ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版   作:天野空

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湊あくあを探しに森に入ったあなたは不思議な不知火フレアに出会った。
そして、木の穴の近くにあったカチューシャを手に取った時、背後からぶつかってきたウサギ耳の女性と穴の中に落ちていく。
さて、これからあなたはどこに落ちていくのだろうか。


不思議の国の

「うわぁぁぁ~」

俺はそのまま穴の奥へと落ちていく。

横ではウサギの彼女が正座姿で時計を見ながら一緒に落ちていた。

なんか余裕だなぁ、この人。

 

「ねぇ、起きて!

早く!」

え、あ、いつの間にか寝てたのか?

誰かに体を揺さぶられ俺は起き上がりながら目を開けた。

「よかった起きたんだね。

それじゃ、私はこれでちょっと急いでるんだ」

「え?」

俺は声かけられた方を向いた。

そこにはさっき一緒に穴に落ちていたウサギの彼女が時計を見ながら慌てていた。

「え?

ちょっとここどこですか?」

「ごめんね、また後で~」

そう言いながら彼女は文字通りピョンピョンウサギのようにスキップしながら夜の町に消えていった。

そう、俺が目を覚ましたのはさっきいた森の中ではない。

言うなればビルの森。

夜の街中、道路の真ん中で目が覚めたのだ。

ビルには賑やかなぐらい明るく、街の路地にある店も開店してるのだろう、照明が明るい。

しかし、この街は異様だった。

俺は道路から歩道に歩く。

もし車が来たら危ないからな。

ショーウィンドーを覗くと様々な服が展示されている。

マネキンが今は怖いくらいだ。

マネキンの奥の店の中を見た。

やっぱり、いない。

次の店に行きショーウィンドーを覗く。

ここは雑貨屋さんか?

様々な小物の中に、卵の殻で作った人形が置かれている。

格好つけてシルクハットかぶってるし。

俺はまた、ショーウィンドーの奥の店の中を覗いた。

ここもか。

もう一度街中を見た。

これだけ明るくきらびやかな街の中。

違和感の正体は俺以外に誰もいない事。

店の中も歩道も、そして道路にも車1台さっきから走っていない。

どこからともなく軽快な音楽だけは流れてくるのだけど、それもどこから流れてくるのか分からない。

遠くから鳴ってるようでいてすぐそこで鳴ってるような不思議な感じだ。

そう言えば、俺以外に人いたな。

俺は一緒に落ちたウサギの彼女を思い出す。

確かこの先へ何か急いでた。

どうすれば分からない俺はまずその方向に向かう事にする。

手がかりはそれだけだからな。

俺はしばらく街の中を歩いた。

やはり誰とも会わない。

無人の街だけど明かりは眩しいくらいに付いている。

逆にこれが何も明かりがなくて月の光だけなら無人なのも納得できる。

それはそれで怖いけど。

でも、こんなに明るいのに人がいないのは異様だな、やっぱり。

「そんなに怖いのかにゃ?

迷子の青年」

「う、うわぁ~」

俺はいきなり声をかけられて慌てて前に飛ぶ。

「う、あた」

足がもつれて地面に尻餅を付いてしまった。

さっきすれ違った細い街灯に腕組みをしてもたれている、フレアさん?

「な、いきなり声をかけないでくださいよ」

「ん~?

なんかびくびくしながら歩いてたので、声をかけてみたにゃ」

俺は埃を払いながら立ち上がる。

「そ、それよりフレアさんはここがどこか知ってますか?」

「フレア?

さっきも言ってたようだけど、フレアって誰にゃ?」

「いや、あなたですよ」

何か不思議な事を言われたような微妙な顔をするフレアさん。

「ま、いいにゃ。

それより、探し物は見つかったのかにゃ、青年」

「探し物?」

あ、そうだ、忘れていた。

俺はあくあちゃんを探してたんだ。

「フレアさんはあくあちゃんを知ってますか?」

「う~ん、知ってるかなぁ、知らないかなぁ」

どっちなんだよ。

フレアさんはそう言いながら街灯にもたれかかったままくるっと逆側に移動する。

「あのう、ヒントだけでも」

「ヒント?

そうだにゃ、ここの先をまっすぐ行けばよかったかにゃ?」

フレアさんは俺が進んでいた方向を指差す。

やっぱりこっちだったか。

「いや、それともこっちだったかにゃ?」

そう言って道路の方を指差す。

「え?」

「それともそれとも」

また、くるっと逆に移動するフレアさん。

「こっちだったかにゃ?」

そして、店を指差す。

「いや、それ店の中で…」

「やっぱりこっち、かにゃ?」

元来た道を今度は指差した。

「ええ、どっちなんですか?」

「ははは、真実はいつも1つとこの前テレビで言ってたにゃ」

「いや、その真実が分からないんですが」

「それはそうこの場合の真実は人それぞれ違うのだから」

「え?

ちょっと何を」

「真の道を諦めず進めばそのうち実を結ぶ。

それが真諦進実にゃ」

「いや、四文字熟語っぽく言われても」

「ま、そんな四文字熟語にゃいんだけどね」

「いや、ちょっと」

「ま、頑張りたまえ迷子の青年。

信じて進んでいる道に間違いはないのにゃ」

「え?」

そう言ってフレアさんはまたくるっと街灯を回って、あれ?

消えた?

いや、こんな細い街灯のどこに隠れる場所なんて。

俺は街灯に近づき周辺を調べたが何も仕掛けはない。

また、消えたのか?

なんなんだよ、あのフレアさん。

でも、最後に言ってたな、信じて進む道に間違いはないって。

なら、こっちで合ってるはず。

俺はウサギの向かった道をもう一度見る。

はぁ、本当に何で出てきたんだフレアさん。

俺はまたウサギの彼女を追って走り始めた。

「なんだろう?」

走り続けていると街の様子が変わってきたような気がした。

何か変だな?

さっきと同じように人は相変わらずいない。

でも、明るいくらいに明かりは付いてきらびやかだけど。

そうか、明かりの色だ。

さっきまでいろんな色が付いていたけど、今は赤が多くなってる。

いや、ほとんど赤に変わってるんだ。

なんでいきなり?

「そこのキミ」

「え?」

なんかいきなり声かけられるの多いなぁ。

今度は驚かなかったけど。

俺は立ち止まりイケボな声が聞こえた方を向く。

そこは喫茶店の屋外席。

そこには一人のシルクハットをかぶった女性がカップにお茶をそそいでいた。

「あれ?

すいちゃん?」

「ん?」

やっぱり不思議な顔をされた。

「それよりキミ。

ここから先に行きたいのかい?」

「え、あ、はいそうです。

この先に探している人がいるはずなので」

「ふう~ん」

そう言ってすいちゃんにじろじろ見られる。

「ま、こっちに来たまえ」

「あ、はい」

俺はすいちゃんに言われ屋外席に入った。

「ん」

顔を動かすすいちゃん。

座れって事かな?

俺はすいちゃんの立つ机についた。

カチャ

さっきお茶を入れていたカップを目の前に置かれる。

いい匂いだ。

赤いお茶?

「ローズヒップティーだよ」

「あ、ありがとうございます」

「どうぞ」

なんかすすめられるけど大丈夫かな?

俺は恐る恐る飲む。

あ、美味しい。

「さっきの話の続きをしようか」

ティーポットを置きながらすいちゃんが、俺の向かおうとしていた方を見る。

「ここから先は女王のエリア。

彼女は赤が好きでね。

全てを赤にしないと気が済まないんだよ」

「はぁ」

「今のキミは赤を付けてないよね?」

俺は自分の装備を見る。

確かに赤はないな。

この前ココさんにもらった小手が赤だったけど。

「このまま進めば女王に捕まって裁判にかけられてしまう。

ま、確実に有罪でこれだけどね」

すいちゃんが首のところで手刀を横に動かす。

ああ、打ち首ってやつですね。

「そう言えばこの前ピンク髪の青いメイド姿の子が連れていかれてたなぁ。

たぶん、彼女も次の裁判でこれだな」

「ええ、メイド服?」

「え、あぁ、確かメイド服だったかな」

俺の声に驚いてすいちゃんが少し驚きながら答えた。

やばい、それたぶんあくあちゃんだ。

「ごめんなさい、俺急がないと」

俺は急いでローズヒップティーを飲み干す。

「ちょ、ちょっと待ちなさい」

「すいません、ごちそうさまでした。

俺行きます」

そして、俺は道路に出る。

「行くなら気を付けなさい、赤色には気を付けるんだよ~」

俺はその声を聴きながら赤色に変わっている街の奥へと走り出した。

 

本当に真っ赤だ。

街灯や街の明かりが赤色に変えられているお陰で全てが赤く変わっていた。

くそ、いつまで走ればいいんだ。

「なんだよ、止めろよ!」

「ん?」

道路を走っていた俺は歩道からの声が聞こえそちらを向く。

なんだあれ?

全身真っ赤なタイツを着た人みたいなのが女の子を襲ってる。

しかし、頭の先から足の先まで全部のタイツって始めてみた。

「こら、止めろ!」

俺の声に4人いた全身タイツがこちらを向く。

顔には何故か数字がかかれていた。

口も鼻も開いてないけど息できるのか?

「カドー!」

変な叫び声をあげながら襲ってくる全身タイツ。

「な、なんだぁ」

俺は咄嗟に鬼切丸で応戦した。

「なんだったんだ?」

俺はなんとか全身タイツを撃退した。

思ったより強くなかったな。

「大丈夫?」

地面に座り込んでいる女の子に声をかける。

ん?

どこかで見たような?

背中に小さな天使の羽根。

頭に手裏剣型の天使の輪?

「ありがとう、助けてくれて」

女の子は顔を上げてこちらを見た。

「あれ?かなたちゃん?」

俺の問いかけにやっぱりその子は不思議そうな顔をした。

「助かったよ、いきなり女王の手下に襲われたから」

「無事でよかった」

俺は女の子の姿を見た。

青色のワンピースを着ていた。

確かにこれなら狙われるか。

「さぁ、急がないと」

女の子がそう言って走り出そうとする。

「あ、ちょっとそんなに急いでどこに行くの?」

「裁判所だよ。

そこでぼくと間違えられて女王に捕まってる人がいるんだ」

「裁判所?

俺も連れていって、もしかしたらその人俺の探してる人かもしれない」

「う~ん」

女の子が俺の格好を見る。

「赤色を付けてないという事は女王の手下じゃないか。

それに強かったし」

「ダメかな?」

「分かった、手伝って。

裁判所はここから真っ直ぐ。

もう少しで着くから」

「OK」

俺は女の子と一緒に裁判所に向かい走り出した。

途中真っ赤な全身タイツが襲ってきたがなんとか退けた。

道中、女の子から捕まってる人の事を聞いた。

女の子は赤色を身につけない事から女王に狙われていたらしい。

そして、いつものように手下から隠れていると知らない青色のメイド服を着た女性がこのエリアに迷い混んで来て、女王の手下に捕まり連れていかれたそうだ。

「じゃ、その人を助けに?」

「そうだよ、ぼくと間違われてに連れていかれたんだし助けないと」

「なるほど、そう言うことなら俺も頑張らないとな」

「頼りにしてるよ。

ほら、見えてきた。

あれが女王の裁判所だよ」

女の子が指差すその先に重々しい建物があった。

これが裁判所か。

「ほら、こっち。

正面から行ったらあいつらに襲われる」

女の子は裏路地の方に行って手招きをしていた。

俺もそっちに向かう。

「ここに来るのは慣れてるからね、秘密の抜け道知ってるんだ」

女の子は裏路地を迷わず進む。

「この梯子を上がれば公開裁判場に出るよ」

俺と女の子は梯子を昇る。

そして、俺は円形になっている公開裁判場の2階席に出た。

公開裁判場には裁判官が座る場所に豪華な椅子にどかっと座る女性。

弁護側の発言場所にはあの時のウサギの彼女。

そして、被告人が立つ場所に両端に全身タイツが立つ中、メイド服の女性が立っていた。

「うわ、もう裁判中だよ。

急がないと」

女の子は1階に降りる階段に急ぐ。

俺もその後ろに続いた。

でも、あの裁判官も見覚えあるなぁ。

「こら、どけ!」

裁判場の入り口の扉にいる全身タイツに突っ込む女の子。

いや、そんなに強くないんだから。

俺は慌てて続く。

「助かった」

「いや、なんか弱くなってるみたいだから気を付けてよ、かなたちゃん」

「?」

女の子は勢いよく扉を開ける。

「ちょっとまったぁ~」

「な、誰ですか」

女の子の声に裁判場のみんながこちらを見た。

「あ、かなたちゃん」

捕まっている女性はそう言ってこちらを見ている。

あの人はやっぱりここの世界の人じゃないのか。

「カドー!」

捕まっている彼女の横にいる全身タイツが襲ってきた。

「うりゃ~」

俺は鬼切丸でその全身タイツを倒す。

「大丈夫ですか?」

俺は捕まっていた彼女に駆け寄った。

「え?あ、ど、どうも、誰ですか?」

なんか急におどおどされたんだけど。

「女王、ここまでだ!」

かっこよくいう女の子。

いや、そんな強くないんだから。

「くう、また邪魔をしてぇ」

裁判官の場所から顔を覗かすその人は。

「やっぱり、マリン船長?」

「はぁ?

私は女王ですが、誰ですかその素敵な名前のマリン船長って言うのは」

なんか含みのある言い方するなぁ。

「それより、今は裁判中。

邪魔するならあなた達も有罪ですよぉ」

「何が裁判だ。

いつも自分勝手な事言って有罪にする癖に」

「ええい、うるさいです」

なかなか言うなこの女の子。

「こうなったら力付くで。

キミ達やっておしまい!」

「カドー!」

1階の席から現れる全身タイツ達。

「負けないぞ!」

いや、こっちのかなたちゃん弱いから前に出ないで。

「えっとあくあちゃんでいいんだよね?」

俺は横にいるメイド服の女性に聞いた。

「え?あ、うん、こんあくあー湊あくあです」

「よかった。

それじゃ、あいつら蹴散らして外に行くよ」

「え?うん、分かった」

あくあちゃんはどこからともなくモップを出した。

「かなたちゃん逃げるよ!」

「え?」

女の子は振り返り不思議そうな顔をする。

「だから逃げるって」

俺はあくあちゃんと女の子の手を引いて扉に向かう。

「あ、こら~逃げるなぁ~」

背後でマリン船長の声がする。

入り口の前に全身タイツが道を塞いだ。

「カ、カドー」

でも、いきなり全身タイツがその場に崩れ落ちた。

「ほら、今のうちに」

「ウサギの人」

その後ろに手刀を構えたウサギの彼女が笑っていた。

「ありがとうごさいます」

俺達は倒れた全身タイツを跨いで外に向かう。

ウサギの彼女も一緒だ。

「逃がさないぞ~」

背後からは怖い声が聞こえるんだけど。

「大丈夫、女王最近運動不足だから追ってこれないよ」

とウサギの彼女。

「でも、女王の味方じゃなかったんですね」

俺はウサギの彼女に聞いた。

「別に味方とかじゃないよ。

呼ばれたから行っただけ。

ま、関係のない人が有罪にならなくてよかったよ。

そうだ、これはお礼」

そう言ってウサギの彼女から懐中時計をもらう。

「これは1度だけ時間を止めれる時計だよ。

何かの役に立てて」

「あ、ありがとうございます」

本当に止めれたらすごいな。

俺は懐中時計を見る。

なんとか俺達は裁判所から出た。

「ここから、元の方に行けば大丈夫だから」

ウサギの彼女がそう教えてくれる。

「私達は別の道を行くから」

「手伝ってくれて、ありがとう」

路地裏の方に向かいながら女の子が手を振っている。

「それじゃ、気を付けて」

ウサギの彼女も女の子を追うように路地裏に行く。

「はい、ありがとうごさいます」

「ありがとう」

俺とあくあちゃんは彼女達にお礼を言って元来た道を戻る。

「でも、あくあちゃん。

水汲みに行ったんじゃないんですか?」

「え?そうだけどいきなり気を失って、気づいたらこんなところにってなんで知ってるの?」

「それは…」

「ありゃ?

迷子の青年。

探し物が見つかったみたいにゃ?」

「え?」

「ひゃぁ~」

空中に寝転がって現れるフレアさん。

「また、あなたですか。

はい、無事に見つかりました」

俺は走りながら返答した。

「それは、よかったにゃ。

そうそう、どうしても言いたい事があったにゃ」

「なんですか?」

「足元危ないにゃ」

「え?」

フレアさんのその言葉に俺は下を向く。

そこには大きな穴が。

「な、なんでだぁ~」

「え、きゃぁぁぁ~」

俺とあくあちゃんは一緒に穴に落ちる。

「だからいったのににゃぁ」

「言うのが遅い~」

俺はフレアさんにそう突っ込みながら深い穴に落ちていった。




ホロメンの好きな歌から自分なりに想像してのお話でした。
無事にあくあちゃんと出会ったあなたは今度はどこに落ちていくのか?
では、次回をお楽しみに
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