全てのホロメンと会うのを待っていたようなその呼び出しに、あなたはAZKiの力で大神ミオの元へ転移してもらうのだった。
目を開くとそこは懐かしい場所だった。
大神神社の鳥居の前。
ここで俺は初めてミオちゃんに会ったんだったよな。
「お、きたきた」
境内の方からミオちゃんが手を振りながらこちらに来る。
「お久しぶりです」
「そうだね」
そう言ってお互いに笑う。
ミオちゃんからこの世界の危機を聞いておおよそ4ヶ月俺なりに駆け抜けてきたなぁと思う。
「思った以上に早かったね」
ミオちゃんと一緒に境内に向かう俺にミオちゃんは感心したように言った。
「俺もこんなに早くみんなに会えるとは思っていませんでした」
「でしょうね。
普通ならこのゲーム初日に始めた人でさえ、そこまで会えていないもの」
そして、俺はミオちゃんと境内に入る。
初めてここに来た時と同じ、中央に机があって向かい合わせに座布団が置かれていた。
「さ、座って」
ミオちゃんに勧められ座布団に座る。
「それじゃ、まずはお礼を。
ありがとうね、みんなに会ってくれて。
それで、キミの今までの冒険の話聞いてもいいかな?」
そうミオちゃんに言われて、俺は今までの旅の事を話した。
学園に入り七クエストを受けた事。
学園祭で第X世代と名乗る自称ホロメンに出会った事。
電子の狭間でココさんに出会って助けてもらった事。
【ふぉーす】での攻防戦の事。
ねぽらぼとの旅。
第三世代組との船造りと船旅。
【バーチャル】での幽霊騒ぎ。
近未来都市へ行った事。
裏世界【魔界】に行った事。
大カジノでの事。
そして、全ての始まりの場所で最後のホロメンと出会った事。
ミオちゃんは俺の話を真剣に最後まで聞いてくれた。
そして、「本当にお疲れ様」と笑顔で言ってくれた。
「それで、次はどうしたらいいんでしょう?」
俺は疑問だった問いかけをミオちゃんに聞く。
「占ってみるね」
ミオちゃんはテーブルにカードを取り出す。
そして、そのカードを使い占いをし始める。
「うん」
ミオちゃんはカードを見て頷く。
「必ずしも当たるって訳じゃないんだけど、次に進む道は分かったかな」
「それは?」
俺は真剣にミオちゃんに聞いた。
「カードで出た事をまとめると、大きな障害がキミの前に新たに立ちはだかると出てるの」
「大きな障害…」
「その点にはうちも心当たりがあってね」
そう言ってミオちゃんは机に巻物を取り出し机の上で広げた。
真っ白なその巻物には徐々に文字が浮かびあがってくる。
「これは【ホロライブワールド】で起きているプレイヤーには解決できない案件が表示されるの。
GMの章と呼ばれる巻物よ」
GM、ゲームマスターの事か?
「それで今表示された最悪の案件が5つ。
裏世界に本来存在しないはずの個体。
スターズフォーと呼称された星を4つ持ってるモンスターが現れてるの」
「スターズフォーですか」
「そう、あり得ない事はないのよ。
ただ、そうならないようにスリースターズは各エリアのボスのような役割をしててその場所から動けない、なのでそう何回も冒険者と戦う事はないのよ。
だから経験値もそんなにたまらない。
ましてやスターズフォーなんてどれだけの経験値を得ないとなれないか」
「それが現れた」
「ええ、それも固定されたボスではなく、自由にフィールドを行き来するモンスターがなってる」
「それって」
「普通に驚異以外の何者でもないわ。
今はまだ裏世界にいてそこまでプレイヤーと接触してないけど」
「もし、そのスターズフォーが普通の世界に来たら」
「ええ、会ったプレイヤーは全て殺されてしまう」
ぞっとする。
ラスボスが普通のフィールドに出てくるようなものだ。
準備も何もしていない時に現れる最悪の敵。
ゲームバランスとか言ってる場合じゃない。
「さっき言ってたGMは?」
「そうね、ここまでゲームバランスを壊した案件はGMが出て処理するんだけど、実は今、【ホロライブワールド】のあちらこちらでバグやデマが出てて、その処理にGMが当たってるの。
そのせいでGMの手がそこまでまわらない。
スターズフォーも今のところ大きな被害を出してないから、運営は後回しにしてる感じ」
「だったら、運営が強制的にそのスターズフォーをデリートしてしまえば」
「なかなか過激の事いうね」
「あ、すいません」
「ううん、確かにその方法もあるけど、それをするとそのモンスターに紐付けられたモノにも影響するの。
だから、消した後に【ホロライブワールド】にどんな影響が出るか分からない」
「そう、なんですね」
「それで、キミに頼みたいの」
「え?俺ですか?」
「うん」
「でも、スターズフォーってプレイヤーがどうこうできる相手じゃないんじゃ」
「もちろんよ。
だけど、キミにはうち達との絆がある。
キミがいる事でうち達はイベントキャラとして移動が出きるの」
「そうか、それだったら勝てるかも」
「ただ、裏世界に行くには条件があるのは【魔界】に行ってるから知ってるよね?」
「はい」
「その条件はキミ自身が達成してもらわないといけない」
「ちょうど俺、手元に鬼岩城への切符持ってます」
俺はアイテムの切符を取り出して見せる。
「それはいいわ、後はあやめに会って条件を満たせば行ける」
「じゃ、まずは」
「ええ、裏世界【鬼岩城】に向かって」
「分かりました」
「裏世界に無事に着いたら、そこにキミと共にスターズフォー討伐に力を貸してくれるホロメンが待ってるから」
ミオちゃんの言葉に頷く。
「これは本当に大変なイベントになる。
だから、無茶しなくていいから、自分のペースで進めて」
「でも、時間をおけばスターズフォーがこっちに来るかも」
「大丈夫だと思う。
キミのこれまでの冒険を聞いてたら、その第X世代や黒幕はキミを待ってる感じがするから」
「俺を?」
「ええ、ただ、もしキミが負けたらその時は容赦なくこの世界を蹂躙し始めると思う。
だから、うち達はキミと一緒に戦うよ」
とミオちゃんは笑顔で言ってくれた。
「ありがとうございます」
「ううん、こちらこそこの世界を守るって言って頑張ってくれてありがとう」
その言葉だけで俺はこれまで頑張ってきた甲斐があった。
「それじゃ、俺行きます」
「ええ、あやめによろしくね」
とミオちゃんが笑う。
「はい、伝えておきます」
「あと、これからは自分の使命をうち達に話してくれていいから、そして力を借りて」
「分かりました」
俺はミオちゃんと外に出る。
すると、外に1台のバイクが置かれていた。
いや、バイクか?
「これから【ホロライブワールド】の様々な場所を移動しないといけないから準備しといたよ。
裏世界までは行けないけど、それ以外なら空だろうと海だろうといける、GMバイク」
GMバイク。
「水陸空用万能バイクだよ。
普段はGMしか使えないんだけどね」
「いいんですか?」
「運営には許可は取ってる、キミには今からGMみたいな事をしてもらう事になるから」
「ありがとうございます」
俺はGMバイクに乗り込む。
「それに乗ってる間はキミはイベントキャラ扱いになるから、他の人には見えない。
だから気兼ねなく目的の場所に向かって」
「はい」
俺はバイクをふかす。
すごいいい音がする。
「これからキミに幸があるように」
「行ってきます」
ミオちゃんの言葉を胸に俺はミオちゃんに挨拶してバイクを走らせる。
そして、階段から飛び出す。
するとそのまま空中を走り出すGMバイク。
すげぇ、反則級じゃん。
俺はそのまま空を走る。
向かうは【ゲーマーズ】第2の町。
鬼生門前にいるあやめちゃんだ。
では、最終章の1つ手前のイベントが始まります。
ここからバトルが増えてきますが、お約束って事で。
では、次回よろしくお願いします