ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版   作:天野空

83 / 109
カジノでの出会いも終わり、アイテムもゲットできたあなたにロボ子さんから連絡がきた。
前回約束していたAZLiちゃんの居場所が分かったようだ。
あなたはAZKiちゃんに会う為にロボ子さんとの待ち合わせ場所に急ぐのだった。


全ての始まりの場所で

俺は今、ワイバーンに乗っていた。

AZKiちゃんに会う為にロボ子さんとの待ち合わせ場所に向かっているのだ。

このワイバーンは大カジノがある【ゲーマーズ】の第3の町で借りた。

前回アキちゃんのお陰でコインはたくさんあったからな。

向かう先はこの【ゲーマーズ】の世界の最奥、【世界の境界線】と呼ばれる場所だ。

普通に歩いて行けばかなり時間がかかるらしいけど、このワイバーンに乗ればそう時間はかからない。

ちなみにこのワイバーンは【ゲーマーズ】限定の乗り物らしい。

ま、かなりかかったがそれに見合うだけの価値はある。

見えた。

【世界の境界線】だ。

そう呼ばれる場所は世界の壁に挟まれた霧が立ち込める場所。

ま、世界が円盤の様だとしたら、いくつかに切り分けられた円盤の中心付近だと思ってもらえばいい。

だから2つの世界の壁がすぐ近くに見える。

このまま霧の上を突っ切ったらどうなんだろう?

俺は興味本位でワイバーンをそのまま霧の立ち込める場所の上に向かわせる。

しかし、霧の上に行こうとすると何故かワイバーンはUターンする。

これ以上は進めない訳か。

俺はワイバーンに地上に降りるように指示した。

霧の前に降り立つ。

俺が背中から降りるとワイバーンは飛び立ち帰っていった。

片道が辛いなぁ。

帰りどうしよう。

ま、その時はその時か。

俺は【世界の境界線】を見る。

ここが待ち合わせ場所で間違いないんだけど。

ロボ子さんから指定されたのはどの世界でもいいから【世界の境界線】に来る事。

この【世界の境界線】はどの世界にも存在するらしい。

一応、【ゲーマーズ】の境界線に行くって言ったんだけど。

俺は霧の立ち込める場所を覗く。

濃すぎて先が見えないな。

この先を進めばいいのかな?

「そこに入っても戻ってくるだけだよ?」

俺が霧に入ろうとした時、背後から声をかけられる。

振り向くとそこには「ロボ子さん」

「はろーぼー!」

笑顔で手を振ってるロボ子さんがいた。

「思ってたより早かったね」

「ワイバーンを借りて来たので」

「なるほど、この世界はいたね、最強の移動手段が。

でも、高くなかった?」

ロボ子さんの質問に俺はロボ子さんと別れた後の事を軽く話した。

「なるほど、いつも思うけどキミってすごく濃厚な時間過ごしてるよね」

「はは、自分もそう思います」

「それで会ってないのAZKiちゃんだけなの?」

「一応そうなります」

「一覧見せてもらっていい?」

「あ、はい」

俺は一覧を開く。

あれ?

一番下の第六世代のアイコンが消えてる?

「本当だね…」

一覧を見るロボ子さんが少し悲しそうな顔をした。

何故悲しそうな顔をしたんだ?

ロボ子さんが一覧から目を外す。

俺はもう一度一覧を見た。

そこには何故か第六世代のアイコンが出ていた?

ん?

「さ、それじゃ、行こうか」

ロボ子さんに言われ俺はステータス画面を消す。

「えっとどこにですか?」

「もちろん、この霧の先だよ」

「え?

でも、ここに入っても戻ってくるだけって」

「そう、条件があってね」

そう言ってロボ子さんが俺の手を取る。

え?

「その条件はホロメンと一緒に進む事」

そうして俺はロボ子さんと手を繋いだまま、【世界の境界線】に飛び込んだのだった。

目の前はまったく見えない。

霧で真っ白だ。

ただロボ子さんと繋いだ手の感触があるだけ。

どのくらい歩いただろう。

「そろそろ出るよ」

そうロボ子さんの声が聞こえた瞬間、目の前がいきなり開けた。

そこは広い草原だった。

あちらこちらにビルがある。

でも、傾いてたり壊れている。

そうなって長い年月が経っているのだろうか?

壊れた建物には苔がついてたり植物が侵食していた。

「ここは?」

「全ての始まりの場所だよ」

そうロボ子さんは言った。

「ここは昔※※※※※って呼ばれてたんだ」

「え?」

聞きとれなかった。

「はは、ごめん。

この言葉は今の人達には認識出来ないかな」

そう言ってロボ子さんはある場所を見る。

俺もつられてそちらを見た。

え?

驚く事ばかりだ。

そこには巨大な剣が刺さっていた。

でも、これって。

あった。

なんで気にならなかったんだ?

そうだ。

この剣ってどの世界にいた時でも見えてた。

でも、ここに来るまでぜんぜん気にならなかった。

「認識しちゃうとね。

この剣ははっきりと意識に入ってくる。

普段はただの背景のようにそこにあるのが当たり前で気になる事がないの。

すごく大きくどこからでも見えるのにね」

ロボ子さんがそう言って笑った。

「あれはなんなんですか?」

俺はあの剣について聞く。

「あれはこの世界と外を繋ぐパイプのようなものね。

このゲームを始めた人はあの剣を通ってこの世界に来て、そして、それぞれの始まりの場所に行くの」

「そうなんですね」

そう言われるとあの剣は俺達プレイヤーの母親になるのか?

ここから俺達はこの世界に生まれてくる。

「さ、行こう。

AZKiちゃんが待ってる」

俺はロボ子さんと一緒にあの巨大な剣に向かって歩き始めた。

ここは初めて来る場所なのに何故か見覚えある感じがした。

どこまでも広い草原。

澄みきったどこまでも続く青い空。

「そっか、ここって大召喚の時に来る場所」

「へぇ、大召喚知ってるんだね」

「はい、何度か」

「でも、ステージが変わるのも知ってるって事は大召喚をしてるところに居合わせたって事だよね」

「はい」

「それはすごい」

ロボ子さんは感心したように驚く。

そうか、大召喚されてから駆けつけたらもうステージが変わってるから元の場所は分からない訳か。

確かにそう考えるとホロメンと一緒に行動していたからこそ分かるって事になるのか。

「そろそろかな」

巨大な剣は未だ遠い場所だけど。

「あ、いた」

そうロボ子さんが言って指差した先に1人の女性が剣に向かって歌っていた。

「今、ちょうど調整中だから少し待とうか」

近くの石に腰を下ろすロボ子さん。

俺もその横の地面に座る。

天気が良い。

暑くもなく寒くもないそんな気候に緩やかな風。

そして、その風に乗ってAZKiちゃんの歌声が聞こえてくる。

なんかこのまま寝てしまいそうだ。

程なくして歌が終わった。

AZKiちゃんがこちらに歩いてきた。

「おまたせ、その人がロボ子さんが言ってた人?」

「うん、そうだよ」

「はじめまして。

こんあずき~AZKiです。

よろしくね」

《スキル【運命】が発動しました》

これで全てのホロメン一覧が埋まった。

「どうして私達に会ってるのか聞いていいかな?」

俺達の前に座るAZKiちゃん。

この人は話してもいい気がする。

世界に関わってる人だから。

そして、俺は2人に俺が受けた使命を話した。

「そっか、また消滅の危機にさらされてるんだね」

「前回はボク敵になっちゃってたからなぁ」

「あれはロボ子さんのせいじゃないよ」

え?敵だったの?

「前回は第五世代組の子達が利用されてたから」

「ねぽらぼの人達が?」

「そう、ちょっとした事故があってね。

封印されていた4人が黒幕に利用されてしまったの」

とAZKiちゃんは悲しそうに言った。

「今は4人とも自分の意志で行動してるけどね」

「なら、よかった」

「そうすると今回は誰がこの世界を消滅させようとしているのか」

「俺、心当たりがあります」

そして、俺は第X世代の事を話した。

「私達が知らないホロメン」

「今、現実でボク達の後輩はたくさんいるけど、その誰でもないって事?」

「一応、AIとして参加してるのは今は第五世代までのはずだけどね」

う、第六世代の人達も来てるんだけどここは黙っておこう。

「そうすると、その第X世代を産み出したのが黒幕って事になるのかな?」

AZKiちゃんが首をかしげながら言った。

「第X世代が黒幕ではなく?」

「うん、もしその子達が黒幕なら前回第五世代の子達を利用しなくてもいいから」

そうか、もし第X世代だったら、前回も介入してくるって事か。

「たぶん、ミオがボク達みんなと出会うように言ったって事だから、今からまた新しい事が始まるのかも知れない」

「全員に会ったから?」

俺の言葉に頷くロボ子さん。

「たぶん、これからは本格的にその黒幕と対決する事になると思う」

AZKiちゃんが言った。

そうか、とうとうこの世界をかけて戦う事になるのか。

「でも、もしそうなっても私達が力を貸すわ」

「え?」

「その為にミオは私達と出会い絆を繋げるように言ったんだと思う」

「そのアイコンが光ってるって事は私達とキミの間に絆ができてる証拠だから」

俺は推し一覧を開く。

第六世代組以外全てのアイコンが光っていた。

これがホロメンみんなとの絆。

「すごく心強いです」

俺は素直に言葉に出た。

それを2人は暖かい微笑みでかえしてくれた。

「俺はこれからどうしたらいいんでしょう?」

ふと思った事を口にする。

ミオちゃんからは漠然とホロメンのみんなに会って欲しいと言われただけだ。

会った先の事は聞いていなかった。

「それはたぶん私達と出会った事でイベントが進むと思う」

「イベント?」

「そう、これは良くも悪くもゲームだからね。

何か起きる時はイベントとして起きるの」

とロボ子さん。

「だから、黒幕が動き始めたならその抑止力としてキミに新しいイベントをこの【ホロライブワールド】が用意する」

AZKiさんがそう言った時、突然目の前にディスプレイが現れる。

「あ、繋がった?

お久しぶり、うちだよ」

ディスプレイにはミオちゃんが写っていた。

「タイミングばっちりだね」

AZKiちゃんが笑いながら言う。

「あれ?

ロボ子先輩にあずきちゃん?」

「ちょうど噂してたところ」とロボ子さんがミオちゃんに言った。

「ええ?そうなんですか?」

「それでどうしたんですか?

ミオちゃん」

俺がそう聞くとミオちゃんは真剣な顔になる。

「今すぐ大神神社に来てもらえないかな?

話したい事があるの」

俺はロボ子さんとAZKiちゃんを見た。

2人は頷いている。

イベントが始まったんだ。

この世界を救えるかどうかのイベントが。

「分かりました。

すぐにそっちに向かいます」

「私が送るから少しだけ待ってて」

AZKiちゃんがそうミオちゃんに言う。

「分かった、待ってるね」

そして、ディスプレイが消える。

「心構えはできた?」

AZKiちゃんにそう聞かれた。

俺は力強く頷く。

ここまでこれたんだ後はみんなとの絆を信じて進むのみ。

「ボク達がついてるから」

ロボ子さんがそう言ってくれた。

「はい」

「それじゃ、送るね。

また、会いましょう」

AZKiちゃんはそう言って歌い始めた。

それは誰かを送る歌。

向かう先でその人に幸がありますようにと願う歌。

俺はその歌に包まれながら大神神社へと転移した。




推し一覧のアイコンが点灯しました。
【ホロライブワールド】が新たに出したイベントとは?
そして、ミオちゃんの話したい事とは?
次回をお楽しみに
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。