異界の戦士は故郷の帰還を夢見て空を舞う   作:フラッシュファントム

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今回は代表決定と彼の専用機がお披露目されます。


代表決定と新たな専用機

  クラス代表が一夏、オルコットが副代表に決まった日にISを用いた実技が行われる事になる。

 

「これよりの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑は白式を返却しているから仕方ない。オルコット、試しに飛んでみろ」

 

 現在の彼は白式を倉持に返し、新たな専用機の製作を別の企業に頼んでいて専用機を所持していない。それ故にオルコットが目の前で実践する。千冬はこの件で少々、苛立った視線を一夏に送るが事の発端は彼女とその友人なので彼に落ち度はないので無視をした。

 一夏としてはISの格闘戦は達人を超えておりこの動きは無数の死闘を潜り抜けてきた経験が成せる技である。それ故に理論的な動きは素人に等しくその面では劣っているのは明らかだ。

 

(流石、代表候補生……。伊達に筆記や実技試験を乗り越えて来た所の力量は相応しいと言えるな)

 

 彼はそう思いながら分析するが後ろにいた箒が何故か鋭い眼差しで睨み付けるが無視した。その後、千冬は彼女に指定されたポイントで急降下して停止する芸当をやってみせた。幾ら戦闘経験のある一夏としても極めて難しい事であると舌を巻く。

 次にオルコットは千冬の指示でライフルを展開するがそこで構えずに展開しろと指摘され、近接武器の短剣(インターセプター)に至っては武装名を叫ばないと展開不可という失態を晒した。

 

「何秒かかっている、実戦でも相手を待たせるつもりか!?」

「じ……実戦では近接の間合いに入らせません!ですから問題ありませんわ!」

「ほう……。お前と戦った相手が初心者にも関わらず素手による攻撃でダメージを受けただけでなく、得意のライフルを奪われ、打撃武器として使われていたのは何処の誰かな?」

 

 彼女はオルコットが近付けさせないと言い訳するも初心者相手に素手で押された挙げ句、敵にライフルを奪われて打撃武器にされた痛い所を鋭く釘を刺して動揺させる。その事を突かれたオルコットは鋭い目付きで一夏を睨むが何処吹く風と謂わんばかりに彼は無視を貫いた。

 

「時間だな、今日の授業はここまで」

 

 千冬がそう告げると共に今日の実技を終えて生徒達は教室に戻った。その日の放課後、一夏は注文したIS企業が製作した専用機が搬入されたとの連絡を受けてアリーナの待機室にやって来た。

 

「私はISの開発と武装、製作を担当する企業【ローレシア】からやって来たロランと申します。この度は弊社に専用機の製作依頼をして頂き、誠にありがとうございます」

「私は織斑一夏と申します。先に申しますが織斑千冬と血縁関係では無いことはご了承頂きますと助かります。例の専用機は目の前にある機体で宜しいですか?」

 

 黒淵眼鏡をかけた黒髪の青年【ロラン】と名乗る男性が自己紹介をすると、一夏も自己紹介をした上で専用機の確認をすると問題は無いと答えた。

 彼がこれから使うIS(ラファールカスタム)は量産機である物とは異なり全体の色が黒鉄色で肩の形状が丸く、鎧の部分が意図的に削れられており、両手両足にある装甲の形が鋭くなっていた。これは格闘戦を中心とした一夏の要望に応じて特注した物である。

 これは白式の戦闘データを基に開発され、多数の武器を使う彼にとっては打ってつけの注文だ。白式は何故かどうやっても拡張領域が増えないので専用機を乗り換えた方が良いと判断した。

 

「これは貴方の要望を受けて開発したラファールカスタムです。機体を装着、ご注文の武装に間違いは無いか確認をお願いします」

「分かりました。直ぐに装着、確認を致します」

 

 ロランの指示に従った彼はラファールカスタムに装着、注文された武装を確認する。武装の内容は片手剣と円形の盾と槍、片手斧で使うトマホークと両手で持つ鉄のオノ等の原始的な武器で数少ない射撃武器はショートボウという弓である。

 因みにハンマーは先端に棘が付いたウォーハンマーで鉄の爪や玉鋼の棍、破壊の鉄球といった武器も注文書に記載されている。ローレシアは原始的な武器の製作に秀でているがここまで特殊な武器を用いる人物が存在する事に戸惑った。

 

「確認しましたが不備は無いです。専用機の書類に関しては学園で配布された物をそのまま使うので問題はありません。ありがとうございました」

「こちらこそありがとうございました。稼働データについては自動的に送信されますのでご心配はありません。今後とも弊社の取り引きをお願い申し上げます」

 

 彼は問題は無いと感謝の言葉を語る。それを聞いたロランは今後の取り引きをお願いしますと言い残して学園から立ち去った。

 

「さて……ラファールカスタムの性能を確かめるとするか!」

 

 貸し切り状態にしたアリーナから飛び出した彼は右手に剣、左手に盾を装備して一通りの動きを確かめて使い心地に問題は無いと判断。今度は拡張領域に納められた斧やハンマーを装備して何度も素振りして違和感が無いと確認した次にアリーナに表情されたターゲットを正確な弓で撃ち抜く。

 その次は複数の鎖で繋がれた鞭【チェーンクロス】を振って使い心地を確かめて問題が無いことを判断した。

 

「そろそろアリーナの閉館時間が迫って来ているみたいだ。残りの武器は模擬戦や実戦で使うとするか」

 

 ラファールを解除した一夏はそう呟いてアリーナを立ち去った。因みに彼が使用するISの待機状態は黒い腕輪である。その光景を見た何人かの生徒達は彼が使う武器の異質な部分やそれを巧みに使いこなす異常さに違和感を持つ。

 

「あんな原始的な武器を使いこなすなんて……凄い!」

「特に弓に至っては達人の領域に等しい程ですわ!」

 

 彼女達の感想を余所に一夏は自室に戻ろうとするが運悪く、箒と鉢合わせする羽目になった。

 

「一夏、今度こそお前に勝つから今すぐ道場に来い!」

「またお前か……。執念深いのも悪くは無いが何度やっても結果は変わらないぜ……。今度は俺も防具と竹刀を持ってやろう。対等な条件で何度も負ければ流石に納得するかもしれないからな」

 

 彼女の宣言に渋々応じて道場に赴いてまた剣道による試合が始まる。しかし一夏の忠告通り箒は何度も攻撃するも簡単にあしらわれ面や胴、籠手といったあらゆる部位に何度も攻撃を受けて負け続けた。

 箒は何度も立ち上って攻め続けるがどう足掻いても勝つ事はできない。

 

「ふぁっ~……まだやるつもりか?」

「まっ……まだだ!」

 

 欠伸をしながら彼は問い掛けると彼女は立ち上がり、試合を要求する。しかし今日は閉館時間であると告げた一夏は防具を一瞬で脱ぎその場を素早く後にした。呆然とする箒は何度も戦っても負ける事に歯痒い思いをするが、一向に答えが出ない事に悩むのであった。




 ラファールカスタム
一夏が多数の武器を使うという名目で新たに製作された専用機で近接攻撃を主体とするが弓や鉄球といった中距離での戦いに対応できる。

 武装

玉鋼の剣と玉鋼の盾(片手剣と盾)
トマホーク(片手斧)
鉄のオノ(両手斧)
ウォーハンマー(ハンマー)
鉄の爪
破壊の鉄球
玉鋼の棍
ショートボウ等

他の武器も随時、使う予定です。
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