霧雨魔理沙は救われない   作:parui

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信仰は儚き人間のために


信仰は死した現人神のために

「あぢぃー··············死にそうだぁー·······」

 

照りつける日の光なら逃げるように、諏訪子は縁側へ腰を下ろす。

扇ぐように手をパタパタと動かしているが効果は見られず、溢れ出る汗をもう片方の腕で汗を拭う。

 

「神奈子ー?」

 

諏訪子はもう一人守矢神社の神である八坂神奈子の名を呼ぶ。

しかし、その呼び掛けに対する返事は返ってこない。

 

「はぁ··········まぁーだ悲しんでのかい」

 

そこにいないわけではない。

神奈子は部屋の中のいて、諏訪子からも背中が見える。

ただ本人が返事をしていないだけだ。

 

「············五月蝿い····」

 

ようやく返ってきた返事に対し、諏訪子は呆れを隠さずやれやれと肩を竦める。

 

「早苗のことは仕方がないよ。

遅かれ早かれあの子は私達より遥かに早く死ぬ筈だったんだ。

それがたまたま早かっただけのことさ」

「早すぎだよ········。あの子はまだ成人の年齢にすら達していなかったんだ········」

 

あっけらかんと言う諏訪子に神奈子は項垂れたまま言う。

 

「そうだねー。だけどもう死んじゃったんだよ早苗は。帰ってこないんだ」

「知ってるよ·········知ってる·········そんなこと····だからこそさ·······」

 

ずっとこの調子だよ。

諏訪子は小声でもーやだやだと呟きながら部屋に上がり、畳の上に寝転がる。

諏訪子の普段通りでいるが、悲しくないわけではない。

早苗が死んだのはとても悲しいし嘆きもした。だが諏訪子はそれを直ぐに受け入れたのだ。

『此も又自然の摂理也』ってね。

 

「············神奈子、復讐なんていう馬鹿らしい事はしないでおくれよ?」

「································」

 

諏訪子の問いとも願いとも取れる言葉に対し、神奈子は沈黙したままだ。

肯定って訳じゃなさそうだね。

面倒なことになりそうだと、諏訪子は溜め息を一つつく。

 

「あぁ··············嫌な暑さだ···············」

______________________________________________________________________

 

「あっついねぇ」

「そうだな。クソ暑い」

 

森の中の木陰に座り込む姿が2つ。

片方は魔理沙を屠った封印妖、牛鬼である和霊鬼淵である。

もう片方は露出が多いと。と言えば聞こえはいいが、ただ単に異常にボロボロな服を着た女性だ。

双方、顔や体に傷やアザがある。

 

「いやぁ~土隠よ。やっぱり戦いは楽しいなぁ」

「うるせぇ。楽しいのは肯定するがお前みたいな戦闘狂と同じにすんな!」

「ハッハッハ!悪い悪い!そんなつもりじゃあないんだ!」

「否定はしねぇんだな··············にしてもお前も変わんねぇなぁ··········」

「変わらんのは良いことだ!」

「お前はマジで脳筋だな」

「それはそれでいいじゃないか。楽しそうだ」

「ホント呆れる···········」

 

土隠と呼ばれた女性は、呆れた顔で立ち上がる。

そして、鬼淵に向かって続ける。

 

「さぁ、続きをしようぜ」

「····················お前さんも大概だねぇ·······」

「なんか言ったか?」

「いや、何でもないよ。続きをしよう」

 

二人はぶつかり合う。

肉が裂け、骨が見えても。穴が開こうが頭が吹き飛ぼうが。

 

魔理沙達は知らない。

 

――――――封印妖達があまりにも化け物であることを。




夏の暑いに熱せられ






直ぐに仕上げたので粗いのはいつも通り。
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