ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版   作:天野空

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ねぽらぼと別れた後、あなたはもう一度酒場に戻り、夕飯を食べていた。
そこに1人の女性が向かってきた。
果たして彼女は何者なのだろうか?


暗い夜道にご用心

「う、気持ち悪い」

「ええ~」

こちらに歩いてきた女性がいきなり目の前で口を押さえる。

「ちょ、ちょっと」

俺は慌てて彼女をさっき座っていた奥のテーブルに連れていき介抱した。

 

「大丈夫ですか?」

「ん、大丈夫、ごめんね」

少し落ち着いたのか、彼女はこちらを見てにこっと笑う。

「しかし、見えてるんだ。

なら、ちょっと付き合ってよ」

えっと、さっきから見えてるとか言われるんだけど幽霊とかじゃないよね?

「あのさぁ、最近友人達が連れなくてさぁ」

なんか愚痴が始まった。

「やれ子育てや仕事が忙しいとか、やれ絶賛引きこもり中とか、やれ墓守で場所を動けないとか、だぁれも相手してくれなくてさぁ」

グビグビ

また、酒飲んでるし。

「はぁ、このまま、枯れちゃうのかなぁ」

いや、いきなり枯れるとか。

「そんな事ないですよ。

こっちに近づいてきた時、目が離せませんでしたし」

いきなり来たから怖くて。

「え?そう?やっぱまだまだこのナイスボデェは捨てたもんじゃないかぁ」

胸を反らしてセクシーポーズをとる女性。

「ああ、なんか気分良くなってきたなぁ。

よし、ここはお姉さんの奢りだ。

じゃんじゃん飲もう!」

「ええ、まだ飲むんですか?」

それから俺はその眼帯の女性に付き合わされて飲むことになった。

ま、ゲーム内だから酔っぱらうという事はないんだけど、飲みすぎるとバッドステータスが付く。

簡単に言うと軽い混乱状態だ。

今回はセーブしながら飲んだお陰でそこまで強いバッドステータスじゃない。

「ああ、夜風が気持ちいい~」

俺の前を女性は楽しそうにふらふら歩いている。

よほど誰かと一緒に飲むのが楽しかったみたいだ。

「あ、そうそうここら辺でいいよ」

「はい?」

いきなり女性が振り返り俺に言ってきた。

「いやぁ、家まで送ってくれるつもりみたいだから、悪いなぁっと思って」

あ、ただ後ろついて歩いていただけなんだけど。

「あ、いえ、送ります」

慌てて俺が言うと。

「え?いいの?なんか悪いなぁ~」

千鳥足の女性は満面の笑顔になる。

ま、確かにあんなにふらふらしてたら家に着く前に倒れそう。

「じゃ、お言葉に甘えちゃおっかなぁ。

あ、でも、送り狼にはならないでねぇ」

「あ、はい」

くねくねする女性。

本当に酔ってんのかなぁ?

「で、家はどこですか?」

くねくねする女性に聞いてみる。

「あ、家?

あれ」

女性が指差すのは町の近くの小高い丘の上。

暗いから分からないけど、案外あるな距離。

「では、出航~」

「え?出発では?」

「いいのいいの」

俺は酔っぱらいの彼女について、小高い丘を登る事になった。

道中は街道もあって歩きやすかった。

「案外明るいんですね」

街道は夜だと言うのにうっすらと明るかった。

「あ、これね。

夜光虫が飛んでるからね」

確かに光る虫が飛んでいる。

ホタルみたいなものかな?

「ま、害はないし、こっちには近づいてこないから。

でも、綺麗でしょ」

街道の淡い光の中、彼女はくるりと回ってこっち見て笑った。

確かに綺麗だった。

「ええ、綺麗です」

「あれあれ?

キミはどこ見て綺麗って言っておるのかな?」

「な、虫です虫」

慌てた俺を見て笑う彼女。

しばらくそんな雑談をしながら歩いていると、街道の先に誰かが立っていた。

「知り合いですか?」

俺は彼女に聞く。

「さぁ、知らないけどファンの人かな?」

その相手は斧を片手に持ち真っ黒な全身鎧を着ていた。

「世界の答えよ、力を見せろ」

そう、鎧は震えるような恐ろしい声で呟いた。

「キミの知り合い?」

「そうみたいです」

俺は鬼切丸を抜いて彼女の前に出た。

「その武器って」

彼女は俺の武器を見て感心する。

「そっか、キミが噂の彼だったか」

そう言って彼女は俺の前に出た。

「え?」

「ここは任せて。

キミに何かあったら仲間にどやされる」

「いや、ここは僕が」

「ここは素直にお姉さんの言うことを聞くところだぞ」

「ぐぁ~」

獣の雄叫びのような声をあげながら襲いかかる黒鎧。

「それじゃ、船長の本気少しだけ見せてあげるよ」

そう言って彼女は眼帯に手を当てる。

そして。

「エンペラータイム!」

眼帯を勢い良く外した。

とたん彼女は黄金の気に包まれる。

振り上げた片手斧が彼女の頭を砕こうと振り下ろされる。

しかし、彼女はその斧を片手で受け止めた。

見た感じでもそんな片手で受け止められるような勢いじゃなかったけど。

「今の船長は無敵ですからねぇ」

ピシッピシシシシ

バキャン

斧が砕け散る。

彼女が破壊したのか?

「ん?」

彼女は黒鎧を見て何かを感じたようだ。

武器を破壊され下がる黒鎧。

「斧って言うのはこうやって使うんですよ」

そう言った彼女の手にいつの間にかハルバードが握られていた。

それも旗のような物が付いてる。

「は!」

彼女はその旗を綺麗に回しながら黒鎧との間合いを一瞬で詰め、そして薙いだ。

黒鎧は胴を真っ二つにされてその場にガシャンと音を立てて崩れた。

ガシャン?

俺は崩れた黒鎧を見に行く。

鎧だけ?

「リビングアーマーってやつみたいですね」

俺の横から覗き込む彼女。

その顔を見ると眼帯の下の目は金色に輝いていた。

「はは、船長の顔あまりじろじろ見ないでくれます?

眼帯外した顔は恥ずかしいですからねぇ」

「あ、すいません」

俺は拾った眼帯を渡す。

「あ、拾っててくれたんですかぁ?

ありがとうございます」

彼女は眼帯に受けとるとすぐに着けた。

しばらくすると黒鎧は細かい砂に代わり風に飛ばされ消えてしまった。

「心当たりあります?」

僕を見て聞いてくる彼女。

「はい、なんとなくですが」

たぶんあのシスターの差し金か?

「ま、あの程度ならキミのその武器でなんとかなるでしょうけど、今回はかっこつけさせてもらいました」

「ありがとうございます」

俺のお礼に彼女はにこっと笑った。

「送ってくれてありがとう、帰りは気をつけて」

無事に彼女を家に送り届けた。

彼女の家は小さな小屋だった。

丘の上なので、見張らしは良く眼下には海が見える。

「いえ、こちらこそ助かりました」

「それじゃ、またね」

家の中に入ろうとする彼女。

「あ、すいません」

「ん?」

彼女は扉を途中で止め、こちらを見る。

「名前教えてもらっていいですか?」

「あ、ああ、言ってなかったですねぇ」

忘れてたみたいな顔で彼女は言った。

「では、改めまして。

ホロライブワールド第三世代組、宝鐘海賊団船長の宝鐘マリンですぅー!」

ビシッと決めるポーズ。

《スキル【運命】が発動しました》

これが第三世代組最後の1人との出会いだった。




今年最後の更新となります。
今年はホロライブに出会えて楽しい1年となりました。
こういった作品を書けたのもホロライブに所属する個性豊かな方々のお陰です。
それではまた来年もよろしくお願いします。
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