術式が『百式観音』ってマ? 作:隣の家に晩飯凸する止まらないゴルシ
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ゆっくりと、ゆっくりと。
確実に、足を進めるようにして、10月31日はやって来た。
東京メトロ明治神宮前駅B5F副都心線ホーム。
名入も何度か利用したことがあり、割と思い入れがあったりする駅である。
そこに邪悪は立っていた。
「君たちはさ、魂が肉体より先だと思う?それとも肉体が魂より先だと思う?」
彼
「21時15分だ。21時15分までに此処を離れるぞ」
「解ってる博衛さん。さっさと終わらせて帳を破りに行こう」
特級呪霊―――真人は違和感を覚えた。なぜこいつらはさも五条の封印が目的だと理解しているように会話している?
だが、それよりも今後ろにいる改造人間を乗せた電車を発車させるのが先決だと真人は考えた。
ぷしゅん、と空気の抜けるような音と共に電車が動き出す。
博衛と名入はそれを感知し、すぐさま走り出した。
金色の観音が名入の背後に現れ、10回の手刀を繰り出す。それは刹那などと云う言葉では表せぬ速さで今にも走らんとする電車に落ちた。
勿論、その様な手刀を10回喰らって無事な電車が有るはずもなく、電車とその中に居る改造人間はその全員が爆死した。
無論、これが目的である。
―――俺とあなたで改造人間を間引きして、五条先生の負担を減らしませんか?
そう持ち掛けられたのは何時だったか。博衛はそんな考えを振り払い、真上に向かって、竜を放つ。
その竜は地上までの全ての障害を削り取り、空へと放たれていった。
「名入!」
「はいっ―――!」と名入は強く意気込み、博衛の手を取る。
そして博衛と藤井はもう一度現れた竜に飛び乗り、闇夜へとあっという間に消えた。
粟坂二良は夜の東京を見下ろしていた。
あの頃の東京の夜もこんなものだったのだろうか。それを詳しく憶えてはいない。それに、彼にとってはどうでもいい事だった。
あの夏油傑とかいう頭に縫い目のある呪詛師から、金を貰えさえすれば、それでいい。
一番は、このまま平穏に終わることだった。
鳴き声がする。何かの鳴き声。
聞き覚えがある。だが、何の鳴き声かは判らない。
そして、彼―――粟坂は何と無く上を―――真っ黒な空を見上げた。
何かがいる。
点だ。
一瞬仲間の呪詛師かとも思ったが、違う。
そもそも速すぎる。仲間ならわざわざあんなに速度を出してこちらに来る必要は無い筈だ。
となると、
敵―――呪術師か―――!
気づいた時にはもう遅かった。
そのころには闇夜に浮かぶ点―――竜は、無数の小龍になり、高層ビルを破壊せんと彼らに近づいていた。
小説本編完結後について。第八話後書きの選択肢からお選び下さい。
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