ハリー・ポッターと氷の魔女   作:かっさん

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17.一難去ってまた一難

「なぜ、授業を受けているはずのあなた方がここにいるのか…ミスター・マルフォイから聞きました。」

 

マクゴナガル教授からの印象は最悪のようだ。メガネ越しにギロリと睨まれ4人はひるむが、ハーマイオニーが一気に喋った。

 

「エルファバがクィレルに殺されかけたんです!私たち目撃しました!」

 

(ハーマイオニー勇気あるわね。)

 

エルファバは他人事のような顔をしてハーマイオニーを見た。今だに殺されかけたという実感がわかないのだ。

 

「クィレル教授ですミス・グレンジャー。教授に敬意を持ちなさい。...ミス・スミスがクィレル教授に殺されかけた?」

 

マクゴナガル教授に眉間のシワを寄せ、突然ハーマイオニーがフランス語を話したかのような顔をした。

 

「僕らがいなければエルファバは殺されてました!」

 

ハリーは自分たちに非が回らないように必死に主張する。

 

「彼はホグワーツの教授です!冗談にならないようなことを言わないでください!」

 

が、逆効果だったようだ。マクゴナガル教授はバンっ!と机を叩き、ハリーとハーマイオニーを黙らせた。ホグワーツで数十年活気溢れる子供達を束ねた手腕は只者ではない。この非常事態に使ってほしくないと哀れなグリフィンドール生は思った。エルファバは痛みと眠気が支配する体の神経を頑張って口に集中させるが、体に溜まった疲労は限界を超えていた。ハリーの反論が入る前に教授は続ける。

 

「口を閉じなさいミスター・ポッター、今話しているのは私です。」

「そんなことどうでもいい!!僕の親友はクィレルに殺されかけたんです!!」

 

ハリーは大声でマクゴナガル教授に叫んだ。ロンもハーマイオニーもエルファバもビックリして一緒に2センチくらい浮き上がった。

 

「グリフィンドール50点減点!!」

 

たじろいだ教授は0.9秒くらいで鬼の表情へと変わった。かなり高い点数を引かれエルファバは息を飲んだが、驚くことにハリーは全く動じなかった。怒りで全てがどうでもよくなったらしい。さらにロンも加勢さた。

 

「クィレルはハグリッドの小屋の前でしゃがみこんでる!!嘘だと思うのなら行ってください!!」

「信じてください教授...!!」

 

ハーマイオニーの頬には涙がキラリと光る。

 

エルファバは多くのことが起きすぎてて消化不良を起こしていた。

 

(ただでさえ体は作動停止しているというのに頭まで停止したらどうなるのかしら?このままフワって倒れたらロンもハーマイオニーも私を支えられないかも。えっ...でも...。)

 

エルファバお得意の"目の前のことがよく分からなくなった時に全く別のことを考える術"だ。

しかし、一つだけ分かることがある。

 

(みんな私のためにマクゴナガル教授と戦ってくれてる。)

 

いまやエルファバからすれば3人は勇者たちだ。自分たちには到底力が及びそうもない大人に果敢に立ち向かう勇敢な獅子だ。グリフィンドールに入った理由はこれだろう。しかも勇者たちはエルファバのために戦っている。エルファバ・ビジョンで3人は金色の光を放っていた。

 

「ミネルバ、ミネルバや!」

 

3人の主張は賢者の声でピタリと止んだ。制止呪文でもかけられたかのような静まりだ。

ダンブルドア校長はいつも見せる全てを受け止めるような余裕は消えていた。三日月型の眼鏡がずれ、息荒くした様子から走ってきたようだ。

 

「校長、一体何を「クィレルはどこじゃ?」...は?」

 

話を中断されたマクゴナガル教授はポカンとする。

 

「ハグリッドの小屋ですっ!!」

 

ハリーはここぞとばかりに必要以上の大声でダンブルドア校長に叫んだ。

 

「ハグリッドの小屋...」

 

そう呟いたあとキビキビとした速さで立ち尽くす5人を放置し、(ボソッとロンが「エルファバより速い...」と空気読めない発言をしたのでハーマイオニーに足を踏まれてた)教室から出て行った。外からはガヤガヤと生徒が授業の終わりを喜ぶ声が聞こえてきた。

 

「ごめんねみんな...」

 

エルファバは親友たちに授業をサボらせてしまった罪悪感でいっぱいだった。もう半年以上この言葉足らずな少女といる3人はこの7文字で全ての察しがついたらしい。

 

「授業なんかよりも君の方が大切だよ!」

「ロンの言うとおりだよ!僕らがいなければ君は死んでたんだ。」

「そっ、そうよ!」

 

ハリーとロンはともかく、ハーマイオニーは授業をサボったことに未練があるらしい。が、エルファバを支える腕はキュッと力が入る。

 

「もう立てるわ。ありがとう。」

 

エルファバは支えを外してゆっくりと自分の足で立つ。その小さな体に介助していたロンとハーマイオニーは不安を覚えていた。

エルファバはあまりにも軽すぎる。身長が低いのもあるが、それを差し引いてもエルファバは平均体重までいってるのだろうか?ハーマイオニーによる"エルファバ改造大作戦"の項目が増えた瞬間である。

 

少ししてからダンブルドア校長は戻ってきた。せかせか小走りで来たダンブルドア校長の後ろからはフワフワと茶色い物体がついてきている。

 

「うわっ。」

 

ハリーが声をあげたのは当然だ。

 

それはクィレルだった。だらりと手足の力は抜け、空中に身を委ねている。顔の大部分は焼けただれており、今どんな表情をしているのかも判別できないほどだ。エルファバはハリーとロンの間に隠れる。

 

「気絶しとるだけじゃ。」

 

いろんなツッコミが入る前にダンブルドア教授は冷静な声で言った。

 

「まあ、この者がしたことを考えれば当然じゃが...ミネルバ、この者を医務室まで運んではくれぬか?」

 

マクゴナガル教授は口を開きかけたが、今はそのタイミングではないと判断したらしい。杖で宙に浮くクィレルにいくつか呪文をかけ、スタスタと教室から出て行った。

 

「ああ、エルファバよ、頭を怪我しとるの。」

 

しわしわの長い指が、エルファバの透けてしまうのではと思うくらいに真っ白な髪に絡まるどす黒い血に触れた。声は優しくエルファバを気遣っているが、一瞬怒りの炎がダンブルドア校長の瞳の中で燃えた。しかしそれに気づいたのはエルファバだけだろう。

 

「本来ならマダム・ポンプリーに見てもらうべきじゃが、今回は...」

 

校長はヒョイと杖を振るとエルファバは頭の一部分に生温い感覚を覚えた。

 

「あとで保健室に行くのじゃ。よいな?」

 

エルファバはずいぶん前に話した時とは比べものにならないくらい真剣に校長に見つめられ、頭の中で質問を認識する前にうなづいていた。

 

「さてと、君たちに話を聞かなくてはならぬ。」

 

4人、と呟いてからダンブルドア校長が8の字を書くように杖を振るとどこからともなく椅子が4脚現れた。4人ともこれが今までの緊張状態から解放する合図だといわんばかりに体重の全てを椅子に任せて座り込んだ。

 

「誰でも構わぬ。状況を説明してくれるかの?」

 

ダンブルドア校長は机の上に座り、静かに4人を見渡す。目配せし合い、話始めたのはハリーだった。

賢者の石のこと、ニコラス・フラメルのこと、スネイプを疑ったこと(ハリーの口調はまだ疑っていることがうかがえた)、ドラゴンのことを伏せながらハグリッドが秘密を喋ったことを知ったことに繋げてエルファバがクィレルに殺されかけたことを話した。

黙って聞いていた校長だったがハリーが話を終えたあと、エルファバに向き合い尋ねた。

 

「エルファバ、君はセブルスにもらった麻痺薬を使ったかね?」

「スネイプにもらったくす...!?」

 

ロンが何か言う前にハーマイオニーが口を塞いで黙らせる。エルファバはうなづいた。

 

「どこにかけたかの?」

 

エルファバは記憶をたどった。あまりにも必死になっていてどこにかけたかなんてほとんど考えてなかったからだ。

 

「...うなじ...。」

「うなじ。」

 

ダンブルドア校長はエルファバの言ったことを繰り返す。

 

「おそらく後頭部にもかかったじゃろうな。」

 

エルファバは首をかしげ、多分と答えた。ダンブルドア校長はしばらく黙り込んだ。ロンは沈黙が苦手なのかソワソワし、ハリーとハーマイオニーはジッと校長の言葉を待つ。

どのくらい時間が経ったか分からないが、長い髭を撫でながら静かにしかしハッキリした声で話を始めた。

 

「クィレルは賢い魔法使いではあったが過去にしがみつき、全てを憎んでおった。言ってしまえばコンプレックスの塊だったのじゃよ。」

 

4人は突然始まったダンブルドア校長の話に耳を傾ける。

 

「クィレルはマグル学の教授として数年この学校で教鞭をとり、優秀な生徒を次々と輩出残しておった。その甲斐あって少しづつ本人は本来あった自信を取り戻していった...愚かな方向に。」

 

校長はため息をつき、一呼吸おいてから続ける。

 

「クィレルは深い闇の魔術についての知識があったのじゃ。自信がついた時、彼は考えたのじゃよ。自分は今は衰弱しており世界で最も凶悪な魔法使いの主導権を握ることができるのではないかと。」

 

世界で最も凶悪な魔法使い。エルファバは頭の中で復唱する。

 

「それはヴォル...例のあの人ですか?」

「ハリーよ、しっかり名前で呼ぶのじゃ。ヴォルデモートじゃよ。」

 

ハーマイオニーとロンはビクリと体を震わせた。ハリーとエルファバはその2人を怪訝そうに見つめる。

 

「名前を恐れることはその者に対する恐怖を増大させる。」

 

ダンブルドア校長は1人1人をしっかり見つめた。

 

「さて、なにを話してたかな?おおそうじゃ。クィレルは修行と称してヴォルデモートを探しに行った。どこにいたのかは察しがついていたのじゃろう。ここからは推測じゃが、クィレルはあやつを見つけた時上手く丸め込まれたのではないかと思う。彼は霊魂のようなヴォルデモートに体を共有させることを許した。」

 

さっきから名前が出るたびにロンは数センチ椅子から浮いているが校長は構わず続ける。

 

「そうしてクィレルは主人を引き連れてホグワーツに舞い戻ってきた。君らの想像通り、賢者の石を狙ってじゃ。察しておると思うがただ単に若返りたいという訳ではなく、賢者の石を使ってヴォルデモートは復活しようとしておったのじゃ。しかし、おそらく奴はもうクィレルの体の中にいない。」

「クィレルが酷い火傷をしたからですか?」

 

ハーマイオニーの問いに答える代わりにダンブルドア校長はエルファバに向かって微笑んだ。

 

「君がヴォルデモートをクィレルから追い出したのじゃよ。」

「私がMr.Vを?」

 

ダンブルドア校長はあえてエルファバの名前の呼び方には触れなかった。が、クスクスと笑いだした。ハーマイオニーは頭を抱え、ロンとハリーは口角をヒクヒクさせる。邪悪な魔法使いをコメディアンの芸名のように言ってしまうのはいかがなものだろうか。ピリピリした空気が一気に緩んだ。

一通りみんなが反応したところで、教授は話し出す。

 

「そうじゃ。わしの推測が正しければヴォルデモートはクィレルの後頭部に潜んでいたと思われる。人や動物に取り憑かなければ生きていけないほどにあやつは衰弱しておるはずじゃ。エルファバよ、君の記憶はいつも正確だと教授たちが話しておるから今回のも正しいじゃろう。そこからすればどうなったかは分かるじゃろう?」

 

まるで授業で質問を聞くような感覚で校長はエルファバに答えを促す。

 

「私の持っている薬がMr.Vにかかった?」

「その通りじゃよ。あの者には刺激が強すぎたじゃろう。」

 

エルファバは薬をかけたあとに聞いたゾッとする絶叫を思い出した。

 

(あれはクィレルのじゃなくてMr.Vのものだったんだわ。変な声だと思った。クィレルもクィレルでご主人様って言ってたし。)

 

ふとエルファバは自分の白い髪の毛の中から覗くスネイプを想像した。

 

(気持ち悪い。)

 

頭から必死にその想像を追い出した。全くもって嫌な想像だった。

 

「おそらくもう少し長くクィレルの中にヴォルデモートがいたらクィレルの命はなかったじゃろう。彼は君に救われたのじゃ。」

 

(あんまり嬉しくないわ。あの人私を殺そうとしたし。)

 

「ヴォルデモートに危害を加えたからエルファバはクィレルに殺されかけたんだ...。」

「そうじゃ。君たちがいなければわしらは大事な生徒を失うことになっていたかもしれん。」

 

ハリーのつぶやきに校長は答える。

 

再び沈黙が訪れた。みんなそれぞれ考えを巡らせているみたいだった。

 

(良かった。みんなどうして私がクィレルに狙われたのかを考えなくて。それを聞かれれば私の"力"について言わなくちゃいけなくなるから。ダンブルドア校長にも感謝しなきゃ。)

 

「ダンブルドア校長。」

 

咳払いと共に鋭い声が教室に響き渡った。

 

「ああ、ミネルバや。」

 

マクゴナガル教授は威厳ある顔を崩さぬつかつかと教室に入ってきた。

 

「クィリナスを医務室へ連れて行きました。おそらく火傷は顔に残ると思われるとマダム・ポンプリーが。」

「ああ、ご苦労じゃった。おそらく取り憑く体もないじゃろうから危険は去ったじゃろう。4人とも寮に戻りなさい。教授陣にはわしから説明しよう…エルファバよ、医務室に行くのを忘れずにな。」

 

ダンブルドア校長の明るいブルーの瞳がキラリと光った。もう治ったから行く必要はないと思ったエルファバの考えは見透かされてたようだ。

 

「お、そうじゃそうじゃ。グリフィンドールに75点与えよう。」

 

去り際の校長の言葉は4人の疲れ切った体に癒しを与えた。

 

 

-----

 

 

 

「でもさ、結果15点しかもらってないんだよな僕ら。」

 

エルファバを医務室に連れて行った帰りにロンはボソッとつぶやいた。校長の応急措置のおかげで特に問題はなく、すぐに解放された。

 

「ロン、私たち授業サボったのよ?」

「僕らは命を救ったんだ!」

 

ハーマイオニーとロンが口論を始めそうになったのでハリーが仲裁に入った。

 

「僕らはエルファバを助けたけど、あの時授業に時間通り行ってればこんなことにはならなかったんだし、あの点数は校長はそれを見越してたんじゃないかな。」

「私たちハリーを追いかけたのよ。」

「えっ、あ、まあ、うっ、ごめん...」

 

急に縮こまったハリーにロンとハーマイオニーは笑った。エルファバもいつも通り表情には出ていないものの、この状況を楽しんでいた。

 

(4人でこうやってしてるのすっごい幸せ。)

 

エルファバはそう心の中で思った。

 

「おーい!」

 

正面からシェーマス、ディーン、ネビルが走ってきた。

 

「やあ、みんな。」

 

若干気まずかった。さっきの授業で4人は理由はどうであれ、サボっていたのだから。これからなぜ休んでたのかをしつこく聞かれるに違いないが、後頭部に悪い魔法使いを住まわせていた教授にドラゴンをけしかけたなんて言えない、言えるわけがない。約1名それをイマイチ理解していない背の低い女子生徒がいるが。

 

「ほらシェーマス、聞いてみろよ。」

 

シェーマスをディーンが小突く。ハリーたちは必死に疲労がたまっている頭の中を回す。マクゴナガル教授にずっと怒られてたとか、エルファバが身長を伸ばしたいと駄々をこねて医務室にこもってたとか(本人には口が裂けても言えない)、トロールがまた侵入してきたので退治を頼まれたとか、今日の夕食になにかな、とかだ。シェーマスは少し怒っているような、泣きそうな声で言った。

 

「エルファバどうして無視したの?」

「僕らはねシェーマス...え?」

 

全ての視線がエルファバに注がれる。

 

「....?」

「シェーマスはさっき階段でエルファバに会った時、挨拶したんだ。なのにエルファバが無視したって怒ってる。」

 

4人は顔を見合わせた。さっきといったら医務室にいたはずだ。

 

「人違いじゃないの?」

 

4人だれもが思ったことをロンは言った。

 

「この学校に髪の白い子なんてエルファバぐらいだろ?」

 

正論で返された。

 

「僕もちょっと前にエルファバに会ったんだ。」

 

口を開いたのはネビルだった。

 

「呪文学の宿題聞きたくて君に聞いたんだよ。でも君は黙れって言ってどっか行っちゃった。すっごく怖かったんだよ...」

「待ってネビル。エルファバがそんなこと言うわけないわ。それにシェーマスもエルファバが無視なんてするわけないでしょ?話しかけられたくなかったらエルファバは逃げるし、逃げられるのもエルファバが知らない男の子だけよ。」

 

整ってきたエルファバの頭がまた混乱に陥り始めていた。ハーマイオニーの言う通り、エルファバは基本的に人を無視することはない。前に考え事をしていた時に話しかけてきたセドリックを無視してしまった際には大量にお菓子をあげたくらいだ(当然セドリックは受け取らなかった。)得体の知れない男子たちに話しかけられたら逃げはするが、それもどこからか仕入れてきた自分の名前をいきなり呼ぶものに限る。人との繋がりを第一に考えるエルファバが無視を、ましてや黙れなんて言うわけがない。

 

被害者たちもそこは納得しているらしい。

 

「まあそうだけど...。」

「身に覚えはないんだけどごめんね。」

 

シュンとしたエルファバはハーマイオニーの袖をキュッと掴んだ。シェーマスはそれを見て顔を赤らめる。男の子たちはそれを見てニヤニヤした。

 

「けど、じゃあ誰なの?」

 

ネビルはオドオドしながらみんなに聞いた。

 

「あれはエルファバだったよ。僕結構近くで聞いたけど、本当にそっくりだった。僕より身長高かったけど...」

 

エルファバの身長はネビルの顎くらいだ。4人は鳥肌が立った。1人知っているのだ。そういう人物を。

 

「ドッペルゲンガーかな?」

「それはないわ。ホグワーツにはいろんな保護呪文がかかっていて、ドッペルゲンガーもその対象の一つよ。ほら、あれは本人に会うと死んでしまうし「やめろよ、ハーマイオニー!」」

 

完全にハーマイオニーのターンになりそうだったのでロンが制止する。

 

「ニセエルファバはどこに行ったの?」

 

ハリーはネビルに聞いた。それは先ほどマクゴナガル教授を説得した時の声と一緒だ。

 

「うーん、分からないけど、あの方向だと4階じゃないかなあ?」

 

素っ頓狂なネビルの回答を4人は最後まで聞いていなかった。4人は走り出したのだ。

 

誰かが賢者の石を狙ってる。知っている人物だとすればただ1人、エルファバにそっくりな人物を4人は知っていた。

 

グリンダ・オルレアン。エルファバの母親だ。

 

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