切丸を見て少し驚いているようだ。
「はぁ、可愛い子には旅をさせろって言うし」
「だね。
それにこの武器見たらいろいろと加護をもらってるみたいだから」
「わかった、いいよ。
ラミィ行っておいで」
フレアさんは笑顔でラミィちゃんに言った。
「ただし、うちのラミィに何かあったらその時は覚悟してね」
ノエルさんはメイスを机の上においてにこやかに俺に言った。
圧が半端ないんですけど。
「分かりました、全力を尽くします」
椅子から立って敬礼をする。
「よろしい」
ノエルさんも満足そうに頷いてくれた。
「それじゃ、寂しいけど楽しんでおいで」
「早く帰っておいでよ」
フレアさんは優しい笑顔でラミィちゃんの頭を撫でる。
ノエルさんはラミィちゃんをぎゅっと抱きしめていた。
「うん。
それじゃ、行ってきます、ママ達」
ラミィちゃんは笑顔で手を振る。
俺も2人に頭を下げてラミィちゃんと一緒に第2の町に続く門に向かった。
途中、旅の用意としていくつかアイテムを買ったり、露店で串焼きを買ってラミィちゃんと一緒に食べる。
ふと気になってラミィちゃんにだいふくの事を聞く。
いつも一緒にいるのに今回は一緒に来てないからだ。
「今はちょっと用事で別行動中」
「そうなんだ」
ラミィちゃんが何か頼んだんだろう。
そう言うこともあるか。
俺とラミィちゃんは門に着いた。
「はぁ、久しぶりだなぁ、遠出するの」
「そうなの?」
「そうだよ、ママ達の付き添いで町から出る事はあるけど、基本はこの町にいるからね」
「へぇ」
俺はラミィちゃんの話を聞きなから門を出た。
「ちょっとそこのお兄さん」
「はい?」
声のする方を見てみるとフードを被った冒険者風の女性が1人門の外で門にもたれ掛かっていた。
いや、見覚えあるしっぽなんですが。
「キミが持ってるその串焼きを私にくれたら仲間になってあげなくもない」
そう言う女性っていうか。
「何やってるんですかぼたんちゃん」
「あれ?ばれてた?」
フードを取ったその顔はやはりぼたんちゃんだった。
そして、ぼたんちゃんの影から見慣れた顔も。
「だいふく?」
そう、だいふくが現れたのだ。
「ありがとう、だいふく」
ラミィちゃんに誉められて嬉しそうなだいふく。
「えっとこれって?」
「ししろんにも声をかけてみたの」
「ラミちゃんが旅に出るって言うからさ。
これは久しぶりに一緒に行きたいなと思って」
「そうなんですね」
ぼたんちゃんが一緒なら心強い。
「よろしくお願いします」
「いいよ。じゃ、はい」
手を出すぼたんちゃん。
「?」
「さっき言ったじゃん。
その串焼きをくれたら仲間になるって」
「はい、そう言うことですね」
俺は笑いながら多めに買っておいた串焼きを渡す。
「サンキュー」
美味しそうに食べるぼたんちゃん。
「よし。それじゃ、出発しよう!」
『おー』
元気のいいラミィちゃんの号令に、俺達は手を上げて答えた。
ちなみに他の人から見たら、俺1人で騒いでるように見えるのかなぁ。
考えないようにしよう。
そして、俺達3人は第2の町へ向かった。
今回はラミィちゃん、ぼたんちゃんと一緒の旅になります。
ま、ホロメン2人と旅するんですから向かうところ敵なしですけどね。
ちなみにどうしてラミィちゃんが子どもの姿なのかは前作を見てもらうと言うことで、次回ねぽらぼのね登場です。
お楽しみに