その前に兎田ぺこらは桜大神社に寄り、さくらみこを誘った。
言葉にはしなかったが、世界の調整をしているさくらみこに少しは休憩をいれて欲しいと願う兎田ぺこらの思いだろう(個人的見解です)
そして、あなたは兎田ぺこらとさくらみこと共に【ゲーマーズ】にある大カジノに着いたのだった。
「さて、これからどうしますか?」
中に入るとちょうどホール全体を見渡せる場所に出た。
ホールもまたかなりの広さがある。
中ではスロットやカード、ルーレットなど様々なゲームが行われていた。
人も本当に多い。
「そうぺこね。
アキロゼ先輩がいそうなのは、あの真ん中の舞台があるところが一番だと思うぺこ」
ぺこらちゃんが指差したところには、全方位から見える円形のステージがあった。
そこには何人もの踊り子達が踊っており、その周りには観客も沢山いる。
「あそこは少し休憩がてらにドリンクを飲んだりする場所にぇ。
ま、ここは広いから手分けして探すのがいいと思う」
確かにこれだけ広いとどこにいるか分からないし、実際にアキちゃんがいるのかも怪しい。
「それじゃ、俺はいろいろと聞き込みをしてみます」
「ちょっと待つぺこ」
そう言って行こうとするとぺこらちゃんに止められる。
「行くのはいいけど、その前に合流場所やここの説明を軽く言っとくぺこ」
そして、俺はぺこらちゃんとみこちゃんにここの説明を受けた。
まずコインだが、スロットをする場合はワンコインで25回回せるそうだ。
そして、途中で止めた場合はカードが出てくるのでそれに半端な回数が記録されてるらしい。
機械でやるゲームは殆どがそれになるらしい。
カードやルーレットなどの対人でやる場合はそのままコインで賭ける。
最終的にコインはアイテムに変えるか、お金に変えるかできるが、半端なのは回復アイテムに変えてくれるという事だった。
あと、カジノ内ではお金が一切使えずコインで支払う事になるので注意するように言われた。
あまりコインを飲食で使っていると負けた人間に目をつけられてトラブルになる事もあるという事だ。
「じゃ、合流はだいたい2時間後にあのセンターステージの周りにある椅子で」
「いいぺこ。
ま、勝ち続けてたら時間過ぎるかもだけど、その時は何か飲み物を頼んでゆっくり待っていればいいぺこ」
「もらったコイン倍にして返してやるにぇ」
「期待してます」
そう言って俺達はそれぞれで情報を探す。
って言うかあの2人きちんとアキちゃんの情報探してくれるのか?
かけの事しか言ってなかったような。
ま、いいか。
2人とも賭け事強そうだし。
この前一緒に船に乗った時に第三世代組の魔眼について聞いた事がある。
確かぺこらちゃんは幸運眼っていう力を持ってる。
みこちゃんはこの世界の巫女やってるし運はいいはず。
ま、負けては帰ってこないだろう。
たぶん。
そんな事を考えながらまず俺はドリンクを売っているカウンターに向かった。
「いらっしゃい」
気の良さそうなバーテンダーがシェイカーを振りながら挨拶してくれる。
俺はカウンターに置かれているメニューを見る。
さて、何にするか。
ん?
「すいません、これを」
俺はメニューのある部分を指差して注文する。
「オッケーちょっと待っててくれ」
バーテンダーは先に注文していたお客のドリンクを出した後、俺の注文した物を出してくれた。
俺はグラスを持ち、中の液体を見る。
相変わらず素晴らしく透き通っている。
一口飲む。
口当たりもよくすっと喉を通る感じはやはり変わらない。
「へぇ、お客さん飲み慣れてる感じだね」
「ま、故郷にいる時からの愛飲水だからね」
俺はもう一度メニューを見た。
そこの一番下に書かれているのはラミィ水だった。
行く先々でメニューにあるんだが、もしかしてねねちゃんに先回りされてるのか?
「それはそうと聞きたい事があるんだが」
俺は捜し人についてバーテンダーに聞いてみる。
「ああ、その人なら…」
いくつかの情報をバーテンダーからもらった。
数日前に行われたダンス大会にアキちゃんが参加していた事。
昨日、カジノにいるのを目撃したとの事だ。
まだ、ここにいる可能性はあるかもな。
それから俺はホールをドリンクを持って歩いているバニーさんに話を聞いてみる。
別にバニーさんと直接話したかったから訳じゃない。
ホールをあちらこちら歩いているバニーさんなら何か知っているかと思っただけだ。
下心は…ないかな。
何人かのバニーさんに話を聞いた。
そして、俺は胸をなで下ろす事が出来た。
バニーの1人がついさっき歩いてるところを見たとの事だった。
NPCだから、イベントキャラも見えるみたいだ。
俺はバニーさんが見たと言っていた、モンスターバトルの場所に来た。
ここはモンスターを複数闘技場で戦わせて勝ち残ったモンスターを当てるゲームだ。
このゲームはこの大カジノでしかやってないらしく、人も他の場所より多く集まってる。
見た感じいなさそうだな。
ま、ここも人数多いから全部は確認できそうにないけどな。
さて、今日ここにいるって事だから一度2人と合流して情報共有しとこうか。
時間を確認する。
まだ少し合流時間には早いな。
俺はセンターホールに向かう。
途中、ドリンクカウンターに寄りラミィ水で作られたカクテルを頼んだ。
綺麗な青色のブルーハワイ。
ラミィちゃんを思い出すなぁ。
さて、どこに座るかな?
俺がホールの周りを席を捜しながら歩いていると、見つけてしまった。
ある1ヶ所だけなぜか暗雲が立ち込めてる場所が。
「何やってるんですか?」
俺はお通夜のように暗い2人に声をかける。
2人仲良く寄り添って座ってうつむいていた。
俺の言葉にゆっくりと顔をあげる2人。
すっごく悲しい顔してるなぁ。
「やってしまったぺこ」
「にぇ…」
「はぁ」
俺もソファに座る。
「それで成果はどうでした?」
ぺこらちゃんはゆっくりと残りコインを机に置く。
10枚前後か。
「スロットしてたんぺこなんだけど、なかなか当たらなくてようやく当たって半分は取り戻したから、このまま波に乗って取り戻そうとしてたら、出たやつ全部入れちゃって」
「あちゃ」
これは典型的だな。
その後予想通り追加して当たって追加して当たってを繰り返し、気づいたらこれだけになったそうだ。
「みこちゃんは?」
「みこは初めは勝ってたんだけど」
まぁまぁ勝ったみこちゃんは一旦止めてここに来たそうだ。
しかし、まだ時間が早かったらしく、みんなを待つ為にルーレットに行ったらしい。
少し負けてまたここに来た時にまだ誰もいなかった。
じゃぁ、次はカードにとなって。
典型的な友達と来た時のあるあるだなぁ。
で、負けてしまって20枚程。
それで、2人してここで落ちこんでいたらしい。
「確かぺこらちゃんって幸運眼って魔眼持ちなんじゃ」
「ここのエリア内では運を左右するスキルやアイテムを使うとペナルティが発動するぺこ。
普段はステータスの運は0から100まで1日1日で変動するぺこだけど、ここでスキルやアイテムを使うとその上限が50になるぺこ。
ちなみに幸運眼を使うと運が999になるぺこ」
999ってどれだけ。
なるほど、それで使わなかったのか。
「ちなみにお2人の運は数値でいうといくらぐらいですか?」
「43」
「51」
微妙。
俺は自分のステータスを確認してみる。
運は65だいたい平均かな?
「ま、仕方ないですよ。
それで、アキちゃんの居場所の情報とか手に入りましたか?」
俺の言葉に2人は塞ぎこみながらステージを指差した。
俺は指差した方を見る。
そこにはこちらに手を振る金髪のツインテールのスタイル抜群な女性とその横でノリノリで踊るねねちゃんがいた。
ああ、そっか俺達の運はここで使われていたんだな。
「2人とも久しぶりだね。
どうしてここに?」
ダンスが終わって、魅惑の金髪女性とねねちゃんが席に来る。
「あ、冒険者さん久しぶり」
ねねちゃんが笑顔で挨拶してくれた。
俺も会釈して返す。
「アキロゼ先輩にいつかの借りを返そうとしてたぺこ」
「だにぇ」
「で、また負けちゃったかぁ」
2人を優しい笑顔で見るこの女性がアキちゃん。
「冒険者さんは始めましてだね。
アキロゼことアキローゼンタールです!
よろしくね」
「はい、よろしくお願いします」
《スキル【運命】が発動しました》
「それで、君はどうしてここに?」
「はい、実は…」
俺は使命を隠しホロメンと出会う旅をしていると伝えた。
「なるほどね、すごいね。
私達に出会う旅ってなかなかハードなんじゃない?」
「ま、胸元のアイテムで案外スムーズに会えてるにぇ」
みこちゃんが俺の胸元を指差した言った。
「え?
あ、へぇ。
それを持ってるんだ。
なら、確かに。
それで、後は誰なの?」
「後は…」
俺はステータスの推し画面を出す。
表示されてるアイコンで第六世代をのけると後はAZKiちゃんだけだった。
「それはすごいね」
「AZKiちゃんの居場所はロボ子さんが探してくれるって言ってたので今は連絡待ちです」
「じゃ、これからどうすんの?」
注文したドリンクを飲みながらねねちゃんが聞いてくる。
「今のところは予定なしですね」
「そうなんだ。
どう?
せっかくだしカジノで遊んでいったら」とアキちゃん。
手元には3人合わせて110枚ほど。
「後、景品も確認してみていいのがあったらそれ狙うとか」
確かに、それは一理ある。
俺は景品を確認する。
うわぁ、かなり強そうな名前の武具がある。
ステータスも詳細に確認できて調べたらかなり良い。
「ちなみにここにある商品はここ限定ぺこ」
「ん?」
そんな中、俺は気になるアイテムを見つける。
「これって何ですか?」
テーブルに置いた景品一覧の1つを指差す。
『ん?』
それを4人が覗き込んだ。
「ああ、それは【ゲーマーズ】にある裏世界への切符にぇ」
「それを持ってあやめちゃんに勝つと行けるんですよ」
「ええ、ねね行ってみたい」
「ま、勝つ方が難しいぺこだけどね」
「そうなんですね」
アイテム名「鬼岩城への切符」
俺は魔界に行ってるのでこの鬼岩城にも興味があった。
俺が愛用している鬼切丸を落としたモンスターもここのモンスターだということだったし。
「何か気になるのがあった?」
アキちゃんが笑顔で聞いてくる。
「はい、俺はこれを」
指差したのはコイン5000枚でもらえる鬼岩城への切符。
「それじゃ、今あるコイン増やしましょうか」
すくっと立ち上がるアキちゃん。
「何か勝算があるんですか?」
俺達の見上げる先で、アキちゃんは天使のように微笑んだ。
アキロゼちゃんの登場です。
果たしてアキロゼちゃんに勝機はあるのか?
負けた2人のリベンジなるか?
ねねちゃんはこのままちょい役で終わるのか?
次回をお楽しみに