その中、尾丸ポルカから聞いた謎のホロメン達と出会う方法。
あなたはその方法で第3の町で彼女達に遭遇するのか?
そして、本来の目的を達成できるのか?
「ふぁ~
ん?
な、な、なんじゃこりゃ~」
あ、起きた。
時間は昼を過ぎようとした頃、テントからポルカちゃんの大声が聞こえてきた。
「ん?何~」
「おは、ねね~」
「んぁ?もう朝ぁ?」
「あさぁ、じゃなくてみんな何してんの」
みんな起きたみたいだな。
何やら中で話し始めた。
さて、これで出発できるな。
「ごめん、おはよう」
ポルカちゃんを先頭にねぽらぼのみんながテントから出てくる。
ちなみにこのテントは使い捨てで、一度寝て中から人が出てくると自動的に消滅する。
あ、中に忘れ物した場合はご心配なく、その忘れ物は消えずにその場に残ります。
「さて、それじゃ、当初の目的を実行しますか」
「お~」
「お、お~って当初の目的って?」
ねねちゃんがラミィちゃんに聞く。
「あ、言ってなかった?
ルーナ先輩の屋敷に行くのがこの旅の目的なの」
「聞いてないよ。
そっかぁ、ルーナ先輩に会うのも久しぶりだなぁ」
「そうそう、キミにこれを渡しとくよ」
俺はポルカちゃんからある物を受けとる。
「これって」
俺はそれを見てポルカちゃんを見た。
「昨日の夜暇だったんで作っといた。
イベントを発生しやすくする為のアイテムだと思って、なんか怪しいなと思ったら、そのアイテム渡して」
「分かったよ」
ポルカちゃんの言葉に頷く。
って徹夜して作ったんかこのアイテム。
「じゃ、行くよ~」
ぼたんちゃんが掛け声をかける。
『お~』
そして、俺達はルーナちゃんの屋敷へと向かった。
ルーナちゃんの屋敷はこの第3の町から少し離れた場所にある。
ま、離れていると言っても町から見える位置にあるんだけどね。
ポルカちゃんの話だと、ルーナちゃんの屋敷の周辺にはルーナイトと呼ばれる人達がルーナちゃんの屋敷の護衛についているらしい。
これは大空警察も認めているらしくルーナイト達は捕まらないと言うことだ。
猫又神社のおにぎりゃーの人達みたいなものかな?
「あ、ごめんなさい」
突然女性にぶつかられた。
「え?
あ、すいません」
慌てて体を支える。
「いえ、こちらこそ」
街道を考え事して歩いてたせいでぶつかってのか?
でも、俺の前にはぼたんちゃんやポルカちゃんがいるし、どうやって俺にぶつかってきたんだ?
「え、えっと離してもらっても良いでしょうか?」
「あ、ごめんなさい」
掴んでいた肩を慌てて離す。
「助けてくれてありがとうございました。
お礼にこれを」
そう言ってハンカチをくれる。
「あ、ありがとうございます」
「それでは」
そう言って女の人は町へと向かって歩いていった。
「やっぱり女ったらしだね」
すすっと横に来たラミィちゃんに言われる。
「女ったらしだぁ」
ねねちゃんからも同じように言われるし。
「違うって。
でも、どうやってぶつかって来たんだ?
俺の前には2人いたよね」
俺はポルカちゃんやぼたんちゃんの方を見て聞いた。
「いたよ。でも、忘れてない?
ポルカ達はイベントキャラ扱いだから、普段はいないものなんだよ。
だから」
ポルカちゃんが歩いている人に無理にぶつかろうとする。
しかし、スーとすり抜けてしまった。
「あ」
「そう、周りの人からは私達はいない存在なんだ」
ぼたんちゃんがそう教えてくれる。
「なるほど」
「あ、そうそう、ちなみにさっきのハンカチだけど、それをきちんと返しに行くとイベントが起きて、彼女との恋愛が楽しめる」
とポルカちゃんが笑いながら言った。
「へぇ~」
隣からのラミィちゃんの圧がすごいんですが。
「いや、行かないから。
俺は他にする事あるから」
「ふぅ~ん」
ねねちゃんも真似してるけどこっちはあまり圧がかかってこない、なんか面白がられてるような。
「ほらほら、先を急ぐよ」
ぼたんちゃんもそんな俺達を見て笑いながら言った。
そして、またしばらく進むと。
「きゃ~
誰か助けてください」
人がちょうどいない街道の脇で馬車が1台止まっていた。
外には女の人とシスターだろうか2人ゴブリンに襲われようとしていた。
「くそ、助ける」
俺は咄嗟に鬼切丸を抜き、ゴブリンに斬りかかる。
ギャギャー
「大丈夫ですか?」
「あ、ありがとうございます」
女性はシスターを抱きしめ守ろうとしている。
「く」
ゴブリンは5体。
魔法使い風なやつが2体後ろにいるな。
「よっと」
横から鋭いムチがゴブリンの1体を消滅させる。
見るとポルカちゃんだ。
ダ、ダン。
ギャー
魔法使い風のゴブリンもその場に倒れる。
ポルカちゃんの横でハンドガンを構えたぼたんちゃん。
これは負けられない。
俺もゴブリン1体を攻撃する。
その攻撃の隙をついて隣からもう1体のゴブリンが。
1体目を斬った刀で隣から襲ってきたゴブリンを薙ぐ。
ギャー
ゴブリン2匹を倒した。
さすが鬼切丸だ。
鬼にはめっぽう強い。
「もう大丈夫ですよ」
女性にそう声をかけた。
俺の後ろにはねぽらぼのみんなが集まってくる。
「あ、ありがとうございます」
女性はゆっくりと立ち上がる。
「シスター
もう、大丈夫ですよ」
女性に手を差しのべられて立ち上がるシスター
「ありがとうございました」
女性はもう一度俺を見て頭を下げた。
「大変助かりました」
シスターも俺の方を見ながら頭を下げる。
「いえいえ」
「では、これで」
そう言って女性が馬車に乗り込み、その後にシスターが乗り込もうとする。
「あ、ちょっと」
俺はそれを引き留めた。
「はい?何か?」
シスターはこちらを向いた。
「これ、落としましたよ」
そう言って俺はシスターにある物を渡した。
それを見てシスターの顔が一瞬変わったのを俺は見逃さなかった。
「シスター、あなたが最後の1人なんですね」
「何の事でしょう。
これは私の物ではありません」
シスターはそのアイテムを俺に返してきた。
「そうですか」
俺はアイテムを受けとる。
「それでは失礼します」
シスターはそのまま馬車に乗り、馬車は町の方へと向かっていった。
「彼女がそうなのかい?」
ポルカちゃんが聞いてきた。
「たぶんそうだと思う。
ただ、今はまだ仕掛けて来ないみたいだから分からないけど」
「ししろん、もう大丈夫みたい」
「わかった」
ラミィちゃんに声かけられたぼたんちゃんを見ると、ちょうど手からハンドガンが消えるところだった。
警戒してくれてたんだ。
「でも、よく分かったね」
俺はポルカちゃんからもらったアイテム、ドミノマスクを見る。
あのシスターはこれを見て一瞬だけど明らかに顔色が変わった。
「お礼を言ってくる時に、あのシスターの視線が俺の後ろに向けられたんです。
もう1人の女性は俺だけを見たのに」
「なるほどね、私達が見えたって事か」
ポルカちゃんが頷く。
「で、何か違和感があったんでこのアイテムを使ったんです」
「あのシスターは第3の町にある教会にいるシスターの1人だね。
カリスマ性があるのかすごく人気が高い」
ポルカちゃんがそう教えてくれた。
「今回の事でイベントは始まってるはずだよ。
次は向こうから仕掛けて来るかもね。
その時にポルカ達がいたら手伝えるんだけど」
ねぽらぼのみんなが力強く頷く。
「ありがとうございます。
その時はぜひ」
俺はそう4人に伝えた。
その後は何事もなくルーナちゃんの屋敷に着いた。
しかし、めちゃくちゃでかいんだけど。
城みたいな上へ高いのではなく、横に広い。
俺は門の前のルーナイトにルーナちゃんに会えるか交渉した。
そして、俺達はまた第3の町に戻るはめになったのだ。
「ダメだったね」
酒場でラミィ水を飲みながらねねちゃんが呟く。
「そうですね」
俺もラミィ水を飲む。
ちなみにこれは最近発売された炭酸のラミィ水だ。
「なんで新商品が出てるのよ」
そう言いながらラミィ水を飲むラミィちゃん。
「え?だってここで調査する間の暇な時間もったいないし」
と、ラミィ水を飲むポルカちゃん。
「これはこれでいけるね」
頷きながらラミィ水を飲むぼたんちゃん。
「でしょ」
「でしょ、じゃないよ!」
ポルカちゃんに突っ込みを入れるラミィちゃん。
「しかし、どうするか」
俺はさっきの事を考える。
ちなみに門前払いをされた訳ではない。
門に立っていたルーナイトの人はとても丁寧に対応してくれたし、アポがなくてもルーナちゃんがいたら話を通してくれる。
そう、ルーナちゃんがいたら。
あの屋敷に今、ルーナちゃんとあくあちゃんは不在らしい。
しばらく前にこの第3の町の近くの海上にある島に出掛けているらしいのだ。
もちろん、それを追いかけるには船が必要だ。
しかし、ここ数日海でモンスターが大量発生している。
このゲームリアルを追及してるのか、モンスターに船を壊されて遭難とかするらしい。
なので、船を持ってるNPCも船を貸し出さないのだ。
「どうするか」
俺はもう一度言った。
「社長に相談してみる?」
ポルカちゃんがぼそっと呟く。
「社長?」
「あ、フレアママね」
ラミィちゃんが嬉しそうに言う。
「あ、そう言えば建設会社の社長だったね」
ゲームの初めの頃にラミィちゃんと一緒に木材運びのクエ受けたなぁ。
「そう、社長なら何か良い案を出してくれるかも」
「なら、ラミィ達が戻って事情を話してくるよ」
「え?いいんですか?」
「うん、残念だけど、そろそろラミィも帰らないといけないし」
確かにルーナちゃんの屋敷まで行くのが今回の旅の目的だ。
それは達成されている。
「それでは、お願いしていいですか?」
「任された」
「じゃ、ねねも久しぶりに第五世代ハウスに戻ろうかな」
「そうだね、私も戻るよ」
という訳で、ねぽらぼの4人とはここでお別れになった。
「それじゃ、お願いします」
第2の町に向かう門のところで、俺はねぽらぼのみんなを見送りに来ていた。
「うん、楽しかったよ。
久しぶりの旅」
笑顔でそう言ってくれるラミィちゃん。
「おつねね~また会おうね」
元気に手を振るねねちゃん。
「あのシスターとのイベントは始まってるから気を付けるんだよ」
心配してくれるポルカちゃん。
笑顔で手を軽く振ってくれるぼたんちゃん。
「また、お会いしましょう」
こうして短い間だったがねぽらぼのみんなとの旅は終わった。
時刻は夕方が近づいて来ていた。
俺はもう一度酒場に戻る。
何か食べた後、宿に戻ってログアウトしよう。
ラミィちゃん達がフレアさんに説明してこっちに来てくれるまで待たないとな。
酒場のカウンターに座る。
夜が近くなってきた事もあり、酒場は少し賑やかになってきている。
ふと、酒場の奥のテーブルに目がいく。
女性が1人突っ伏して何かぶつぶつ言ってる。
飲みすぎたのかな?
「へい、お待ち」
注文した品が来た。
焼き魚をつつきながら酒を飲む。
「ああ、くそ~」
「ん?」
奥のテーブルから声が聞こえたのでそちらに目をやる。
しばらく見ているといきなり女性が顔を上げる。
眼帯をしていた。
赤い目でじっとこちらを見ている。
目があった。
その赤い髪を揺らしながら、唇を舐める。
なんかめちゃくちゃ色っぽいんだが。
女性はゆっくりと立ち上がった。
赤い服、少し露出が高い服だがそのスタイルを最大限に引き出していて魅力的だった。
ゆっくりとこちらに歩いてくる。
俺は何故か目が離せず動けない。
そして、俺に向かって前屈みになり顔を近づけてきて。
「あたしが見えてるんだ」
とその女性は呟き笑った。
ねぽらぼとの旅は終わりを告げ、新たな出会いが始まります。
それでは次回をお楽しみに
年末年始の為に更新が遅れる場合もあります。