術式が『百式観音』ってマ?   作:隣の家に晩飯凸する止まらないゴルシ

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今回、少し遅くなりましたがお気に入り数1000を祝して、初の番外編を投稿させていただきます。


【番外編】相談

「伊地知さん」

 

「はい?」

 

「すいません、いつもの所にお願いできますか?」

 

「ああ―――わかりました、帰りは一人でいいですか?」

 

「はい、ありがとうございます」

 

いつもの場所、というのはある相談相手と何時もあっているカフェで、チェーン店などではない、個人経営のコーヒーが旨い店のことである。

 

「お待たせしました―――博衛さん」

 

「いや、大丈夫さ。私も今来たところだからね」と、博衛と呼ばれたパッと見20代の男が言う。

 

「それで、相談事は?まさかとは思うがまだ―――」

 

「はい、まだ…ここが現実だと理解できないんです」と、名入。コーヒーをすすりながら博衛は彼の話を聞く。

 

「困ったね…私が()()に来た時も似たような状況ではあったが、君ほどではなかった」

 

「解決方法は―――多大なストレス、ですか」

 

「そうだ。多大なストレスを己にかけることで、ようやくこれは現実だと、脳が理解する。だが、どうにも君はそれができない。だから、以前の相談の時に言っていたよう、信念がないのだろう」

 

「まだ、頭が分かってないんです。心じゃ―――意識じゃわかってる。でも、まだ…頭が…」

 

「…何度も言うが、君はもう傍観者では無い。既に『呪術廻戦』という物語の中にいる登場人物―――もしかしたら、主人公かもしれない、キャラクターだよ」

 

「だからこそ、理解できないんです。俺は、何を見ているのか、が」

 

「答えは簡単。真実さ」

 

「我々という存在がこの世界にいる時点で、既にこの世界はイレギュラーだ、恐らく五条悟に次ぐ最高戦力であろう君に倒れられると困る。君は―――()()()()両親が死んでも、何も思わなかったのかい?」

 

「…はい」

 

「もしかしたら君は主人公かもしれない。もしかしたら()()()()()()()()()()()()()()()。重ね重ね言うが、君は既に傍観者という存在から脱却している。きたる10月31日、その時までに何とかするんだ。…さもなくば、私でも助けられない」

 

 

「そのことについて―――渋谷事変について、相談があります」

 

「ほう」

 

「俺とあなたで――――――――――――――――して、――――の負担を―――――――」

 

「…なるほど、だが……それは、いや、それで行こう。となると、―――は…殺すのかい?」

 

「はい」

 

「であれば…覚悟しなければならないだろう、それ相応の―――君にとっての犠牲が生まれるかもしれない」

 

「それでも、未来に生まれる悲劇を…減らせれるなら」

 

 

 

 

藤井博衛との相談は終わり、夕焼けを背に、名入は歩いていた。

 

 

何が己にとってストレスになるのか

 

自分はまだこの世界の住人として、己を認識できないのか。

 

 

 

わからない。

 

 

 

 

俺は、この世界で、何をしたいんだ?

 

 

 

 

 

わからない。

 

 

自問自答を繰り返す名入の背には、真っ赤に染まった夕日があった。

 

 

 

小説本編完結後について。第八話後書きの選択肢からお選び下さい。

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