ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版   作:天野空

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あなたは無事に【ファンタジー】と【バーチャル】の世界の壁を越えた。
まずは魔界への許可を貰う為に学園へと向かうのであった。


【バーチャル】の怪談

うわぁ、眩しい。

俺は門から出て手で目を覆った。

門は霧で覆われていて少し薄暗かったから、出てきた瞬間こんなに明るいと眩しい。

門から出た【バーチャル】の世界は草原だった。

後ろを振り向くと、世界の壁は鉄で出来た壁になっていた。

【ファンタジー】の時は石造りだったけどその世界で違うみたいだな。

俺はもう一度【バーチャル】の世界を見る。

遠くに街が見えた。

まずはあそこに行ってみるか。

街道を歩きながら周りを見る。

【ファンタジー】と違って所々に電柱や街灯が立っているが、全部斜めになっていたり、壊れていた。

苔が付いてるのもあるな。

電気も通ってないみたいだな。

ギャピー

な、なんだ?

突然目の前の街道にスライムが現れる。

敵か?

問答無用で襲ってくるスライム。

俺は攻撃を避けながらカウンターで斬りつけた。

ギャー

断末魔をあげてスライムが光になって消える。

【バーチャル】も街の外にはモンスターが出るんだな。

俺は街に行く間、スライムやゴミ箱の形のモンスターや、壊れた車のモンスターを倒しながら進んだ。

この世界のモンスターは破棄された物がモンスター化するみたいだ。

ようやくポツポツと家が見えてきた。

家が見え始めるとモンスターが出現しなくなった。

俺は装備をおしゃれ着に着替える。

前に【バーチャル】に来た時に買った服だ。

これで目立たなくてすむはず。

何があるか分からないので、一応鬼切丸はすぐに出せるようにアイテムボックスに準備した。

「さて、ここはどこになるんだろう?」

街の標識を見ると始まりの街と書かれていた。

ここが【バーチャル】の始まりの街か。

俺はマップを開く。

この街のマップには学園は表示されていなかった。

1度は訪れている学園がマップで表示されないとなると学園はこの街にはないって事か。

さて、どうするか。

考えているとある事を思い出した。

俺は早速連絡する。

「よ、久しぶりだな。

元気にしてたか?」

俺はフレンド欄からエリトアに連絡したのだ。

「久しぶり、元気にしてるよ。

そっちは?」

「相変わらず学園で楽しくやってる。

そうそう、あれから卒業する人が増えてな。

毎日イベントって感じだよ」

「はは、それはそれで忙しいな」

エリトアの元気な声を聞いて俺は嬉しくなった。

「それでどうしたんだ、どこにいる?」

「そうだ、それで連絡したんだよ」

俺は今いる場所から学園に行く方法を聞く。

「なるほどな、始まりの街か。

学園はその次の街、第2の街にあるからな。

たぶん街と街の間をバスが走ってるからそれに乗るといいよ」

「お、ありがとう」

「でも、気を付けろ変な時間に乗るとヤバいバスもあるからな」

「ああ、分かった」

変な時間?

俺はエリトアとの通信を切った後、まずはバス停を探す事にした。

空を見ると昼は過ぎている。

少しお腹も空いてきたな。

俺はバス停を探しながらどこかでご飯を食べるという目的に変更した。

宿屋の1階にある食堂で遅めの昼御飯を食べた後、俺はギルドに向かった。

ギルドで話を聞けばいろいろと分かるはずだ。

始まりの街だけあってギルドは案外賑わっていた。

「いらっしゃいませ」

カウンターに行くとにこやかに受付の女性が対応してくれる。

「バス停ですか?

それならマップを開いてください」

言われた通りにする。

「はい、こちらになります」

マップに印が付けられた。

「到着したらその印は消えますので、ナビが必要でしたらマップ右下のナビボタンを押してください」

便利だなぁ。

「ありがとうございます」

俺はお礼を言った後、一応クエストボードを見る。

お化け車の討伐や引き込みお化けの討伐。

スライムもあるな。

ま、それなりの数を倒さないといけないから俺は達成できてないか。

しかし、クエスト内容にお化けの討伐が多いな。

「おい、聞いたか?

また、出たんだってよ」

「おお、また新人がやられたみたいだな」

なんだ?

噂話か?っとヤバいバス停に急がないと乗り遅れる。

俺は噂話を聞かずそのままギルドを出てバス停に向かった。

途中、店先で売られている揚げたてのコロッケを買って、マップに印されたバス停に行く。

だいぶ日が落ちてきたな。

なんとかバスが着く前に着いた。

もう何人か並んでる。

俺も列に並んだ。

「ふぅ」

俺は一息つきながらコロッケを食べる。

お、これ上手いな。

さて、次は何時だ?

バス停の屋根にぶら下がっている時刻表を見る。

4時30分か。

ん?

なんかバス停の端にいつの間にか女性が立っていた。

白いキャペリンを深く被り顔は分からない。

白いワンピースに茶色の革で作られたトランクケースを持っていた。

なんか不思議な雰囲気だな。

うう、なんか寒気がしてきたんだが。

そういえばエリトアがバスに気を付けろみたいな事言ってたな。

もしかして、バス停の幽霊か?

プー

お、バスが来た。

ゆっくりとバスが止まり、後のドアが開く。

降りる人はいないのか?

ふとバスを見るとほぼ満員のような感じで窓際に人が座っていた。

俺の前に並んでいた人はどんどん乗っていく。

俺も乗らないと。

「ちょっと」

いきなり黙ってさっきまで立っていた女性に声をかけられる。

「え?」

「あんた、それに乗るの?」

「そ、そうだけど」

なんかゆっくりと近づいてくるんだけど。

「はぁ、相変わらずいけいけなんだね」

「はい?」

「もう一度バスを見たら?」

女性に言われ、俺はもう一度バスを見た。

すると窓際に座っていた人が全員こちらを見ていた。

いや、見ていたのはおかしい。

だってその人?には目も鼻もない。

大きな口だけがにやっと笑っていた。

バスのドアはそのままゆっくりと閉まる。

「あ~あ、あ~あ、あ~あ」とバスの中からため息混じりで低い声が響いていた。

そして、そのままバスは行ってしまった。

「よかったね、幽霊バスに乗らなくて」

「え?あ、はい」

俺は振り返り女性を見る。

「4時27分9秒にくるバスはここでは乗らないようにね」

「え?30分じゃ」

時計を確認したがまだ30分になっていなかった。

「4時27分9秒、世に泣く時間は幽霊バスが着く時間だよ。

新人じゃないんだからそんなのに捕まらないように」

「あ」

それかさっきギルドで言ってた噂は。

「ありがとうございます」

「ふふ、まだ分かってないんだ」

「え?」

30分になりバスが着く。

「ほら、行くんでしょ学園に」

「え?なんで?」

女性はバスに先に乗りキャペリンを脱ぎこちらを見た。

隠れていた顔がはっきりと見える。

「あ」

そこには懐かしい顔があった。

「お久しぶりです、まつり先輩」

俺の声にまつり先輩はにこっと可愛く笑った。

 

俺は今、まつり先輩と一緒にバスに乗っていた。

「しかし、相変わらずだったね。

もっとゆっくりと慎重に」

「はは」

確かに卒業まで駆け足だったし、そう見られても仕方ない。

「それよりまつり先輩はどうして学園の外に?」

確かエリトアが学園にいるホロメンは基本外に出ないって言ってた事がある。

「ん?

たまに外も見てみたくなってね。

キミのせいだよ。

あんなに外の冒険を楽しく話すから」

「う、それはすいません」

「ま、いいけどね。

なかなか楽しい旅行だったし、それに帰りにキミと会えたし」 

う、所々でドキッとする事言うなぁ。

「はは、照れてる?

それより、学園に用事は合ってたんだ」

「え?知ってたんじゃないんですか?」

「ん?知らないよ。

同じバスに乗るみたいだから言ってみた」

「はは、参りますね、まつり先輩には。

はい、ちょっとちょこ先生に用事があって」

「へぇ、魅惑の女性保険医が忘れられないと」

にやにやしてまつり先輩が言う。

「語弊がめちゃくちゃあります。

魔界に行く為に許可を貰おうと思って」

「え?魔界に?」

少し驚くまつり先輩。

「はい、そこにメルちゃんがいるみたいで」

「ああ、メルメルかぁ、確かに用事がなければこっちに出てこないからなぁ。

でも、魔界ってまたすごいところ行くんだね」

「そんなにすごいですか?」

「ま、裏世界は基本モンスターも強いし、マップが機能しないから迷いやすい」

「う、それは辛いかも」

「だから、なかなか許可を出さないんだよ」

「そうなんですね。

しかし、行かないといけない」

「ま、キミならどうにかなるよ」

悩む俺を見てまつり先輩は明るく言ってくる。

「その根拠は?」

「女の勘、かな」

「ですよね」

そうこう話しているうちにバスは第2の街に着いた。

まつり先輩とバスから降りる。

「あ、なんか懐かしい」

前に見た街並みは変わっていなかった。

「それじゃ、今日はもう遅いしどこかの宿に泊まって明日学園においでよ」

「分かりました」

まつり先輩とはそこで別れた。

そして、俺は宿屋を探し第2の街を歩くのだった。

 

 

「はぁ~よく寝た」

宿屋から出て背伸びをする。

今日も良い天気だ。

さて、学園に向かうか。

マップを開くときちんと学園の位置が印されていた。

俺はそれを見ながら進む。

「ん?」

どこからかいい匂いがしてきた。

この匂いは!

匂いにつられて歩くとそこには1軒のパン屋があった。

俺は迷わずパン屋に入る。

「いらっしゃい」

店員さんはレジの向こうで何か作業していて顔は見えない。

「おすすめのパンください」

俺は店員さんにそう声をかけた。

「はいは~い、今焼きたてのパンがあるよ」

店員さんはそう言ってこちらを見る。

「あ!」

懐かしい顔が驚いた顔でこっちを見た。

「ご無沙汰してます。

また、きちゃいました」

俺の言葉にころねちゃんは笑顔で答えてくれた。

「そっか、今度は魔界に行くんだ」

パンを食べながら店前のベンチに座り、俺は隣に座るころねちゃんに事情を話した。

「はい。

でも、その前に近未来都市に先に行こうと思ってます。

そこにロボ子さんがいるみたいなので」

「近未来都市?

だったら、学園で用事が終わったら、まつりちゃんに送ってって貰うといいよ」

「え?まつり先輩?」

昨日会ったばかりの人の名前が出て少しビックリした。

「そう、ころねが使うの許可しますって言ってたって伝えればすぐ分かると思う」

「は、はぁ」

どういう事だ?

「それじゃ、お店に戻るから、学園の用事終わらせておいで」

「あ、はい。

パンごちそうさまでした」

俺の言葉に手を振りながら笑顔でお店に戻るころねちゃん。

さ、俺は学園に行くか。

 

それから少し歩き学園に着く。

門番をしているタキシードの人に卒業式にもらったバッチを見せる。

タキシードの人は「おかえりなさい」と優しく言ってくれ中に入れてくれた。

おお、久しぶりの学園だ。

「おお~い」

校舎から1人の男子が走ってくる。

「お!」

懐かしい顔だ。

「元気そうだな」

「おう、エリトアもな」

そして、俺は学園での初めての友人と再会した。




再び学園に訪れたあなた。
あなたはちょこ先生に魔界行きの許可を得られるのか?
それは次回のお楽しみ
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