ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版   作:天野空

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赤井はあと、角巻わため、謎の女性に助けられながら先を急ぐあなた。
スターズフォーの皇帝イカと歌魚レビィが待つ大広間まであと少しまでに迫っていた。


大広間の対戦 ~巨大イカの捌き方~

俺達は大神殿の奥へと走る。

皇帝イカとレビィが奥へと向かったのを追いかける感じだ。

「大丈夫でしょうか?」

俺は横を走るシオン師匠に聞く。

「ん?

ああ、クロヱの相手?

大丈夫だよ、あの娘は別の世界に住むかなりの実力者だから」

そう言って笑う。

「師匠が言うなら大丈夫ですね」

「ん?師匠?」

「あ、いえ、こっちの話です」

俺は誤魔化す。

さすがに師匠は俺が勝手に言ってるだけだしな。

「見えたよ」

メルちゃんが奥を指差す。

そこには皇帝イカが見えた。

だけどレビィがいない?

「み~つけた」

「え?」

柱の影からレビィが飛び出してきた。

完全に俺を狙っている。

前を走っていたみんなは驚いたように振り返ったが、間に合わない。

俺は咄嗟に身構えた。

「これでこっちの勝ち」

「とはいかないわよ」

レビィの勝利宣言にAZKiちゃんが俺の横から現れて答える。

そして、レビィを捕まえそのままワープホールに消えた。

「え、え?」

「大丈夫です、あのワープホールはAZKi様が作り出したもの。

たぶん、レビィを別の場所に連れていったのだと思います」

消えたワープホールの方を見ながらちょこ先生が教えてくれる。

「今はAZKiちゃんを信じてあれを倒そう」

シオン師匠が俺に言う。

「分かりました。

行きましょう」

今の俺にはどうする事も出来ない。

まずは目の前の敵を倒さないと。

俺はあくあちゃん、シオン師匠、メルちゃん、ちょこ先生と共に奥に居座っている皇帝イカに向かって行った。

 

「さすがにでかい。

前にあったよりでかくなってる」

近くに来たがさすがのでかさだ。

他のスターズフォーもそうだったが、星持ちは数によって巨大化するのか?

「しかし、なんであの大きさで浮いてるんだ?」

その巨大な体を宙に浮かせながら長い足を揺らす皇帝イカ。

「それはこの大広間に入れば分かるよ」

あくあちゃんが教えてくれる。

「よし、じゃみんな行きましょう」

俺の言葉にみんなは頷く。

そして、俺は皇帝イカの待つ広間に足を踏み入れた。

「え?」

大広間に入った俺はいきなり体に何かが纏わりついた感じがして体が浮いた。

「これって?」

ほかのみんなも大広間に入ったとたんに体が浮いていた。

「これは水の中なの。

でも、本当の水じゃないから息はできるでしょ」

「なるほど、それで体が上手く動かせないのか」

あくあちゃんの説明に納得する。

水の中ならあの巨大な皇帝イカも浮いてるわけだ。

「あ、それじゃ、雷や火の魔法は使えないんですか?」

「ん?それは大丈夫。

本当の水じゃないから普通に使えるよ」

そう言ってシオン師匠が手に雷を纏わせる。

「それならよかった」

俺の切り札は使えるって事か。

「それでどう行きます?」

俺達は壁際に移動し、俺は他の4人に聞く。

「問題はあの足よね」

シオン師匠はうねうね動く足を見る。

「あの足さえどうにかしたら、額に付いている宝石が弱点だから案外簡単に倒せそう」

あくあちゃんが皇帝イカの額を指差す。

えっと?

どれだ?

皇帝イカの額は様々な色の模様が出ていてどれか分かりづらい。

「ん?

分からない?

ほら、あそこの小さい赤い宝石」

あくあちゃんが俺の頭を後ろから持って動かしてくれる。

ん~小さい頃、これ親にやられた事あるなぁ。

「あ、あった、あれかな?」

額のちょうど中心にある緑の大きな模様の上側に小さく見える赤い宝石。

それをあくあちゃんに伝えると「そう、それだよ」と満足そうに頷いていた。

「それじゃ、一番確実なのはメル達があの足を排除してキミが弱点を攻撃する事」

メルちゃんの言葉に頷くみんな。

「鬼切丸を出してくれる?」

シオン師匠に言われて俺はアイテムボックスから鬼切丸を出す。

シオン師匠は鬼切丸に手を当てた。

そして、何かを唱えるシオン師匠。

一瞬すごい光を放った鬼切丸。

「今回限定だけど鬼切丸に付与した魔法をもう10回分付与しといたから、弱点を攻撃した時に全部ぶちこんで」

俺はシオン師匠の言葉に頷く。

「さぁ、きました」

先程の光が戦闘の合図になったらしく皇帝イカがこちらに向かってくる。

「キミは隙を見て弱点に攻撃して。

チャンスは一度きり、その武器の魔法を全てやつにぶつけてよ」

シオン師匠はそう言って皇帝イカに向かって飛ぶ?

この場合泳ぐかな?

「頑張って」

「無理だけはしないように」

「キミならやれるよ」

メルちゃん、ちょこ先生、あくあちゃん各々が声をかけてくれた後、シオン師匠の後を追った。

俺もみんなの後を追いかけ、少しだけ後方に陣取る。

俺はここからみんなの期待に答えられるようにあいつの動きを今は観察しないと。

 

まずはシオン師匠が雷の魔法を放つ。

海の魔物だ、雷は効果大のはず。

すると皇帝イカが足を一本前に出す。

魔法はその足に吸い込まれてしまった。

ダメージは見受けられない。

「ん?」

続いてシオン師匠が巨大な火球を作り出し放った。

今度は違う足を出す皇帝イカ。

その足がまた魔法を吸いとった。

魔法を吸収するのか?

ちょこ先生が蛇腹剣をふるって足に攻撃する。

すると皇帝イカは違う足を出してそれを防御した。

蛇腹剣を受けた足は傷1つ付いていない。

もしかしたら、あの足各々に対応した属性があるのかもしれないな。

あくあちゃんは目の前に透明な画面を出現させて何かを調べ始める。

そこに皇帝イカの巨大な腕が振り下ろされる。

しかし、腕はあくあちゃんに届く前にメルちゃんによって切り落とされた。

メルちゃんの手には真っ赤な刀身の剣がいつの間にか握られている。

切れた腕の切れ端にシオン師匠がすかさず雷の魔法を打ち込む。

切れ端は雷にうたれ真っ黒に焼け光になって消えた。

「なるほど」

それを見てシオン師匠が頷き、あくあちゃんを見た。

あくあちゃんも頷いている。

「キミは分かってたみたいだね」

あくあちゃんは俺を見ながら言った。

「各足に属性があるんですよね」

「ほぼ正解かな」

俺の言葉にあくあちゃんが答える。

「あの足と腕には全属性に対して耐性を持ってるみたい。

ただ、各々に1つだけ飛び抜けて高い属性と低い属性がある。

そこが狙い目ね」

「あ、全属性に耐性はあるんですね」

「うん、だから普通の攻撃ならどの腕にもダメージは通らないかな」

はは、そこはチート級って事か飛び抜けた威力だから、その属性に対して高い足で防御してるんだな。

「しかし、あれも厄介よね」

メルちゃんは切った腕を指差す。

いつの間にか腕が再生している。

「再生出来ないぐらいバラバラにする?」とシオン師匠。

「それでも駄目かも。

しばらくしたら生えてくると思う」とあくあちゃんが画面を見ながら言った。

「じゃ、試してみましょう、シオン様!」

ちょこ先生は蛇腹剣でもう1度攻撃する。

やはり先程の手で防御してきた。

しかし、今回は蛇腹剣でその防御してきた腕を絡めとる。

それと同時にシオン師匠は雷の魔法を打ち込んだ。

皇帝イカの防御が間に合わず絡めとった足に雷が直撃する。

足は根本まで焼け黒こげになって光となって消滅した。

「下がって」

ちょこ先生に言われた通り、俺達は少し下がる。

ちょこ先生はじっと皇帝イカを観察していた。

しばらくして、皇帝イカの足が再生した。

「約5分ほどかな」

ちょこ先生が言った。

「根本まで消滅させた場合は再生まで約5分。

それはもともとの皇帝イカと変わらないです」

あくあちゃんは画面で確認する。

「スターズフォーになってもそこは変更なしって事ね」

メルちゃんは皇帝イカを見ながら言った。

「だったら全ての手足を5分以内で全部消滅させてから弱点狙いかな」

シオン師匠も両手に魔力を込めながら言う。

「そういう事だね」

画面を消し、あくあちゃんは何もない空間から銃を取り出す。

アイテムボックス?

「シオンちゃん、ごめん。

えっと4番と7番、それと15番を各2発ずつお願いできる?」

そう言ってあくあちゃんは6発の弾をシオン師匠に渡す。

「4番と7番、15番ね。

分かった」

シオン師匠は渡された弾を握り、何かを呟く。

握った手が一瞬光を放つ。

それを6回繰り返し弾をあくあちゃんに返すシオン師匠。

「それってもしかして魔法銃?」

「あ、知ってる?」

嬉しそうに言うあくあちゃん。

確か、近未来都市に売ってた銃だ。

かなり高額だったが、それに見合った優れもの。

弾にどんな魔法でも入れる事が出来て、それを撃つ事で発動する。

俺も欲しかったけど、諦めたんだよな。

なんせ魔法を弾に込めないといけないのと、弾事態は使い捨てで使えば毎回補充しないといけない。

それも弾は通販されてないから近未来都市で買わないといけないし。

かなり使いこなすのは難しい。

「さて、それじゃ、スターズフォーの討伐を始めましょうか」

シオン師匠が両手に違う魔法を生み出す。

『OK』

各々が武器を構える。

俺も鬼切丸をぎゅっと握った。

戦闘再開の合図はシオン師匠。

炎と雷の複合魔法を皇帝イカに打ち出す。

皇帝イカも2本の足を出す。

そして、そこから同じように炎と雷を打ち出した。

防御だけじゃなく魔法も使えるのか!

そこにすかさず、あくあちゃんがシオン師匠の魔法の影から魔法銃を撃つ。

氷の弾丸だ。

弾丸は炎を出した足に当たり、凍りつかせ爆ぜる。

まず1本、いや、2本か。

いつの間にか雷の魔法を打った足の近くにメルちゃんが。

素早い剣捌きで足をバラバラに切り落とす。

ちょこ先生も負けていない。

蛇腹剣での攻撃。

受ける皇帝イカ。

しかし、ちょこ先生はもう1本蛇腹剣を取り出して、違う足を巻き取る。

そして、そのまま強く引っ張った。

巻き取っていた足は細切れになって光に変わる。

ダン!

もう1本の巻き取っていた足をあくあちゃんが、炎の弾で燃やし尽くした。

ガァーーーー

皇帝イカは雄叫びを上げその大きな口を見せる。

「うわぁ、気持ち悪い」

あくあちゃんがそれを見て素直な感想。

俺もそれは思った。

「ぼうっとしてたら危ない」

そんな俺とあくあちゃんをちょこ先生が横から抱え込んで飛ぶ。

そのすぐ瞬間俺達がいたところを巨大なレーザーが通りすぎた。

「助かりました」

俺はちょこ先生にお礼を言う。

たぶんあれは皇帝イカのブレスだ。

「足の数が減ってるからどんどん行くよ!」

シオン師匠の声に俺達は攻撃を開始する。

4つも減れば後は簡単だった。

普通の威力なら全属性対応の足と腕、いくら耐性が低いのがあるといっても普通なら破壊は出来ないだろう。

しかし、こっちはチート集団。

耐性が低くなくても、耐性が高いところがなくなれば全てに攻撃が通っていく。

シオン師匠の雷と炎、ちょこ先生の二刀の蛇腹剣、あくあちゃんの魔法銃。

そして、メルちゃんは無数の蝙蝠になって次の対象の場所に向かっていき、その赤い刀身の剣で舞うように対象を切り刻んで行った。

さすがはバンパイア。

「今!」

最後の足を切り裂いたメルちゃんから合図がある。

俺は皇帝イカに向かって飛ぶ。

それに気づいた皇帝イカは俺の方に口を開く。

が、それは予想通り。

俺は鬼切丸の雷の魔力を使う。

これはもともと俺がストックしている1つ。

雷を纏い俺は一瞬で皇帝イカの額の方に移動した。

見えた!

赤い宝石。

俺はその場所に目掛けて鬼切丸を突き刺すように突進した。

「なに!」

宝石に突進した俺に皇帝イカの額にある緑の模様から複数の触手が生え襲ってくる。

う、気持ち悪ぅ。

ってこれじゃ宝石に届く前に止められる。

「大丈夫だよ」

え?

その声に皇帝イカの額の上を見る。

いつの間にかメルちゃんが立っていた。

メルちゃんが赤い剣を横に構える。

「やぁ!」

気合いと共に旋回斬りを放つメルちゃん。

その刀身は先程のとは比べられないほど長くなって全ての触手を切り裂いた。

切り裂き剣を振り抜いたメルちゃんの背後にある宝石に俺は鬼切丸を突き刺した。

メルちゃんとすれ違う一瞬目が合った。

彼女は笑顔だった。

鬼切丸のシオン師匠が付与してくれた雷の力を全て皇帝イカに打ち込む。

皇帝イカ全体に紫の雷が走り回る。

そして、皇帝イカは光となって消えた。

「やった」

「よくやったね」

「やりました」

「う、最後の触手気持ち悪い」

「ふう、久しぶりに動き回ったぁ」

各々力を抜く。

「さすがに第2形態とかにはならなかったね」

「いや、ラスボスじゃないし」

あくあちゃんの言葉にシオンちゃんが笑って言う。

「後はAZKiちゃんだね」

メルちゃんが言った。

そうだ、俺を助けてくれた後どうなったんだ?

「AZKi様なら大丈夫です」

ちょこ先生が自らの胸にそっと手を当てる。

「信じて待ちましょう」

その言葉に俺達は力強く頷いた。




【海底都市】の戦いも後1戦。
レビィとAZKiちゃんの戦いで終わりになります。
では、次回をお楽しみに
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