「ふぃー·······暑いねぇ~············」
パタパタと拾ったでかい葉で扇ぐ。
そよいでくる風は多少は涼しいがどうにもまだ暑い。
どうにかならんのかね。
いっそのこと氷河期にでもなれとバカらしいことを考える。
「············あんた······何者だい·········?」
「ありゃ、生きとったかい」
壊れたその建物の下に潰された女の子が呻いている。
殺しそびれてたか。いや、失敗失敗。
「んー、何者って言われてもねぇ。妖怪牛鬼の和霊鬼淵さ」
「牛鬼って········あの伝説の······!?あれは存在しないはずじゃ···········!」
「まぁ、いいさ。取り敢えず死んでくれ」
心臓の辺りを目掛けて建物の上から思い切り踏む。
その足は紙のように木を粉砕し、女の子の体を踏みつける。
ぐぁっと一声上げ、その女の子は動かなくなる。
足を上げると、血で真っ赤に濡れていた。
「妖怪の血は美味くないんだよねぇ。しかも水没霊だから薄いだろうし」
落ちていた布で足を拭く。
あぁ、つまらないな。
退屈に疲れて、ため息をつく。
すると、ガラッと門があった場所の辺りから音がし、ん?とそっちを向く。
「村紗········?一輪·····?星·····?ナズーリン············?」
そこには一人の女性がいた。
「あぁ、あんたかい。聖白蓮ってのは」
「こんなの··········嘘··········こんなのって··········」
ありゃ、聞いてないねこりゃ。
しかも、ショックが大きすぎてどんどん青ざめていってる。
これ戦えるのかねぇ?
再び退屈に殺されそうになっていると、白蓮が問う。
「あなたがやったのね?」
「そうさ、私が殺ったよ全員」
「そう···········本来なら殺生はいけないのだけど、
私はこの怒りを押さえられそうにないわ。······あなたを殺させてもらう」
「やってみろよ坊さん」
怒りから光と闇の混ざりあった気を放つ白蓮を軽く挑発する。
瞬間、
ヒュッ
白蓮の姿は消えた。
「おっ」
喜びに笑みを浮かべそうになる。
が、その笑みを浮かべる前に私の顔に衝撃が走る。
白蓮に蹴られたのだ。
凄惨な音を立てて、血を撒き散らしながら私は飛ばされる。
ふむ、中々強いな。殺りがいのありそうだ。
再生していく顔で、今度こそ笑みを浮かべる。
そして角度を変えれば、石垣に着地に見えるような形で飛ばされた状態から静止する。
直ぐにトッと地面に降り立つ。
すぐそこ、10mと少し先に彼女はいる。
私はまともに戦う相手ができた喜びにうち震え、そして笑う。
「さぁ、戦おうじゃないか」
狂気の宿った瞳に白蓮の姿を写しながら。
狂気はある種のステータスだ。
荒すぎぃ!
別目線。