異界の戦士は故郷の帰還を夢見て空を舞う 作:フラッシュファントム
・一夏の年齢が異なる【原作は15歳、この作品は25歳】
・この作品ではIS学園に入学するまでの記憶を全て失っている
・クラス代表戦の無人機襲来→三機のキラーマシンが襲来
・シャルロットの会社が魔物の襲撃により崩壊、魔族側について性別を偽ることなくIS学園に編入
・VTSと進化の秘法による負荷でラウラが死亡
・福音と紅椿が魔界の勢力によって強奪される
・これらの事件の発生により一年生の過半数が他の学校へ編入学をする
今回は短い内容になっています。
修行で訪れていた山を降り、住宅街に着いた一夏は学園の寮に戻る前に
「お前……一夏じゃないか、今まで何処に行ってたんだ!?」
「もしかして……一夏さん」
「悪いが俺はアンタ達が知っている織斑一夏じゃない。それに俺は記憶喪失でお前らの事は全く知らないが……取り敢えず昔の俺のことを知ってそうだから話をしてくれないか。ここじゃ目立つと思うから人気のない所に移動したいが構わないか。俺は特に用事は無いし、時間もあるからアンタの家でその話をしたいがどうかな」
一夏に話しかけた男性は五反田弾で連れている少女は弾の妹である五反田蘭である。三人は場所を変える為に弾の祖父が経営している店で話をする為に移動、弾の祖父である厳と彼の母の蓮に挨拶をした。
「私は織斑一夏ですが記憶喪失で過去の事は全く覚えていません。しかし、この場で過去の自分に世話をして頂いた事にお礼申し上げます」
「一夏、随分と大きくなったなぁ~!」
「一夏君……心配したけど無事でよかったわ」
彼の挨拶に厳と蓮は安堵した後、蘭は一夏が通っているIS学園に入ろうかなと呟いた。一夏はそれを聞いて苦々しい表情を浮かべ、忠告をする為に口を開く。幸いにもこの日は定休日だったので他のお客様に聞かれる事は無い。
「ハッキリ言うが軽い気持ちでIS学園に入るな。俺がIS学園に入学した年に通っていた一年生の半数以上が他の学校に編入した。仮にISに乗っていたとしても死ぬ可能性はある上に下手をすればアンタが戦場に出る場合もある。最悪の場合、使い捨ての実験材料にされてそのまま命を落とす。
ここ最近じゃ、IS適性が高い人達が消息不明という噂もあるみたいだ。これらの事を踏まえた上でIS学園に入るか改めて問う……」
「えっ、それって……」
「俺が言った事を家族全員で考えて結論を出せ。ただ……出来る事ならISに関わらない進路を選ぶ事を願う。じゃあな」
彼は蘭にそう言い残して店を立ち去った。その日のうちに家族会議が開かれ、彼女は一夏から聞かされた使い捨ての実験材料になって死ぬ事に途方もない恐怖を抱き、IS学園の進学を断念。五反田一家も娘が実験材料として身体を弄られる光景を想像してそんな道を歩ませたく無いと考えたのだ。
蘭は嘗て記憶を失う前の一夏に好意を向けていたがその淡い恋心が薄れていた時だったので心理的なショックがそこまで大きくなかったのは不幸中の幸いである。
彼がこのような事を話した理由はラウラが実験動物として魔界の研究者達に目を付けられ、己の為だけにデータ取りの道具して使い捨てられた可能性が高いと考えたからだ。
IS適性が高い人達を中心に行方不明になっているのは恐らく奴等の研究材料して利用されている事があると彼は薄々感じていた。
(二学期が始まると同時に学園祭の準備……奴らが動くとすればその時期と見ていいだろう。奴らはどんな手を使うのかこればかりは分からない。俺の出来ることはこの身体を鍛えてその時に備えるしかない)
学園の寮に帰還した一夏はこの学園に何が起きるのか推測して自分が出来る事を考えた末に蜃気楼の杖で異空間を展開、そこで鍛錬を重ねる。
彼は山の修行で掴んだ境地を知る為に腰を深く落として深呼吸、右正拳突きを地面に撃ち込んだ。するとその衝撃により空間が大きく揺れ、白い地面に大きなクレーターが発生した。
「これが俺に秘められた力。しかし、この力を持ってしてもこの学園を守れるかどうか分からない……」
秘められた力を実感する一夏はそう呟く。しかしその推測は近いうちに現実のものになるとは誰も思わなかった……。
次は千冬視点でIS学園の状況を書きます。