スターズフォーと歌魚レビィもいる中、沙花叉クロヱの襲来に戸惑うあなただったが、そこに誰かの援護が入る。
紫咲シオンはその誰かを知っていたようで、彼女に後を託す。
そして、今【海底都市】で海の王者を冠する2人の戦いが始まろうとしていた。
「あなたには興味ない」
クロヱは目の前にいるトライデントを持つ女性に言った。
「そう言われてもな。
シオンに頼まれたからここは通すわけにはいかない」
トライデントの女性はそう返す。
「…」
クロヱは鎌を構えたまま動かない。
相手も同じだ。
一瞬クロヱがぶれる。
次の瞬間横からクロヱが鎌を振り抜いてきた。
トライデントの女性の前にはまだクロヱはいる?
ガキン!
トライデントの女性はその武器で鎌を止める。
そして、手首をひねる事でトライデントの槍の2つの部分で鎌を押さえ込んだ。
「残像なんて手を使ってくるとは思わなかった」
トライデントの女性の言葉で目の前のクロヱがぶれながら消えていく。
「分かるだけすごい。
あなた名前は?」
クロヱは彼女に聞く。
ふっと彼女は笑う。
そして「ぐら。【ホロライブENワールド】第一世代がうる・ぐらだよ」
と名乗った。
「そっちはシャチ?
私はシャ~ク!」
「!サメよりシャチの方が強いから」
クロヱは少しムッとして答える。
「ん?私は普通のサメじゃないよ。
アトランティスの末裔にしてサメだから普通じゃない」
ぐらはニヤリとして答える。
「沙花叉も普通のシャチじゃない」
そう言って2人はにらみ合う。
視線がぶつかり火花を散らすような感じだった。
「じゃ、どっちが上か勝負しよう」
ぐらはそう言ってトライデントを強く押す。
クロヱはそれに合わせて背後に飛び間合いを取った。
「分かった、依頼ではあなたは入ってなかったけど、ここからは個人の問題として動く」
クロヱは鎌を肩に担ぐように構えた。
にらみ合いを続けながらじりじりと間合いを確かめ合う2人。
「ふ」
クロヱが突然口から何かをぐらに向かって飛ばす。
「!」
咄嗟にぐらは右手の小手で顔を守った。
カチンという複数の音と共に地面に落ちたのは小さな針?
その一瞬で間合いを詰めクロヱは鎌をぐらに向けて振り下ろす。
ぐらはすぐさま背後に飛んで間合いをとろうとするが、クロヱは鎌を前方に構えたまま突進した。
クロヱの持つ鎌は逆刃。
前方に構えた状態だと刃がある方がぐらに向いている。
ぐらは下から上に勢いよくトライデントを振り上げる。
ガキン!と音がなり鎌は上へと刃を向けた。
クロヱはかかとで地面を思いっきり蹴り、突撃を止め背後に跳ぶ。
またも間合いをあけ対峙する2人。
「やるね」
「そっちも」
お互いニヤリと笑う。
「本気出さないといけないみたい」
クロヱは左手を口元まで上げる。
そして「スキル発動」と静かに言った。
左手の甲にholoXの紋章が浮かび上がる。
クロエの全能力が一時的に大幅に上がった。
そのまま、突進するクロヱ。
しかし、その動きは先程とは段違いのスピードだった。
そして、そのスピードのまま振り下ろし、なぎ払い、突きなど様々な角度から連続攻撃をぐらに向けて放った。
ぐらはその攻撃をどうにかトライデントで受けるが押されている。
「どうした?」
余裕の口調でクロヱは聞く。
「…」
ぐらはそれに答えられない程受け手に回っていた。
そして、最後の突きでトライデントの上からぐらを吹き飛ばした。
「ぐ」
柱に勢いよくぶつかりそのまま、膝を着くぐら。
「やっぱりシャチの方が強いでしょ」と鎌を担ぎながらクロヱは言う。
「ん、さっきはちょっとびっくりしただけだ」
トライデントを力強く握り立ち上がるぐら。
「まさか【ホロライブワールド】第一世代の固有スキルを使ってくるとは」
「へぇ、よく分かったね」
ぐらの言葉にクロヱが意外そうに答える。
「その固有スキル見た事がある」
「なるほど。
じゃ、そっちも使ったらいいんじゃない?」
クロヱは鎌を構えながらぐらに言う。
「…仕方ない。
あまり他の世界では使わないように言われてるけど」そう言ってぐらはトライデントを地面に突き刺した。
「武器を捨てる?」
クロヱの言葉にぐらは首を横に振る。
「違う。邪魔だから置いてる」
そう言ってぐらは手を胸に当てた。
「スキル【絶対強者】」
その言葉と同時にぐらは青い気を体に纏う。
それはまるでサメのようだった。
ドン!
という音と共にぐらはクロヱに突進。
そのスピードは先程とは明らかに違う。
辛うじて鎌の柄で突進を防いだクロエだが吹き飛ばされてしまう。
何とか起き上がるクロヱ。
その手に持つ鎌の柄は無惨に曲がっていた。
まだ、ぐらのサメのような気は消えていない。
くる。
そう感じた瞬間クロヱは横に跳ぶ。
先程いた場所にぐらが通りすぎた。
床は無惨にえぐられていた。
振り向くクロヱ。
地面をえぐりながら方向転換するぐら。
まだ、攻撃は続いている。
クロヱは先程のスキルの効果がまだ続いていて、普段より早いスピードで動いている。
床、柱、天井全ての場所を足場にして飛び回る。
しかし、ぐらは場所をものともせず、全ての場所をえぐりながらクロヱを追った。
このままだといずれ追い付かれる。
クロヱがそう思った瞬間、左手の甲の紋章が消えた。
固有スキルが切れたのだ。
急なスピード低下と背後に気をとられ過ぎて、クロヱは足をとられ地面にこけてしまった。
背後に迫るぐら。
そして、青い気を纏いサメのように変わったぐらはクロヱを飲み込んだ。
「あれ?」
頭を上げるクロヱ。
そして、回りを見る。
確かにぐらの一撃にやられたはずじゃぁ?
「おしい、時間切れ」
「え?」
背後から声がする。
クロヱは起き上がりそちらを見た。
トライデントを突き刺した場所にぐらが立っていた。
「やっぱりこの世界じゃ、スキルの持続時間が少ない」
ぐらはトライデントを引き抜く。
「今回は引き分けでいいか?」
ぐらはクロヱに言った。
クロヱもゆっくりと立ち上がる。
「そうね、頼まれた依頼ももう達成出来そうにない」
クロヱはそう言って大神殿の奥を見る。
冒険者達の戦いも佳境に入っているようだった。
「楽しかったぞ」
「正直にいうと沙花叉も」
お互いに微笑む2人。
「また、相手してくれ」
とぐら。
「いや、遠慮しとく。
めちゃ疲れた」
とクロヱは言った。
それを見てぐらは笑う。
「足止め役は終わったから帰る。
おまえもあまり暗躍はするな」
そう言ってぐらは地面にとぷんと潜った。
「ん、それはうちのラプラスに言って」
そう言ってクロヱも背後に出来たワープホールに飛び込んだ。
後に残るは静寂のみ。
だがしかし、戦いはまだ奥で続いている。
短い話になりましたので今回は2話更新になります。
最強の海洋生物を冠する2人の戦いはまた次回?
次は【海底都市】第3戦。
レビィ達をあなた達は止める事ができるのか?
次回をお楽しみに