術式が『百式観音』ってマ? 作:隣の家に晩飯凸する止まらないゴルシ
「伊地知さん」
「はい?」
「すいません、いつもの所にお願いできますか?」
「ああ―――わかりました、帰りは一人でいいですか?」
「はい、ありがとうございます」
いつもの場所、というのはある相談相手と何時もあっているカフェで、チェーン店などではない、個人経営のコーヒーが旨い店のことである。
「お待たせしました―――博衛さん」
「いや、大丈夫さ。私も今来たところだからね」と、博衛と呼ばれたパッと見20代の男が言う。
「それで、相談事は?まさかとは思うがまだ―――」
「はい、まだ…ここが現実だと理解できないんです」と、名入。コーヒーをすすりながら博衛は彼の話を聞く。
「困ったね…私が
「解決方法は―――多大なストレス、ですか」
「そうだ。多大なストレスを己にかけることで、ようやくこれは現実だと、脳が理解する。だが、どうにも君はそれができない。だから、以前の相談の時に言っていたよう、信念がないのだろう」
「まだ、頭が分かってないんです。心じゃ―――意識じゃわかってる。でも、まだ…頭が…」
「…何度も言うが、君はもう傍観者では無い。既に『呪術廻戦』という物語の中にいる登場人物―――もしかしたら、主人公かもしれない、キャラクターだよ」
「だからこそ、理解できないんです。俺は、何を見ているのか、が」
「答えは簡単。真実さ」
「我々という存在がこの世界にいる時点で、既にこの世界はイレギュラーだ、恐らく五条悟に次ぐ最高戦力であろう君に倒れられると困る。君は―――
「…はい」
「もしかしたら君は主人公かもしれない。もしかしたら
「そのことについて―――渋谷事変について、相談があります」
「ほう」
「俺とあなたで――――――――――――――――して、――――の負担を―――――――」
「…なるほど、だが……それは、いや、それで行こう。となると、―――は…殺すのかい?」
「はい」
「であれば…覚悟しなければならないだろう、それ相応の―――君にとっての犠牲が生まれるかもしれない」
「それでも、未来に生まれる悲劇を…減らせれるなら」
藤井博衛との相談は終わり、夕焼けを背に、名入は歩いていた。
何が己にとってストレスになるのか
自分はまだこの世界の住人として、己を認識できないのか。
わからない。
俺は、この世界で、何をしたいんだ?
わからない。
自問自答を繰り返す名入の背には、真っ赤に染まった夕日があった。
小説本編完結後について。第八話後書きの選択肢からお選び下さい。
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