術式が『百式観音』ってマ?   作:隣の家に晩飯凸する止まらないゴルシ

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第13話

いる。

 

そこに、奴がいる。

全ての元凶であろう呪詛師がいる。

今ここで殺せば終わる。全て終わる。

俺だけが何も背負っていない。だから、殺せる。今ここで、終わらせる。

 

 

百式観音

 

 

―――想定外の事態が起こった。全くの予想外だ、こんなのは。

一体この呪術師は何者なのか。その思考で羂索の脳は埋め尽くされていた。だがどんなイレギュラーが出たとしてもやることは変わらない。ただ障害をなぎ倒し、人類を進化させる。ただ、ただそれだけだ。

そのためにはまず、このイレギュラーを殺す。

 

「君ー、失礼だね。人にいきなり石を投げつけて何とも思わないの?」

 

「馬鹿言え。テメェを人と呼ぶつもりはねぇよ」

 

そう言い名入は走る。その後ろには金色の観音がおり、数多の手の内一つを今にも振り下ろさんとしていた。

羂索は考える。あの金色の観音、十中八九この術師の式神か術式だろう。どちらにせよまずは最大の脅威たる五条悟を持ち去って―――

そこで思考が止まる。

 

―――何故五条悟が封印出来ていない!?

 

獄門疆。

生きた結界―――源信の成れの果てであるその立方体に封印できないものは無い。

 

『対象を()()()()()()()()一分間獄門疆の半径4メートルの範囲内に留まらせること』

この条件の達成によって対象は獄門疆の開門者が獄門疆を開けない限り永遠に獄門疆に囚われる。

 

先程偽夏油改め羂索に対して名入が瓦礫を投げた際、こっそりと地面に設置されている獄門疆に向かっても瓦礫を投げた。

名入は虎杖とのタイマンで、虎杖の異常な体質が生む超スピードついていけるほどには体を鍛えている。そんな人間の投石の威力は相当なものである。

名入の投石に当たった獄門疆は相当な速度を出して五条悟の遥か後方へと吹っ飛んでいった。つまり五条の脳内時間が一分を超える時、獄門疆の半径4メートル以内に五条悟はいなかった。

 

「何故―――」

 

刹那、空間が爆ぜた。

 

以前説明したように、百式観音には『構成』と『動力』、この二つに呪力を振り分けることで初めて強力な式神として機能する。

だが厳密にいうならば、この『構成』にかかる呪力には特筆すべき点がある。

それが呪力の『密度』である。呪力の密度を上げれば百式観音は頑丈にもなるし、密度を下げれば『構成』に消費する呪力は抑えれるが脆弱になる。

この『密度』をグラフのように数値化すると、面白いことが分かる。

呪力の密度が上がり、百式観音の体として構成されるにはある一定の線が引かれており、その線を越えないことには呪力は未だ質量をもつ実体とならない。

まるで溶解度曲線のようなこの線を見つけた時、名入は考えた。

 

 

―――じゃあ、百式観音で黒閃キメれるんじゃね?

 

 

羂索がその台詞を言い終えることなく下半身が赤い霧になった理由、それが、それこそが百式観音の黒閃である。

 

羂索は未だ状況を吞み込めていなかった。下半身が消し飛んだ反動で羂索は少し後ろに吹っ飛ぶ。

 

 

―――下半身が無い?

 

 

少しの間脳が考えることを放棄し、それでようやく事態を把握できた。

 

 

―――もう、助からない。

 

 

あの観音を操る術師がいるし、何より五条悟もいる。反転術式で己を治す暇などない。

切り札としてとっておいた呪霊1000万体。

 

死期を悟った羂索は、己の出せる手札をすべて出してから、藤井名入に呪殺された。

 

 




因みに、原作ではまだ夏油本人の魂が残ってる的な演出がありましたが…

この時五条はまだそれを知らない…!
そして名入も渋谷事変後半は把握しきっていない…!
だからノーカウント…!
ノーカウントなんだ…っ!
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