後はAZKiが戻ってくるのを待つだけだ。
「おまたせ」
俺達がスターズフォーとの戦いが終わり、はあとちゃん達と合流した時に、AZKiちゃんもワープホールから戻ってきた。
「よかった無事だったんですね」
俺の言葉にAZKiちゃんは笑顔で頷いた。
「レビィはどうなりました?」
「逃げられちゃった、ごめんね」
「いえ、無事に戻って来てもらえただけでよかったです」
謝るAZKiちゃんに俺は手を振りながら言った。
「ま、何にせよ。
みんな無事で良かったよ」
シオン師匠がみんなの顔を見ながら言った。
みんなも一仕事終えた感じで嬉しそうだ。
「それでは、みんなで打ち上げとかしちゃいます?」
ちょこ先生が提案する。
『賛成』
全員一致で打ち上げが決定した。
このメンバーで打ち上げとはかなりドキドキする展開になるのでは?
俺は少しこの後の展開に期待した。
そんな時、ピーピーと俺のアイテムボックスから音がした。
「な、なに?」
少し驚いた感じであくあちゃんがびくっとなる。
「あ、俺のトランシーバーだと思います」
俺はそう言ってアイテムボックスからトランシーバーを出す。
「はい、もしもし」
俺は陽気に返事をした。
「よかった通じた。
えっと今どこ…いる?
もし…れそうならすぐに…っちに来て。
今、大…なんだ。
スタ…ズフォーが暴…てる。
今はアキ…輩、…なたちゃん、…ワ、ス…ルで何と…押さ…てるけ…手が足…ない。
今…ぐ来て…しい。
場…は【天界】…」
そこで通話が切れた。
会話が途切れ途切れでかなり慌てていた。
スバルちゃんだ。
「こ、これって」
「【天界】が危ない」
「行かないと」
ちょこ先生が慌てる。
「ダメだよ、私達はここまでだから」
AZKiちゃんが悔しそうに言いながらちょこ先生を止めた。
「どういう事ですか?」
「制約みたいなもの。
大規模なホロメンの移動は同じホロメンは動けない」
はあとちゃんも悔しそうに言う。
「シオン達にも役割があるから、その役割を放棄して今は動いてる。
だから、あまり他の場所には移動できない」
そうかだから毎回裏世界に行く時に違うホロメンの人が付き合ってくれてるのか。
「分かりました。
俺【天界】に向かいます」
「ごめんなさい」
あくあちゃんが悲しそうに謝る。
「いえ、今回助けてもらったんです。
今は十分に休んでください」
「【天界】の行き方は分かる?」
心配そうに聞いてくるメルちゃん。
「あ、分からないです」
「マップ出して」
そう言って出したマップを見るわためちゃん。
「ここに門があるから」
そう言ってマークを付けてくれる。
「ありがとうございます。
それじゃ、すぐに外に」
みんなは頷き、まずは外へと急いだ。
「あ、GMバイク」
裏世界から出た門の近くにGMバイクが何故か停まっていた。
「キミが必要としているから来たんだよ」
メルちゃんが笑顔で言う。
「それじゃ、みんなをお願いね」
ちょこ先生は真剣な顔でGMバイクに乗った俺に言った。
「分かりました」
俺はそれに答える。
「行ってきます」
俺は7人に見送られがら、わためちゃんが入れてくれたマークを目指してGMバイクを走らせた。
あれか。
GMバイクの世界間移動を使い【ふぉーす】に来た俺は目的の場所付近に来た。
山頂に神殿らしき物が見える。
俺はすぐに神殿近くにGMバイクを降ろした。
神殿の周りには誰もおらず静かだ。
俺は神殿の中に急いで入る。
内装はほぼさっきの【海底都市】への門があった神殿と同じ。
奥に行くと巨大な門があった。
俺はそのまま勢い良く門に手を当て押す。
しかし、扉はびくともしなかった。
「あ!」
そうだ、俺【天界】に行く為の条件をクリアしてないんだ。
くそう、なんだ?
条件って。
俺はトランシーバーを手に取る。
繋がってくれ。
「はい、どうしたの?」
この声はまつり先輩。
「まつり先輩。
俺です」
「ああ、キミか。
元気にしてる?」
「え?
あ、はい。
元気なんですがちょっと聞きたい事があって」
「ん?なになに?
このまつりさんがなんでも教えてあげるよ」
助かった。
「あのう、【天界】に行く方法を教えて欲しいんです」
「【天界】?
裏世界の?
ああ、もうそこまで来たんだね。
分かった。
【天界】に行く方法はそうだなぁ、簡単なのはかなたんと腕相撲で勝つ事かな?」
いや、それ簡単じゃないし。
「分かりました、かなたちゃんですね」
「あ、ちょっと…」
何かまつりちゃんが言おうとしたが、ちょうどそこでトランシーバーのエネルギーが失くなった。
ってトランシーバー電池交換みたいなの必要だったのか?
くそう、今はそれは後だ。
すぐに町に戻ってかなた…かなたちゃん?
まて、かなたちゃんって今裏世界にいるんじゃないのか?
スバルちゃんが言ってた。
戦ってるのはアキちゃん、スバルちゃん、トワ様、そして、かなたちゃんだって。
それじゃ、俺は【天界】には行けないのか。
「くそう」
俺は思い切り門を叩く。
しかし、門は何も反応せずただ静かな神殿の中、門を叩いた音が響くだけ。
スバルちゃん達が助けを呼んでいるのに。
こんな俺でも来てくれって言ってくれてるのに。
必要としてくれてるのに。
「なんでだよ!」
いくら叩いても門は開かない。
分かってる。
分かってるけど、どうしようもないのか。
俺はそのまま地面に崩れる。
「くそう」
地面を叩く。
床は白く冷たく固い。
今までさんざん助けてもらったのに。
「くそう」
叩く。
叩く、叩く、叩く。
いつの間にか白い床は赤くなってきていた。
それでも俺は、こんな痛みなんて!
勢い良く振りかぶり俺は地面を…
「これ以上はダメだよ。
本当に壊れちゃう」
「え?」
地面に当たる前に誰かが俺の拳をそっと受け止めてくれた。
俺はゆっくりと顔をあげる。
そこにはフード付きのマントを着た1人の女性がいた。
「立てる?」
「は、はい」
「こんなところで立ち止まってたら助けられる人も助けられないよ」
そう彼女は微笑みながら言った。
「本当はもっと早めにこれるはずだったんだけど、リアルの用事が延びちゃって、ごめんね。
私があげた物、今は姿が変わってるみたいだけど、大事に持っててくれてありがとう」
そう言って彼女は傷ついている俺の手を持って門の扉に手を当てた。
彼女の手が光る、手の痛みが消えていく。
これは回復魔法?
「話は聞いてるよ、アキロゼちゃんなら大丈夫。
彼女強いから」
ゆっくりと門を押す。
トン
誰かが門の扉に手を当てた。
「遅くなりましたぁ。
心配しなくてもあのPP天使とヘラ様がやられるわけないよ」
トン
「もちろん、スバルちゃ先輩もね」
もう1つ小さな手が扉を押す。
「さ、前に進もう。
ここはまだ終わりの場所じゃないよ!」
4人で扉を押す。
ゆっくりと開いていく扉。
そして、俺達は裏世界【天界】に入った。
頼もしい仲間と共に頑張っている仲間を助ける為に。
裏世界編最後のお話突入です。
あなたに手を貸してくれたホロメン達は誰なのか?
もう、知っている人には簡単ですよね?
【天界】への扉を開けるもう1つの条件は【空】に関係しているホロメンとパーティーを組む。
では、次回をお楽しみに