妖怪の王と夜の王。
死闘の幕を引いたのは夜の王吸血鬼、フランドール·スカーレットだった。
吸血鬼のポテンシャルを最大限に活かした接近と斬撃。
それは高いスピードを有しない空亡にはあまりにも避けづらかった。
結果、私にはその斬撃を受けるという選択肢しか用意されていなく、
私は彼女のレーヴァテインを我が闇の剣にて受けた。
重い!
私は私はやせ我慢し、心の中だけで叫ぶ。
その斬撃は受け止めるだけでも辛いもので、迫ってくるのを私は全力を持って抑えている。
「チッ··········反応が速いな···········」
精一杯だよこのクソガキが。
こいつを見ていると沁沁感じられる。
やはり吸血鬼は別格の化物なのだ。
奴等は夜の王に相応しい速さと力とカリスマを所持している。
本当、王ってのはなんでこんなに理不尽なのか。
自分も王であることを棚にあげ、王の理不尽さを批難する。
だが、理不尽だからといって、その力を抑えられない訳じゃない。
そのスピードを微塵も捉えられない訳じゃない。
ある程度どうにかなる。
なら、どうにかなる。
胸の奥に最凶クラスの妖怪には似合わない言葉である『希望』を抱く。
だが、希望や畏怖などより私の心の中を支配する感情があった。
喜びだ。私は心底喜んでいた。
なぜか?
本気で戦えるからだ。
私の相手になるような奴等が滅多にいるわけもなく、
かといって味方をぶちのめす訳にもいかず、
私はいつだって本気で戦うことができなかった。
だが、こいつは違う。
いくらぶちのめしても殺しても生き返る。簡単には死なない。
弱いわけでもない。私に近い、もしくは対等な力を持っている。
なら、それくらいの力を持っているなら私は本気で戦える。
私が心の底から幸福を感じていると、フランドールの口角が上がった。
つまりは、
「あんた···········笑ってるよ··········」
笑っているのだ。
そして私が告げると、フランドールが言う。
「あんたも··········笑ってるよ········?」
そこで私は初めて自分が笑っていることに気づいた。
本当だ。
黒い剣の闇に写し出される私の顔を見て驚く。
そうか。今の私は表情がコントロール出来ないくらい嬉しいんだな。
私はその事実にまた、喜ぶ。
あぁ、いい気分だ。
私はそのまま気分と勢いに任せ、フランドールの剣を無理矢理押しきる。
「あっ」
間の抜けた声を出し、彼女は体勢を崩す。
そこを狙い、私は剣で突く。
紅い鮮血が私の服や顔にに飛び散る。
しかし、
外したか!
当たったのは腕の側面。しかも皮一枚だけでダメージなどない。
そして、突きというものは隙を生じやすいもので、そこを狙ったフランドールのレーヴァテインが迫る。
咄嗟の判断で体を翻し、避ける。
だが、
「レーヴァテイン!」
彼女の叫びと共にレーヴァテインの刃を取り巻く焔が敵意を持って私に襲いかかる。
無理矢理翻し、動きようがない状態の私にはそれを避けることはできず、
私の左腕が焔に焼かれる。
「ぐぁっ·············!」
距離を取り、痛みに耐えかねた私は闇で腕を被い、鎮火する。
なんとか片腕が使用不可能になることは防いだが、これでは左腕にマトモに力を入れることが出来ない。
不味いね。
私は少なからず焦りを感じる。
「これで··········左腕は全力を出せない········ね」
「それがなんだ。まだ左腕が不味くなっちまっただけじゃないか。無駄口叩いてないで早く来なよ」
不敵な笑みを浮かべるフランに私は見栄を張り、やせ我慢も良いところな台詞を言う。
何がまだ左腕が不味くなっちまっただけだ。
左腕が不味くなっちまったらいけないってのによ。
最早一瞬の隙も許されまい。
剣を構える。
もう、王なんていう飾りものなんて捨てて醜くても勝ってやる。
ルーミア·トワイライトは妖怪として、
目の前にいるフランドールに勝つことに全身全霊を持って取りかかることに決めた。
醜くくとも
低クオリティ。
リレー企画始めました。
詳細は作者ページの活動報告(確かこんな名前)にありますので、
気になった方はご覧ください。
小説を書くのが初めての方でも大歓迎で御座います。